で、その番組で紹介されていたイタリアン•レストランに無性にそそられたので行ってきました。
-遊食伊太利庵 丁字屋栄 memo-
-モレッティ BIRRA MORETI (500 JPY)-
-RATING- ★★☆☆☆
-REVIEW-
light typeのビール。穀物系様の香味がするも、かなり淡いというか薄い。良く言えばスッキリ。どうってことのない味。
-DATA-
原材料/ 麦芽、ホップ、とうもろこし
アルコール分/ 4.6%
原産国名/ イタリア
-Bランチ (1,680 JPY)-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
アンティパストミスト、パスタ、自家製パン、コーヒーのセット。
アンティパストミストは普通に美味しい(★★★)
パスタは選択制で、「本日シェフのオススメパスタ=ホタルイカとルッコラのアーリオオーリオトマトソース」をセレクト。パスタは平打ちで食感がツルツルモチモチで楽しい。ホタルイカは大振りで柔らかく、弾力があって滋味豊か。肝のくさみが適度にあって、fresh感とのバランスの良さを感じる。トマトのプチプチした感触も残っていて、トマトのfresh % Juicyとルッコラのherbalのハーモニーが良い。(個人的に、具にホタルイカを使うなんて挑戦的と思った)(★★★★☆)
自家製パンは2個いただける。ボクが選んだのは、ベーコンパンと明太子パンをチョイス。あと、食パンをいやしい目で見つめていたら、食パンをサービスしてくれた。いろんな種類のパンが入ったバスケットの中から所望するパンを選ぶと、パンを温めて持ってきてくれてけっこう美味しい。で、凄く秀逸だったのが自家製(藤右ェ門オリジナル)のアンチョビバター。バジルの香味とアンチョビの塩魚くさい香味の詰まったこのバターが絶品。食パンをセレクトして、このオリジナルバターを堪能するのがオススメ(★★★★★)
古民家を改装した店舗は、シックで落ち着いたレトロな雰囲気を感じさせてくれて落ち着きます(まさに大正浪漫と勝手に思う)。
ちなみに、アンチョビバターは隣のベーカリー蔵日和で売ってます。
閑話休題
こんな文献を読んでみました↓
PhenoFluorMix: Practical Chemoselective Deoxyfluorination of Phenols
Org. Lett., 2015, 17, 544-547.
しつこく、Tobias Ritter教授のグループの報告で、脱酸素的フッ素化の話です。
Ritter教授によって開発されたPhenoFlourは高活性、高選択性、高い官能基許容性を示す優れたフッ素化剤ですが、水の存在下で極めて加水分解し易く、そこが最大の弱点となっています。使ったことはないけど、はっきり言って相当水分(湿気)に弱そうです。
この水分(湿気)に弱いという惰弱な性質をRitter教授もけっこう気にしているのか、買うし分解対策のimprovementを報告しましたが(PhenoFluor: Practical Synthesis, New Formulation, and Deoxyfluorination of Heteroaromatics Org. Process Res. Dev., 2014, 18, 1041-1044. see http://researcher-station.blogspot.jp/2015/05/phenofluor-3-is-phenofluor-practical.html)、今回の報告はもうちょっと画期的なimprovementで、水に対して安定なPhenoFluorMixという試薬を開発しました。
PhenoFluorMixは、N,N'-1,3-bis(2,6-diidopropylphenyl)chloroimidazolium chlorideとCsFの1:2 (by weight)混合物(モル比換算で1:6)で、N,N'-1,3-bis(2,6-diidopropylphenyl)chloroimidazolium chlorideとCsFをバイアル中でよくシェイクして調製します。
本報で報告されている反応はフェノール類の脱酸素的フッ素化で、反応自体は相変わらず禁水条件が必要ですが、試薬自体は水に対して安定で、湿気っても反応に処する前にしっかり乾燥させてやれば無問題なフッ素化剤に仕上がっています(PhenoFluorMixは加水分解されない)。
水分に対する安定性から、PhenoFluorMixはデカグラムスケールで調製可能(まあ、よく混ぜるだけなんだけど)で、Sigma-Aldrichから市販もされています(cat. no. 797537)。大気中に放って置いても、少なくとも4ヶ月は分解は見られません。
23 examples, up to 99% yield
この報告で、Ritter教授のグループが先に報告しているJACS (J. Am. Chem. Soc., 2011, 133, 11482.)とOPRD (Org. Process. Res. Dev., 2014, 18, 1041.)でPhenoFluorを使って試している基質と比較可能なものはこちら(反応溶媒は全てトルエン)↓
基質に対して、PhenoFluorは1.2 eq.の使用で、PhenoFluorMixはN,N'-1,3-bis(2,6-diidopropylphenyl)chloroimidazolium chlorideベースで1.5 eq. の使用です。
まあ、信頼性なども考慮すると、ざっくりPhenoFluorMixでいいのかなという気がします(初出の2011年のJACSではPhenoFluorは短時間なら空気中で取り扱いオッケーって書いてあったけど、本報だとグローブ•ボックス使えって書いてあって、使い勝手が格下げされてるし)。
それから、ちょっと面白いのが、Ritter教授等はPhenoFluorMixを用いた反応はPhenoFluorを経由しておらず、PhenoFluorの単なるin situバージョンではないかもと考えていることです。この辺りは、今後のさらなる研究成果を待ちたいところです。
販売元のアルドは"使いやすくなった脱酸素的フッ素化剤"として売り出してるだけあって、実際かなり使い勝手は向上していると思いますが(http://www.sigmaaldrich.com/japan/chemistry/chemical-synthesis/technology-spotlights/phenofluor_mix.html)、250 mgで2万円(計算が間違ってなければca. 11万円/mmolだと思うんだけど)はぶっ飛んでるよね(http://www.sigmaaldrich.com/catalog/product/aldrich/797537?lang=ja®ion=JP)。
以上、国内二流大出のテクニシャン(研究補助員)のフッ素化剤メモでした。
PhenoFluorMix。いいフッ素化剤です
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