2010年12月31日金曜日

バリュー風物詩

今年もボチボチ終わりですね

大晦日ということで、非合理的とは自分でも思いつつも、昨年に続いて蕎麦くってきました。で、今年チョイスした店は、駒形は一茶庵系の名店「蕎上人」(写真は春に撮ったモノ)。



注文したのは↓
せいろ(1,000 JPY) + 大盛 (+300 JPY) = 1,300 JPY
ビール中瓶(ヱビス) 700 JPY

感想ですが、ツユは少し甘め。ソバはコシが強くモチモチ感があり、喉ごしが素晴らしく良くて絶品の域に近いです(九段一茶庵と似ている)。相変わらず旨いです。

ところで、浅草周辺には蕎麦屋が多く、老舗の「並木の薮」とか「尾張屋」は行列が盛りだくさんでしたが、蕎上人は知名度に劣り立地も少し悪いからか、落ち着いて美味しいお蕎麦を楽しめました(っていうか、個人的に蕎麦の旨さでいったら蕎上人と並木の薮がnearly equalで尾張屋は劣ると思う。まあ、尾張屋は更科系?で毛色が違うけど。)。

味的にはトップクラスの蕎上人が比較的空いてるっていう現実に、ブランディングってっ凄いなって思うとともに(確かに「並木の薮」は凄いし、尾張屋(本店には永井荷風が通いつめたという)も悪くはない)、蕎麦屋でバリュー飲食(バリュー投資のオマージュ)が可能だゼと思う二流大出のなんちゃって研究員なのでした。

余談ですが、実は一昨日、晦日前だったら空いてるかなと思って、「神田まつや」と「かんだやぶそば」をハシゴしようかなと思って行ってみたんですが、超並んでました、29日なのに、開店時間に行ったのに。

並ぶのが嫌いなので、ハシゴはあきらめてアメ横の「上野薮そば総本店」(「かんだやぶ」からの暖簾分け第1号。個人的には、かんだやぶや蕎上人よりも好き)に行ったら、けっこう余裕で入店できました(勿論、蕎麦は超絶旨かった)。

ここでクエスチョン。大晦日に蕎麦屋に行列なす人は、旨い蕎麦を喰いたいのか?それともネームバリューのある店で喰いたいのか?それとも観光の記念に喰いたいのか?

皆さんはどうですか?

蕎麦屋で蘊蓄たれながら、山葵をツユにどっぷりといて蕎麦喰ってる人が大嫌いな二流大出のなんちゃって研究員でした。

それでは、良いお年を。


2010年12月26日日曜日

龍の水

東京FMで、土曜の17:00からやっている「Suntory Saturday Wating Bar AVANTI」(Web Site http://www.avanti-web.com/index2.html)という番組があります。

学生の時分(いまから十何年か前)、研究室の先輩が好きで、毎週土曜の夕方はこのラジオ番組を流しながら実験していたものです。

大学卒業後、"AVANTI"を聴くことはなくなってしまいましたが、最近そのPodcastがあることに気付き、iPodでそのPodcastをチビチビ聴いています。で、とある回のPodcastにドラゴン•ウォーター(Dragon Water)というチャイニーズカクテルが紹介されていたので、そのレシピをメモしてみます(いつか試してみる予定)↓

ドラゴン•ウォーター(Dragon Water)レシピ
   紹興酒/ 60 ml
   烏龍茶/ 適量
   氷を入れたタンブラーに注ぎ、軽くステア(結構アバウトなカクテルです)

話に聴くところ、紹興酒と烏龍茶の相性は素晴らしく良いらしいです(意外)。


2-Bromo-3-hexylthiophene-5-ylmagnesium iodide

個人的に気になった反応のメモです↓


macromelecules, 2004, 37, 1169.

2010年12月25日土曜日

LDA

有機合成において、最も広く用いられている試薬と思われるLDA のメモです↓

a) CAS 4111-54-0
b) pKa 35.7 in THF
c) 0℃で、Et2O, THF, DME, HPMA中で不安定
d) hexane, pentane中(0.5-0.6 M)、室温で数週間安定
e) 1分子のTHFとの錯体はアルカン中で安定
f) THF溶液中では二量体


g) TCIから市販されている試薬は、25% in THF/PhEt/Heptane, ca. 2 mol/L。多分、安定剤としてMg(iPr2N)2が入ってると思う(http://www.tokyokasei.co.jp/catalog/L0171.html)。
h) 関東化学から市販されている試薬は冷蔵保存品で、ca. 1 mol% in n-hexane-THF (LDA: 16%, n-hexane: 70%, THF: 14%)で、モル比換算すると、LDA : n-hexane : THF = 1 : 5.4 : 1.3。多分、LDAとTHFの1:1錯体でしょう(http://www3.kanto.co.jp/catalog/CDetail.aspx?SYU_ID=%20%20%20%20222053)。
i) あと、こんな風にしても合成できるらしい↓


よくLDAを0℃とかで反応させる例がありますが、これって市販のLDAを使ってるんですよね?だって、THF中、n-BuLiとiPr2NHから調製したLDAって、その温度域で不安定だし。


すき家のオペレーション

はじめてすき家に行ってきました。すき家といえば、外食産業の雄「ゼンショー」グループの中核事業であり、その高効率なオペレーションが日経ビジネスで取り上げられました。そして、当ブログでも以前そのことについて言及しています(see http://researcher-station.blogspot.com/2010/12/blog-post_19.html)。

で、実際すき家のオペレーションってどんなものなんだろうという好奇心からすき家の牛丼 (並) 280円を食べにいったというわけです。ちなみに、コンキチが訪れた店はこんな店↓


席数/ 39席 (カウンター: 11席、テーブル: 28席)
来店者数/ 25人前後
クルー/ 3人(全て女性)
駐車場/ 約15台駐車可能
飲食時刻/ 13時頃


さて、感想です。まず来店一番、こういった店にありがちな食券の自動販売機がないことにびっくりしました。そして、テーブル席があったことにも少し驚きましたね。だって、オペレーション効率が下がりそうじゃないですか?

それから、客に対するクルーの数が少ないように思いましたね。食べ終わった食器が放置されていたり、商品の提供もファストフードショップとしてははっきり言って遅いと感じました。あと、人の働き方も一様ではない。1人だけ背中を汗びっしょりにしてあくせく動き回っていましたが、他の2人の動作はやや緩慢としかいえませんでした。

まあ、郊外のロケーション的にやや僻ってる店1軒だけみて全てを判断するわけではないですが(でも、けっこう混んでた)、すき家のオペレーションって人の労働効率を馬車馬 or ロボット並に高めることが鍵と思いました。人にやらせられることは徹底的に人にやらせる。で、単純労働を過負荷でクルーに付与することで、思考能力を低下させ、思考停止の無意識状態でオペレーションを遂行可能な人間兵器を養成することがすき家の生産性向上のキーファクターではないかと。

次は都内の繁盛店に行ってみようかと思います(コンキチはあまり牛丼とか好まないのでいつになるか分かりませんが)。
あと余談ですが、テーブルを拭く際、肘から下のみの動作でZ字に拭いてはいませんでした。


2010年12月23日木曜日

DMF Dimethyl Acetal

N,N-Dimethylformamide Dimethyl Acetalに関するメモです。


CAS 4637-24-5
bp. 102-104℃/720mmHg
pKa 6.25


この種の化合物(formamide acetals)は、主に、上式右の様なazo-oxo-stabilized carbenium ionの発生を介して反応(アルキル化、ホルミル化)に関与します。


資源大国の宿命?

このあいだ業者の人からもらったTCIプロダクトノート「超原子価ヨウ素化合物」に目を通していたんですが、その冒頭にこんな件がありました↓

わが国は天然資源に恵まれず多くの原材料を輸入しているが、ヨウ素に関しては世界最大級の資源国である。しかしながら、その現状は付加価値の低い単体ヨウ素として生産、輸出し、そして、X線造影剤、写真用フィルム感光材などの高付加価値ヨウ素製品に形を変え輸入されている。貴重なヨウ素資源が国内で有効に利用されていないことになる。

のだそうです。

高付加価値ヨウ素化合物というと有機合成で使う超原子価ヨウ素(余談ですが、名古屋大の石原先生の開発したIBSをいつか使ってみたい)くらいしか知らなくて、他の高付加価値ヨウ素の市場環境に関する知見は皆無で申し訳ないんですは、日本でさえ資源がウハウハあると、Raw Materialで輸出しちゃうんですね

軽く驚きです。で、思いつきなんですが↓

資源が豊富だとそれをRaw Materialとして生産することで満足して、高付加価値製品を開発するというインセンティブが失われてしまうっていう傾向があるんじゃないだろうか?

余力があったら、関東天然瓦斯開発(連結でヨウ素最大手。国内シェア43%。世界シェア13%。)のIR資料くらいはサーチしてみたいと思いますが、詳しい人がいたら教えて下さい。


2010年12月19日日曜日

洗脳企業

橘玲のブログで、牛丼チャーン「すき家」を展開するゼンショーに関する記事がありました。

その記事によるとゼンショーの仕事(現場のオペレーション)は国内究極のマックジョブであるといい、社員には「ゼンショーグループ憲章」という小冊子(シリアル番号入りで、なくすことは許されない)が配られ、新人研修は「学生時代の誤ったリーダーシップ観を徹底的に否定する」という自己否定から始まり、ゼンショーの思想を植え付けるという洗脳じみたものだといいます(コワッ)。

そして、「日経ビジネス 9月20日号 外食日本一ゼンショー 280円で仕掛ける"メガ盛り生産性革命"」がオリジナルの記事といいます。

ということで、ボクもこの日経ビジネスの記事を読んでみました。


で、読んでみた感想なんだけど、一言でいうと、

ゼンショーってロボット生産工場だな


だって、

a) 朝礼で10分間の店内オペレーションのロールプレイングと(スーツ)スクワットをするそうです。で、ある幹部社員は「うちの朝礼は素早く仕事モードに切り替えるための合理的なセレモニーなんです。恐らく一般の会社は、始業後、数時間ムダにしてるんじゃないでしょうかね」と嘯いているそうです。
→どこが合理的かサッパリ分からないけど、(軍隊に入ったことねいけど)軍隊チックな感じですね。因に、ボクの職場は上述の儀式はないけど速攻仕事モード入ります。

b) 「ゼンショーグループ憲章」には、「商談は30分」「社員は群れてはいけない」「笑ってごまかさない」「いい人に思われるようにするな」「歩く時は1秒に2歩以上」なんていう記述があるそうで、社員にとってはバイブルに等しいそうです。
→ミスター•マリック張りに相当キテマスね。こんな小学生じみたことを憲章に列挙するのは、オペレーターを精神的にロボット化する意図しか感じられない。
あと、「社員は群れてはいけない」って労組を結成しちゃダメって暗にほのめかしてますよね。けっこうブラック(ボクは、個人的に労組には否定的だけど)。

c) 丼の洗い方やテーブルの拭き方にまで細かいマニュアルがあり、ムダな動きだと叱責される。例えば、テーブルを拭く際は、肘から下のみの動作でZ字に拭かなければならない(上腕を使うと動きが大きくなりムダという)。
→正にロボット化

d) 現場でクルーがマニュアル通りに動いているかを確認する社員の定期循環に加えて、全店に監視カメラを設置し、監視役の社員が24時間モニターしている(防犯対策の意味もある)。
→グーグルなどのクリエイティブ企業とは対照的な徹底管理。自己実現ゼロの退屈な職場環境では、オペレーターは低きに落ちてゆくから徹底監視による厳格管理が必要ってことですね。恐怖政治だな。

多かれ少なかれ企業っていうのは、従業員を洗脳して自社に忠誠を尽くすようにするための洗脳プランっていうのを持ってると思いますが、こゼンショーは凄いね

(あと、ゼンショーに匹敵する宗教じみた洗脳研修を実施している企業は、王将フードサービスだろうか see http://www.j-cast.com/kaisha/2010/04/14064474.html)

さらにゼンショーは個々のオペレーションの詳細を徹底的に規格化して、個人の裁量を排除してオペレーションのムラを取り除こうとしているようです(クルーの唯一の独自性は笑顔だそうだ)。例えば↓

a) トヨタばりにタクトタイムを管理

b) ゼンショーには牛丼のミニ用、並盛用、大盛用の3種類のおたまがある(吉野家は1種類しかない)。

c) 製造ラインの組み替え(段取り替え)をパートだけで効率的に組み替えるマニュアル整備と訓練をしている。

d) FFS (Five Factors & Stress)の導入
米国海兵隊が使っている組織理論。性格毎にクルーのベストマッチな組み合わせを最適化し、チームとしての効率を高めるている


e) パート•アルバイトを徹底活用↓

ゼンショー
吉野家
牛丼並盛の価格
280円
380円
売上高
1,006億 (すき家)
1,021億 (吉野家)
店舗数
1,482 (すき家)
1,178 (吉野家)
原価率 (連結)
33%
38%
社員対パート
1対7
1対4
平均単価
500円弱 (すき家)
500円弱 (吉野家)
1人当り売上高(正社員のみ、連結)
6,900万円
4,690万円
1人当り売上高(パート込み、連結)
887万円
889万

