みなさん、ラーメン食べてますかぁぁぁ?
ども、ラーメン大好きコンキチです。今回は東葛エリア(チバラキ)中心に食べ歩いてみました。
あと、過去のメモね↓
entries 1-5 → Raumen_Colle (ラーメンコレ) (1)
entries 6-10 → Raumen_Colle (ラーメンコレ) (2)
entries 11-15 → Raumen_Colle (ラーメンコレ) (3)
entries 16-20 → Raumen_Colle (ラーメンコレ) (4)
entries 21-25 → Raumen_Colle (ラーメンコレ ) (5)
早速、続きです。
entry 26 長八 (流山)
創業22年目(?)。太い麺と細い麺が入り交じったラーメンで、それがウらしいです。スープはゲンコツと鶏ベースの醤油味です。チャーシューは肩コースだとか。
-ねぎラーメン (600 JPY)-
-RATING- ★★☆☆☆
-REVIEW-
中華の醬っぽい香りを伴う和風醤油スープ。あっさりしてるけど、しっかりとしたコク深さがある。
麺はほぼ"ウドン"。太麺でゴリゴリの腰。かなり硬い。粉っぽさは無いが、中心は"がんづき"の様な食感。硬いのも程があるぜと思う、正直、嫌いな麺。麺の大部分は切り口が正方形だけど、切りムラがある。厚さが薄い麺も僅かにあって、そっちに方が"きしめん"ライクで美味い。
はっきり言って、ラーメン的要素を加えた"ウドン"としか思えない。
具は、葱とチャーシュー。葱は焦げ目が香ばしくて◯。チャーシューは基本solidなブツ切りで、複数部位が入っていて少し獣臭もする。
やっぱウドンにしか思えないッス。
-ビール (450 JPY)-
-REVIEW-
スーパードライの中瓶。
メンマのお通しつき。メンマは軟らかくシャキシャキした食感。優しく柔らかい中華ライクな味付けで、胡椒様のspicy flavorがやんわり香る。ラーメンにメンマが入ってなかったので、これは嬉しい。
-RATING (メンマ)- ★★★☆☆
entry 27 くるまやラーメン (青井)
くるまやラーメンの1号店。昭和45年(1970年)に観光バスを改造してお店としたので"くるまや"。看板メニューは味噌ラーメンね。
-味噌ラーメン (650 JPY)-
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
黄色の中太縮れ麺。香味に乏しいけど、食感はまあまあで、悪くない。
濃いめで甘めのマイルド味噌スープで、ニンニクが入っていて、ニンニクでコクup↑か?
麺とスープの相性は良し。
具は、もやしrich。topにデフォで少し胡椒が振ってあって、spicy noteがいい感じ。
普通に旨くて、totalでの完成度の高さを感じます。流石、老舗チェーンの味です。
entry 28 ラーメン屋 (流山)
流山市は江戸川台駅の近くにある地味な店構えのラーメン屋さん。ラーメン屋という店名なんだけど、中華系定食も充実してます。
-酸辣湯麺 (918 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
最高の食感の縮細麺はこしがあって、自己主張しないタイプ。
スープは強めのpapper主体のspicy flavorがrich。そして、強い酸味。ゆるーくトロみがついていて最高にダイナミズムに富む極旨スープ。全然上品じゃないんだけど、それがいい。変に媚びることのない調和のとれた下品なspicyさに激しく心を揺さぶられる。
具は、葱、椎茸、玉子、キャベツ、筍、ハム、豆腐と具だくさん。特に、短冊状に切り出されたお豆腐が最高な食感。
で、前述の縮細麺が極ウマスープと細かく刻まれた具をふんだんに搦め捕り、口腔内で刺激的なシナジーを醸し出す。要は、麺がスープと具材の旨さを最大限に引き立てている。
ホント、いつまでも啜っていたくなる酸辣湯麺に仕上がっていると思いました。
-鶏そば (1,026 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
これは旨い!細麺をセレクト(細麺か太麺を選択できる)。
表層に油の浮いた醤油ベースのあっさりとした清湯スープは、黒胡椒と生姜でフレーバリングされていて、薬膳ライクなtasteに仕上がっていて美味しい(底に生姜の千切りが沈んでいる)。
細かく切り出された鶏肉は軟らかく、軽くジャブ程度に片栗粉を纏った様な食感で心憎い。そして、鶏肉のお友達の葱がいい感じ。大きめにザックリ切り出された葱は、シャキシャキ感リッチで、ホント旨いわぁ。鶏肉と葱のシャトルが止まらなくなる。
麺はウェーブした細麺で、コシはないけどキレがある、そして、スープをたっぷりと絡めて口の中に運んでくる。このラーメンは、あっさりと澄んだ味系のスープ重視だと思うので、スープをよく絡める麺がいい仕事している。
麺・スープ・具の三拍子揃った旨さ。
-ウーロンハイ (432 JPY)-
