2025年3月2日日曜日

孤独のグルメ聖地巡礼:鶯谷でアボカド鶏メンチとかキメてきました。

ども、孤独のグルメ大好き中年のコンキチです。
昨年のGWに、孤独のグルメ Season 3の第8話で登場した居酒屋に行ってきました。
鳥椿 鶯谷朝顔通り店です。

-鳥椿 鶯谷朝顔通り店 (visited May 2024)-
住所::台東区根岸1-1-15 渡辺ビル 1F

居酒屋なんで、とりあえず呑んどきました。

-ホッピーセット(大) (690 JPY)-
-REVIEW-
よく分からずに注文したんですが、氷がたっぷり入ったメガジョッキに焼酎を好きなだけ入れていいという、ちょっと何言ってるか分からないスタイルにビビったです。




ドラマで五郎(松重 豊)さんの食べた【五郎'sセレクション】は、
烏龍茶
ライス
味噌汁
油淋肝 (カリッでサクッでホロッ! このレバ旨い 止まらない)
名物ハムカツ (ハムカツの歴史が変わった! この厚さ 超ド級なり)
アボカド鶏メンチ (アボカド ゴロッと揚げちゃいました 開けてビックリ 食べてビックリ)
おろしポン酢 (大根おろしが薄化粧 清く美味しく おまけに安い!)
鳥鍋めし (熱々ご飯に具がどっさり! ひと手間かけたミニ丼)

ボクはそんなに食べれないので、アボカド鶏メンチ と鳥鍋めしを踏襲して、もう一品は鳥焼きをセレクトして攻めてみました。
以下、実食です↓

-アボカド鶏メンチ (600 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
皮付きのアボカドの半身に鶏メンチをドッキングさせた一品。メンチの油とアボカドの植物系のファッティー(fatty)さが良く合う。さっぱりした鶏のメンチなのもいい。
粗めに挽かれた鶏挽肉は肉感があって、醍醐味ある食感を楽しめる。技能賞って感じの逸品。 


-鳥鍋めし (550 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
マイルドで濃過ぎず、それでいて満足感のある味付け。
具は、中がフワフワの厚揚げとツユが良く染みた糸コンニャクに適度に脂の付いた軟らかい鶏肉。
優勝な鳥すき焼きぶっかけ飯に仕上がっていると思いました。 


-名物鳥焼き(塩) (JPY)-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
モモ肉とムネ肉のミックス焼き。オーブンで焼き上げ、アツアツの鉄板で供されます。
肉厚なムネ肉は淡白な旨味で、しなやかな食感(パサついてない)。モモ肉はムッチリしていて、ちょいジューシー。塩味は薄味で、辛味噌や柚子胡椒の味が映える。
文字通り、名物の味わい。 

はっきり言って、超満足しました。

因みに、原作者に久住さんのセレクトは、
メガジョッキ (1000 ml) (ファ〜?)
刺身はんぺん
鳥の一夜干し
名物チューリップ唐揚げ

でした。

ところで、GWに行ったこの店は「谷朝顔通り店」っていうくらいだから、鳥椿には他の店舗もあるんですよね。
根岸にあるこの店舗はボク的にアクセスが良くないので、この店舗を訪れる前に浅草(雷門一丁目店)と森下(深川森下店)の店に何度か足を運んでいました。


浅草は雷門一丁目店)のメモです↓

大衆鳥酒場 鳥椿 雷門一丁目店
住所:台東区雷門1-16-12

-サントリーモルツ 中ジョッキ 400 ml (350 JPY, visited Aug. 2015)-

-長ネギ (野菜焼き) (100 JPY + tax, visited Aug. 2015)-
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
小振りの長ネギが3コの串焼きで、よく焦げ目ついていて、普通に旨い。
甘い味噌付き。

-ししとう (野菜焼き) (100 JPY + tax, visited Aug. 2015)-
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
3コの串焼き。
普通に旨い。

-にんにく (野菜焼き) (100 JPY + tax, visited Aug. 2015)-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
3コの串焼き。
表面は全体的に黒くなるまで焼かれていて、身はねっとり感がある。
ニンニクのコクが増していて良かったです。