人件費の安いパート人材の比率を増やして利幅を稼いでいるんですね(BRAVO)。

マックジョブは低付加価値事業で、そういった事業は薄利多売スキーム(EDLP)だから、非正規社員を沢山つかってコストカットしたり、スケールメリット(国内外食 No.1)を効かしたやり方っていうのは王道ですよね。しかも、何も考えず言われたことをしっかりやってくれるロボットオペレーターは最強の戦力だ。

コンキチはこの記事を読んで、ちょっぴりゼンショーに興味を持ちました。実は、すき家には一度も入ったことがないんだけど、今度クルーの作業している様子を観察しに入店してみようと思います。それから、ゼンショーの組織構造も余力があったらサーチしてみたいです。

それにつけても、マックジョブって恐いな。橘氏は自身のブロググで、

マックジョブには「自己実現」はないけれど、仕事で悩んでうつ病になったり、自殺したりすることもない。

と述べているけれど、ボクには耐えられないな。来る日も来る日も単調な作業の繰り返しなんて、退屈で退屈で狂い死にしそうです。しかも、いい年した大人(我が国で大卒は20歳超えてるまぎれもない大人だ)が思想まで強要されたくない。

改めて、学生みたいなキタナイ恰好で通勤できて、そこそこ楽しい研究ライフを送れている自分の運命に感謝したい気持ちでいっぱいの二流大出のなんちゃって研究員でした。


2010年12月4日土曜日

グルは死なない

抗生物質を服用していて断酒中で調子の出ないコンキチです。

ところで、我が国が誇る経営学の(かつての)グル大前研一先生の著作「民の見えざる手 デフレ不況時代の新・国富論」を読了しました。

この著作でコンキチのこころにとまったのは次の3点↓

1) 「夫婦+子供2人」はマジョリティではない

1960年
2005年
単身世帯
約400万世帯
約1,330万世帯
夫婦と子供から成る世帯
-
約1,464万世帯

我が国では、もはや、各年代で単身世帯数がフラット化しているといいます。企業は、こういったクリティカル•マスの動態を把握してマーケティング戦略を立てたければなりませんね

2) 加ト吉の人材育成法
加ト吉では、中国市場攻略のための人材獲得手段として、日本の大学や大学院に留学している中国人を採用し、日本で育てて中国の本部長や工場長にしているそうです(20年くらいかかったらしいです)。エクセレントな戦略と思いました

3) インドネシア
インドネシアは輸出主導の「弟1ステージ」から内需主導の「弟2ステージ」に転換し、中国よりも魅力的な市場となっているそうです。新興国市場要チェックですね
(コンキチは現在新興国市場に食指を伸ばそうかと考えています)

以上、メモ終了です。まだグルは完全に力を失っているわけではなさそうですね


2010年12月3日金曜日

これってイノベーション?

先日、ユニクロで折りたたみ傘を購入しました(確か780 JPY)。こいつです↓


傘本体と傘袋がリードで繋がっていて、そのまま使用できるんです。

ボクは、よく折りたたみ傘の傘袋を無くして、その度腹立たしい気持ちになるんですが、これだったらそんな心配ナッシングです。

っていうか、この傘袋を本体とリードで繋ぐっていうアイデアって、誰でも考えつきそうだけど(少なくともボクは)今まで見たことなかった。ちょっとしたイノベーションだよね。

希代の天才が、「何もないところからアイデアを生み出す」というイメージはロマンがあって魅力的であるが、危険なフィクションである。イノベーションや創造性というものは、そのイメージほどミステリアスなものはない。すでに開発されたアイデアを取り入れ、それを新しい状況に適用しているにすぎない。(「製品開発力と事業構想力」より引用)
see http://researcher-station.blogspot.com/2007/01/blog-post.html

なのです。

2010年11月23日火曜日

Beaujolais Nouveauの季節

今年もBeaujolais Nouveauの季節がやってきました。ということでボジョレー・ヌーヴォーネタを一つ。

ちょっと古いのですが、週間東洋経済(2005 10/19特大号)の

「ボジョレー・ヌーヴォーの秘密 原価400円でも儲からないの?」

という記事でヌーヴォー1本のコスト構造を推計しています。で、それによると↓

定価/ 2,400円
原価/ 400円
航空便/ 800円
関税/ 100円
国内輸送費/ 50円
酒税/ 50円
販売広告費/ 250円
メーカー利益/ 80円
卸売り利益/ 170円
小売り利益/ 500円

定価2,400円というと、当時とか為替レートは20円以上違う気がしますが、多分、ヴィラージ(Villages)レベルなのでしょう。そして、輸送費(多分空輸)800円(コスト構成の33.3%)が光ます。まあ、これもお祭りのためのコストと思えば致し方ないと思う向きもありますが、ワイン文化が成熟しているとは思えない我が国においてはいささか空虚な気持ちも漂います。だって、みんな普通のボジョレー(新酒ではない)なんてそんなに飲まないでしょ?ヌーボーより安くて美味しいのに。

それに、コンキチが以前勤めていた事業所の近くにある(錆びれた)酒屋では、5年モノのBeaujolais Nouveauが陳列してあるという笑えない現実がありました.....。
あと、コンビニとかスーパーで越年ヌーボなんてよく見かけますからね

我が国は、輸出先ランキングで2位のアメリカ、3位のドイツを大きく引き離して断トツでトップだそうです。一方、(ブルゴーニュじゃなくて)ボルドーワインの国別輸出先(金額ベースで)は、1位イギリス(18%)、2位アメリカで(10.7%)、3位ベルギー、4位ドイツ、5位香港。6位日本(7.1%)だとか(ワイナート情報らしいです)。

日本人がボルドーよりも圧倒的にブルゴーニュが好きとは全く思えないんですが.....ってことは、完璧にカモられてるなオレ達。


そんな気がします。

2010年11月9日火曜日

香料会社給料激減

サラリーマンの平均年収が減少しているらしいですね
see http://nensyu-labo.com/heikin_suii.htm

平成21年のサラリーマン(民間企業で働く会社員やパート従業員)の平均年収は406万円(男性 499.7万円(▲6.2%); 女性 263.1万円で(▲2.9%)なんだそうです(国税庁民間給与実態統計調査)。近年で最低の給与水準らしいです(ボクの年収は昨年よりも50-60万以上増えそうだけど)。

ボクがかつて身を置いていた香料業界はどうなんだろうか?という想いが頭をよぎったのでサーチしてみました↓


あららら

(高砂香料に関しては、平均年齢の低下も影響あると思う)。

まあ、「平均」に比べれば、まだまだ給与水準高いし、ぬるま湯な業界だからいんじゃないですか?

とりあえず、1Q, 2Q, 3Qの決算からは、今期は、前期よりはマシみたいですね

2010年11月2日火曜日

ジェネラル•ルージュの作り方

六三四の剣にあこがれて、剣道少年だった(一応、剣道二段)コンキチです。

さきほど、「ひかりの剣」を読了したのですが、




青春ってホントにいいものですね!


舞台はズバリ大学。時代設定は1988年(ブラックペアン)前後。そこには、若かりし時分の高階院長や未だ学生に速水晃一が登場します。そして、テーマはスポコン(しかも剣道)。

それにつけても、大学っていう空間は熱いなと思いました。コンキチは大学時代剣道部ではなかったんですが(女子の比率が抜群に高い部の一つで合気道部でした、ちなみに合気道初段。ついでに、カミさんもそこで見つけた)、大学っていうのはなんていうのかな、社会とモラトリアムの境界っていうか、人生の中では最もあまずっぱいフィールドだったように思います。

で、そんな甘酸っぱい空間を舞台に、剣道というスポコン(しかも、自分は剣道(一応)経験者)。なんか痺れます。海堂尊はメディカルエンターテインメント一色かと思っていたら、それは間違いです。青春の巨匠でもあります(しかも、桜宮サーガの拡張に寄与している)。読了して、とても清々しい気持ちになります(多分)。はっきり言って、小説版「六三四の剣」だね。

ところで、この物語でジェネラル•ルージュこと速水晃一がとっても主要人物(主役or準主役)なのだけれど、彼はもともとは「ジェネラル・ルージュの凱旋」でみられる傲慢さは学生時代は持っていませんでした。が、しかし、この本の中、若かりし高階剣道部顧問によって速水はジェエラルの道へと突き進まされる布石が穿たれるのです。

はっきり言って、この本は大学版「小説 六三四の剣」なので剣道経験者じゃない人にはちょっと煩わしい描写が多いと感じるかもしれませんが、コンキチには超面白い作品でいした。

剣道経験者には絶対おすすめ、かつ、未経験者の人でも熱い情熱があればとっても楽しめるかもしれない小説と思いました。

2010年11月1日月曜日

研究員、有給を取得する

今日は11月1日。所謂、「映画の日(1,000 JPY/titleで映画を鑑賞できる日)」です。しばらく(2年くらい)やめていたんだけど、毎月1日に有給休暇を取得して劇場で映画鑑賞に耽るっていうのを2ヶ月前から再開しました。

休日に比べて圧倒的に空いてるし、1,000円で観れるのが良いです。3年くらい前に近所に出来たSC内の映画館を使ってるんだけど、新しい施設なのでとっても快適です。

ちなみに今日観たのは、「SP-野望編-」と「ナイト&デイ(KNIGHT & DAY)」。「SP」は、岡田君のアクションが超冴えまくりでカッコよかった。国産アクション映画の最高峰だねそれから、「KNIGHT & DAY」はスパイ映画なんだけど、やっぱりスパイ映画っていったらトム•クルーズだなと再認識。スパイ映画におけるトムの映え方は他の追随を許さないものがあると思いました。あと、ヒロインのキャメロン•ディアスのエロ•フェロモンの出方が良かったです

TVで流れてる、映画やドラマをけっこう撮りだめしてるんだけど、ウェブ•ブラウジングやら読書やらでなかなか観る時間がとれない。なので、会社を休んでスクリーンで映画観るのは、けっこう良い心の洗濯になったりして精神衛生上好ましいです(そんな気がします)。

とりあえず、来月はハリー•ポッター観に行きます。

有給をとり易い研究員っていう職業選んで良かったなと改めて思う訳なのです。
(新しい職場にも大分なれてきたので、今年は有給完全消化する予定です)

2010年10月31日日曜日

フラット化しない世界 2 : スパイキーな世界

直近の「フラット化しない世界」というエントリーを書いている最中、(クリエイティブ•クラスの話で有名な)フロリダ教授の「クリエイティブ都市論―創造性は居心地のよい場所を求める」という本を思い出しました。



この本では、世界はスパイキー (spiky)になっているといいます。

スパイキー (spiky)
【形】
1. 先端がとがった、くぎのような、くぎ付きの、くぎだらけの
2. とげとげしい、頑固な、気難しい、短気な、怒りっぽい

人口のみならず、経済力、イノベーションといった社会を牽引していくエナジーは、きわめて少数の大都市圏(メガ地域)に集中しているといいます(アジアの場合は、広域東京圏、大阪=名古屋、ソウル=釜山、九州北部、香港=深圳、広域札幌圏、上海、台北、広域北京圏)。そして、メガ地域への才能の集積が起こっているというのです。この現象は、GDP、トップ科学者、イノベーション(特許)の集積によって裏付けられています。要は、クリエイティブ産業の分野では、世界はフラット化などしていないのです。そして、場所の重要性がますます高まっているといいます。

実際日本でも地域間格差-栄える都市と衰退する地方-が広がっているようだし、この論には感覚的にも同意し易いです。っていうか、東京圏の莫大なトラフィックを鑑みれば都市へのスパイキーな集中が体感できるでしょう。

そして、都市はその特性(性格)に応じて、特異的な才能を惹き付け、(クリエイティブ)産業が集積すると言います。

中盤からは「場所(居住地)選び」や「都市の性格心理学」といったボクとしてはやや冗長なお話に移っていきますが、本書は為政者が地域をデザインする上で非常に示唆に富んだ内容になっていると思います。

ところで、自動車工場誘致で(単純労働従事者の)雇用創出なんて言っていい気になってる首長さん。東北大学っていう東北随一の才能の活用法を考えてますか?

