こんな文献を読んでみました。タイトルは↓
Widely Useful DMAP-Catalyzed Esterfication under Auxiliary Base- and Solvent-Free Conditions
JACS, 2007, 129, 14775-14779.
名古屋大学の石原一彰先生のグループです。かなりエコなタイトルです。
補助塩基を使用せず、無溶媒下、触媒量のDMAP (0.05-2 mol%)でアシル化するというはなしです。
一応有機合成を生業としている者としてこれまで知らなくて恥ずかしいのですが、DMAPが触媒するアシル化機構っていうのが提案されているそうです(S. Xu, et al., Chem. Eur. J., 2005, 11, 4751.)↓
著者らは、まずはじめにl-メントールと酸無水物(Ac2O, (i-PrCO)2O, (t-BuCO)2O)との縮合から検討を開始しており、補助塩基(i-Pr2NEt)の有無と溶媒効果(solvent-free, heptane, THF, CH2Cl2, CH3CN)の影響を調査しています。
で、溶媒としてはsolvent-freeかヘプタンが良好です。種々の基質に対して試していますが、かなり汎用性が高く、excellent yieldです。生成物が蒸留可能なエステルについては、精製までsolvent-freeでいけます。
ウリはエフレンドリーなことに加えて、反応性の低いアルコール(3級アルコールや嵩高いアルコール)でも好収率です。
さらに、ポリスチレンに担持させたDMAP (polystyrene-supported DMAP, Aldrich)を使うことで、触媒のリユースも可能です。
あと、本プロトコールはDMAP (cat.), pivalic anhydride存在下、カルボン酸とアルコールのエステル化のも適用叶でgood yieldで進行します。
誰かがとっくにやっている仕事のようにも思われましたが、Atom economy 、RME、E-factorがとっても高い素晴らしい仕事かと思います。
腕自慢の全合成とかもいいですが(生意気なこと言ってすみません)、こういう研究って大事だと思うなんちゃって研究員でした。
Tweet
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