2011年12月17日土曜日

病院サロン化促進法案の崩壊

民主党は、医療機関の外来受診時の患者負担に100円を上乗せする受診時定額負担制度の導入を断念したらしいですね

とても残念です。なぜなら、これは国家レベルの壮大な社会実験だからです。

コンキチが以前読んだ「ヤバい経済学」にはこんな事例が紹介されています(see http://researcher-station.blogspot.com/2007/06/freakonomics.html)↓

親が午後4時に子供を迎えにこなければならないという決まりの保育園があり、親達はよく遅れてくると言う。そこで、10分以上遅れた場合は、その親には毎回3ドル(子供1人あたり)の罰金をとることにしたところ、週に8件の遅刻が20件に増えた。

この保育園の例は、罰金3ドルという安すぎプライシングにより、道徳的インセンティブ(ルール違反を侵しているという罪悪感)から経済的インセンティブ(ルール通り罰金というサービス料を支払っている)へとインセンティブの転移が起こったことが原因と思われます。

で、これと同じ現象が受診時定額負担制度(100円上乗せ)なのだとコンキチは考えます。近年、老人による病院のサロン化が社会問題として指摘されたりもしていますいが、100円上乗せでこの現象が助長されることをコンキチは予測していました。同法案が施行されれば、この推測が例証されるチャンスと思って、(民主党政権下で唯一)期待していたのですが、非常に残念です。

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