フラット化しない世界

コークの味は国ごとに違うべきか」を読了しました。ハーバード•ビジネススクールで史上最年少の教授となったという、ハーバード•ビジネススクール教授、兼IESEビジネススクール グローバル戦略のゲマワット教授の著作です。

内容は、その邦訳のいかにも大衆をターゲットとしたようなタイトルとは裏腹に、かなりハイブローな内容です(原題は、「REDEFINING GLOBAL STRATEGY」です)。

ボクは「フラット化する世界 (The World Is Flat: A Brief History of the Twenty-first Century)」は未だ未読なんですが、そういう世界とはウィキペディア情報によると、インターネットなどの通信の発達や、中国・インドの経済成長により世界の経済は一体化し同等な条件での競争を行う時代にいたる世界らしいです。そして、フラット化した世界でのグローバル戦略は、規模と画一的戦略を重視している様です。

で、この本で著者は、フラット化した世界=(完全な)グローバリゼーションへの歩みは鈍牛のごとく遅く、少なくとも当面の間はセミ•グローバルの状態のまま(国ごとの差異は大きい)であろうと予測し、その前提を基にしたクロスボーダー戦略を提案しています。

著者が提起するクロスボーダー戦略はAAA戦略で、それぞれの「A」はAdaptation (適応)、Aggregation (集約)、Arbitrage (裁定)に対応し、AAAトライアングルから戦略オプションを策定していくというものです。

そして、戦略策定には、差異を分析し、差異を活用することが重要と述べ、差異分析のツールとしてCAGE (Cultural: 文化的な隔たり, Administrative: 制度的な隔たり, Geographical: 地理的な隔たり, Economic: 経済的な隔たり)な隔たりの枠組みというフレームワークを提案しています。

そして、フラット化した世界でのグローバル戦略=「規模と画一的戦略を重視」が通用しない事例が幾つか挙げられています。例えば↓

a) コカ•コーラ
同社は1980年代、集約戦略の舵を切ったが、業績は思うようにあがらず、その後、適応戦略に切り替えた。急激な適応戦略へのシフトによりさらに業績を悪化させた同社は、現在トレードオフ関係にある適応-集中間でバランスをとった戦略にシフトしている。ちなみに、ジョージアは日本コカ•コーラの独自商品。また、アトランタで開かれる「コカ•コーラの世界の味」展示会に来場するアメリカ人は、日本やその他の国の製品を試飲して、あまりの不快な味に吐き出してしまうことも少なくないそうです。

b) ウォールマート
同社の海外事業の収益性はアメリカ国内よりもずっと低い。黒字の国はCAGEな側面がアメリカと似ている傾向にあり、赤字の国はそうではない。

c) グーグル
グローバリゼーション(=フラット化)を促進させる「テクノロジー」を推進する最右翼のIT企業の巨人グーグルのロシアと中国事業は芳しくないという。理由は、
文化的な隔たり(ロシア語が比較的難しい)、制度的な隔たり(中国の検閲への対応)、地理的な隔たり(遠いアメリカからロシアに手適応するのに苦労し、現地にオフィスを設立)、経済的な隔たり(ロシアは資金決済のインフラが未整備だったあため、現地の業者との競争に不利)といったCAGEな隔たりの全てが関係していた。


翻って、国ごとの差異を上手く利用した事例もあります↓


A) マクドナルド
ビックマック指数という言葉に象徴されるように、高度に標準化されたオペレーションを全世界で提供していると思われているマクドナルドの提供している製品は、国によって様々だという。
フィリピン/ バーガーマクド(甘いバーガー)、マックスパゲティ(イタリアにはない)
日本/ テリヤキバーガー
インド/ 羊肉バーガー
台湾/ ライスバーガー
現地での適応可能な要素と、適応するとシステムのパフォーマンスが損なわれる要素とに分類し、全体の約20%を現地ルール、約80%をグローバル•ルールとしているという。
また、マスコットのロナルドはフランスではマクドナルドワイン、オーストラリアではフィレオフィッシュの販促を行い、北米ではクリスマスを、香港では旧正月を祝うが、世界中からアクセスできるメディア(グローバルな広告キャンペーン)には登場しないといいます。これは世界中で現地の文化の中にマスコットのイメージを入れこもうとしているからだそいうです。以上は、領域分割(国ごとに異なる要素と、複雑なシステムの統合された部分とをはっきり分ける)の事例で、マクドナルドは領域分割の名手と言われているそうです。ちなみにボク個人は、マクドナルドは人間の食べるものじゃないと思っています。

B) インドの製薬業界
インドの製薬業界では、製品ではなく製法に特許が与えられるため、輸入医薬品のリバース•エンジニアリングによるコピーの製造が有利だったそうです。2005年以降、WTOへの加盟に向けて特許法を世界標準に改正したそうなんですが、歴史的経緯、安価な労働力、買い手の支払意思額、国内の競争などにより、インドの大手製薬会社はローコストオペレーション能力を高め、ジェネリック医薬品市場で重要なポジションを確立したといいます。FDAに提出されるジェネリックの略式申請の25%がインド企業といいます。制度的な裁定が効いた例でしょう。

C) IBM
最近のIBMは国ごとの差異を活用し始めたそうです。すなわち、賃金の差異(裁定)を利用して、新興国(特にインド)の社員を3倍以上に増やし、新興国で大幅な拡大(集約)を図りました。新しい従業員は、IBMグローバル•サービシズというグループ会社に雇用され、この会社が急拡大しているそうです。しかしながら、同社は、ソフトウェア•サービス事業でインドの競合他社よりも人件費が50-75%高く、コストダウン競争で勝負に出ようとしているわけではなさそうで、ハード、ソフト、ITサービスの三つの分野全てでソリューションを提供する「One IBM」のビジョンを実現することで差別化をはかっていく模様です。

D) P&G
エクセレント•カンパニーの雄、P&Gでは、集約、適応、裁定(アウトソーシング)の機能を意図的に3つのサブユニット、すなわちグローバル事業部門、地域市場開発組織、グローバル•ビジネス•シェアード•サービシズ部門にわけ、これらが接触する(摩擦が生じる)場を最小限に抑える構造ににすることで、適応と集約に加えて、ある程度の裁定(アウトソーシング)を追求してすることが可能となったという。同社は最高の業績をあげているとか。

今のところ、フラット化した世界は夢のまた夢のようです。

厚顔無恥な職業

ボクが勤務する事業所には、大手生保の外交員(保険のオバチャン&オネーサン)がウロウロしています。損することに意味のある宝くじを販売する人達です(保険と宝くじは基本的に同じ構造だ)。

彼女達は初対面であるにも関わらず、無遠慮にボクの個人情報をGETしようとします。それがあたかも当然の権利であるかの如く。

そして、首尾よく名前と部署名を入手すると、翌日、勤務時間中にも関わらず迷惑極まりない、アポ取りの電話をかけてきたりします。

それから、「昼休みに10分くらいお時間下さい」とか言って。40分くらい拘束されたりすることもあります。とってもしつこい。

特に

日本生命


が一番しつこいです。さすが、業界のガリバ−だけあって、図々しい営業をするようにという指導が徹底しているようです。ちなみに、日本生命相互会社様は、第3位の大株主様(持株比率 ca. 5.3%)でもあらせられるので、こんなに強気な態度にでれるのでしょう。

株式持合いの弊害がこんなところにもあらわれているぜと思う二流大出のなんちゃって研究員でした。

Japan as No. 5

日本は世界5位の農業大国 大嘘だらけの食料自給率」を読了しました。

はっきり言って、周囲の注意を惹きつけるセンセーショナルなタイトルです。そして、どうやら、我が国の2005年の農業の国内生産額は826億ドルで、中国、アメリカ、インド、ブラジルについで世界第5位らしいです。先進国の中でアメリカに次ぐ農業大国というイメージのあるフランス(549億ドルで6位)を大きく引き離していて驚きです。農業GDPで比較しても世界第5位といいます。

ただ、金額ベースなので、No. 5という地位を素直に鵜呑みにすることはできませんね。だって、我が国の農産物の輸出水準は極めて低く、国内には購買力のあるそこそこ潤沢な市場があるんですから。ついでに、品目によっては高い関税障壁があったり、それに関連した国家貿易などのシステムにより、輸入原材料のコスト高に起因するファイナル製品の高価格化を考慮すべきなんじゃないかなと思います。

なので、ちょっと胡散臭い気持ちにもなりますが、本書に記述されている情報は価値の高いものが多いとは思いました(真実なら)。

例えば、

a) 小麦の国家貿易
小麦の関税は250%。国は国家貿易により無関税で小麦を輸入し、それを安く流通させることでウハウハしているらしいです。
30,000 JPY/1tの小麦を買う場合、250%の関税価格では、105,000 JPY。一方、国家貿易品は1t当たり17,000 JPYのマージンを抜くので47,000 JPYと言います。きてるね

b) 輸入バターでウハウハ
輸入バターは1次税率は35%(600 tまで)で、2次税率は(29.9%+179 JPY)/1 kgだそうで、1次関税対象量は、国際航空会社や国際物産展にあらかじめ割り当てられているそうです。普通に輸入しようと思ったら、二次税率を払った挙句、農畜産業振興機構にバターを買い入れてもらい、農水大臣が定めた806 JPY/kgの輸入差益を上乗せされた価格で買い戻さなければならないそうです。
国際価格500 JPYのバターを1 kg輸入したとすると、

500 + 149 + 179 + 806 = 1,634 JPY

で、これに流通・小売のマージンを載せると小売価格は2,000 JPYを超えるといいます。
(だから、糞マズイマーガリンを食わなきゃいけないわけ?)
究極の錬金術だね

c) 差益関税
基準輸入価格 (546 JPY/kg)を決め、安い輸入豚肉は基準価格との差額を関税として徴収される。基準価格より高い豚肉には4.3%の関税がかけられる。
で、外国産豚肉で最も需要があるのは、モモや肩肉などの低価格部位(加工用)。トンカツやヒレカツ用の高級部位は国産が用いられているらしいです。で、結果、加工業者は安い部位に加えて(必要のない)高い部位を合わせて輸入して帳尻を合わせようとするらしいです。結果、本来必要のない高い部位の輸入品を売りさばくのは困難でダンピング販売されるそうです。ちなみに加工された豚肉製品の関税は10%。
さらに、海外の業者は安い肉がメイン商品だから、彼らは基準価格内でできるだけ高い値づけをするそうです。なんて外国の業者に優しい利他的な制度なんでしょう

c) ニュージーランドの奇跡
ニュージーランドの農産業は補助金廃止&関税低減することにより発展したらしいです。補助金が廃止された1985年から現在までに、農業生産額は160%伸長し、農業のGDP比率は14%→16%に向上し、輸出は4倍になったそうです。っていうか、計画経済は破綻し、保護主義は産業の競争力を奪うという事実と、戦略論を公教育の場で学習させた方がいいですね

d) 補助金なんていらない
日本で補助金に頼らず経営している農家は多数派だといいます。農業8兆円産業のうち、自立志向の農家が5兆円以上を産出しているんだそうです。で、野菜、花、果物農家が潤っているらしいです。一方、大規模な米、畑作農家は補助金のおかげで何とか黒字になっているのが現状とか。でも、米作農家を守るために、減反させて、補助金だして、778%の関税かける意味ってあるのかなと思いますね(っていうか、需要が無いものを無理に作らせる意味が見出せない)。本来つぶれるべきものがゾンビのように存続して、世の為になったためしってありますか?さくさく、TPPに参加しちゃって下さい。


とまあ、農業素人のボクには参考になる情報がけっこうあってためになりました。ただ、話の論理の展開とデータの見せ方はかなりイマイチと思いましたね。論理展開に微妙に整合性が感じられないんだよね。

あと、著者は(我が国でしか議論の遡上にのぼらない)食料自給率を算出する計算式の齟齬を指摘してるけど、ボクはその言葉自体に力を見いだせないな。そういう(飽食を前提にした)指標を提示するくらいだったら、適正カロリー補完率にしたほうがいんじゃない?っ思います。っていうか、そもそも経済的に豊かな国では、食の多様性や選択肢が広がるから輸入が増える。特に我が国では、政府の戦略論を完全に無視した保護政策によって輸出が抑制されているようだから、農水省の定義する自給率は低下するに決まってる。鎖国して輸入ゼロにすればオートマティカリーに食料自給率は100%になりますよ。そのかわり、スコッチもシャンパンもボルドーのフルボディーの赤ワインもボク達の口に入ることはなくなるでしょうが。

「食糧自給率なんて妄言」そんな気持ちでいっぱいの二流大出のなんちゃって研究員の戯言でした。


2010年10月23日土曜日

経済記者あがりの衆議院議員の真実

とある民主党衆議院議員がtwitterでこうつぶやきました↓

継続審議になっている派遣法。まさに、小泉構造改革のときに規制緩和などで、派遣社員が大幅に増えました。私は内部留保がある会社が派遣切りをするのが許せません。菅さんが、もっと財界にパイプを持ち、圧力をかけるべきだと思います。

まだこんなこと言ってるバカがいるんだねちなみに、派遣社員の増加は小泉政権が発足するはるか以前からの長期的なトレンドです(see http://researcher-station.blogspot.com/2008/12/blog-post.html)。

