2026年10月15日木曜日

2’-水酸基の保護基はアセタールレブリン酸エステル

三月に大好きな浅草で気になっていた店に勇気を振り絞って入ってみたときのメモです。

鶏よし (visited Mar. 2026)
住所:東京都台東区浅草1-8-2

-お通し (330 JPY)-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
酢モツ。
酢がキューっと効いてていいですね。
お上品な冷製のモツの締まった身が良きです。

-般若湯(935 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
程よい爽やかな甘さ。 そして、練れた味わいが続く。 酸味、苦味、辛さがやんわり。 気に入ったです。 名前もいいよね。

-5本セット (1,706 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
ササミ、だんご、白レバー、ねぎま、手羽先の5本。
順番に焼き上げられて都度提供されます。
まずは、ササミ。 清楚な中にも香ばしいロースト•フレーバーが印象的。
程よいソフトな噛み心地は至福。載せてある山葵との相性もいいし、添えてある(多分)酢橘(?)の酸味も味が締まっていいですね。
二番手は、だんご(つくね)。 こちらも匂いがいいですね。
コアシェルライクにゴキュゴキュなのは軟骨でしょうか
軟らかエリアとゴキュゴキュのコントラストが楽しいです。
味付けは、塩味キューっと。
滴る上品な肉汁と塩味のコンボが最高です。

ネクスト。
タレ仕様のねぎまと白レバー。 ねぎまは、もも肉の焦げの匂いが最高に香ばしくって、もっちりした心地よいキック、淡白さを伴うジューシーな旨み、そして食感と味のシナジーが織りなす醍醐味が堪らないです。
白レバーも旨い。
外はパツッとして中はむにゅとしたクリーミーなレバーですよ。
あと、大きさによって異なる食感も楽しめて面白い。

最後は手羽先。
やっぱ焦げたロースト香が最高です。
熱量の保持感が高く、塩味が沁みます。







-一松 (660 JPY)-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
清涼感のある甘さ。
スキットとしててよし。







-半熟玉子の鶏雑炊 (1,045 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
鶏の円やかなファッティー•ノートがクルー!
自然派鶏白湯な丁寧な味わい。
具の鶏肉は炙ってあんじゃないでしょうか。ロースト・フレーバーがとっても香ばしいです。加えて旨み艶やか。
あと、スパイシーな香り付けは山椒と胡椒のミックスでしょうか(自信ないけど)
和風をちょっと外した感じがとっても合ってると思いました。


鶏よしさんは雷門通り沿いにあって、何回も目の前を通っていて、何年も前から気になってはいたんですが、やっと行けて超ウレピくて大満足でした。


閑話休題


こんな論文を読んでみました↓

Synthesis of long and functionally active RNAs facilitated by acetal levulinic ester chemistry
Nucleic Acids Research, 2026, 54, gkaf1525

表題通り、長鎖RNA(max 215-nt)をSPOS (Solid-Phase Oligonucleotide Synthesis)で化学合成するお話です。オープンアクセスです。

近年、化学修飾された長鎖RNAの需要が高まっているそうです。
例えば、sgRNAとかpegRNAとかでしょうか。それから、合成mRNAのポリA末端に2'-O-メチルアデノシンを導入することでタンパク質発現が著しく向上することが見出されたりしています。
で、化学修飾されたRNAはIVT (in vitro transcription)とかではなく化学合成、即ちSPOS (Solid-Phase Oligonucleotide Synthesis)で合成しなければいけないわけなんですが、SPOSでは鎖長が伸びるほど各サイクルの反応コンプが困難となり収率が激減します。
さらにRNAの場合は、2'-位の水酸基の保護基が伸長反応過程で安定であり、RNAの分解を引き起こすことなく容易に脱保護されなければならないという要件を満たす必要があるので、DNAよりも合成難易度が高いです。

RNA合成における2'-位の水酸基の保護基はTBDMSがゴールデンスタンダードで、著者らの感触では120 nts程度までのRNA合成には凄くいいそうですが、それ以上の長さになると2'-位の立体障害により合成が厳しくなり、達成可能な最大カップリング収率はca. 97-98%程度にドロップしてしまうといいます。
また、シリル基の除去にはフルオリドを使うわけですが、フッ化物の除去にひと手間掛かり、大量製造やハイスループット合成向きではないと著者らは続けます。

じゃあ、TBDMS基に代わるオルタナティブな保護基はどんなのがあるのかという話ですが、これまで次のような保護基が開発されています。

(1) 2'-TOM (2'- tris(isopropylsilyl)oxy)methyl)
オキシメチルスペーサーがホスホロアミダイトの活性中心から嵩高いシリル基を遠ざけることにより、カップリング収率は>98.5%。但し、TOMの除去はフッ化物と高温が必要。

