-ちばき屋 メモ-
支那そば (700 JPY)
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
麺はコシのある超極細縮れ麺でボクの好みの仕上がり。スープは魚介と獣系のmix(多分)でかなりあっさりしている。中華系の定食屋のスープに酷似しているが、それよりもしっかりした味で粘度を少し感じる。麺へのスープの絡み具合は良好で、はっきり言ってとても旨いオーソドックス系ラーメンに仕上がっている。具は、チャーシュー、メンマ、カイワレ、のり、ネギ。のりはとても美味しい。チャーシューは脂が抜けているが歯ごたえは楽しめ可もなく不可もなくといった印象。オーソドックス系ラーメンでもここまで旨くなれることに驚き。
閑話休題
流行ってるぜフッ素化(-F, -CF3, -CF2H)ということで、こんな文献を読んでみました↓
Copper-Mediated Difluoromethylation of Aryl and Vinyl Iodides
J. Am. Chem. Soc., 2012, 134, 5524-5527.
Hartwigの開発したジフルオロメチル化のお話です。
前回のブログでメモしたBaranの芳香族複素環に対するC-Hジフルオロメチル化でしたが、今回のHartwigの報告は、ヨウ化アレーンとVinyl-Iに対するジフルオロメチル化です。
Ar-CF2Hの合成法は、Ar-CHOをSF4, DAST, Deoxofluorといった試薬で処理するのが一般的らしいですが、これらの試薬は水との接触でHFを放出したり、加熱すると爆発的に分解したりするらしいです。
また、最近、網井らによって報告された3段階からなる合成法(上記Scheme中段)では、最初のクロスカップリングが電子不足のヨウ化アリールでしか進行せず、3段階トータルで控えめな収率に留まるようです(Org. Lett., 2011, 13, 5560. 読んでないけど)。
で、著者らが着目したCF2H源は、TMSCF2Hで、これはTMSCF3 (Ruppert-Prakash reagent)をジグリム中、室温でSBHを作用させることで調製できます(70% yield, マルチグラムオッケー)。
最初、著者等は以前報告したトリフルオロメチル化(http://researcher-station.blogspot.jp/2012/03/hartwig-trifluoromethylation-late-stage.html)と同様に(1,10-phenanthroline)CuCF2Hでジフルオロメチル化を試みますが、多くはアレーンとなり、目的のジフルオロメチル体はトレース量しか得られなかったそうです。
で、最終的に見出された条件は↓
14 examples, 37%-quant. (19F NMR yield), 30-90% isolated yield
electron-neutral, electron-rich, sterically hinderdな基質で高収率。アミン、エーテル、アミド、エステル、芳香族臭化物、THPエーテルに対して適用可。ケトンやアルデヒドはジフルオロメチル基のカルボニル基への付加と競合してしまうけど、アセタール保護したケトンはオッケー。
電子不足な基質だとアレーンが主生成物となり、トレース量のトリフルオロアレーンとテトラフルオトエチルアレーンが副生するそうです。
あと、この反応はVinyl Iodideにも適用可能です↓
NMR収率、括弧内は単離収率
著者等はいろいろと検証実験を行い、その結果を考察することで、この反応は、まずCu(CF2H)2-が生成し、これが不安定なCuCF2Hのリザーバーの役割を果たし、その結果CuCF2Hが低濃度に抑えられることによってCuCF2Hはその分解が抑えられてヨウ化アレーンと反応すると考えているようです。
それにつけてもHartwigの仕事って、ホント、スマートでカッコいいなあと思う二流大出のなんちゃって研究員でした。
ちなみにTMSCF3はTCIで9,300 JPY/5g, 28,800 JPY/25 gで売ってます(http://www.tcichemicals.com/eshop/ja/jp/commodity/T1570/)。
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