で、その後こう続きます。

えー内部留保は私の言葉足らずですみません。経済の話はツイート向きではないのでこれにて終了にしましょう(^.^)。

経済の問題ではなく、会計の問題だと思うんですが....
あと、2年くらい前にもこのブログで書いたけど、利益剰余金ってバランスシートにおける右側(貸方)なわけで、キャッシュとは全く違うよね。貸方は負債(借金)と資本(今は純資産っていうの?)によって構成されていて、企業の資金調達の方法が記述されている。で、左側(借方=資産の部)には調達資金の使途が記述されていると思うんだけど.....つまり、内部留保とか借金とか資本金とかは、棚卸資産(在庫とか原材料)とか固定資産(設備とか)とか現金として実際に存在している。なので、もし上述した「内部留保(利益剰余金)を使って派遣社員を救済しろ」的なことをいうんだったら(まともな人はこんなこと言わないと思うが)、現金と有利子負債、あと売っぱらってもかまわない有価証券(当然、子会社の株式なんて売っちゃいけない。また、一気に売却するのも現実的とは思えない)を考慮しないといけないと思うのですが.....
(see http://researcher-station.blogspot.com/2009/01/blog-post.html)。


ちなみに上述したバカっぽいツイートをしたのは三宅雪子衆議院議員です。ちなみに彼女の経歴は↓

桐朋女子高等学校、玉川学園女子短期大学、共立女子大学卒業。1988年、フジテレビジョンに入社。営業局、報道局、国際局、CSR推進室に勤務。報道局では経済部記者として為替と株式を担当。

だそうです。

大手メディアの経済部記者あがりの与党の国会議員っていうのは、会計学の基礎中の基礎を知らなくても勤まる代物だということが学習できました。
(ちなみにボクは工学部応用化学科卒で、仕事は有機合成しかやったことありません)


2010年10月17日日曜日

評判獲得ゲームの台頭

残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法」の感想の続きです。今回は、ムラ社会が崩壊して市場の倫理による支配が強化されていることを書きたいと思います(最後です)↓

ところで、日本的経営っていう言葉があります。ジャパン・アズ・ナンバーワンと日本経済が賞賛された時代に評価された、年功序列と終身雇用(実際はそんなもの殆ど存在しなかったが)をベースにした経営スタイルです。で、日本的経営の下では、能力差ほど賃金差は大きくなりません。成績(業績)優秀者は、幾許かの賃金の上乗せと、周囲からの評判(その結果としての昇格、昇進)によって処遇されていきます。

余談ですが、古典的な日本企業では、管理職に昇進すると給料が下がるというパラドックスが発生することがままあります。要は、管理職に登用されると残業代が支払われなくなるためです。このことは能力差ほど賃金差は大きくいということを例証しているとコンキチは思います。

能力(or 成果、実績)が、それほど賃金で報われないとしたら、当時、エコノミック•アニマルと揶揄させた我が国の企業戦士を長時間労働へと動機付けていたのは何だったのか?という疑問が湧いてきます。で、その(一つの)回答が本書では示されています。それは、



評判


です。

(自分が勤務する会)社内(という閉じた系=伽藍)における評判獲得競争(ゲーム)に興じることが、企業戦士達を動機づけていたというのです。で、このシステムは、「大きな成果を挙げても、金銭的報酬で報いない」というのがミソだそうです(金銭的報酬は課題に取り組むモチベーションを失わせるという実験結果があるそうです。自分も含めてブロガーの評判獲得ゲームなんてそのまんまと思います。)。

では、何故日本のサラリーマンは評判獲得ゲーム(=他者の承認)にのめり込むのかというと、それこそが幸福の本質だからと言います(コンキチはれにもの凄くシンパシーを覚える。まあ、詳しい事が知りたければ、本書に後ろの方を読んで下さい)。人間は社会的生き物だから、他者からの承認なくして生きて行くことは出来ないと思います。そして、社畜化したサラリーマンは、そのリソースの(殆ど)全てを会社という閉じた空間に注いでいるから、ますます社畜化スパイラルに陥り、重労働を自ら進んで受け入れるのだ(コンキチは以前勤めていた会社でそんな人達をみたことがあります)。で、その結果、日本的雇用が自殺社会を生み出すと著者は述べます(ブラボー!)。

ところで、とある調査で、人生の満足度を7点満点とすると、

フォーブスに載る大富豪達の平均/ 5.8
マサイ族/ 5.4

だったそうです。このことから、目の眩むような大金の幸福度への寄与はたったの0.4ポイントでしかないということと、幸福は相対的なものであるということが例証されたと思います。


著者は、本書の冒頭において、現代社会における成功哲学を以下の二行に集約しています↓

伽藍を捨ててバザールに向かえ。
恐竜の尻尾のなかに頭を探せ。


です。ではちょっとキーワードを確認してみましょう↓

•伽藍/ ムラ社会(古典的な日本企業)のような閉じた系。流動性が極めて低い。ネガティブな評判が極めて大きな効果を発揮する(撤退が許されないから)。伽藍の中で蓄積された評判は、

•バザール/ 参加も撤退も自由な市場。開いた系。ポジティブな評判が蓄積される(評価のリセットはこれまでの財産を全て失うことになる)。ネガティブな評判は役に立たない(撤退が自由だから)。

•恐竜の尻尾/ ロングテールのこと。

•恐竜の尻尾の中に頭/ ショートヘッド。ロングテールを裁断していくと無数のショートヘッドができる。無数にジャンル分けしていけば、いずれは誰もがショートヘッドになれる(かもしれない)。要は、ニッチ市場。


で、ボクなりに先に二行を咀嚼するとこなります↓

幸福とは他者からの承認であり、相対的なものだ。だったら、経済的に破綻しない範囲で自分の好きなカテゴリー(ニッチ市場)での評判獲得ゲームに配分するリソースを増やそう。評判獲得ゲームは情報空間でやればいい。何故なら、情報空間(Web)は、フリーで世界で最も開いた系(バザール)で、参入障壁も撤退障壁もリスクも低い。バザールでの評判獲得ゲームとショートヘッドに注力してみてはどうか?なんてことになります。

著者は、本書でさらに要約っしています。すなわち、


「好き」を仕事にする


そして、「好き」を仕事にすれば、そこには必ず市場があるから空振りはしないといいます(誰でも得点できるとは限らないけど)。たた、「好き」を仕事にして、そこそこ面白可笑しく暮らすためには、ビジネスモデルはは自分で設計しなくてはいけないと著者は述べています。例えば、バイク便ライダーは「好き」を仕事にしているけれど、数年で体を壊して辞めていく人が多いそうです。それは、彼等が「好き」をビジネスにする仕組みをバイク便会社に依存しているからと著者は分析します。

なにはともあれ、そこそこ「好き」な有機合成化学を生業にすることができてラッキーだったなと一人ゴチっする二流大出のなんちゃって研究員でした。


2010年10月12日火曜日

友情空間と貨幣空間

←木内酒造のネストビールを呑んでます。
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
ボトルは真っ黒だけど、淡色ビール。トップ•ノートはmalty, very sweet, citrus, cake-like, ヨーグルト様、ラムネ様。味わいはfruity, peach-like, malty, deep bitter, citrus。とっても奥行きのある多次元な香りと玄妙な味わいでexcellentなBeerと思いました。


閑話休題


残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法」の感想の続きです。今回は、ムラ社会が崩壊して市場の倫理による支配が強化されていることを書きたいと思います↓

本書で最も興味を覚えた部分なんですが、それは、我々が生きるこの社会が、政治空間(愛情空間+友情空間+会社等のコミュニティ。ムラ社会的な閉じた系)と貨幣空間(他人と貨幣を介して繋がる開いた系)とから構成されているというアイデアです。

•政治空間/ 権力ゲーム支配。国盗り(集団の中で一番にな)と天下平定(異なる集団の中で自分の集団を一番にする)が目的の勝者総取りのゼロサムゲーム。統治の倫理(搾取)が働く複雑な世界。濃密な人間関係(強い絆)で、100人程度の狭い空間。安心社会。

•貨幣空間/ お金儲けゲーム支配。世界一のお金持ちにならなくても、そこそこ裕福な生活ができればみんあハッピー。市場の倫理(交易)が働くシンプルな世界。お金を媒介(弱い絆)にして無限に人間関係が広がっていく世界。信頼社会。

で、著者は、友情空間は残酷で、貨幣空間は冷淡だと喝破します。政治空間では村八分(排除、いじめ)は(多分、究極的には)死を意味し、友情はきれいごとだけでは語れないといいます(実際、そういう例が報道されている)。それに対して、貨幣空間(友情のない世界)では市場の倫理さえ遵守すれば、外見、性格、人種、出自は誰も気にせす、社会で生きる場所を与えられる。しかしながら、貨幣空間では、自由と自己責任の原則のもとに誰もが孤独に生きて行かなければならず、愛情も友情も喪失し、お金までも失えばホームレスとなるしかない冷淡な社会でもあるようです。

コンキチ的には友情空間よりも貨幣空間の方が好ましいですね。だって、田舎って面倒だもん。コンキチの実家は、最寄り駅は隣町で産業は農業しかないという本格的など田舎でした。で、そういった典型的な友情空間の中では、地域コミュニティー(近所の寄り合いとか)に多くの時間を半強制的に束縛されるし、その規律にも反強制的に従わなければなりません。で、地域コミュニティーの秩序を乱すと排除される。従順であれば、それなりに助けてもられる。要は、自由を犠牲にして安心を担保しているのだ(だから農村では、独創的な農業のイノベーションが阻害されていると思う)。自由度が決定的に制約される。

っていうか、現実問題として貨幣空間が政治空間(友情空間)を浸食していくエントロピーの流れにあがなうことはできない。そして、既に多くの領域が貨幣空間で占められている。おかげでコンキチは、田舎を捨てて首都圏で研究職という職を得て、経済的に不自由なく、そこそこ便利な生活を送ることができている。はっきり言って、もし田舎に閉じ込められていたらと思うとゾッとします。きっと退屈な日常に耐えきれなくなると思う。

現在の金持ちは変わったと著者は説く。かつての金持ち(権力ゲームの勝者)は、超越的な権威で周囲を畏怖させ、組織を睥睨し支配する権力者(堤義明とか。プリンスホテルの支配人だったコンキチのお義父さん曰く、実際、彼は相当偉ぶってたらしいです)だったが、いまでは、孫正義みたいの世界をまたにかけ、多様な人々とコンタクトをとりビジネスとビジネスを結びつけることで富を生み出すのが金持ち(貨幣空間のトリックスター)だと著者は言います。

さらに、「格差社会の底辺にいるのは、社会の犠牲者というよりは、貨幣空間(信頼社会)のルールに適応できないひとたちかもしれない。」と著者は述べます(これは(うだつのあがらない)地方の疲弊と合致しているとコンキチは思います)。

信頼社会はドライだけど寛容。自己責任の世界だが、ゼロサムゲームではない。能力に応じたチャンスはある。
安心社会は相互監視社会の中での安寧。ムラ社会のヒエラルキーに従って生きる事を余儀なくされる。

どちらを選択するかはあなた次第、とコンキチは思います。


c) 評判獲得ゲームの台頭 (バザールでの評判獲得ゲームとショートヘッド)」につづく.....