アルコールリッチな仕上がりです。スライスした玉葱のお通しつき。
entry 29 四川担々麺 どういうわけで、 (松戸)
2018年6月にオープンの四川担々麺の専門店。
松戸駅前の好立地。
店内はお洒落で清潔。
ボク的には、末長く営業して欲しいと思う店です。
-四川担々麺 つゆが有るわけで、(900 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
痺れ(山椒)と辛さ(唐辛子)を選択できる。で、「痺れ:2」と「辛さ:2」をセレクト(2が普通とのこと)。オーダーするとすぐに白胡麻の入った擂鉢が提供され、胡麻を摺りながら担々麺の出来上がりを待ちます
で、待つことしばし、出てきた担々麺からはまず香りが迸ります。白胡麻、山椒、辛さを想起させる香りといった所謂担々麺らしい香りに加えて、幾つかのspicy noteとherbal noteを強く感じる。総じて、結構ethnic調の入った香りになっている(これ好き)。
麺は中細で軽く平打ちでやんわりウェーブ。シコモチで適度なキックと、自己主張し過ぎるわけでない甘い味わいのある美味しい麺。
スープは濃厚で、担々麺らしい甘味。山椒の香りもしっかりあるけど、痺れは軽微。辛さも大分マイルドな部類で、かなり上品に仕上がっている。
麺とスープの相性はBest Match!
具は、唐辛子の酢漬け(辛酸っぱくて、とっても美味しい。担々麺のスープによく合う)、白髪葱、青梗菜、挽肉、ナッツ。挽肉はかなり粗挽きでワイルド感じ大でとっても野趣的。
自分で調製した摺り胡麻を加えると、mild感がup↑して良いです。
最高に旨い一杯。ボク的には雲林坊の汁あり担々麺と双璧をなす仕上がりと思いました。
但し、挽肉が器の底にけっこう沈んでいるので気をつけろ!
店舗はお洒落でモダン、クリンリネス。また行きたいお店と思いました。
それから、このお店のこだわりを以下にメモするです↓
辣油:キレのある辛さを持つ中国朝天唐辛子の他、複数の生薬を使用した自家製の辣油は味覚と嗅覚で食欲を刺激します。
山椒:華やかな香り・キレのある痺れを追求する為に、毎日挽いた山椒を使用しています。担々麺は、山椒の香りに始まり、痺れに終わります!
スープ:鶏豚骨をベースとしたスープと白胡麻をブレンドする事で、濃厚かつ上品でほのかに甘みのあるスープに仕上げました。口に入れた瞬間に広がる胡麻の風味と、鶏豚骨のまとやかな余韻をお楽しみください。
麺:スープやタレと麺の絡み具合にこだわり、メニューに合わせて2種類の特注麺を用意しました。ツルツルと喉越しの良い中細麺と、モチモチとしたコシのある中太麺をお楽しみください。
挽肉:特注した荒合挽きを甘味噌でじっくり炒める事で、挽き肉を噛み締めた瞬間に、肉の旨味と、味噌の香りが広がります。
entry 30 106's Asian Noodle (流山)
TX流山おおたかの森駅の高架下のこかげテラスに入っている昨年の秋オープンのラーメン屋さん。
千葉の渋谷こと柏Cityの有名中国料理ショップ「文菜華」オーナーシェフの渡辺展久さんの完全プロデュースによるアジアン・ヌードル屋さんです。
-トムヤムラーメン赤 (フォー) (950 JPY)-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
「中華麺」か「フォー」を選べる。
スープは酸味が少し特徴的なすっきりした大人しめのトムヤムスープで美味しい。
フォーは滑らかな食感。コシは無いが、軟らか過ぎることなくまずます。
フォーに対するスープの絡みはよくないと思うんだけど、トムヤムスープとフォーは良く合うよね。
具は、しっかりした量のパクチー、糸唐辛子、もやし、茸、葱、etc。
パクチーでethnic感じup↑
写真にはレモンが添えてあったんだけど、材料切れのためかレモンなし。説明もなくって損した気持ちになりました。
-トムヤムラーメン赤 (中華麺) (950 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
綺麗で上品なマイルドエスニックふんだんのかなり美味しいスープ。パクチーもしっかり入っていて嬉しい。
細めの中華麺は平打ちストレート。自己主張せず異味もなく、スープの味を楽しむのに最適、ツルッとした表面でスープの味は良く映える。
タイの感想唐辛子(プリックヘーン)と、ナンプラーに唐辛子とレモンを加えた調味料(プリックナンプラー)が用意されている。プリックヘーンは辛さに加えてプラスαの旨味を付与、プリックナンプラーはfishy tasteを付与する。両者の添加で、上品だったスープがよりパワフルかつワイルドに変貌する。
具は、パクチー、糸唐辛子、葱、もやし、茸、つみれ。レモン付き。
前回(上記「フォー」)は、つみれとレモンが入ってなかったけど、今回はありでした。
若いお店のためか、レジも厨房もオペレーションがグダグダ。改善を期待です。
いやぁー、らぁめんってホントに旨いですね、健康に悪そうな味で。毒こそ美食!!!