野菜焼きは割安感はそれほどないけど、小ロットで100円というプライシングは注文し易いと思いました。

-温キャベツ (200 JPY +tax, visited Aug. 2015)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
キャベツを1/8〜1/12にカットしたままの姿で提供される。
熱がしっかり通っていて、適度な塩味と胡麻油様の良い香りの油で万遍なく味付けされています。食感も絶妙で、はっきり言って物凄く旨い。

-白鹿超辛 小徳利 (190 JPY + tax, visited Aug. 2015)-
-REVIEW-
ひや(常温)か冷酒を選択できる。

-煮込み大根 (250 JPY + tax, visited Aug. 2015)-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
けっこう煮込まれているように見えるけど、歯応えが大分残っている。お出汁は穏やかな味なので、大根自体の味をけっこう楽しめる。もっと軟らかいのを想像していたので裏切られた感一杯だけど、悪くない。
てっぺんにとろろこんぶが掛けてあって、これが良い。とろろこんぶが乾いた状態で大根と一緒に口に運ぶのも良し。お出汁に浸してトロトロになったところを大根に絡めて食べるのも良し。この"とろろこんぶ"掛けの発想はなかった。

-冷やっこ (300 JPY, visited Aug. 2015)-
-RATING- ★★☆☆☆
-REVIEW- 
小さいし、普通。 
これだけは、割高に感じたです。 

-角ハイボール (300 JPY, visited Aug. 2015)-


-角ハイボール (チンチロリンハイボール) (400 JPY+tax, visited Apr. 2019)- 
-REVIEW-
チンチロリンハイボールにして「4」+「3」=「7」で倍額・倍量800 JPY+taxになりました。 







-温キャベツ (200 JPY+tax)-
-RATING- ★★☆☆☆
-REVIEW- 
胡麻油の良い香りとオイリー(oily)さが温キャベツとベストマッチ。
ただ以前と違って、塩を付けて食べるスタイルになってレベル下がったか? 
あと、覚めると美味しくないことに気付きました。 



-名物チューリップ唐揚げ 2個 (90x2=180 JPY+tax)-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
手羽元。
手羽に切れ目を入れて骨を1本抜き、肉をひっくり返してチューリップの花のような形状にまとめ、唐揚げにしたもの。
とっても可愛らしい形状。
唐揚げからは、ニンニク、生姜、あとスパイシーな香味。
油は軽やか。しなやかな身質 で良い塩梅の塩加減。
レモンがとても良く合って、レモン汁を振り掛けることで香味バースト。
ファンになったかも。
輸入肉ではなく、宮崎産の手羽を工場でチューリップに加工してもらって仕入れているらしいです。 

-揚げ銀杏 (200 JPY+tax)-
-RATING- ★☆☆☆☆
-REVIEW-
時季を外していたからか、さっぱり美味しくない(分かってるなら注文するなよというツッコミはなしで)。 
酸味ばかりが立って、食感も弾力に乏しく良くなかったです。 





大衆鳥酒場 鳥椿 深川森下店
住所:江東区常磐2-10-8 1F 

-角ハイボール(チンチロリンハイボール, visited May 2019)-
奇数目→倍額3倍量。

-チューリップ唐揚げ 4個 (90x4=360 JPY+tax, visited May 2019)-
-RATING- ★★☆☆☆
-REVIEW-
雷門一丁目店よりも油が重たいと思いました。
ジューシー感も少ない気が。 

-酒盗 (150 JPY+tax, visited May 2019)- 
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW- 
セブンで買った「かつおの塩辛」と酷似した味。
塩味がかなりキツくて、生臭いフィッシーフレーバー(fishy flavor)もそこそこ強い。
単独で食べるとけっこうキツいんだけど、塩辛とほぼ同量の大根おろしが添えてあって、一緒に食べると臭みが消え、マイルド感も出て、調和感が半端ない(これには驚いた)。 

-初孫 酒王 (500 JPY+tax, visited May 2019-
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
初孫 酒王 マイカップ 180ml。
本体価格は当時213円(税込価格230円)。
で、雪冷えで提供される。
穏やかに華やいだ甘い香り(鼻につかない)。適度に締まった少し豊潤のスッキリした辛口。 
 

