1年以上前に上梓された本で、後れ馳せ感いっぱいですが、「マッチポンプ売りの少女 ~童話が教える本当に怖いお金のこと~」を読了しました。
【マッチポンプ】和製語。マッチで火をつける一方。ポンプで消火する意。意図的に自分で問題を起こしておいて自分でもみ消すこと。またそうして不当な利益を得る人のこと。例) 政治家の発言、医局の教授選挙、テレビの評論家のコメントなど。ひと言で言えば、この世の中。
この本は、「ヘッテルとフエーテル 本当に残酷なマネー版グリム童話」(see http://researcher-station.blogspot.jp/2009/12/blog-post_19.html)の続編にあたり、世の中の悪意に満ちた作為を紹介しています。まあ、知ってる人は知っているという内容ですが、世の中のマッチポンプがコンパクトにまとまっていて良いと思いました。
本書で紹介されている9つのマッチポンプのうち、面白いと思ったもののメモ↓
(参考→http://www.cyzo.com/2011/07/post_8026.html)
1) グーグル八分
グーグルは「邪悪にならないこと」を社是に掲げているが、悪徳業者がグーグルにクレームを出したら、悪徳業者告発サイトが検索結果に出なくなったというお話(株式会社ウェディング vs. 悪徳商法?マニアックス, 迷惑メール(spam)撲滅私的調査会)。それから、ルーピー鳩山の検索結果が数日で激減したり、初音ミクの画像が検索結果に出なくなったといった事例もあったとか。
また、迷惑メール(spam)撲滅私的調査会の件は、Gmailが迷惑メールの自動削除をウリにしていて、迷惑メールがないと売上げが減っちゃうからという噂を指摘しています。
cf.
http://www.geocities.co.jp/HeartLand/1068/b/purge_from_google.html
http://d.hatena.ne.jp/essa/20061229/p1
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4861671469/hatena-gd-22/ref=nosim
http://matome.info/HatsuneMikuImageSearch/
2) 水嶋ヒロ
水嶋ヒロのポプラ社小説大賞受賞が完璧な出来レースだったという疑惑を指摘。ちなみに、ボク的には全然興味なかったので「KAGEROU」は未読なんですが、状況証拠が凄すぎだそうです↓
a) 受賞から出版までがチョー早い。大賞とってから2週間ちょっとで出版日決定とかはマジありえないらしいです(校閲、装丁デザイン、印刷もろもろの作業が早すぎる)。
b) 選考委員は全員ポプラ社社員。プロ作家や外部者は皆無。
c) 大賞決定から本人と直接会うまで、芸能人の水嶋ヒロだと気付かなかったっていうにはマジありえないらしいです(応募書類に本名、略歴は求められる。空白だった言うけど、仮にも大賞候補だったら調べろっつーのだとか)。
d) 去年まで最終選考に残った人は呼び出されて契約書にサインを求められたのに、今年だけ行わなかった(ポプラ社は二重投稿された過去があるらしいです)
e) 次回以降の賞金が200万に減額
f) 作家とは思えない水嶋ヒロ語録:
「ポプラ社の皆様が、1日でも早い発売にこぎつくよう右往左往して下さっているようです」
「10人の役者がいたら、10通りの表現があるように、人生は十人十色。」
etc.
g) ポプラ社専務曰く「彼の作品を一番強く推したのは、最終決定権を持っている社長でした。
私も読んでみて、最終選考に残った7作品のなかではテーマ、作品ともに優れており、グイグイ読ませるなと思いました。
ただ、完全に完成されているとは言い難く、書き出しはいいのですが、後半部分は改稿が必要です。
そのためポプラ文庫の編集長と30代の敏腕の女性編集者というウチのエース2人を付けて、缶詰状態で手直しを始めたところです」(週刊文春)
cf.
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%97%E3%83%A9%E7%A4%BE%E5%B0%8F%E8%AA%AC%E5%A4%A7%E8%B3%9E
http://www.excite.co.jp/News/entertainment_g/20101220/Postseven_8691.html
3) 流行はつくられている
a) 「奥様は魔女」は外国生活に憧れるように仕向けた宣伝=テレビ、洗濯機、電子レンジ、車、クーラがある生活はfeel so good
b) 電通が数百億の宣伝費を韓国からもらって、テレビ局、スポーツ紙、出版社(女性誌)などに韓流ブームという名の韓国マンセープロパガンダ放送をさせたりした
c) フジテレビはK-POPの著作権を持ってる→KARAをゴリ推し(噂)
d) 笑っていいとも→全世代の好きな鍋一位が「キムチ鍋」とかありえない結果を平然と流す
cf.
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1598317.html
これってあれだね、ボクが以前読んだ「僕は君たちに武器を配りたい」に書いてあった、「女子会」とか「学問のすゝめ」の話とかに似てるね(http://researcher-station.blogspot.jp/2012/04/blog-post.html)。あと最近では、参鶏湯のステマがあったよね♥
4) 助けてアグネス【偽善団体】日本ユニセフ
日本ユニセフは民間財団法人で、国際連合児童基金(ユニセフ)の東京事務所とただ協力関係を結んでいるだけ。その強力関係をもとに寄付金を集め、それを自由に日本ユニセフの家賃、活動費として使うことができるんだとか。
具体的には、日本ユニセフ協会は、2008年、18.3億円の寄付金のうち、157億円がユニセフ本部へ、残り26.6億円が活動費として使われていると本書に書いてあります(cf. http://www.unicef.or.jp/about_unicef/about_jigyoh.html)。
あと、ユニセフ親善大使の黒柳徹子は、日本ユニセフ協会から日本ユニセフ協会経由で募金して欲しいと言われたとき、「募金は1円も無駄にしないで現地に届けたい」と断ったそうです(送金手数料は自分で負担)。
さらに、阪神淡路大震災のときの寄付金が海外支援に使われていたことがうっかるバレちゃったしね(1964年以降に本へは援助していないと発表)。
cf.
http://news109.com/archives/2926750.html
とまあこんな具合に、社会における「目立たずに搾取する」システムがコンパクトにまとまとめられていて良書と思いました。
日本ユニセフ協会大使のアグネスみたいに、豪邸に住んでウハウハしたいなあと思う、二流大出のなんちゃって研究員の読書感想でした。
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2012年12月16日日曜日
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