先日、週間東洋経済(2007 12/15増大号)を読んでいたら、行動経済学に関する特集記事が組まれていていました。で、その中の一記事に「利他主義」は得をするというのが有りました(北大大学院の教授が担当)。古来から伝わる「情けは人の為ならず」っていうやつです。
記事の内容ですが、「人間は必ず合理的で利己主義的な行動をとる」という経済学の前提が誤りであり(っていうか、株式市場の短かいスパンでの乱高下が、投資家は必ずしも合理的でないということをとうの昔に例証していると思うが.....)、人間は利他的な行動をたくさんとるという反証がたくさんでてきたそうで、利他的な人にだけ利他的に行動する「選択的利他性」を、ある割合以上の人々が持っている限り、利他主義者の利益は利己主義者の利益を上回ることがよく知られているそうです。
まあ、短絡的・短期的利益に基づいた自己の利益のみをベースに行動することは、社会システムが許しませんがね。
(例えば、金が欲しいからといって窃盗とかしてばれると、お巡りさんに捕まえられる。あと、面倒くさいからといってコミュニティーの決まりに従わす、調子こきすぎると村八分とか、場合によっては提訴されたりするかも。)
人生を長期に渡って謳歌しようと思ったら、ある程度は周囲と足並みを揃えなければならないということは、感覚的に納得するところではあります。自他共栄ってやつですね。
逆に完全に利他的というのも現実的ではないような気がします。誰しも自我(欲望)があると思いますからね。
故に、人は利他主義と利己主義のバランスをとって、時にはトレードオフの選択をして生きているのでしょう。
さて、ここで利他主義と利己主義を会社生活にてはめてみたいと思います。一般的な会社員は自分の他に先輩社員(上司)、同輩社員、後輩社員がいることと思います。さらに、各カテゴリーの社員には「良い(つかえる)社員」と「悪い(つかえない)社員」がいるはずです。で、コンキチの感触では、これらの社員ミックスに対して以下の様に接するのが良いのではないかと思っています↓
a) 良い(つかえる)先輩社員
希有な存在ですが、もし見つけたら積極的に利他主義光線を発して、濃密にコミュニケイトすべきでしょう。
b) 悪い(つかえない)先輩社員
けっこう繁殖しており、ついでに厄介な存在でもあると思います。コンキチの場合、彼等に対しては徹底的の利己主義を貫きます。自分の利益を守るというのが基本と思います。組織内での利害関係が強い場合は、「さかわらす いつもニコニコ 従わず」的スタンスで接するのがベターかと思います。積極的にけんかを仕掛けるのは得策ではないと思います。むしろ、所詮上司も組織の一歯車なんだから、慇懃のちょっとだけ困らせてやろう的な気構えが良いのではないかと思いますね(コンキチはそうしています)。それから利害関係が比較的希薄な先輩社員に対しては、「(必要最低限のやりとり以外は)無視」と「慇懃無礼」をタイプによって使い分けるのがよいと思います。より具体的には、傍若無人タイプには「無視」で、普通タイプには気分に応じて「無視」&「慇懃無礼」が良いと思います(傍若無人に慇懃無礼やったら火に油注いじゃいそうですからね)。まあ一言で言うと、こういうタイプには心を滅すということでしょうか。機械的に対応するということです。バカな上司や先輩にまともに対応することくらいアホくさいことはないということを、コンキチは社会に出て学びました。それから、情けを与えても(利他的に接しても)、情けの見返りが全く期待できない人間にあいもかわらず情けを与え続けるのは、労力と時間の無駄でしかありません。フリーライダーを懲らしめるのは当然のことです。
c) 同輩社員
密かに、コンキチは同輩とのつきあいが苦手ですね。っていうかより具体的には「同期のよしみ」っていうのが苦手です。なんでたまたま入社時期が偶然一緒だっただけなのに、「同期のさくら」とか「同期のよしみ」的雰囲気が勝手に醸成されるのが嫌です。あまり深入りしてトラブルに巻き込まれたときに、人情に訴えかけられると嫌なので、つかず離れずのスタンスで付き合うのがベターかと個人的に思っています。正直言って、コンキチは、入社したのが一緒だっただけの人間を友達とは考えていませんね。ドライなようかも知れないけれど、なにかしらの共有体験がある訳でもないし。当然、うわべの良さは必要かつ重要と思いますが。
d) 後輩社員
つかえるつかえないに関わらず、先輩は後輩を育成する立場なので積極的にコミットし、社内のリソースも出来る限り優先して融通してやるできと思います。後輩に対しては完全利他主義で接するべきでしょう。先輩に利己的に接せられたら、きっと彼等彼女らも利己的になるんじゃないかなあ。あと、後輩に対して利己的だと、はっきり言って弱いものいじめだから。それは美しい生き方じゃないよね。
以上がコンキチ流「利他主義と利己主義の使い分け」ですね。
利他主義には利他主義を。
利己主義には利己主義を。
と言ったところでしょうか(ハンムラビ法典みたいですが)。その方が精神衛生上もいいと思います。利他主義に対して利己主義で返したら相手にされなくなるし(コンキチならそうする)、(筋金入りの)利己主義に利他主義っで答えたら、こっちの精神が疲弊します(精神科に行かないといけなくなるかも)。
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2007年12月24日月曜日
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