(2) 2'-ACE (2'-bis(acetoxyethoxy)methyl)
基本>99%のカップリング収率。5'-Oの脱保護にHF処理が必要(特殊装置が必要)。

(3) 2'-CEM (2'-cyanoethoxymethyl)
110-170 merのRNAを高収率で合成可能もCEMの除去に追加のフッ化物処理は避けられない。

(4) 2'-TC (2'-O-thionocarbamate)
ribozyme (54-mer)、sgRNA (100-mer)の合成実績有り。エチレンジアミンで脱保護 (これはアドバンテージ)

(5) 2'-PivOM (2'-O-pivaloyloxymethyl)
カップリング収率>99%、脱保護はシアノエチル基除去のためのDBU処置(1 M in CH3CN)後に濃アンモニア水処理3時間。

(6) 2'-ALE (2'-O-acetal levulinic ester)
マイクロアレイ上、DCIを使ってカップリング収率は99% (rG, rC) - 99.9% (rU, rA)。
脱保護はEt2NH/ACN (1:9, v/v), 90 minでシアノエチル基を落とした後、0.5 M ヒドラジン水和物 in ピリジン/AcOH = 3:2, 2 hr, rt.(ステップワイズにハイスループット)。
高いカップイング効率とカラム上でのDMTr-ON精製に対応しているのが魅力。

ここで著者らが目を付けたのが2'-ALE (2'-O-ALEホスホロアミダイト)で、そのケミストリーを利用して長鎖RNAの合成を試みます。

具体的なプロシージャーですが、自動合成で伸長反応が終わったら、ジエチルアミン/アセトニトリル (1:9, v/v, rt., 20 min)処理してリン酸基の保護基であるシアノエチル基を外し、アセトニトリルで濯いだ後、乾燥エチレンジアミン/トルエン (1:1, v/v)で2時間処理することでCPGからの切り出しとグローバルデプロテクションします(ジエチルアミン処理を施さないとRNAの分解が物凄い)。
この段階でオリゴ核酸のインターヌケレオチド結合であるリン酸基は電荷を持っているので、非極性かつ非プロトン性のトルエン中でRNAはCPGに物理的に付着していると言います。
次いで、不純物をトルエンとアセトニトリルで洗い流し、減圧乾燥してホルムアルデヒド(のアセタール)を除去し、粗製のRNAを水で溶出させて取り出します。
因みに、エチレンジアミンによる脱保護はBz保護にも適用できるんですが、UnylinkerやiBu保護の定量的な切断・脱保護のためには加熱が必要になります(なので、UnylinkerとiBu保護は非推奨。1つめのヌクレオチドがプレロードされたCPGを用いる)。

因みに、TBDMSモノマーを用いた所謂常法は、濃アンモニア水/エタノール (3:1, v/v, rt., 48 hr)でCPGからの切り出しとリン酸基と塩基の保護基を脱保護した後、無水NMP/トリエチルアミン/Et3N•3HF (3:4:6, v/v,. 65˚C, 2.5 hr)で処理してシリル基を切断後、ブタノールから結晶化させて粗製のRNAを取得します。

TBDMSモノマーとALEモノマーとのザックリした合成条件の比較は次の表のような感じになります↓

ALE法はTBDMS法と比較してエコですね。
そして、EGFPレポーター遺伝子を標的にした99-ntのsgRNA (AK99)の合成を両者で比較しています。その結果、
   ALE法:2.2-3.1% yield
   TBDMS法:0.7-1.1% yield
とALE法がコンベンショナルなTBDMS法をアウトパフォームしました。
そして、化学合成したAK99の遺伝子編集活性も確認していて、HEK293T細胞でのEGFPノックアウト効率は70%超で、市販品を大幅にアウトパフォームしていたそいうです。

ネクスト。この結果に気をよくしたであろう著者らは、蛍光タグ付きsgRNA (109-170 nt, Mango IIおよびBroccoliアプタマーを組み込んだ蛍光sgRNA, 蛍光増強を確認, Cas9媒介切断活性を維持(エンドポイントでの切断率は80%超))、ミニマルmRNA (200-215 nt, 平均カップリング効率99.4%)の合成に成功しました。グレイト!

なかなかの成果ですね(蛍光タグ付きsgRNAとミニマルRNAの収率分かんないけど)。著者らは、ホスホロアミダイト法によるRNAの固相合成におけるルーチンなプラットフォームになると期待していると言います。

今後、ALEモノマーが上市するかどうかを注視していきたいと思う、二流大出のテクニシャン(研究補助員)のRNA合成メモでした。

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