-特製塩煮込み (350 JPY+tax, visited May 2019)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
鶏白湯仕立ての塩煮込み。とっても濃厚でクリーミー(creamy)、マイルド(mild)、ファッティー(fatty)の優しい味で、お出汁リッチ。とっても滋味深く、それでいてあっさりしている。 具は、鶏皮、鶏肉、こんにゃく、豆腐、葱。鶏皮と鶏肉は良く煮込まれていて軟らかいし、嫌味の無い味。 柚子胡椒は味がキツ過ぎて邪魔。 これは食べた方がいい。

-鳥椿特製 鶏スープ割り (+200 JPY+tax, visited May 2019)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
塩煮込みのスープで割ってるんだと思う。葱入り。
クリーミーな濃厚鶏白湯割は旨味リッチ。さらっとしたファッティー(fatty)さで滋味深い。適度に硬く感じるアルコール感も良きす。
そして、葱が良く合うし、白胡麻の香味も良く合ってる。
これは絶品。
お好みで塩・七味をプラス!!って書いてあるけど、七味は折角の”完成”された香味が台無しになる。塩気もデフォで十分。


-油淋肝(おつまみレバカラ) (300 JPY+tax, visited May 2019)-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
たっぷりの葱が嬉しい。タレは甘さ強めの甘酢で、これが絶妙に軽やか。サラッとした緩めの餡になっていて、揚げレバにいい感じに絡んでベストマッチ!(くどくなくて良い)。 
揚げレバは薄衣で、衣の食感がいいアクセントになっている。 レバ本体はとっても軟らかくて、芯部はぎりぎりレアかレアじゃないかという火の通し加減で、外周にかけての火の通りのグラデーションが楽しい。
あと、やんわり漂う特有に野趣臭がぼくボクは好き。 葱、タレ、レバの三位一体のコンボが素敵。
これはかなり旨い。

-鶏スキヤキ (500 JPY+tax, visited May 2019)-
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
丼の中には、かなり濃い味の甘辛の、所謂すき焼きの割り下がたっぷり。最早、すき焼きというより煮物と言った風情。
具は、つくね、ハツ(だと思う)、胸肉(なんじゃないかな)、糸コンニャク、厚揚げ、青菜。 ツユは相当濃いけど、具材を食べる分にはいい感じの味わい。
ハツは独特の”キュル”っとした食感が楽しく、滋味深い味わいで美味しい。
胸肉も、ちゃんと下処理されているためか、パサついてなくてグッド!しっかりと濃い味を纏っていて良い。
で、特筆すべきは”つくね”。軟骨を細かく刻んだものが中に入っているんじゃないかと思われる食感がダイナミズムを広げ、食感・味の両方で良いアクセントになっている。 


-まんさくの花 (500 JPY+tax, visited Nov. 2029)-
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
まんさくの花の特別純米を雪冷えで。
淡麗辛口も、少し厚みのある味でフィニッシュに柔らかい甘味。 
綺麗な酒質。 





-梅水晶 (300 JPY+tax, visited Nov. 2019)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
梅水晶の鳥の軟骨版かと。
で、とても旨い! 梅肉と軟骨のコンボは鉄板。
トップには紫蘇と白胡麻を戴いて、両者ともいいアクセント。
白胡麻の香りがいいですね。 


-アボカド鶏メンチ (500 JPY+tax, visited Nov. 2019)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
衣の油が重たそうに見えたけど、衣が激薄でカリカリでそれほど重くない。
加熱されたアボカドは軟らかく、旨味が活性化されている。
内部の鶏メンチは軟らかくあっさりした淡白な味で、油のオイリーとアボカドのファっティーさを受けるのにベスト! 
ボクは、お醤油でいただきました。


-山芋の千切り (100 JPY+tax, visited Nov. 2019)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
千切りがとても細い。
で、細い方が山芋が圧倒的に旨い。
食感と粘りのバランスがとても良い。
トップには刻み海苔。

-鳥椿特製 鶏スープ割 (200 JPY+tax, visited Nov. 2019)-
-小徳利(290 JPY+tax, visited Nov. 2019)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
この時はスープ割りの温度が低かったです。
あと、スープが濃すぎる感=お酒とスープのバランスが悪い感じ。
なので、小徳利(熱燗)を追加注文して、それでアジャストすると温度アップしていい感じに。



