外見は「いかにも老舗」という感が漂う古めかしい造りですが、店内はモダンな雰囲気に改装されていて清潔感溢れます。ちなみにこのお店、創業安政6年(1860年)で、森鴎外の作品にも登場し、歌人や文豪に愛された名店としても知られているらしいです。
注文したのは、「せいろ」(630 JPY)×2。ツユは辛口のよくできたツユと思いましたが、ソバが好みじゃありませんでしたね。季節的に時季が悪かったからかもしれませんが、鮮烈さというか、のど越しがいまいちと思いました。コシはあるんですが、ボソボソ感があってコンキチの口にはちょっと合わなかったかな。
あと、このお店では、お茶(水も)がでてこないので気をつけましょう。
閑話休題
また
Redox Economy in Organic Synthesis
Angew. Chem. Int. Ed. 2009, 48, 2854-2867.
のメモの続きです。
Biomimetic Approaches
タキソールの生合成↓
シトクロム P450依存性酵素によって、taxadieneの8つの炭素が直線的に酸化されタキソールへと導かれる。
erythronolide Bの生合成↓
propionyl CoAと6分子のmethylmalonyl CoAが7箇所の還元を伴いながら炭素-炭素結合を構築し、適切な立体化学と酸化状態を整え、6-deoxyerythronolide Bを与える。最後は、シトクロム P450依存性酵素によるヒドロキシル化によりC-6位が立体特異的に酸化されerythronolide Bが得られる。
上記2例が示すように、天然が天然物を造り出す際、そのレドックス•エコノミーはほぼ完璧に近いです。よって、バイオミメティックな全合成はレドックス•エコノミカルであるべきといいます。
で、近年のバイオミメティック全合成の例(allosecurinineのバイオミメティック全合成)です↓
J. Org. Chem. 2008, 73, 7657-7662.
合成中間体のmenisdaurilide (中段左から2番目)は、生物発生の中間体であると推測されていて、安価なキノン誘導体を出発物質としている。menisdaurilide以降はレドックス•オペレーションを必要とせず、効率的な合成法。
salinosporamide Aの合成。高い酸素含有量、切れ目のない5つの不斉中心(うち2つは四級)、不安定なβ:-ラクトンがその合成をチャレンジングなものにしています↓
2つの四級不斉中心の形成に着目した合成法。5つの骨格形成反応と、7つのレドックス•オペレーション、9つの保護-脱保護のステップを含む。
天然はもっともっと直接的にsalinosporamideや関連構造を生成するようだということで、こんな生物発生説が提案されているそうです(Org. Lett. 2007, 9, 2143-2146.)↓
で、これをガイドラインとして達成されたバイオミメティック合成がこれ↓
酸化状態を調整するための酸化工程は1工程のみ。保護-脱保護は3工程のみ。非常に直接的な合成法です。
次の例はglabrescol。提案されている生合成経路はこれ↓
で、Biogenesis-inspired synthesis↓
J. Am. Chem. Soc. 2000, 122, 9328-9329.
酸化工程が2ステップのみ。
で、biogenesisを志向しない例↓
Tetrahedron Lett. 1995, 36, 9465-9468.
2つの還元ステップと3つの酸化ステップを要し、上記スキームと較べて冗長な合成法となります。
バイオミメティック合成はハイレベルなレドックス•エコノミーの具現化に資するというメモでした。
つづく.....
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