まず、一軒目。駅近のお弁当やさんです。
-吟米亭 浜屋 memo-
住所:木更津市富士見1-10-24
http://5han.co.jp
-あさり飯 (増税前で895 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
蓋を開けると、たっぷりのたけのこ煮のスライスと、そこそこの量のあさりの時雨煮で覆われた炊き込みご飯が目に入る。あと、海苔も少々まぶしてある。
たけのこはの食感は歯切れよく、あっさりした味付けで旨い。あさりは弾力に富み、その独特の滋味深い香味がたっぷりで、さらに濃いめの甘辛い味付けが重ねられた重層的な味わい。生姜の香味付けは軽微で、あさりの味を損なわないほどよい薬味感がよいです。
そして、ご飯がとっても美味しい。ふっくらと炊き上がっていて、外郭をしっかりと感じ取れる食感。味付け薄めなので食べ飽きすることなく最後まで美味しくいただけます。
で、炊き込みご飯の醍醐味っていったら、ご飯と具をまとめて掻き込むことによって生じる食材のハーモニーなわけで、たけのこ、あさり、海苔、ご飯の融合は最高でした!
しゃっきりとしたたけのこの食感とあさりの弾力、濃い味のあさりと薄味のご飯といったコントラストが楽しく、海苔の香味がトータルな味わいに奥行きを与えます。
おかずのレンコンの挟み揚げ、さくらんぼ、柴漬けは普通な感じだけど、箸休めに良いです。
かなり満足のいく仕上がりのお弁当なので、木更津に行ったらまた食べたいです。
もう一軒はこちら↓
-宝家 memo-
創業明治30年の老舗。元女優の鈴木希依子さんが若女将を務めます。
住所:木更津市中央2-3-4
http://takaraya.awk.jp
-お通し (350 JPY+tax)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
嶺岡豆腐です。とろみのついた出汁醤油に浸っていて、本山葵とクコの実(を戻したもの)を戴いています。
嶺岡豆腐はねっとりしっとりした食感で舌に吸い付くようなキメ細かい質感で、チーズケーキのような味わいでもの凄く旨い!真剣(マジ)、異次元に旨い!
-日本酒 一合 (冷) (680 JPY+tax)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
温度は雪冷え(ca. 5˚C)程度。辛口を想わせる力強い香り。その匂いとは裏腹にふんわりとした甘さの柔らかい酒質で、嫌味なところが全くない。かなり旨いね。
-あさりの酒蒸し (800 JPY+tax)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
これは旨い!!!あさりは心地よい弾力に富み、シンプルに自然な滋味深い味。全く嫌味なところが無くって、上品な仕上がり。
ツユは、トップにあさり独特のフレーバーがきて、その後に上品で澄み切ったお出汁の味が染み渡ります。あさりの上に載っている水菜のフレッシュ感は薬味として上手く働いていると思う。葱はちょっと味がキツイ。
総じて、絶品の酒蒸しに仕上がっていると思いました。
-勝山港直送!桜鯛の昆布締め (1,000 JPY+tax)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
お造りの表面はしっとり滑らか。力強い淡白な味で、透明感のある旨味が深い(昆布で締めて旨味成分アップか?)。
お塩でいただくのも悪くないけど、キリッと締まった辛めのお醤油で合わせた方が味の輪郭がくっきり出る。
薬味は本山葵だと思うけど、山葵なしで食べた方が旨いと思う(山葵は酒のツマミに)。
-ザ・プレミアム・モルツ 瓶 (700 JPY+tax)-
中瓶です。
-あさりのかき揚げ (950 JPY+tax)-
-RATING- ★☆☆☆☆
-REVIEW-
ポッテリした見た目のかき揚げで、見た目通りあまりカラッと揚がっていない。内部は一部衣がネチョネチョしていて美味くない。タネは玉葱、人参、葱にあさり。玉葱はフレッシュ(fresh)かつスイート(sweet)で旨かったけど、あとは全然ダメ。肝心のあさりは量が少なく、その良さが完全に消されている。あさりを油で揚げる意味が全く見出せない一品。
何故かあさりのかき揚げは最低でしたが(たまたま?)、それ以外はハイ・クオリティーでした。接客も良かったし、また行きたいです。
閑話休題
過去に幾つか光延反応についてメモしてきましたが、またしつこく光延反応のメモです。
しかも、最近新着論文ウォッチを怠けているので、また「たゆたえども沈まず」さんの"2019年論文オブザイヤー改め2019年論文を振り返る話"からネタを拝借させていただきました。
というころで、今回読んだ論文はこちら↓
Redox-neutral organocatalytic Mitsunobu reactions
Science, 2019, 365, 910-914.