鶏スープ割はボクのお気に入りなんですが、雷門一丁目店と鶯谷朝顔通り店には無かったので(確か)、森下深川店は外せないですね。
あと、築地店もあつようなので、近くに行ったら是非一杯やりたいなと思います。

以上、孤独のグルメ大好きアラフィフ中年の聖地巡礼メモでした。

オリゴ合成のためのシンプル精製メソッド (大阪大学)

ども、お魚大好きコンキチです。
先日、水道橋で食べたEPA (Eicosapentaenoic acid)とDHA (Docosahexaenoic Acid)がたっぷりな焼き鯖のメモです。
ホント、お魚って美味しいですよね。

さばめしの鯖匠 (visited Feb. 2024)
住所:千代田区神田三崎町2-21-11 ゑびすビル 1F 


-ハイリキ 300 ml プレーン (450 JPY)-
-REVIEW-
ハイキリのプレーン置いてるとか、渋いですね。




-さばめし (980 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
焼き鯖の定食。
カウンターに貼ってあった「さばめしの作法」に従って食べました。
一杯目:鯖をよく解して、ご飯とよく混ぜて食べます。
鯖(ノルウェー産)が美味いですね。そんなに肉厚じゃなかったんですが、張りのあるふっくらした身で、旨味が強い。シンプルにとても美味しいです。ご飯も美味しい。
二杯目:刻まれた大葉と白胡麻を振りかけて食べます。
白胡麻が香り高くて、鯖と驚くほど良く合う。シナジーで美味しさマシマシ。これは凄い! 
三杯目:お出しでお茶漬けにします。
上品な薄味のお出汁(真鯛のあら出汁)に鯖の身の旨味が染み出しで、マジ、美味さしかないヤヴァイ仕上がりです。
四杯目:追めし(100 g一杯無料)。鮮魚の胡麻和えを載せて食べるのがオススメ。 
甘じょっぱく煮付けられた濃い味の鮮魚は、ゼラチン質たっぷりで深い味わいを醸し出していて、最高のご飯の友でした。 


閑話休題


こんな文献を読んで見ました↓
Development of simple purification method for oligonucleotides synthesized using phosphoroamidite for 5’-end modification as capping reagent
Tetrahedron, 2024, 150, 133774.

大阪大学の小比加先生のグループからの報告で、オリゴ核酸の簡便な精製法に関する内容です。

固相合成で合成したオリゴ核酸の精製は、ショートマー(短鎖副生成物)の分離が主題となると言っていいでしょう。
何故なら、フルレングスのオリゴとショートマーは構造と物性が似ているからです。
特に、(n-1)merの分離は悩みに種になること多いです。

ところで、こういった合成オリゴ核酸の精製はもっぱらHPLCに頼ることになるんですが、イオンペア試薬とか有機溶剤を大量に使うので全然グリーンじゃありません。

プロセスにグリーン性を持たせる試みとして、フルオラス•ケミストリー、ビオチン-アビチン相互作用、生体直交反応、オキシム化反応、重合反応などを利用したHPLCフリーな精製法が開発されてきました。これらの方法を採用することで、サイズ排除クロマトグラフィーやn-ブタノール沈殿法といったHPLCフリーな精製が可能となりますが、精製に使用する試薬が高価だったり特殊であったりスペシャルなオペレーションが必要だったりします。
それ故に、簡便なHPLCフリーな精製法の開発求められています。

ところで、(n-1)merの副生を抑えるためにカップリング工程で反応せずに残存した5’-水酸基をアセチル化することでキャップするんですが、アンモニア水による脱樹脂過程でアセチル基も外れてしまいます。で、脱アセチルしたショートマーは望みのfull-lengthのオリゴとの分離が面倒な場合があるんですね。
そこで著者らは通常のアセチルキャッピングの代わりに水溶性/脂溶性を調整したホスホロアミダイトでキャッピングすることでショートマーの物性をコントロールすれば分離が容易なるだろうと考えキャップ化試薬の探索を行いました。

