2008年2月3日日曜日

香料業界考 (3)

さて、国内大手香料会社4社についてみてみますか。ちなみにデータソースは、上場3社については、各社の有報をはじめとするIR資料を、小川香料に関しては日経会社プロファイルを主に参考にしました。

ますは業界最大手の高砂香料工業から

同社のセグメント別売上高構成比(連結)は↓

不斉合成技術を活用したファインケミカルズの比率が高いという(コンキチの勝手な)イメージがあったのですが、8%程度にとどまっています。

29の子会社と3つの関連会社からなり、世界23カ国に拠点を有しており、同社はアジア唯一のグローバル香料会社を標榜しています。香料市場は地域性が強い(ローカライゼーションが重要)と思うので、個人的にはグローバルというより、多国籍企業という気がしますが。

単体売上高61,549百万円に対して連結売上高は113,876百万円(単体の1.85倍)。国内香料会社の比較では未だに単体売上高で比較されているようですが、連結で比較すべきなんじゃないかと思いますね(連結決算が基本ですしね)。高砂小川のように連結と単体の乖離が大きい会社と長谷川曽田のように連結と単体が二アリー・イコールのような会社を較べるときは注意が必要でしょう。

また、国内/海外の売上高構成比(連結)は↓
39%が海外売上高です。


それから、単体の製品/商品売上高構成比↓
相対的に利益率の低いと言われる商品が29%を占めています。ちなみに連結の営業利益率は5.3%(単体4.5%)。そんなに利鞘が厚くない感じです。この辺も後で他社と比較してみたいです。

コカ・コーラ ナショナルビバレッジ株式会社への販売が14,411百万円(12.7%)あり、最大の取引相手。ここ数年の有報から、日本コカ・コーラ大塚製薬森永乳業Merck武田薬品工業サントリー、(かつての)住友製薬との取引がとりあえず確認されます(製薬会社関係からの医薬中間体の受託製造が想像されます)。

研究所は平塚に集約されていて、工場は平塚(フレーバー、フレグランス)、磐田(アロマケミカル、ファインケミカル)、鹿島(フレーバー、フレグランス)にあります。

従業員は連結で2,438人(内研究員は529人, 21.7%)。単体で949人(平均年齢40歳, 内研究員232人, 24.4%)。平均勤続年数15.4年。

連結の粗利益率は30.1%(単体28.1%)、研究開発費はグループで8,261百万円(対売上高7.3%)です。

平均年間給与は764万円と(上場3社ともに言えることですが)化学セクターの中ではかなりの高水準と思います。

ちなみに、最大株主は日本生命(9.1%)で、2007年に買収貿易策を導入しました。

とりあえず、大手4社の各論が出そろったところで、各社の相違を改めて総括することとして、高砂香料工業については、ひとまずこの辺にしておきたいと思います。

で、次回は業界第二位の長谷川香料についてサーチしてみましょう。

それから、このブログは窓際三流研究員が適当に作成しているので、どこか間違いがあったらご愛嬌ということで許して下さい。

まだ続く…

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