触媒的光延反応のお話です。しかも、Perfect Catalysisです。
まず本題の光延反応に入る前にイントロ部分に書いてあった、アルコールを求電子剤に見立てた求核置換反応について、比較的最近の研究成果をフィーチャー(メモ)してみます。
I まずは、ラセミ体の二級アリルアルコールとラセミ体のアルデヒドから、ステレオダイバージェントに四つのジアステレオマーをつくり分けるという画期的な報告↓
Stereodivergent dual-catalytic α-alkylation of aldehydes
Science, 2013, 340, 1065-1068.
なかなか壮観です。アルコールはIr(L)とπ-アリル錯体を形成、アルデヒドはアミン(A2, A3)とシッフ塩基を形成し、そこから不斉中心を構築します。他44 examplesで、基質一般性が高そうです。
II それから"borrowing hydrogen" strategyを使ったN-アルキル化。コンセプトはこんな感じ↓
Science, 2010, 329, 635-636.
アルコールを酸化して一旦アルデヒドに誘導した後、アミンとのシッフ塩基形成させ、最後に還元(還元的アミノ化)するという一連の反応を触媒的に一気に敢行します。Hydrogen neutralでバイプロがお水(H2O)だけというのがウリです。それでは、実例を二つ↓
(1) Ruが触媒する"borrowing hydrogen" strategyで、80 examples以上の大作です。
J. Am. Chem. Soc., 2009, 131, 1766-1774.
ざっくりした反応の特徴としては、a) 立体障害に弱めな感じ
b) 1級アミンのアルキル化では、3級アミンへのオーバーアルキレーションはかなりの程度抑制される
c) アミノ基が置換している不斉炭素の立体化学は保持(retention)される(A, B)
d) アルコールが一旦酸化されるメカニズムなので、水酸基の置換している不斉炭素の立体化学は完全に消失する(C)。Dはreversible oxidationが起こっている。
e) Eは中間体のアルデヒドもしくはイミンのエノール化が起こっている。
f) N,N-ジメチルエタノールアミンを用いた反応ではイミン交換反応(transimination)も起こるので注意。
(2) 安価な鉄を使った"borrowing hydrogen" strategyです。
Nat. Commun., 2014, 5, 5602.
26 examples
アニリンのアルキル化では、アニリンに置換している官能基の種類や置換位置によって反応性が大きく異なります。例えば、
i) 置換位置は、ortho > meta > paraの順で反応性が高い
ii) アニリンに電子吸引性置換基があると反応性が乏しくなる
iii) p-置換ハトゲン化アニリンの反応性は、F > Cl〜Br > Iの順
iv) モレキュラシーブスの添加が反応性の向上に有効
v) メタノールではうまくいかない
です。それから、アニリン誘導体の場合、三級アミンはできません。
それから脂肪族アミンのアルキル化はこんな感じ↓
III 二級および三級アルコールをそのまま求電子剤として使って、スルホンアミドで立体特異的に置換するという反応↓
Angw. Chem. Int. Ed., 2019, 58, 1727-1731.
まずは分子間反応で試しています↓
12 examples, 33->99%
このうち一例だけ光学活性アルコールを試しているんだけど、その立体化学は残念な結果↓
分子間反応では全然ダメな選択性も二級アルコールの分子内反応であれば良好です。光学純度がピカピカな基質ばかりを調達できたわけではないので、選択性はenantiospecificity(es)で表されています。
三級アルコールでは選択性がイマイチ。特に電子吸引性置換基が入ると、収率、esともに低下します。
9 examples, 27-72% yield, 54-89%es
DFT計算の結果から、Fe(SbF6)3が活性種のようです。
IV アルコールを立体反転させたメシラートの触媒的合成法
Org. Lett., 2013, 15, 38-41.
15 examples
反応溶媒はクロロホルム。ジフェニルシクロプロペノン (8)が触媒量だと、良好な選択性を出すためには18時間に渡るスローアディションが必要です。15例。立体反転率は85-98%で、おおむね94%超といったところ。。
ここまでが、非光延な反応のイントロ紹介メモです。鋭意研究が進められていろんなことが出来るようになったんだなと思いますが、秀でた立体特異性やO-アルキル化といった光延反応のケミストリーの魅力は十分に具現化できていません。やっぱ、光延反応を超えるのは光延反応。すなわち、光延反応の触媒化しかないということで、次回「Catalysisへの道」に続きます.....
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