ハイ、結果はこちら↓
ショートマーの5’-末端を極めて脂溶性の高いコレステロールでキャップし、逆相固定相での保持を超絶高くすることでfull-lengthオリゴとの分離をショートカラムで実現できるほど超絶容易にするというものです(因みに、DMTr体より圧倒的に脂溶性が高い)。

通常のアセチルキャッピングとは異なり、コレステロールキャップ体は脱樹脂・(塩基の脱保護)プロセスにおいても安定なので安心です(キャップがはずれない)。また、キャッピング効率も著者らの検討した範囲ではコンベンショナルなアセチルキャッピングと同等といいます。
で、いくつかのモデルオリゴを使った実験(0.2 μmolスケール)では、逆相のショート固相抽出カラム(Waters Sep-Pak®︎ C18 Plus Short Cartridge, eluent : 30% MeCN in 0.1 M TEAA aq.)を通すだけで望みのオリゴとコレステロールキャップした(n-1)merとを簡単に分離することができます。

ただ、PS修飾したT-20-merの場合、精製スケールを0.2 μmolから1 μmolに上げると劇的に回収率が悪化(80% → 45%)してしまい、溶離液のさらなる最適化が必要だと述べられています。
さらに、脱硫によって副生するPO体もアセチルキャッピングよりも多かったそうです。

まぁ、改善する余地は色々あるんだろうけど、便利な手法だなって思いました。

以上、オリゴ核酸スーパー初心者級のテクニシャン(研究補助員)のオリゴ簡易精製メモでした。

2025年1月19日日曜日

孤独のグルメ聖地巡礼:柏市旧沼南地区のネギレバととり皮餃子が美味い件。

ども、孤独のグルメ大好き中年のコンキチです。
昨夏、千葉の渋谷こと柏にある食堂に巡礼してきました。

行ったお店は、孤独のグルメ Season 10 第五話「千葉県柏市鷲野谷のネギレバ炒と鶏皮餃子」に登場するいづみ亭です。

いづみ亭  (柏市鷲野谷, visited Jul. 2024)
住所:柏市鷲野谷901-1 

柏と言ってもアクセスは非常に悪いです。
五郎さんが「へぇー、柏ってもっと都会なイメージだったけど、長閑だなぁ」と言っている程度に、相当アクセスが悪い(柏駅から車で20分くらいらしいです)。
というのも、この地は2005年に合併して柏市となったかつての東葛飾郡沼南町だからです。
お店もロードサイドにあって、五郎さんも車で訪れています。

ドラマで五郎(松重 豊)さんがオーダーしたメニューは、ネギレバ炒定食、とり皮餃子、青ねぎラーメン。
ボクもそれに準じて、かつ食べれる範囲でネギレバ炒定食ととり皮餃子をセレクトしました。

以下、ボクの実食メモです↓

-ホッピー (白)- 
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
まさかの氷なし。このスタイルは初めてで驚いた。
レモンに加えてジンジャーの香味が特徴的。 
氷がが入ってないのでキンキンじゃないんですが、趣を感じました。













-ネギレバ炒定食 (830 JPY+tax)-
-RATING- 
-REVIEW- 
これはマジ旨い。
ソフトタッチのレバは、トップからミドルにかけて臭みは全くなし。で、テールに仄かに薫る独特の香味が食欲をメッチャそそる。
タレは塩辛めだけど、レバがタレを弾きがちなのでこれでいい。 葱はボク好みのサイズと形状にカットされていて、この葱でタレを掬ってレバに載せて食べるのがよき。 



-とり皮餃子 (580 JPY+tax)- 
-RATING- 
-REVIEW-
これもめっちゃ美味しい。
鶏皮はもっちりしてジューシー。皮の結び目にあたる両端のみパリッとしていて香ばしい。 
淡白系の挽肉がみっちり詰まっていて、満足感高い。
いい感じに味がついていて、そのまま食べて十分美味しい。
あえて味を追加で付与するなら、酢胡椒かなと思いました。 