研究員のエンサイクロペディア (8)

文系【Bunkei】

3) 天下の東工大(東北工業大学ではない)を卒業したにも関わらす、市民運動家に身をやつし、一国の宰相になってもリーダーシップを発揮できず、何をやりたいのかさっぱり分からない人。例えば、菅直人。

4) 野党時代、小泉政権の良かったところを徹底的に批判っしてしまったばかりに、その呪縛から抜け出せず、「第三の道」とか言っちゃう人。例えば、菅直人。

see http://researcher-station.blogspot.com/2010/06/3.html

2010年10月11日月曜日

やってもできない

今年のノーベル化学賞はクロスカップリングに賞が与えられましたね
有機合成化学の携わる者としては喜ばしい限りです。というわけで、辻先生の本でも読んで遷移金属触媒反応について造詣を深めようと思っているコンキチです。


閑話休題


コンキチの大好きな作家、橘玲の新刊「残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法」を読了しました。

内容は大まかに言って次のことが述べられていると感じました↓

a) 自己啓発の限界 (やってもできない)
b) ムラ社会の崩壊 (友情空間と貨幣空間)
c) 評判獲得ゲームの台頭 (バザールでの評判獲得ゲームとショートヘッド)

それでは、まず「a) 自己啓発の限界 (やってもできない)」の感想を書こうかと思います↓


お話は、自己啓発の女王様とリカちゃん先生の幸せを巡る論争本の話題からお話が始まりまります。

自己啓発の基本発想は、(人は無限の可能性を持っているから)「やればできる」。一方、行動遺伝学は「やってもできない(人もいる or こともある)」を例証します。要するに、身体的特徴の他に知能も遺伝するから、適性に欠けた能力は努力しても、その向上は限定的であるってことのようです(但し、知能の遺伝は、科学的に証明されても、政治的、道徳的に社会から容認されること決してない。だから、自己啓発は終わらない)。

で、人間には幾つかの知能(能力)があるんだけど、その中で現代社会において、市場で高く評価されるのは、言語的知能と論理数学的知能で、身体運動的知能は相当高くないと殆ど評価されない(義務教育時代にスポーツ万能だった友達のどれほどがスポーツ等の分野で活躍しているだろうか?)。

それから、自己啓発の定番「ナポレオン・ヒル」の自己啓発プログラムの独占販売権を獲得して成功した自己啓発オタクの田中孝顕という人は、結局、自分を変えることはできなかったというエピソードが紹介されています。

で、以上をまとめると、先天的に言語的知能や論理数学的知能に恵まれていない人は、現代社会で経済的に成功することは難しいという回答が導きだされると思います。
(だからといって、語的知能や論理数学的知能に恵まれない人でもそこそこ(世間並みに)生きていくことも可能。なぜならそこのは比較優位の理論が働くから)

それにつけても、空恐ろしくなりますね、この話は。とりあえず、幾許かの言語的知能や論理数学的知能に恵まれ、マックジョブではなく、けっこう好きな有機化学の世界でお仕事できる幸福に感謝したい二流大出のなんちゃって研究員でした。


b) ムラ社会の崩壊 (友情空間と貨幣空間)」につづく.....

2010年10月2日土曜日

ど素人、農業を考える

第一次産業の雄「農業」ってどうですか?はっきりいって、コンキチには(現在の日本における)農業に魅力を見出せません。だって、

a) 斜陽だし(高齢化とか後継者問題とか)
b) 参入障壁が高そうだし
c) 仕事はきつそうだし
d) 大変そうなわりに、(多くの現場は)非クリエイティブ
e) 地元のおつきあい(人間関係)が面倒くさい(特に、田舎は魔物が住んでるしね)
f) 農協に牛耳られてるのが癪にさわる
g) 天候リスク個人で丸抱えでしょ
h) 設備投資も個人でファイナンス
etc.

っていう感じで、ネガティブイメージがあっという間に広がります。

で、国が農業っていう産業を輪をかけて魅力の無いものにしているって感じですか?例えば、減反とか戸別所得補償制度とか高関税(778%?!)とかっていうやる気のない零細(兼業)農家とか、イノベーションなんてそんなの関係ねーなんていう農協の言いなりになっているような農家を優遇する政策ばかり採用するよね
(時の為政者には、ポーター教授の戦略論でも読んで欲しいくらいです)

で、農業ど素人のコンキチは思うんですよ。こんなことしたら、農業が活性化して競争力がある産業として再生するんじゃいかなって↓

ズバリ、


農業の大会社化


最近では、農業経営を法人化している事業体がある程度の成功を収めているといった報道がなされているけれど、まだまだ小粒だし、持続可能性にもまだ疑問を感じます。コンキチは株式会社の農地取得にかかる縛りを撤廃すべきと思いますね。そして、株式会社の参入障壁を緩和すべきと思います。

で、こんな話をすると、個人事業主の経営が圧迫されるとか言われそうですけど、そんなの反対の理由にはならないとコンキチは強く思いますね。そもそも↓

a) パパママショップの保護はしなかったくせして、なんで農家だけ保護しようとするわけ?イオンやイトーヨーカ堂とかスタジオアリスとかQBハウスとかもぶっ潰すべきでは?
b) っていうか、高度に高齢化で後継者不足なんでしょ。もう十分働いたし、どうせもうすぐ廃業するんだからいいじゃない。しかも、既存高齢ベテラン農業従事者は株式会社のコンサルになってもいい。企業に後継者採用のマーケやらせた方が効率的と思うし。
c) 農地の世襲化という既得権を打破できる(ちなみに俺の実家は農地改革で農地を取り上げられて没落した)

特に問題ないように思うんだけど。そして、さらにこんなメリットもあるんじゃないの↓

d) 大学との共同研究がすすむ。あと、クリエイティブ•クラスの就労が可能になるんじゃない?
e) 農業就労希望者を全国から広く募集できる。で、沢山人が集まれば、シフトとか工夫して、ワークライッフバランスのとれた就労携帯だって可能なんじゃない?
f) 様々なリスクを軽減できる。ファイナンスも容易になるし、各地で事業展開すれば天候リスクもある程度回避できると思う。設備投資だってやり易くなるはず。
g) そもそも、規模の経済がみこめる
h) 新たな(効率的な)流通チャネルを構築できる
i) 流通チャネルも牛耳ることができるなら、プロダクトミックスとかマーチャンダイジングを工夫して面白いことができそうな気がする。ってことで、範囲の経済もみこめる。
j) 個人的どうでもいいけど、嫁不足とか少子高齢化にも資するかもしれない。
k) 分業が可能になり、効率的な事業運営が可能
l) 国民の税金も投入されることが無くなる
m) 対外的な交渉力が増す。
n) 関税も撤廃(MA米だって買わなくてよくなる)。他産業にも好影響?
etc.

なんて思うんだけどな。まあ、個人的には農家がどうなろうと知ったこっちゃないですよ。イノベーションを放棄して、自分たちは弱者だ的なこといって、国民の税金を大量に搾取してきた農家がどうなろうと。淘汰されるべきものが、さっさと淘汰されないと、世の中は極めて非効率になり、国民の税金が湯水のように投入されることになると思うんだけど、どう思いますか皆さん?ごく少数のやる気の無い人を過度に守る為に、残りの大多数の人が搾取される社会っていうのは楽しい社会と思いますか?

以上、農業ど素人の思いつきの垂れ流しでした。

2010年9月20日月曜日

PDCAは金科玉条か


ランチにパスタをいただいてみました。これ、野田市のパスタ (780 JPY)っていう名前で、醤油モロミを使用した一品だそうです。
-Rating- ★★★★☆
はっきり言って美味しいんですが、銀杏にも似たソースの香りはかなり野趣的で食欲をそそるものの、若干紙一重的な臭気です。あと、しらがネギがとてもよい薬味になってますね


閑話休題


さて、なんか企業の研修とか、所謂ビジネス書チックな本を開くと、PDCAなんていう仮説-検証のフレームワークがよく紹介されます。で、ついでにそのプロセスの出来が良いので、金科玉条のように取り扱われている節が散見されるように思います。

ちなみに、このブログでもPDCA cycleに言及した記事を書いたこともあります↓
see
http://researcher-station.blogspot.com/2006/07/blog-post.html
http://researcher-station.blogspot.com/2006/06/blog-post.html


でも、最近思うんですよね、「PDCAってそんなに言うほど重要か?」って。

実際、フレームワークっていうのは良く出来ているものが多いと思うし、コンキチもファイブ•フォースとかSTPとか好きです。でも、何年か前からPDCAにはなんか違和感を覚えています。

多分、PDCAっていうプロセスがあまりにファンダメンタルなものだからそう感じるのかなって思うんですよ。要は、思考プロセスという人の知性に係るあまりに根幹的なところにフレームワークを適用することにより、思考方法の思考停止が起きるんじゃないかななんて考えています。

っていうか、フレームワークってなんだかんだ言って抽象的思考を補完するものでしかないじゃないですか。抽象的思考が難しいからフレームワークに頼るんだよね。そもそも、フレームワークって抽象的思考から導きだされた汎用性の高い考え方の型だと思うんだよね。

で、PDCAに話を戻すと、このフレームワークは仮説(Plan)と検証(Check)のプロセスと思うんですが、そのプロセス自体は良いと思います。でも、その目的っていうのは、仮説(Plan)の確度や精度を上げることじゃないですか?だったら、「より高度な抽象的思考により、最初の仮説(Plan)の段階でその確度や精度を上げた方が手っ取り早くねえ?」とか、「ローパワーなPDCAってトロ過ぎるよね」とか思うわけなんですよ。

なので、コンキチは抽象的思考を鍛えて行きたいと思います。


2010年9月12日日曜日

メディカル•エンターテインメントの粋

コンキチが心酔している作家、海堂尊の小説(2冊)を読んでみました。

まずは、「ブレイズメス1990」。この作品は桜宮年代史のはじまりを飾る「ブラックペアン1988」の続編で、キーパーソンは、世良雅志医師(東城大学付属病院, 後に極北クレーマーで病院再生請負人として登場)と、神の手を持つ天才心臓外科医•天城雪彦医師(多分、須磨久義医師がモデル)。

ストーリーは、モンテカルロで優雅な医師生活を送っていた世界的な天才心臓外科医•天城雪彦モンテカルロ・ハートセンター外科部長が東城大学に招聘され、心臓血管専門病設立を依託されたことに端を発する。天城医師の医師ライフは優雅でゴージャスであり合理主義。ある意味拝金主義に近しい印象をも受け、我々庶民が抱いている医師像とはひどくかけ離れている。はっきり言って、大学病院であくせく働く医師にとっては破壊神だ。高階講師(田口•白鳥シリーズでは病院長)との「医療と金」に関する医療観のせめぎ合い、日本初の天城医師にしかできない独自技術による公開手術といったイベントを経て、心臓血管専門病院「スリジエ・ハートセンター」設立への道は続編へと引き継がれていきます。 

で、感想ですが、この作品の醍醐味っていうのは、「医師(医療)の価値」に関する表現を堪能することなんじゃないかなとコンキチは感じました。ボクたちって、お金の話とかするとすぐ金に汚い的な発想をしがちなような気がしますが、生きていく為には金が必要だし、経済問題は国家の重要課題です。医師っていうのは、秀才で、高度な専門知識が必要とされ、新しい技術をキャアッチ•アップしていかなければならないと思います。要は、知識集約•労働集約的職業と思います。それなのに、最近のニュースでは、一部の美容整形外科医を除いては、医師の報われないニュースしか聞こえてこないような気がします(特に地方医療の現場のドキュメントでは)。

ところで、豊かな先進国「日本」では、医療っていうのは至極当たり前に提供されていると皆が感じているように感じます。そして、病気や怪我は根治するのが基本で、出産は安全に子供が生まれて来るのが標準というふうに考えられているのではないでしょうか?そう、「医師は聖人君主でなければならず、一片のミスも許されす、患者に奉仕しなければならない」っていう雰囲気が蔓延しているようにコンキチには感じられます。

つまり、愚鈍で怠け者でミスを良く犯す衆生は、自分のミスは棚に上げて、「医師」には決してミスは許さず、もしミスを犯したら徹底的に断罪し、怠け者な自分に奉仕させようとしていると言えるんではないでしょうか?はっきり言って、イジメに近しいですよ。コンキチには、正に医療は共有地の悲劇と化しているように思われます。

コンキチは、この作品の中で天城医師が発するこの言葉に対して、強くシンパシーを覚えます↓
医療は医療に専念すべし、などというしみったれた考えに洗脳され、医療とカネを分離しては、パラダイスは私たちのてのひらからこぼれおちていく。そして医療従事者は低額所得のブルーカラーへ転落し、自由と力を失っていくだろう

はっきり言って、有能で才能ある医師は、人生を満喫し、ウハウハする権利と義務があるとコンキチは思います。医師への道っていうのは、労が多いでしょう。また、獲得できる技術も希少なものだ。それなのに自由と力を引きはがされ、タイトな勤務スケジュールの中で疲弊していくだけしか道が無いのなら、若者は誰も医師(産科医、過疎地医療)への道を目指さなくなるでしょう。なんてね


お次は先週発売されたばかりの最新作「アリアドネの弾丸」。「チームバチスタ」の田口•白鳥シリーズの最新版になります。「ジェネラル・ルージュの凱旋」、「イノセント・ゲリラの祝祭」とミステリ色が薄くなってきたと囁かれてきましたが、本作は久々にミステリ色全開の作品になっていて、白鳥圭輔技官の独壇場です。しかも、彼のロジカル•モンスターぶりがシリーズ中、最も発揮されているのではないかと思います。

で、舞台は勿論、東城大学医学部付属病院。鍵となるのは高分解能MRI(Magnetic Resonance Imaging, 核磁気共鳴画像法)。テーマは司法と医療の対立&対決。要は、Aiを普及させされると困る勢力との決闘です。そして、事件は殺人事件。話はスピーディーでスリリングかつエキサイティング。正にメディカル•エンターテインメントの真骨頂と呼ぶに相応しい作品に仕上がっていると思いました。そして、死因不明社会へのアンチテーセでもある作品と思います。とってもオススメ。

