前回のブログで松下(現パナソニック)の不祥事対応をメモりました。リコール修理後に1人の中毒者がでるまで後手に廻る対応だった松下ですが、その後はスーパーマジモードに突入し、徹底した物量作戦で信頼回復を果たします。世論は松下の取り組みを好意的に受け止め、さすが天下の松下!企業理念が違うね!!なんて思った人も多いかと思いますが(少なくともコンキチはそう思った)、実はモデルケースが存在していて、っその情報を松下の幹部は仕入れていたのです。
で、そのモデルケースというのは、ジョンソン・アンド・ジョンソンのタイレノール事件です。
タイレノール事件:
1982年9月に、ジョンソン・アンド・ジョンソン社が製造・販売していたタイレノール(Tylenol, 解熱鎮痛薬)に第三者が(店頭または流通過程で)青酸カリを混入し、シカゴ地域で8人の死者を出した事件。
ジョンソン・アンド・ジョンソの対応↓
a) 市中に出回っていた1億5000万ドル分のタイレノールを即座に回収した。
b) 衛星放送を使った30都市にわたる同時放送、専用フリーダイアルの設置、新聞の一面広告、TV放映といったマスコミを通じた積極的な情報公開を実施
c) 異物混入を防ぐために新パッケージを開発(3層密閉構造:外箱の折り蓋はすべて糊付け密閉、ボトルのキャップは強いプラスチックのバンドでネック部に密着、ボトルの入り口を強固な内部のファイルが密封)
(この後、1986年に2度目のタイレノール事件が発生し、後、異物混入を防ぐ更なる強化策として、剤型を“カプセル”からカプセルのように見せた“錠剤”(ジェルキャップ)としたそうです)
結果
a) 1年後、事件発生前以上の市場占有率
b) ブランドイメージの向上
c) 企業姿勢が高く評価された
はっきり言って、松下の対処は完璧にジョンソン・アンド・ジョンソンのパクリですね。
ちなみにタイレノール事件ははっきり言って、ヤクザに訳の分からない因縁をつけられたような事件で、事件にジョンソン・アンド・ジョンソンの落ち度は見いだせません。それでも損失覚悟で消費者に誠意を感じさせる対応をし、なおかつ強化策まで開発する姿勢は松下の数段上を行きますね。
だからといって松下のような対応ができる企業は希有だとは思います。
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2009年4月13日月曜日
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