-キリンラガー (大瓶)- 


アルコール類の値段は分かんなかったけど、トータル2,656円でした。

はっきり言って、車以外ではアクセスし難いお店なんですが、行くべき価値のある味があると思いました。
因みに、ボクは自分の脚で走っていきましたけどね。
以上、アラフィフのオッサンの孤独のグルメ聖地巡礼メモでした。

不斉還元的アミノ化でキラルアミノ酸つくってみました。

昨年の梅雨時に久しぶりに節度と敬意をもって、小料理かずよ@押上に行ったときのメモです。

-小料理かずよ (visited Jun. 2024) memo-
住所:墨田区横川3-12

-お通し- 
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
刻んだカイワレ、茗荷、大葉、葱を盛った冷奴。
それぞれの香味野菜の香り、味、食感のコントラストとシナジーが 楽しくて、家で真似しようと思いました。
茗荷を細かく刻むのがミソですね。


-生梅干しハイ (400 JPY)- 
-RATING- ★★★★★ 
-REVIEW-
やっぱ梅干しは日本人にとっての絶体的正義! 


-お新香 (250 JPY)- 
-RATING- ★★★★★ 
-REVIEW-
蕪、胡瓜、生姜、人参の甘酢漬け。
ちょい強めの甘酢と蕪と胡瓜の瑞々しさがベストマッチ。
人参はソリッドでケミカル・フレーバーが味変というかアクセント要因。 生姜は辛味が抜けてて食感が楽しい。


-刺身盛合せ (550 JPY)-
-RATING- ★★★★★ 
-REVIEW-
カンパチ、あじ、たこ、するめの四点盛り。
カンパチは張りの残った適度な軟らかさで、脂も乗っていてシュアな旨味。
あじは、身がしっとりかつモチっとしていて、フレッシュな青い旨味が最高に美味しい。
たこは、吸い付くようなねっとりした食感とちょっと熟成したかのような淡白な味わい。
するめもねっとりした食感と淡白な滋味が堪らない。 


-ウーロンハイ (400 JPY)- 
うすはりのタンブラーは、割れやすいので緊張したです。


-牛すじ大根 (400 JPY)- 
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
女将さんの自信作。
本当は天然ブリカマ塩焼を注文したんだけど、不本意ながら気を遣ってコンバート。
で、大根がめちゃくちゃ美味しい。これは、おでんの味。優しい味わい深いツユが芯部まで行き届いている。自信作というだけの美味さ。
牛すじはゴツいフォルムで、プリプリの脂とゴリゴリの肉部から構成されている。悪くはないんだけど、苦手なんですよね牛すじ。 


-くじら刺身 (350 JPY)-
-RATING- ★★★★★ 
-REVIEW-
しっとりすいつくような食感。
淡白かつ力強い硬派な獣の滋味深い旨味。
生姜は多いので脇に除けて、ちょっとだけ載せて食べるのが吉。

-生レモンハイ (400 JPY)- 


-生ビール (550 JPY)- 


ご高齢のおねえさんが一人で切り盛りしているお店なので、ゆっくりと過ぎる時間を楽しみながらのんびり呑みましょう。
あと余談ですが、前回も 今日もグレープフルーツ(ハイ)が無かったので、注文しないのが無難と思いました。



閑話休題


こんな文献を読んでみました↓

Asymmetric Reductive Amination of α-Keto Acids Using Ir-Based Hydrogen Transfer Catalysts: An Access to Unprotected Unnatural α-Amino Acids
Org. Lett., 2024, 26, 1426-1431.

α-ケト酸を不斉還元的アミノ化して光学活性アミノ酸を合成するお話で、立命館大学の桑田先生らの報告です。

既報のアミノ酸の不斉合成には、不斉ストレッカーや、α-イミノエステルの不斉還元、α-ケト酸の酵素によるトランスアミノ化などが報告されていますが、毒性が懸念されるシアニド試薬を使ったり、基質が(安定なイミンに)限定されたり、基質一般性が十分でなかったりするようです。

Asymmetric Strecker Reaction

O'Donnell's method (Acc. Chem. Res., 2004, 37, 506-517.)

Enzymatic Transamination (J. Mol. Sci., 2020, 21, 3206.)