ところで、海堂尊って現役の医師で、独立行政法人放射線医学総合研究所重粒子医科学センターで病院臨床検査室病理医長でAi情報研究推進室室長らしいんだけど、さらに超面白い小説を短期間でいっぱい書けるバイタリティーとプロダクティビティには、ただただ感服するばかりです。
(ちなみに、コンキチは海堂作品の中では「イノセント・ゲリラの祝祭」が一番好きです)

2010年9月11日土曜日

小沢一郎の器

最近、烏合の衆(民主党)の代表選が世間を賑わせているようですね。そんな折、こんな本を読んでみました↓

1993年に上梓された小沢一郎の著作「日本改造計画」です。

なんか巷では、この本の評判が結構良いらしいですが、はっきり言って基本的に駄本と思いましたね、コンキチは。確かに評価できる部分もあます。例えば、冒頭の「グランドキャニオンの柵」の話とか、自由貿易推進、法人税減税、規制緩和、官邸機能強化、労働市場の流動化(規制をかければ下々の者は、100%お上にひれふすことを前提にして制度設計しようとしている点も現実的ではないように思いました)、個人の税制、あと、一応「小さな政府」を標榜しているところでしょうか。但し、その他はちょっと思いつきの域を出ないような気持ちでいっぱいになります。

特に最悪なのが、地方分権及び地方の活性化策と思います。『全国を三百の「市」に』とかいって三百に市を基本自治体(市部と郡部、農業と工業、生産地と消費地、労働の場とレジャーの場、職場と住居を包含する)とするとかいう思いつきです。はっきり言って、それじゃー細切れにしすぎと思います。ついでに、東京の一極集中はもう限界とか言ってるけど、東京以外にも、大阪=名古屋、九州北部、広域札幌圏っていう経済圏があると思うんですが(確かに東京の集積度はピカイチだけど)。で、各地方に産業活動の分散をはかるそうです。危ういね。ポーター教授の産業クラスターの話とかフロリダ教授の都市社会学の話をお勉強した方がいいと思いました。大前研一も言うように、道州制の導入こそが望ましいと思うんですけど。あと、国立大学を地方に移すことも考えるべきとか言ってるけど、当時から各県に最低一つは国立大ってありますから。

それから、国連の指揮下にはいる国連待機軍とか、核を国連管理とかいう夢物語もやめて欲しいです(国連が絶対的正義になれるとでも思ってるんでしょうか)。

挙げ句の果てには、
ある著名なアメリカ人の識者が「私たちは日本人のようになりたくない」といっていた。そのときはムッとしたが、冷静に考えれば、当たり前だと思う。
とかいう自分の勝手な思い込みを前提に、日本人の豊かさはかりそめだみたいなこと言うのも止めて欲しいですね。
(っていうか、コンキチは日本の生まれてラッキーと思ってます)

あと、この本では、一見、「小さな政府」を志向しているように見えますが、必ずしもそうではないと思います。だって、地方への公共投資で内需拡大とか言ってるし、あと学校の教員を国家公務員に丸抱えしようとしてるし、そもそもの制度設計が破綻している年金制度(賦課方式)を強化しようとしているところもトリップしちゃってますから。

とまあ、ここまでは1993年という昔に書かれた本の内容に軽くツッコミを入れてみました。翻って、今現在の小沢一郎は何を言っているのか↓

a) 農家への戸別所得補償制度といった保護主義に走ったり
b) 地方自治体へは追加の徴税権ではなく、一括交付金の支給だという
c) 子供手当は満額支給で高速道路は完全無料化ですか

気がつけば、いつの間にか小沢一郎は「大きな政府」推進派に宗旨替えしてしまったようです。って本当か?コンキチの解は「否」です。ここでちょっと「日本改造計画」の上梓された時期をチェックしてみましょう↓


1992年   経世会の会長争い(権力闘争)で小渕恵三に敗れる
1993年5月 「日本改造計画」上梓
1993年6月 宮沢内閣不信任案が可決(羽田・小沢派ら自民党議員39名が賛成、16名が欠席する造反)→衆議院解散
1993年6月 自民党を離党し、新生党結成


どうですか?要は、小沢一郎は権力闘争に敗れて自民党の傍流となってしまった。そこで、自身のプレゼンスを高めるためのマーケティング•ツールとして、反対圧力が高くて自民党主流派が打ち出す事が難しいまたは実現困難な政策をあえて無責任に掲げた「日本改造計画」を上梓したとは考えられませんか?

そう仮定すると、小沢一郎は権力フェティッシュで、権力奪取のためには手段を選ばないという「解」がコンキチの脳裏に浮かび上がってきます。だから、「小さな政府」から「大きな政府」への転換も宗旨替えではなくて、プロモーション上そっちの方が都合がよさそうだっていうだけだと思います。

で、コンキチの結論です。小沢一郎の器は一国の宰相に器にあらず。でも、菅直人の器が小沢一郎以上とも思えないし、凄ぉくちっちゃな器と思われる宰相(宇野宗佑、海部俊樹、細川護煕、村山富市、森喜朗、安倍晋三 etc.)も沢山いましたからねえ。

まあ、どちらにせよ、カタストロフの足音が近づいてきたっていう印象を受けますね、コンキチは。

2010年9月5日日曜日

政治屋の偽術

こんなラーメン食べてみました↓

<CHABUTON>の野菜系らぁ麺 (780 JPY)です。
-RATING- ★★★★☆
spicyな香り。極細麺が好きです。塩味とスパイスの効いたあっさりスープ。あと、具は人参、筍、ベビーコーン、あつあつのプチトマト、パプリカ、里芋。


閑話休題


どうでもいいけど、最近テレビ観てると政治家(屋)が五月蝿いです。あいつら、自分が調子こいてるときは、派手なパフォーマンスと、無駄にデカい声で(根拠のない)歯切れの良い発言で自分をアピールするくせに、一旦都合がわるくなると、だんまりや話題のすり替えでごまかそうとして人として恥ずかしくないんですかね?

あと、彼等の政策論議では、絶対パワポとか使った分かり易く、洗練されたグラフィカルなプレゼン資料は出てこない(コンキチの知る限り)。まあ、へたなこと書いて、言質とられるのが嫌なんだろうと思います。はっきりいって、テレビ番組に限らず、彼等が政策論争するときは、パワポとかキーノート使ってプレゼンして、その資料は後日可及的速やかに自信のウェブサイトにアップロードして、公衆の面前にさらすべきと思いますね(それが、自分の政治的発言に責任を持つことと思います)。

結局、奴等がメディアでだらだらと抽象的な話しかしないのは、自分の不勉強さを隠すため、それからいつでも逃げれるようにしておくためとしか思えませんね。偽術として参考になるところはあるけど、政治屋さんには切に襟裳を正してもらいたいものです。

小沢一郎の偽術

こんなラーメンも食べてみました↓

<CHABUTON>のベーコンとズッキーニの洋風コンソメらぁ麺 (750 JPY)です。
-RATING-★★★☆☆
spicyで微かに酸を想起させる香り。あと、極細麺が好きです。野菜由来と思われる甘さが際立つスープで、表層が油が浮かんでいるためかoilyです。麺に対するスープの絡み具合は弱く感じる(根本的にスープのボディーが弱いのが問題か)。ライムがついてくるんだけど、ライムの絞り汁とのシナジーは全く感じられない。


閑話休題


今朝、菅直人と小沢一郎がテレビで話をしていたんだけど、小沢一郎って相当人が悪いね

自分も大したこと言ってないのに、菅直人の発言の後には必ず彼の発言を小馬鹿にしているような含み笑いを見せて、

小沢>菅


を視聴者に印象付けようとする偽術がコスいね

それにつけても、小沢一郎のさして根拠のない抽象的な発言に全然ツッコめていなかった菅直人に、コンキチはホントにプロ市民だったのかよというツッコミを入れたいくらいでした。やっぱ、菅直人にリーダーシップを期待するのは無理かな。ついでに、日本には「第二の道」なんて存在しないのに、その存在しないもの(まだまだ道半ばだった)を否定して、意味不明な「第三の道」なんか掲げてる時点で終わってるし、小泉政権下で「実は経済は成長してない」なんていうウソついて相当ヤバいと思うんですけど、このオッサンは。
(しょせんプロ市民は反対運動やってるときしか存在感示せないしね)

まあ、菅直人の考えってその支柱が間違ってるからだめなんだよね。っていうか、連合が支持母体じゃ無理か。
(そういう意味では、小沢一郎には民主党をぶっ壊すことだけは期待できるかな?)

2010年9月1日水曜日

Question 6

Question 最高にクールでカッコいい存在は何ですか?

Answer (特攻野郎)Aチームです

Question 5

Question 4年制大学を卒業した学生の就職率が低下していますが、どうしてですか?

Answer バカだ大学が乱立し、大学の定員が増えたためです。要は、「大学の定員増加 >> 企業の採用枠の増加」ということでしょう。

就職戦線異状有り! (2)

さっきのブログの続きだけど、

 今春の卒業生の就職内定率(3月末現在)が約8割にとどまる東北学院大。現在も求職中の卒業生の一人「今まで以上に多くの企業に応募できる」と期待する。現役学生にも緊急対策は朗報のようで、法学部4年の女子学生(22)も「就職浪人は学費が掛かる。卒業しても新卒者として就職活動ができるのはありがたい」と話す。



 東北大の男子大学院生(25)は効果に懐疑的だ。就職できずに修了を見送って就職活動を続けた経験を基に「新卒一括採用の慣行がなくならない中で、既卒者が就職活動を続けるのは厳しい」と強調。「政府の理念はいいが、企業が従うかどうかは疑問だ」とみる。

の間に知性の差を感じますね。


就職戦線異状有り!

こんな記事を見つけました

大卒者の就職難解消などを目的に、政府が卒業後3年以内の既卒者も新卒扱いとする緊急対策をまとめたことに対し、東北の学生からは歓迎する声が上がる一方で、実効性を疑問視する見方も出ている。雇用した場合の助成制度については「魅力が薄い」と言い切る企業もある。(河北新報, 2010年9月1日)
http://www.kahoku.co.jp/news/2010/09/20100901t72011.htm

それにつけても、政府はよくもまあおバカな政策を矢継ぎ早に策定できるね。「卒業後3年以内の既卒者も新卒扱い」って意味が分かんないんだけど。卒業年次みれば既卒か新卒かなんてあっという間に丸分かりでしょ。「みんな新卒扱いして厳正に審査した結果、採用したのはたまたま全て新卒でした。」なんていう採用担当者の声が聞こえてきそうです。

あと、「雇用した場合の助成制度」なんて超笑えますね企業が人を雇用するのにかかるコストがどれほど莫大か分かって言ってんのかね?端た金渡すから多めに人を採してよ(その後の膨大コストを負担してよ)なんて言われても、そんな話に聞く耳なんかもてないでしょう。

実際、

これに対して宮城県内のメーカーの採用担当者は「国の助成金も、人材を育てる経費を考えると魅力が薄い」。別の企業の担当者も「新卒者と比べてよほど優秀だと思えなければ、既卒者を採るメリットがない」と語る。

だそうですし。


要は、労働市場の流動化を促進する気のない現政権は、大企業の生産性の低いジジーやババーの味方ってことです。

2010年8月28日土曜日

「菅直人」その耐えられない軽さ

最近、菅直人の目が虚ろな気がするコンキチです。

っていうか、笑かしてくれますね民主党は。そもそも、ちょっと前に代表選やったばっかりなのに、もう、また代表選ですか?

