とことで、香料会社って世間的にかなりマニアック系な感じがすると思うのです。一応、国内では3社が上場しているのですが、コンキチが就職するまで、親戚一同「香料会社?なにそれ?」っていう感じでした(多分今もそう)。
香料会社の研究員のブログと銘打っておきながら、香料ネタが皆無に等しいので、たまには香料ネタをと思い、なんとなく香料業界についてサーチしてみました(はじめて調べた)。軽くマニアックな業界に対する皆さんの理解が進めば幸いですね。
まずはじめに、グローバル市場を概観。世界の香料業界のマーケットシェアですが、こんな感じになるようです(1$=ca.119.2JPY)↓
日本の香料メーカーとしては、高砂香料工業と長谷川香料が世界のトップ10に食い込んでいます。
データの出所はLeffingwell & Associates で、ここのサイトのF&F Top Tenという所にあったデータです。だた、上のデータは
a) 2006年のもので、2007年には、GivaudanがQuestを買収、FirmenichがDanisco(12位)のフレーバー部門を買収しているので、業界地図は変わっています。
b) 多分、各社(所謂香料メーカー)の連結売上高をドル換算しているデータで、純粋に「香料」のみを取り扱った数字ではない。
というところに注意ですね。
さらにまたもやLeffingwell & Associates から拝借したデータですが、グローバル市場におけるカテゴリーの比率です。ちょっと古いですがこちら↓
フレグランス(香粧品香料)とフレーバー(食品香料)の比率がだいたい半々くらいだということを覚えておいて下さい。我が国のドメスティック市場との対比が面白いです。
で、国内市場はどうなっているのよとちょっと見てみましょう。データは国内上場3社(高砂香料工業、長谷川香料、曽田香料)のIR資料を参考にしてみました。
まず、長谷川香料のIR資料によると、国内香料市場の生産金額(フレーバー&フレグランス)は↓
(出所は日本香料工業会会報だそうです)
グローバル市場と全然違って、圧倒的にフレーバーの販売金額が大きい。このことから、香料産業のローカル性の強さというのが匂ってくるようです。それから、もし香料業界を目指す学生さんがいたとしたら、
1) 国内で調香やりたかったら、フレーバリストを目指した方がなれる確率が高い
2) パヒューマーになりたい人は、グローバルに就活することも視野にいれているといいかも
ということが言えると思います(分かってると思いますが、あくまでコンキチの勝手な憶測なので、あまり真に受けないで下さい)。
市場規模は1,700億に満たないくらい(後述する曽田香料のIR資料に載ってるデータと比較すると、合成香料市場のデータは加味されていないっぽいです。まあ、長谷川香料は合成香料を外販していない(と思う)ためですかね)。フレグランスの市場規模は180億に満たないくらいで、ここ数年横ばい。フレーバーは微増です。まあ、改まって言うほどのことではありませんが、国内香料市場はかなり成熟していますね(実際そう言われている)。長谷川香料のIR資料によると、フレーバーは加工食品の開発にともなう安定成長なのだそうです。
で、合成香料の外販もやっている曽田香料のIR資料によると、こんな感じ↓
2,000億の市場規模といったところですか。
まあ、グローバル市場と国内市場の対比ということで今回はこのへんにしておこうと思います。
次回は、国内香料会社の市場占有率や、コンキチが勝手に思う国内香料産業の特性について勝手な感想を適当に綴ってみたいと考えています。
続く
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