ハイ、本報では著者らが2022年に報告した得意の水素移動型還元的アミノ化をアミノ酸合成に拡張しています。
ケトン(α-ケト酸)にキラルアミノ化試薬として光学活性β-アミノアルコールを作用させてSchiff塩基を形成させ、ギ酸をヒドリド源としてジアステレオ選択的に還元し、最後にヒドロキシエチルユニットを酸化的に切断するという流れです。

Previous work (2022)
J. Org. Chem., 2022, 87, 8458-8468.

This work (2024)

それでは、本手法のディテールをメモしていくとしましょう。
まずは基本の2022年のJOCの論文からメモしていきましょうか。

著者らは、MeOH,中40˚Cというマイルドな反応条件下、Ir触媒と不斉補助剤としてのキラルβ-アミノアルコールのスクリーニングを行います。
著者らの持っているIr触媒は次の六つ↓

キラルβ-アミノアルコールについては、(S)-valinol, (S)-phenylglycinol, (S)-leucinol, (S)-t-leucinol, (S)-alaninol, (S)- phenylalaninol, (R)-valinol, 2-aminoethanol (achiral)を試しています。

モデル化合物を使った検討では、Ir-L6と(S)-valinolのセレクトがベストなんですが、逆の立体のアミノアルコールを使った場合の結果が気になりますよね。ハイ、答えこちらです↓

立体がスーパー・ウルトラ・クリティカルに効いてきますね。

あと、基質にβ-テトラロン類を用いた場合はIr-L6と(S)-valinolの組み合わせが最適コンボとなりますが、鎖状のα-アルキルケトンの場合はIr-L4と(S)-phenyglycinolのペアが良いです。

さらにラージ・スケール合成例です↓
還元的アミノ化の不斉収率がイマイチでも、不斉補助基の除去前のジアステレオマーの光学純度を再結晶で上げれるチャンスがあるのがいいですね(150 gスケールでこれだけできれば、ラボレベルなら、もうええでしょ!)。

それから、検討の末に著者らが導き出した推定反応機構がこちら↓

さて、続いて表題のアミン酸合成(OL, 2024)についてメモしていきます。
上述したJOCの論文と同様にIr触媒とキラルβ-アミノアルコールのスクリーニングを行った結果、Ir-L4と(S)-phenyglycinolのコンボを採用し、基質一般性の検討を行っています。
23 examples, up to 88% yield, up to 99%ee

23例のうちX=PhとtBuの収率はtraceで反応点周りの立体障害には弱いようですが、α位がメチレンorメチルの残り21例は49-88%, 96-99%eeという結果でまずまずいい感じなんじゃないでしょうか(不斉収率はかなりいい感じですね)。
あと、2段階目の酸化的脱保護はJOCの方法では副反応メインとなってしまうため、アミノ酸合成向けに反応条件の最適化を行い上記schemeの条件を設定しました。

光学活性アミノ酸合成の基質一般性検討は5 mmolスケールなんですが、プラクティカル性を示すために基質に3-(4-fluorophenyl)-2-oxopropanoic acidを用いた反応では100 mmolスケールまで上げています↓
5 mmol scale : 74% yield, 97%ee
100 mmol scale : 83% yield, 97%ee
という結果でスケールアップもちゃんといけそうです。

それから、著者らは立体選択性にまつわる興味深い実験を行っています。
不斉補助基に水酸基なくても収率・立体選択性に殆ど影響を及ぼさない一方で、基質のカルボキシル基がベンジルアミドになると不斉収率が大幅低減します。
そしてこの対照的な結果に基いて導き出した推定反応機構がこちら↓
α-ケト酸と(S)-2-フェニルグルシノールから生成するSchiff塩基に対するヒドリド・アタックが、立体障害の小さいE体の方が有利っていうことですね。

因みに、著者らの開発したIr触媒は関東化学さんからIr-PSA cat.として市販されています。
https://www.kanto.co.jp/dcms_media/other/OFC-12.pdf

S-体、R-体両方の触媒が売っています。
操作が簡便そうだし、立体選択性も良さげだし、活性も高そうだし、触媒も売ってるので、キラルアミン(アミノ酸)が欲しいときは使ってみてもいいのかなと思いました。

以上、二流大出のテクニシャン(研究補助員)のキラルアミン大好きメモでした。