超久しぶりに「プレジデント (自分プレジと読んでます)」を買ってみました (暇つぶしに、あとコンキチの大好きなスイス時計特集もあったし)
で、その記事の中に「激安PB」と題して、原料価格高騰の中でNB(ナショナル・ブランド)は商品価格の値上げを迫られるのに対して、何故PB(プライベート・ブランド)はEDLP (Every Day Low Price)を断行できるのか的なことが書かれた記事がありました。
一例として、「カップ麺の利益構造」の表があったので、それについて(独断と偏見に満ちた)意見を述べたいと思います。
ちなみに、表の数値の根拠は同誌の取材のようです。
さて、件の記事の中で、PBが低価格攻勢を維持できるのには次の理由があると述べられています。あと、折角なのでコンキチのツッコミを赤で添えておきます。
1) PBは宣伝費が少ない。多額の宣伝費が投入されているNBの脇に安い類似のPBを並べることで、NBの商品力と宣伝力の威を借りつつ、低下価格を武器にしている。薬でいうとジェネリック医薬品のようなものだ。
→プロモーションにより構築したブランド力はそんなに弱いだろうか?かならずしも全てのPBが有利であるとは限らないのでは?つまり、トップバリュー(イオン)とか、セブンプレミアム(7&i)のようなブランド力のあるPBと弱小PBでは売れ行きが違うのでは?ということ。それから、イオンやセブンは、各商品毎の宣伝はしていないが、全体的(全社的)な宣伝をしてブランド力を高めていると思う。なので、上表の宣伝費・促進費は「0」ではないはず。全体の広告費を各商品に配賦すべきと思います。
あと、ジェネリック(専業)・メーカーって新薬開発してるメーカーより利益率低かった気がしたけど。だって、原理的に誰でも参入できるからね(ジェネリック医薬品のことを「ゾロ」っていうらしいど、それって(特許が切れると)後からゾロゾロたくさん出てくるかららしいですよ)。研究開発費がかからないといったって、ブランド力はないし、競争が厳しくなるのではないかと思いますね。
2) 仕入原価が安い。大手メーカーに直接交渉し、大量生産、買い切りを条件に値引き交渉している。
→強大な販売チャネルを有するが故の、規模の経済性を生かした戦略と思います。
3) メーカー利益が少ない。大量ロットの注文でメーカー側の稼働率UPし、メーカー側のコスト減につながり、メーカーもメリットあり。
→たしかに上述したメリットはあるだろう。しかし、上表の例でいうと、NBのメーカー利益(22.8円)はPB(3.85円)の5.9倍。自分素人なのでここからは妄想を書きます。NBメーカーは直販する流通チャネルを持たない。一方PBを売る小売りは強大な販売チャネルを持っている。NBメーカーは、その商品を顧客に届ける為に、PBを展開する小売りの流通網に頼らなければならない。つまり、PBを展開する小売りの方が、NBメーカーに対して、流通チャネルを背景にした強い交渉力があるということではないかと思う。
4) PBは基本的にEDLP政策を取るので、特売を行う必要がない。よって、リベートなどの販促費が要らない。これがNBとPBの価格の差となっている。
→っていうか「EDLP政策により、特売を行う必要がなく、リベートや販促費がいらない」のではなくて、「リベートや販促費がいらない(っていうか自分とこで開発してるからね)から、安いプライシング(EDLP)ができる」んじゃないの。因果関係が逆転していると思う。
プレジ(プレジデントのことね)の解説はこんなところです。あと、コンキチの個人的見解なんだけど、上表からリベート、販促費、小売り利益を控除すると↓
PB: 60 JPY
NB: 92.4 JPY
はっきり言って、NBの小売り利益40 JPYは見逃せません(PBは14 JPYね)。上記金額に両者とも同じ額に小売り利益を載せて売ったら、顧客はどう反応するのだろうか?ブランド力の強いNBの売れ行きが伸びるような気もするのだけれど(上表が正しくて、コンキチの理解も間違いなければ)。あと、リベートと販促費って小売りの利益だよね。これもまた小売りの交渉力を物語っているような気もする。
PBの発祥史なんか調べてみたい気になってきました。本誌では、PB vs NB的な切り口で記事が書かれているけど、PB導入はライバル小売りに勝つための戦略だったような気がする。
以上、商売&経営素人の二流大出のなんちゃって研究員の勝手な思いつきでした。
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2008年7月4日金曜日
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