「Harvard Business Review 2007年2月号」を読んでみました。特集は「戦略論の原点」ということで、
マイケル E. ポーター
ヘンリー・ミンツバーグ
H. イゴール・アンゾフ
大前研一
アルフレッド D. チャンドラー
C. K. プラハッット & ゲイリー・ハメル
といった経営学の巨匠(と言われる人)達の(過去の)論文が掲載されています。
コンキチの個人的な感想ですが、ポーター教授の論文の切れ味鋭い分析力が一際光っていたと思いました。掲載されていたポーター教授の2論文は、それぞれ、「競争の戦略」と「競争優位の戦略」の中の一章で、上記2冊を未だ未読のコンキチにはいい足慣らしになりました(特に「競争の戦略」は購入済みだがまだ手をつけていない)。
特に「競争の戦略」の第1章である「5つの要因が競争を支配する」というタイトルの論文は、有名なファイブ・フォース・モデルの解説ですね。
5つの競争要因とは↓
1) 新規参入の脅威
新規参入者を撃退できるかは、参入障壁の高さに依存し、
(1) 規模の経済(大掛かりな参入、コスト面での不利の我慢)
(2) ブランド(広告宣伝、顧客サービス、業界No. 1のポジション、製品の差別化)
(3) 資金ニーズ(巨額な投資)
(4) コスト面の不利(額主曲線、経験曲線、独占的技術、etc.)
(5) 流通チャネルへのアクセス
(6) 政府の政策(規制)
といった参入障壁があると述べられています。
2) サプライヤーの交渉力
(1) 少数のサプライヤーが供給を支配
(2) スイッチングコスト
(3) 競合する製品の有無
(4) 川下統合の可能性
(5) 顧客の重要性
3) 顧客の交渉力
(1) 顧客数。購入量。
(2) コモディティ製品かスペシャリティ製品か
(3) 顧客の価格感度(顧客企業の製品中に占めるコストの割合)
(4) 顧客企業製品に与えるインパクト
(5) 川下統合の可能性
(6) 消費者の購買意思決定に影響を及ぼせるか?
4) 代替製品や代替サービスの脅威
(1) コスト・パフォーマンス大の代替製品
(2) 収益性の高い産業が生産している
5) 産業内のポジション争い
競合企業同士の競争で、価格競争、新製品の上市、宣伝といった戦術でポジションが争われる。
(1) ライバルの多さ
(2) 産業の成長率が低い→シェア争い
(3) コモディティ産業(スイッチング・コストを上昇させることができない)
(4) 固定費が高い、製品が陳腐化しやすい→価格引下げのインセンティブが生じやすい。
(5) 生産能力が大規模に増強される→産業内の需給バランスを崩す
(6) 撤退障壁が高い→健全な競合企業の収益性も落ちる
etc.
です。
このファイブ・フォース・モデルは企業のビジネスモデルを分析するのに強力なパワーを発揮すると思います。
あと、買ったけどまだ手つかずの「競争の戦略」も早々に読了したいです。
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2007年9月17日月曜日
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