で、金集めしか取り柄の無い小沢一郎が対抗馬とは傑作です。

そもそも、菅内閣の命運なんてとっくの昔に決まっていたのだ(代表に再選されるかどうかということじゃなくて、まともな政策などできないという点で)。だって、ここしばらくの内閣で、唯一まともな政策を実行した小泉政権を強烈に否定している時点で終わってるんだよね。まともな政策を否定してるんだから、彼にまともな政策なんかできない。

さらに、彼は(乗数効果さえも分からなかった)経済オンチだ。そんな人間にまともな経済政策を期待するのは無謀というものだろう。


野党時代は威勢良く批判してれば、反体制っていう感じでけっこうウケたんだろうけど、責任政党のトップになったら、威勢良く文句を言ってハッタリかませる奴はどこにもいなかったっていうことなんでしょう。

まあ、想定の範囲内です。

2010年8月22日日曜日

エコノミック•アニマル•トラベラーの憂鬱

猛暑醒めやらぬ中、自宅で引きこもっているコンキチです。


10年くらい前、モルディブに新婚旅行に行ったときの話↓

夕食後、コンキチはカミさんと二人で島内にあるバーに行ってカクテルを楽しんでいました。で、軽く一杯ひっかけた後、その辺をお散歩していたんですが、なんかコンシェルジュで騒いでいる日本人(ブサイク)新婚カップルがいました。さっきのバーでみかけた顔です。で、バーで頼んだカクテルの料金に納得いかなくて文句を言っているようでした。でも、話が通じなかったらしくて、「(日本語で)オッケー、オッケー、分かった、分かった」と言って不貞腐れながら踵を返していきました。


コンキチの(数少ない)大好きなカクテルである「ジントニック」を例に挙げて説明すると、

「ジントニック」の値段 = 「ジン」の値段 + 「トニック•ウォーター」の値段

になります。

で、件のブサイクカップルは、注文したカクテルの数に対して、レシートに記載されている金額の数の多さに納得できなかったのでしょう(多分、で、コンシェルジュに文句言ったけど良くわかんなかったんでしょうね。ちなみに、スタップは英語を話してました)。

コンキチはこういう日本人の姿をみて恥じ入る気持ちで一杯になりましたね。

はっきり言って、モルディブは一流リゾートと思います。従業員は凄く洗練されていて、チップも絶対に受け取りません、しっかり教育されていて、現地のエリートを思わせます(モルディブのリゾートのホスピタリティーは極めて高い)。客層は、白人の熟年カップルが多くて、ロングバケーションを楽しんでいるという感じでした。要は、欧米の富裕層をメイン•ターゲットにしてるんですよね。

で、そんな中に新婚旅行を奮発してはしゃいじゃった、文化的な素地のない、かつ語学が不得手な日本人バカップルが調子こくと上記のようなことになるんでしょうね。
(まあ、コンキチ夫婦も水上コテージなんかに宿泊した生意気な新婚カップルでしたよ。でも、彼の国の文化もよく分からないし、語学も不得手だから大人しくしてましたね。白人宿泊客に目をつけられないように、すれ違うときとかにこやかに挨拶してました)。

あともう1エピソードなんですが、いよいよモルディブを後にする日。リゾート島からマレ(首都)へ水上タクシーで移動する際のことなんですが、何組かの白人(熟年)カップルと2組の日本人新婚カップルと一緒になりました。で、出発目前になって1組の日本人カップルがトランクのキャスター外れちゃったと言って、探しに行きました。で、もう一組のカップル(ちなみに前述のカクテルバカップルです)も一緒になって探しに行ってしまいました。他のお客さんや、水上タクシーのスタッフに何の断りも無く。で、結局キャスターは見つからず、定刻にはかなり遅れて、謝罪の言葉はナッッシング(正直、置いてきぼりになっても文句言えないと思ったね)。コンキチとカミさんは終始素知らぬ顔をしてましたが、同じ日本人として凄く恥ずかしかった(あいつらは何やってんだってつっこまれたらどうしようとちょっぴりドキドキでした。もし聴かれてたら、置いてちゃってもいんじゃない的なことを言ってたかもしれませんね)。

誰も何も言わなかったけど、みんな心の中では、「このエコノミック•アニマルの若造が」なんて思ってるのかなあと思って勝手に一人で哀しくなってましたね、コンキチは。

冗長な前振りでしたが、要は、観光にやってくる外国人にも観光を楽しむインテリジェンスやリテラシーが必要なんじゃないかってことです。そうでないとサービスの受けても担い手も不愉快な気分になるかもしれませんから。

あと、モルディブの場合、リゾート島には完全に顧客とスタッフしかいないけど、普通の観光スポットには一般市民もいるわけで、そういった三者間のアライアンスをどうとっていくかということも重要なんじゃないかと思います(ちなみに、コンキチは観光政策なんてほっときゃいいと思ってます)。

2010年8月13日金曜日

戦争好女

最近、歴女とかが増えてるらしいですね。こういう人達って戦国武将に憧憬を抱いているらしいですね。要は、お気に入りの武将が活躍する戦や合戦といわれる国内戦争が好きな人たちなんですねまあ、戦争マニアの一種でしょう。

あと、NHKってよく大河ドラマと称して国内戦争ものの娯楽テイスト番組を放映してますね。戦争の啓蒙活動をしてるんですか?で、多分お茶の間のおじちゃんおばちゃんは、大河ドラマとか、年末年始の虐殺系時代劇を見てウハウハしてるんだよね、きっと

あと、「戦争は二度と起こしてはならない」って言ってる人がいるけど、これって日本では二度と起こしてはならないって言う意味だよね、どう考えても。けっこう利己的な人なんだね

絶対的な反戦を掲げる人は、とりあえず、上記人々、団体等に苦情の投書をして下さい。具体的には、歴女の廃絶運動、大河ドラマ及びそれに類似の各局のドラマの放映差し止め、「戦争は二度と起こしてはならない」と発言する人のナショナリズムの批判です。もし、できなければ戦争反対なんて二度と口にしないでください。

なんちゃって

戦争と政治

終戦の日が近づくこの時期、例年原子爆弾のネタとか反戦のネタとかで盛り上がるのには辟易させられます。あと、大東亜戦争に係る謝罪ネタにももう飽きました。

学校とか社会からは、「戦争は悪いよね」とか「核兵器の保持は悪いよね」といった洗脳教育を受けますが、果たしてそうでしょうか?

戦争が多くの人命を奪う極めて悲惨なものだということを知らない人は皆無だろう。どんな馬鹿だって知ってる。それなのに未だに戦争が無くならない現実を鑑みると、コンキチは戦争はその悲惨さに係る知識だけでは抑制することができないと思わざるを得ません。

要は、戦争っていうのは政治の一種なんだよね。コンキチは、政治とは妥協の技術だと思ってるんだけど、話し合いによる妥協が困難な場合、どうするかってことですよ。交渉決裂してもそんなにクリティカルな問題でなければ、先延ばしや放置プレイで対応することができます(例えば、北方領土問題とか)。

でも、これを譲ったら国家としての尊厳が著しく損なわれるとしたらどうでしょう?(フセイン政権時のイラクとか、パレスチナ問題とか、戦時下の大日本帝国はどうでしょうか?)

あと、「これを譲ったら国家としての尊厳が著しく損なわれる」っていう事象が発生するのには、仕掛ける側の策謀があったりする場合があると思います。まあ、ザックバランに言えば、それは悪意かもしれません。

まあ、無茶な要求を無抵抗に「ハイハイ」ってきくっていう選択肢もあるかしれませんが、それで人生幸せですかね(場合によっては侵略されて蹂躙されちゃいますよ)?「話せば分かる」なんていう立派な方もいるようですが、話し合っても解決しないから暴力に訴えるわけですよ。っていうか、(個人レベルで)話して分かれば警察機構や司法機関はいらないでしょ。でも、そういったものの存在を否定する人をコンキチはみたことないけどね。

要は、世の中は善良で勤勉で思慮深く純粋で思い有りの有る人間だけで構成されているわけではないんですよ。それに善悪なんていう人間の考えたあやふやなものに絶対的な基準なんてないし。


戦争は政治がパワープレイ化したもの


そういうことでしょ。


ちなみに、オバマ大統領の核廃絶の演説はただのリップサービスだ。はっきいり言って無くす気なんて皆無でしょう(核を超える兵器を手にすれば別ですが)。

2010年8月12日木曜日

キャスターの脳ミソ

先日、自民党の参議院議員会長選が行われましたね。結果は、得票数が同数でくじ引きで中曽根さんが選出されるという運びとなりました。

これを評して、報道番組のキャスターの幾人かは「参院議員会長という重責を担う職をくじ引きで決めていいのか?前代未聞だ」みたいなことを言ってたと思います。

あのぉ、今年の6月に行われた大鰐町長選(青森県)もくじ引きだったんですけど(see http://sankei.jp.msn.com/politics/local/100628/lcl1006280707000-n1.htm)。失礼じゃねえ?大鰐町長に。しかも、今回みたいに「くじ引きで決めるのはいかがなものか」的なキャスターの発言は無かったように記憶しています。

コンキチの記憶に間違いがなければ、こういうことが言えるだろう。

マスゴミキャスターにとって、


自民党参院議員会長 >> 町長


なのだ。

僻地で、治世を預かる範囲も狭いとはいえ、町長は住民の直接選挙で選出された地方自治体の首長(トップマネジメント)ですよ。それが、自民党参院議員会長より格下だとは思えませんがね。

あと、中曽根さんは改革派って紹介されてるけど、彼は郵政民営化法案の参議院本会議で当初反対票を入れた人だけどね。

2010年8月11日水曜日

共有地の悲劇 2

夏休み満喫中のコンキチです。

先日、サンデー•フロントラインを見ていたんですが、国内のクロマグロの水揚げ高が激減しているらしいです。原因は、未成熟魚とかも含めた見境無い乱獲である可能性が高いとのこと。これは、共有地の悲劇とよばれる古くからある有名な問題です。

当ブログで過去に「共有地の悲劇」を取り上げた記事があるので、もしよかったらそちらも読んでみて下さい(see http://researcher-station.blogspot.com/2008/07/blog-post.html

で、共有地の悲劇っていうのは市場の失敗の一種で、 個人の自己利益追求が社会全体に悪い結果をもたらすとき生じます。そして、魚の乱獲は経済学の教科書にもその一例としてちゃんと書いてあります(see http://researcher-station.blogspot.com/2009/02/blog-post.html

要は、自分がウハウハするためには、他者に先んじて少ない労力で大量のお魚をゲットして売っぱらうこと(=乱獲)が一つの手段として考えられます。で、サンデー•フロントラインでは、巻き網という漁法による乱獲が、未成熟魚まで採ってしまい、将来の成魚の数、ひいてはクロマグロ自体の数量を激減させてしまう懸念大となります。しかも、巻き網で採れた大型魚の質は、1本釣りで得られるそれと比べて大幅に低く(血抜きしないから鮮度が落ちるし、傷もつく)、テレビでは確か1/7くらいの値しかつかなかったような気がしました。あと、値段がつかなかったのもあったかな(スーパーとか加工食品行きになるらしいです)。

巻き網業者は、まるで勝者不在のチキンレースをやってるに等しいな。

ところで、経済学の教科書には、市場が効率的でない場合(市場の失敗)、政府の介入が社会厚生を高める可能性があると書かれています。

ちなみに、サバも乱獲による問題が指摘されていたと思います(何年か前の報道番組でやってたと思う)。で、国産乱獲小型サバの商品価値は皆無に近しく加工食品や飼料となる一方で、ノルウェー産のサバは高品質で日本に輸出され幅をきかせているらしいです(ちょっとうろ覚え)。当然、ノルウェーの漁師の方はウハウハです。

このサバ問題っていうのは、「市場の失敗に対する政府の介入が社会厚生を高める」ということを例証する上で分かり易い現実的題材と思います。

コンキチは漁業素人なので、話半分に読んで欲しいのですが、お魚とかの水産資源の管理ですが、ノルウェーでは水揚げされる魚の95%がTAC (Total Allowable Catch, 漁獲可能量)で管理されているらしいです。で、ノルウェーにおけるTACはGQ (Group Quota, グループ割当量)、IVQ (Individual Vessel Quota, 個別漁船漁獲枠)、MQ (Maximum Quota, 最大漁獲枠)で管理されています。よく分かんないんですが、GQとMQはセットっぽくて、グループ内である程度の競争が起こるようで(グループ内でのアライアンスが必要ってことでしょう)、IVQでは基本的に競争は起こりません。で、こういった制度下では個別(グループ(共同体)別)の漁獲量の上限が決まっているから、価値の低い幼魚を採るよりも、価値の高い成魚を採った方が圧倒的にウハウハできます。結果、乱獲抑止のインセンティブが圧倒的に働く、水産資源が保全されます。

翻って我が国ではどうでしょうか?TAC管理は導入されているものの、マアジ、マサバ及びゴマサバ、マイワシ、サンマ、スケトウダラ、ズワイガニ、スルメイカの7魚種に限定。また、基本的にオリンピック方式(自由競争の中で関係漁業者の漁獲を認め、漁獲量がTACに達した時点で操業を停止させる方式)で、ついでにTACはとんでもないザルだと批判するサイトも多々ある(大前研一も同様な批判をしてたような気もする)。っていうか、前述したマグロやサバの話を鑑みると、相当ダメダメな感じで一杯になります。

まあ、行政もどうかと思いますが、多くの当該漁業関係者が大バカだっていうのが最も大きな原因でしょう。漁業やってなくて良かったって心の底から思います(笑)

2010年8月8日日曜日

ターゲティング・ポリシーで人は動くか?

菅内閣が提唱している第三の道っていう、税金を成長分野に投資するっていうのがあります。で、菅直人が言う成長分野っていうのは、医療、介護、福祉、環境、観光で、それによって経済成長を図るつもりらしいです。



バッカじゃないの


っていうか、なんすかそれ?補助金だして従事者の賃金上げるの?そうやって当該産業における就業者を増やそうとう目論みですか?


