前々回、前回と甲州ワインと3-Mercaptohexan-1-ol (3MH)について述べてきました。
で、実際に甲州ワインってどうなのよ?ということで、コンキチが過去に飲んだ2本の甲州ワインのなんちゃってREVIEWをメモしてみようかと思います。
まず1本目。中央葡萄酒(株)のワインで「グレイス甲州 2005」↓
-RATING-★★★★★
-REVIEW-
柑橘の良い香りの上に、膨らみのある蜜の甘い香りが重なる。それでいてスッキリしている。味もspicy感の有る柑橘、スッキリした酸味とともに、うっとりかつさっぱりしている甘味が伴い、味に奥行きをあたえている。スレンダーなんだけど、それだけじゃない旨さがあります。秀作です!アルコール分/ 11%。(2006年12月飲酒)
2本目はメルシャンの「甲州きいろ香 2005」↓
-RATING-★★★★★
-REVIEW-
引き締まった酸味にあっさり系のキリっとした味です。このワインの最大の長所は、物凄く良い香りだとコンキチは思いました。グレープフルーツ系の柑橘の香り、ふくらみのあるpeach & milkyな香りに奥行きを感じます。ボルドー大学デュブルデュー教授の研究室とのプロジェクトにより誕生した甲州ワインです。アルコール分/ 12%。
(2006年4月飲酒)
2本ともとっても良い香りの秀作ワインです(少なくともコンキチはそう思う)。特にグレイス甲州はきいろ香よりもかなり安くてコストパフォーマンス大ですね。酒屋でみかけたら是非買ってみた方が良いでしょう。
さて、ここまでワインと3MHのつながりをざんざん述べてきましたが、3MHが香り成分として寄与しているアルコール飲料はワインだけではないのです。ちょっと前に読んだアサヒビールの論文によると、ホップ由来のCitrus様香気の発現に寄与している成分として3MHが効いているそうです。
ref. J. Agric. Food Chem., 2006, 54, 8855-8861.
勿論、3MHだけではなく、その他のチオール類(とか他の成分)もキーコンポネントとして効いているわけですが、興味深いですねS(硫黄)化合物!
(いい匂いの)チオールWatchingをライフワークにしたいぐらいです。コンキチの本業は、(一応)有機合成化学なので、超積極的に農芸化学の文献をWatchingできませんが、暇をみて読んでみますかね。
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2008年2月27日水曜日
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