(絶対、ケミストリー三部作にしようとしてると思う)
ところで、喜多喜久氏の作品はこの2本だけではなくて、「クリスマス・テロ」という短編があります(「このミステリーがすごい! 2012年版」に収録されています)。東大を舞台にしたちょっぴりサイエンティフィックなラブコメで(あいかわらずの少女漫画調)、幼少の頃、少女漫画を読み耽ったコンキチにはなかなか良かったです(ときめきトゥナイト、ハンサムな彼女、パタリロ、こいつら100%伝説などを愛読していました)。
閑話休題
ちょっと古いんですが、こんな文献を読んできました↓
Room Temperature Palladium-Catalyzed Cross Coupling of Aryltrimethylammonium Triflates with Aryl Grignard Reagents
Org. Lett., 2010, 12, 4388-4391.
aryltrimethylammonium triflate (or tetrafluoroborate)とaryl Grignard reagentとの(Kumada-Tamao-Corriu)クロスカップリングのお話です。しかも、室温で!
15 examples, 79-94% yieldです。
エレクトロファイルの官能基許容性は高く、F, Cl, CO2Et, OPiv, CN, SMe, OCF3, NMe2でオッケーです。
ちなみにこの仕事は、Werkert等の1988年の仕事にインスパイアされたものだとか↓
著者等の仕事では、アンモニウム塩はトリフレートの他にテトラフルオロボレートでも有効。また、それらの誘導方法はこちら↓
ちなみに、ジメチルアニリンからone-potでカップリングさせることもできて便利↓(ただ、反応時間はdirect reactionよりも長くなってしまう。ちなみに、下のschemeの反応は、ダイレクト反応だったら1 hで終結)
あと、競合実験でエレクトロファイルの反応性の高さは、
PhI > PhNMeOTf > PhOTf >> PhBr > PhCl
なかなか楽しそうな反応と思いました。
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