ところで、前回のブログ(http://researcher-station.blogspot.com/2010/10/2.html)で紹介した「クリエイティブ都市論―創造性は居心地のよい場所を求める」で、著者等は、世界経済を構成する都市と地域の、成長と発展をシミュレーションできるような基本モデルを構築していて、そのモデルが前提とするものの中に

どれだけ熱心に働くかは人々が自由に選択できる。そもそも人は千差万別だ。仕事熱心な人もいれば、そうでない人もいる。時間の過ごし方も各自異なる。また、だれもが同じ技能を修得したり、同じような仕事をしたりするわけではない。

というのがあります。

また、フロリダ教授は、教え子の何人かに、「高給で安定した生活の工員」と「薄給で臨時雇いの美容師(工員よりもよりクリエイティブ)」のどちらになりたいかという質問したところ、美容師を選ぶ者が圧倒的に多かったといいます。

菅政権は、多分、老人の支持を獲得する目的で、意図的に介護•福祉分野に人員を重点配備したいんだろうけれど、コンキチは介護とかに人を惹き付ける力はないと思うな。だって、介護って単純労働従事者でしょ。コンキチの大学の同級生は、ダイセル化学工業を辞めて介護士にトラバーユしたからね(長期に渡る専門教育は必要ない)

それから老人の下の世話をするなんていうのはけっこうなバイアスだと思うんですけど、どうですか?

ターゲティング・ポリシーでは人を思うようには動かせないと思うな。それに、介護分野は非クリエイティブ系サービスだと思うんだけど、それなら、政府が成長分野の目玉として意気込むほどではないと思います(低賃金、低付加価値だから)。あと、医療は国民がお医者さんをイジメ過ぎたっていう問題があるし、そもそも、はいそうですかといって早急に医療従事者の数を増やす事は容易ではないと思います(育成には時間がかかる。あと、個人的には美容外科以外の医療は全て公的部門に入れていいと思っています)。

あと、環境分野もクリエイティブ系かと思うんですが、その定義•範囲は非常に曖昧だと思います。はっきいり言って、政府の言ってることはとらえどころがありませんね(原子力、水資源、省エネ技術、EVとかあると思うけど、そうしたいの?全部やるの?)。しかも、あらゆる経済活動は、ある意味環境とは背反的と思います。なので、純粋に環境を志向するなら自動車産業を締め出すっていうのもありかもしれない(一種の思考実験です)。っていうか、環境とか声高に叫んでおいて、高速無料化とか言ってたあたりが超ウケます。

少子高齢化の進む我が国において、今後の就労人口は(女性の社会参画がもっと増えなければ)減少していくことでしょう。そういった社会の中で成長を望むのならば、人海戦術で成長を獲得していく低賃金•低付加価値の単純労働サービス部門ではなく、高賃金•高付加価値なクリエイティブ部門を拡大させることで経済成長を目指すべきと思いますね。もし、そういうのを目指すなら、重要なのは、企業の健全な競争を促す規制緩和と、教育への投資(当然、バカだ大学を淘汰するシステムを構築する)でしょう。

で、高賃金のクリエイティブ系就労者にサービスを提供することで、サービス部門の賃金も上昇すると思います。

菅直人って小泉政権を批判することに存在意義をかけてきたような人物だから、そのペルソナ上、小泉政権が採ってきた正しい政策を否定しなければならないんですよね。結果、第三の道(増税して、ターゲッティング政策に配分)とかいう意味不明で異次元な政策が出て来る。問題は、国民は「第三の道」にすんなり騙されるほどバカかどうかということだと思います。

それから、人はターゲッティング政策で意のままに操れるほど単純かつ画一的な心理を持っていないことを彼の政権は認識すべきですね。あっ、でももうすぐ政権変わっちゃたりしちゃうのかな?


PS.
医師不足や介護部門における慢性的な人材不足が叫ばれる中、「医療•福祉」分野の就業者数は、H14年: 478万人, H15年: 512万人、H16年: 536万人、H17年: 557万人、H18年: 576万人、H19年: 582万人、H20年: 604万人、H21年: 630万人と我が国の産業分類の中で最も増加しています。その詳細な内訳が知りたいですね。

レイクタウン•ナウ

初めてレイクタウン(越谷イオンレイクタウン)に行ってきました。

それにつけてもデカイですね。テナントの数は膨大で、越谷周辺の雇用創出に一役買っている気持ちで一杯です。でも、レイクタウン周辺には何もないです。

コンキチの自宅からは車で30分程度で行けるんですが、なんか面倒くさくて行ってなかったんですが、今回意を決して(というほどじゃないけど)デビューしてきました。

で、感想なんですが、基本はイオンやジャスコのデッカい版なんですが、気合いの入り方が違いますね。例えば、ラーメン店なんかを見ると、一蘭、CHABUTON、山頭火、支那そばや(佐野実とのコラボ)、大勝軒 麺屋こうじなんかがラインナップされています。さすが、国内最大のSCです。

ちなみにお昼は、CHABUTONで戴きました。食べたのは↓
ちゃぶ屋流塩とんこつらぁ麺classic
-PRICE-730 JPY
-RATING-★★★★☆
-REVIEW-
Creamyなんだけど、塩味が効いていて、その分通常のとんこつらぁ麺(see http://researcher-station.blogspot.com/2010/03/blog-post.html)よりも締まった落ち着いた味になっている(と思う)。

それから、スタバで新作ドリンクを試してきました↓
YUZU グリーン ティー フラペチーノ (Tall)
-PRICE-460 JPY
-RATING-★★★☆☆
-REVIEW-
はちみつレモンの柚版っていう感じ。懐かしい子供時代を思い出して、ちょっぴり胸がキュンとしました。


新しい店舗でキレイだし、広いし、SCとしてのシナジー(範囲の経済)がよく表現できていて良いと思います。とりあえず全然店内を回れてないので、そのうち再訪しようと思います。

2010年8月1日日曜日

Aromatic Cation Activation (2)

Nucleophilic Acyl Substitution via Aromatic Cation Activation of Carboxylic Acids: Rapid Generation of Acid Chlorides under Mild Conditions
J. Am. Chem. Soc. 2010, 132, 5002-5003.
の続きです(see http://researcher-station.blogspot.com/2010/07/aromatic-cation-activation-1.html)。

アルコールのAromatic Cation Activationという成果(http://researcher-station.blogspot.com/2010/07/aromatic-cation-activation-1.html)からカルボン酸のAromatic Cation Activationをインスパイアされて本報に至ります↓


で、その目論みは成功して、上記反応では定量的に酸クロが生成します。

で、このシクロプロペニウムカチオンは置換基を変えることで、その電子的及び立体的特性をチューニングできるという利点があるわけで、著者らはそれについて検討しています↓




基質にtert-BuCO2Hを用いた反応で、塩素化剤としてA, B, C, D, (COCl)2を試してみると、その活性は


C≒(COCl)2>B>A>D


となりす。

で、ここでちょっと面白いのが、1 eq.のiPr2NEtを共存させて反応を行うと、活性の序列が



C>A>B>(COCl)2


と変化するんです。

あと、当然かもしれませんが、本反応の利便性向上のため、one-potでアミドの合成を試みます↓

R=Me: 23℃, 5 min, 80% >20:1 dr
R=Ph: -78℃, 20 min, 77% >20:1 dr

それから塩素化剤Cを使った展開↓

安息香酸だと収率低いんですが、その電子欠乏性のためシクロプロペニウムカルボキシラートの形成能が弱いと述べています。

今回は以上。あと、この文献は、化学者のつぶやきさんで温故知新ケミストリー:シクロプロペニルカチオンを活用した有機合成として取り上げられているので、興味ある方はそちらも参照してみて下さい。

あと、この論文の著者等のラボでは、シクロペンタジエニルアニオンを辻-Trost反応の脱離基として用いた研究成果なんていうのもあります(Org. Lett. 2009, 11, 4108-4110.)。

2010年7月31日土曜日

歪んだマーケティング•ツール

うだるような暑さが続く今日この頃。プロ市民政治家の雄、辻元清美が社民党に離党届を提出しましたね。

存在意義の無い弱小政党で存在感を高め、いよいよ社民党がいけないとなると、寄らば大樹とばかりに民主党にすり寄るあたりは、正に機を見るに敏。ある意味賞賛に値します。

それから、不思議の国の瑞穂ちゃんよりプロ市民政治家の大先輩宰相の方にシンパシーを感じたかな?

それにつけても、今回の騒動でテレビって凄いなと改めて思いました。というのも、まともな政治家としての価値が全くない辻元清美のような人間が、テレビに露出してもの凄く国民にアピールされている。

しかも、直近の国交副大臣だったときの映像や、疑惑のデパート発言や、「ソーリ、ソーリ、ソーリ」発言(パフォーマンスだけのバカ追求)といった好意的な映像ばかりがお茶の間に垂れ流され、秘書給与をシェアとか言ってごまかそうとして有罪判決くらった事件や政治的思想については言及されていない。


結局、今回のことで一番得をしたのは、辻元ということだ。で、辻元はそのことを十分分かった上で今回の決断へと至ったのであろう。要は、

1st 前原国交相との抱擁&涙の離別映像が流れれば、辻元の政治的立ち位置が民主党のそれに近いこいう錯覚をアピールできる(まあ、民主党は烏合の衆だからある意味あたっってる)。

2nd 弱小政党とはいえ、社民党の実力者の民主党へのトラバーユは報道ネタ的にはけっこう美味しく、テレビへの露出が期待できる。

3rd 結果、民主党寄り、政府の要職を経験、テレビへの露出による知名度UP↑という印象を国民(愚民)に広く周知できる。


選挙で最も重要なのは「知名度」だ。知名度が無ければ、そもそも自分の存在を周知することができない。そうでなければ、例えば、先の参院選で、柔道しか取り柄のない谷亮子や、高卒で政治的素養を感じることができない三原じゅん子(介護には熱心なようだが)が当選できた理由が(少なくともコンキチには)分からない。


メディアをプロモーション•ツールとして最大限に利用するその狡猾さには見習うべきところがありますね。


それにつけてもメディアの、思慮の浅いお茶の間(愚民)が食いつきそうなネタだけを面白可笑しく取捨選択して垂れ流す姿勢は改善して欲しいですね

Aromatic Cation Activation (1)

こんな文献を読んでみました↓

Nucleophilic Acyl Substitution via Aromatic Cation Activation of Carboxylic Acids: Rapid Generation of Acid Chlorides under Mild Conditions
J. Am. Chem. Soc. 2010, 132, 5002-5003.


カルボン酸をaromatic cation (シクロプロペニウムカチオン)で活性化して、酸塩化物へと誘導するお話です。

著者らは、これまでにアルコールのaromatic cation activationを経たクロロ化に成功しており、今回の報告はその拡張版です。

それではます、アルコールのaromatic cation activationから紹介しましょう↓
(Aromatic Cation Activation of Alcohols: Conversion to Alkyl Chlorides Using Dichlorodiphenylcyclopropen J. Am. Chem. Soc. 2009, 131, 13930-13921.)

シクロプロペニウムカチオンは、2π-electron aromatic systemで、1975年にBreslowによって見出されました。高度に安定化されたカルボカチオンであり、置換基を変えることにより、電子的、立体的な特性を調整することができます。

さらに、シクロプロペニウムカチオンには以下のような特徴があります。
a) 芳香属性と電荷を有し、上図のように荷電状態と中性状態にある
b) 3,3-ジクロロシクロプロペンは容易に加水分解してシクロプロペノンになる
c) シクロプロペニルエーテルの容易に加水分解される


で、著者等はシクロプロペニウムカチオンに係るこれらの特性を踏まえて、こんな反応をデザインしました↓


最適溶媒はCH2Cl2で、12 examples, 45-95% yield。1H NMR studyから、シクロプロペニウムイオン(中間体)の生成も確認されています。

で、基質一般性はこんな感じ↓
•1級のベンジル及びアリルアルコールは室温下、短時間(~10 min)で高収率(91-95%)で塩素化されます。

•また、cis-アリルアルコールも異性化することなく、円滑に反応が進行(23℃, 5 min, 84%)。

•プロパルギルアルコールもアレンが生成することなく、目的の塩化物を与えます(23℃, 5 min, 92%)。

•活性化された2級アルコールもマイルドな条件下、高収率(88-93%)。

•活性化されていない1級アルコールもマイルドな条件下、高収率(89%)。

•活性化されていない2級アルコールは高温が必要(CH3CN, 80℃, 93-95%)。

•3級アルコールでは脱離反応が進行してしまいます。

•さらに、(S)-1-phenylethanolを基質に用いると、90% yield, 93%eeで対応する塩素化物が得られるます(SN2が支配的)。ちなみに、MsCl, Pyridineで塩素化すると78%ee (Org. Lett. 2005, 7, 1537.)。

ここまでが、アルコールの塩素化のお話です。

あと、3,3-ジクロロ-1,2-ジフェニルシクロプロペンは、こんな風にして調製できます↓

(出発物質はTCIで売ってて、シクロプロペノンはアルドで売ってます)

カルボン酸のaromatic cation activationは次回。