2012年5月27日日曜日

有機化学者による有機化学者のため(?)の恋愛小説 (2)

最近気候がよくて気持ちいいですね。っていうことで、街をアメ車でブイブイいわせてるコンキチです↓


(DAHON(ダホン)の自転車はamazonでも買えます)


閑話休題


2011年、あの純正有機合成化学小説「ラブ・ケミストリー」(see http://researcher-station.blogspot.jp/2011/03/blog-post.html)で一世を風靡(?)した、現役某大手製薬会社研究員の喜多喜久氏の最新作「猫色ケミストリー」を先日読了したので、その感想をメモしてみます↓

今回の作品も東大農学部が舞台で、有機合成ど真ん中のファンタジー恋愛ミステリ(犯人当て)に仕上がっています。主人公は、計算化学が専門のコミュ障男子(M2)。ヒロインは不斉合成触媒の研究やってる同級生女子(M2)です。

時は修士論文作成も佳境に入ってきた頃。主人公男子とヒロイン女子と学内に住着く野良猫が、落雷にうたれたのをきっかけに人(猫)格が入れ変わってしまい、修論の完成と本来の体を取り戻すために悪戦苦闘している最中、研究室内覚せい剤合成事件(当然犯罪)に遭遇し、事件を解決するとともに、本来の体を取り戻しつつ、なんとなく相思相愛になって行くというなんともこそばゆい少女マンガちっくな作品でになっています。恥ずかしながら、けっこう自分は好きです。

あと、本作では不斉合成が(修論の研究)テーマなので、その辺りの一般人への啓蒙も抜かりはありません。

それから、こん本で秀逸だなと思ったのが、違法な覚せい剤合成をしている犯人特定のために仕掛けたトラップです。これ、(まあ、たいして難しくないんですが)合成ルートから類推してトラップしかけてる訳なんですが、この件は有機合成化学者にはたまりません。

ところで、この雷による人格入れ替えって、

主人公コミュ障男子→ヒロイン女子
ヒロイン女子→野良猫(♂)

っていう、冷静に考えるとかなりエロい設定になっていると思うんですが、まあそこはご愛嬌といったところでしょうか?(っつうか、絶対オタッキーをターゲットにしてると思う)。

とりあえず、ケミストリー三部作を期待する二流大出のなんちゃって研究員でした。

あっと、最後に(キメ台詞)↓

サイエンスは推理であり、推理とはサイエンスなのである


スケールアップにノウハウなんてない!

先週の月曜日、金環日食をけっこう満喫したコンキチです。



通勤途上、空を見上げて太陽のその姿を変えていく様子ををしつこくチェックしてたんですが、思いのほか楽しかったです。っていうか超楽しかった(前日、ロフトに日食眼鏡買いに行ってホントに良かった)。


閑話休題


さて、転職する前まで10年近くプロセス化学やってたコンキチです。

プロセス化学(プロセス・ディベロップメント)って、その目的は企業化=実機での製造っていうことになると思うんで、スケール・アップの化学っていう側面があると思います。まあ、実際そうなんですが.....

ところで、スケールアップってプロセス・ディベロップメントの世界だけじゃなくて、ラボスケールのサンプルワークの世界でも日常的にあるわけなんですが、たまに「スケールアップのノウハウ」なんていう発言を聞くことがあります。

そんな言葉をきくたびにボクは思うんです。「スケールアップのノウハウ」って何かオレに教えてくれよっっっっっ!!!って。

だってさ、ボク的には「スケールアップのノウハウ」なんて、この世に存在しないって考えてるから。そもそも、スケールアップして再現得られないっていうのは、少量で上手くいってた実験と同じことが出来てないだけなんだよね。で、量上げして少量のときと同様のオペレーションがし難いことってだいたい決まってる。

熱履歴の制御、滴下時間とかのタイムスケール関係、撹拌効率とかスーパーヒートとか、晶析、蒸留.....etc.  

