2020年5月2日土曜日

CatalyticにMitsunobu:その光延、Perfect Catalysis (そしてRedox-neutralへ)

苦手な新宿で初夏に一杯やったときのメモです。

-愛酒家 ぼるが  memo-
住所:新宿区西新宿1-4-18

-お通し (no charge)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
キャベツと胡瓜の浅漬け。これ、物凄く旨い。漬かり方が絶妙の塩梅で、酒の肴に最高。







-にごり酒 (増税前で700 JPY)-
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
(多分)ウィスキーグラス(オールド・ファションド)に入って常温で提供される(この発想はなかった)。甘めで普通に美味しいです。






-やきとり5本 (増税前で500 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
多分、ハツ、シロ、カシラ、レバー、皮なんじゃないかなと思う。塩かタレが選べて、「塩」をセレクト。
ハツはキュキュッとしたフレッシュな食感と味。シロは何とも言えない食感がクセになりそうな驚きの旨さ。カシラはキメ細かい肉質で心地よい弾力がある最高の食感で、ややソリッドな旨味が詰まっている。レバーもフレッシュで堪らない旨さ。そして、皮もベーシックに美味くて、非の打ち所がない(こんなに嫌味のない皮ははじめてかも)。
5本全てがハイ・グレードな旨さ、。

-黒生ビール (増税前で500 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
カラメルとロースト感リッチ。しっかりボディーで旨い。

このお店は昭和24年創業で、新宿西口の最古参(らしいです)。先代が山好きで、店内は山小屋の雰囲気で、山里で採れる食材を多く取り入れたメニューなんだとか(らしいです)。

店内の様子を(部分的に)ご覧ください↓

蛇口からは普通にお水が出ました。あと、暖簾の奥の焼き場のあるお勝手から伝わってくる熱気が尋常じゃないです(灰がヒラヒラとカウンターに舞ってくるし)。あと、年季の入ったピンク電話もあって、昭和レトロ感満載です。


閑話休題


ども、前々回からの

Redox-neutral organocatalytic Mitsunobu reactions
Science2019365, 910-914.

のメモの続きです。

前々回→http://researcher-station.blogspot.com/2020/05/catalyticmitsunobuperfect-catalysis_2.html
前回→http://researcher-station.blogspot.com/2020/05/catalyticmitsunobuperfect-catalysis_6.html

これまでは前振り(イントロ部分)のメモでしたが、今回(最終回)は本論をメモします。
(もろぴー先生のブログで詳細がレポートされてますが、敢えてボクもメモしていきます
see https://moro-chemistry.org/archives/2815 ロゴのフォントがホント好きです)

前回のメモ(see http://researcher-station.blogspot.com/2020/05/catalyticmitsunobuperfect-catalysis_6.html)で光延反応の触媒化の研究をざっくり概観しましたが、それらの手法はいずれもRedox Recyclingに基づいた触媒化です。ホスフィンやアゾ化合物を触媒で回すわけですが、それらの再還元と再酸化に化学量論量の試薬を必要とするので、完全無欠の触媒反応とは言えません。

Catalytic Mitsunobu reactions based on redox recycling

そんなincompleteなcatalysisをPerfectに仕上げたのが本報です↓

This work : redox-free catalytic Mitsunobu inversion

DADは使ってないけど、(推定)メカニズム的には光延反応でいいんじゃないでしょうか?そして、使用する試薬の数と量が減るので地味に仕込むときのハンドリングが捗ります。但し、加熱して水を共沸脱水で取り除くのが必須。ホスフィン触媒はbench-stableでクロマトなしにマルチグラムスケールで合成できます。


基質一般性です↓
C-O bond formation

いい感じの反転率ですが、キレキレではないようです。

C-N bond formation & C-S bond formation

Stereoinversion with only a solvent exchange between the steps
Active pharmaceutical ingredient synthesis

Ether synthesis

あと、触媒の構造活性相関です↓

やはり水酸基の役割が重要で、環状のオキソホスホニウム塩形成の重要性が示唆されます。

最後にこの触媒を使った光延反応の(多分最大の)ポイントですが、反応の進行には、pronucleophileが安息香酸(pKa(H2O)=4.2)では酸性度が足りなくて、4-ニトロ安息香酸(pKa=3.4)程度の酸性度が必要となります(でも収率低い)。2-ニトロ体くらいから実用に耐えれる感じになってきて、ジニトロ安息香酸(pKa=1.4)くらいになると、もうイケイケです。

それにつけても、触媒をシンプルにうまくデザインしたなと感心します(っていうか、オレより何十倍も頭いいから当然か)。古典的な光延反応だと水をDADとホスフィンに分配して取り除いてるけど、共沸脱水で取り除くっていうアイデアも好きです。そのために加熱が必要になっちゃうんですが、モレシーとかの乾燥剤いれたら室温でも反応進行しちゃうんですかね?誰か試した人がいたら教えてください(選択性ももっと上がるかもしれないし)。

それから光延反応のDAD系試薬って沢山報告されてるけど、それらの立体特異性って常にパーフェクトってわけじゃないですよね。基質と試薬毎に選択性をまとめた表てないんですかね?(もの凄い地味な作業だけど)

以上、(国内)二流大出のテクニシャン(研究補助員)のしつこい光延反応メモでした。
(オレの学生時代のボスって、光延先生とご学友だったんだよね)


0 件のコメント:

コメントを投稿