まだ読み始めたばかりなのですが、第1章に興味深い論文が掲載されていたので、ちょっとメモってみたいと思います。
タイトルは、このブログの表題通りで、
です。
コモディティ化した製品やサービス(超成熟産業)であっても、
BOU(unit of business: 事業評価単位、弁護士であれば請求対象時間、消費材メーカ−であれば石鹸の個数、航空会社であれば輸送乗客数といった買い手と売り手が取引を交わす際の基準)
や
KPI(key performance indicator: 重要経営指標、法律事務所であれば請求の対象時間に占める実際請求時間の割合、従業員1人あたりの時間単価、単位売上高当たりの管理コストとか)
といったプロフィットドライバーを再定義することで、競争優位を確保したり、長期的成長が可能であると論じています。
事例としては、生コンクリート、再保険、液化ガス、シール材、借り換え住宅ローン、ロジスティクス、ソフトウェアといった十分に成熟しきった事業が挙げられています。
で、
この論文を読んで、コンキチが特に感銘を受けたのは、成長するためには、たとえ製造業でさえも、サービス業化が求められているということです。
a) 顧客抱えている問題(顧客ニーズ)を把握すし、顧客ニーズを満たす=顧客の抱えている問題を解決するサービス(ソリューション)を提供することで、他社との強烈な差別化を図ることができる。
b) 自社で造っているからという安直な理由で、自社製品を売りつけているだけでは「コモディティ」を脱することはできない。成長のためソリューションビジネスへの転換を図るのであれば、ある意味、製造業からサービス業への業態の転換とも言えるパラダイムの転換を経験することになる。
c) このようなパラダイムシフトは容易に実行することは難しく(反対とか絶対起こりそう)、参入障壁となる。
d) よって競争優位を築くことができる。
とコンキチは理解しました。つまり、成熟産業の成長戦略には、
が必要ということなのでしょう。
成熟産業であると思われる香料業界に身を置くコンキチとしては(但し、香料事業とは関係ないセクションで働いている)、以前のブログで書いた、BBA(IFFに吸収合併された)という香料会社の事例a)が想い起こされました(但しその事業がその後どう展開されているのかは知りません)。
a 香料の膨大なデータベースをインターネット上で顧客が利用することにより、ある程度の製品設計を顧客自身にやってもらう。サンンプルは顧客企業内に設置したFA機器(自動調合機)によって数分で作成される。微調整も迅速にできる。
ちょっとIFFのWeb Siteを除いてみたのですが、
が件のサービスなのかもしれません(コンキチは英語が苦手なので、よく分かりませんが)。
気が向いたらAnnual Reportでも読んで、件のビジネスの展開を調べてみようかと思います(多分やらないと思う。何故なら、英語はよくわからないから)。
以上、二流大出のなんちゃって研究員の雑感でした。
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