要は、スケールアップはノウハウで解決するものじゃなくて、大部分はルーチンなチェックで解決もしくは原因の把握ができるってこと。ボクはそう考えて仕事してます。

あ、あと、全ての研究者には「再現性がない」って言う言葉は死語にしてもらって、「再現を得ることができなかった」って言い直して欲しいと思います。

以上、二流大出のなんちゃって研究員の戯言でした。


2012年5月2日水曜日

食べログはどれくらい信用できるのか?

最近、神田界隈を攻めているコンキチです。
先日は、鍛冶町にある神田くらどに行ってきました。

-神田くらどメモ-
食べたもの/ 刺身盛り合わせ、出汁巻玉子 (850 JPY)、とちお揚げ (800 JPY)、生湯葉刺身 (980 JPY)、ほたるいかの沖漬 (600 JPY)、ねぎ味噌焼 (650 JPY)、焼きソラマメ etc.
飲んだもの/ Catena chardonnay 2009 (4,500 JPY)、佐藤 白 (600 JPY)、プレミアムモルツ ハーフ&ハーフ s (500 JPY)、田酒 etc.
感想/
「割烹料理とソムリエ厳選のワインを楽しむ」がコンセプトの店らしいです。店内は雰囲気が良く、女性店員は着物姿。プライシングは割高の印象もあるが美味しい。刺身はgood taste。生湯葉はexcellent!ほたるいかは身が大きくてけっこう濃厚に漬けられていて酒の肴に良い。注目していた魚介類とワインのマリアージュは悪くない。普通に合わせられた。これには非常に驚いた。おそらく料理に相当な工夫がこらされているんだろうと思った。佐藤 白は初めて呑んだけど、黒よりも苦みの立った締まった味か(neat, ambient temp.)。そしてプレミアムモルツのハーフ&ハーフは秀逸の極みで、ふくよかな果実の香味がいっぱいに広がり、濃厚なbodyとaromaを堪能できる。唯一残念だったのは、田酒。何故かfinishに漂白剤様の異味がした。銘柄は忘れたが、微発泡性の清酒が旨かった。また訪れたい店の一つ。
http://kurado.jp/

ところで、食べログっていうレストラン情報サイトがあります(みんな使ってるよね)。コンキチも食べログ情報を参考にしてお店を探したりしますが、そこに掲載されている情報は玉石混淆といった感じで注意が必要と思います。

具体的にどのへんが玉石混淆かというと、神田を攻めるにあたって食べログ情報を使いながらお店のチョイスを行っていたんですが、点数が比較的短期間のうちに大幅に変動してる店があるんですよね。それが怪しいポイント。一方、老舗チックな店は安定した高得点を維持していたりもして、そっちの方は信用できそうです。

下表は、鍛冶町界隈の店の食べログポイントを個人的にチェックしていたものなんですが、神田新八ともつ焼元希のポイントの急上昇と鍛冶二丁の急降下が気になります(新八と元希はアド街で紹介された店。特に新八は割高という噂もあるが、日本酒の品揃えには定評があり、酒のみなら一度は訪れなければならないという有名店)。

昨年4月にオープンしたばかりの鍛冶二丁は、大阪のコズミックダイナーという飲食店を経営している会社の系列店なんだけど、わずかひと月でのこの凋落っぷりはどうなんでしょうか?いささか穿った見方をしてしまいそうです。

そういうことです。

Jan.
Feb.
Mar.
Apr.
May
神田新八
3.18
-
3.53
-
3.52
尾張家
3.54
-
3.55
-
3.54
もつ焼元希
3.10
-
3.52
-
3.51
居酒屋ほまれ
3.14
-
3.14
-
3.16
神田くらど
3.37
-
3.48
-
3.47
かんだ光壽
4.00
-
4.00
-
4.00
満寿家
3.85
-
3.86
-
3.83
鍛冶二丁
-
ca. 3.5
3.00
-
3.00