なので、ラーメンの摂取は二週間に1回くらいにしましょう(長生きするために)。
ボクは、だいたい励行しています(多分)。
つづく.....
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2019年5月19日日曜日
アンモニアいらずの超Birch還元
上野は御徒町駅前通りにあるまぐろ人系列の立ち飲み海鮮居酒屋に行ったときのメモです↓
-ふぶき memo-
-スルメの「イカワタルイベ」 (190 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
ルイベならではの"ヒヤッ"っとする感覚が心地良い。薄く軟らかくプリプリの食感と、適度な魚くささと、溢れ迸るfresh感じが最高!
-ブラック・ニッカウィスキー (ハイボール) (330 JPY)-
-あん肝ポン酢 (290 JPY)-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
ほどよい硬さと口の中で崩れる感覚、それとネットリ感がいい感じ。
oily & fattyで滋味深い味。
-だし巻オムレツ (290 JPY)-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
鉄板に薄く伸ばして、焼きながら畳んでいく。
薄く、ふわっっとしていて素敵な食感で、控えめな味付けで美味しい。
大根おろしに醤油を垂らして一緒にいただくのも良い。
-本鮪の鉄火丼 (500 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
ご飯は冷ました酢飯。お酢の柔らかい香りがふんわり薫る。ご飯の上に中落ちが敷かれ、さらに赤身の切り身と沢庵が載る。そして、薬味は本山葵。
中落ちはjuicyな脂ふんだんでとても甘く、トロッとした食感で瑞々しい。
厚めに切り出された赤身は心地良い軟らかさと歯触り。少し脂が回っているようで甘い。
そして、鮪がご飯(酢飯)によく合う。
沢庵はボクの好みの味にしっかり漬かっている。
ワンコインで食べれるこの丼は喰っといた方がいい!
閑話休題
遅れ馳せながら、2018年の注目論文の一つをメモしてみたいと思います↓
A Practical and Chemoselective Ammonia-Free Birch Reduction
Org. Lett., 2018, 20, 3439-3442.
アンモニア・フリーの室温Birch還元のお話です。
有機化学論文研究所さん(https://moro-chemistry.org/archives/1584)や、たゆたえども沈まずさん(http://orgchemical.seesaa.net/article/463139924.html)でとっくの昔に紹介されていますが、あえて自分用にメモしてみたいと思います(基本、このブログはボクの個人的な備忘録です)。
Birch還元は70年も前に開発された反応ですが、いまなお液体アンモニア中にアルカリ金属を溶解して反応を行うのが主流のようです。液体アンモニアの使用、選択性の低さ、面倒な実験捜査が強烈なデメリットです(Classic Birch Reduction)。
Classic Birch Reduction
液体アンモニアの使用を回避する方法として、低分子量のアミンを使うBenkeser Reductionが開発されました。しかしながら、オーバーリダクションの副生が問題だといいます。
Benkeser Reduction
Birch還元様のトランスフォーメーションとしては芳香環の接触還元がありますが、概して飽和度が高くなりがちで、生成物の予測は困難だといいます。
最近、古典的なBirch還元に代わるアンモニア・フリーのSET還元による脱芳香族化が報告されています↓
しかしながら、これらの反応はベンゼンや電子リッチなベンゾノイドの還元は難しいようです。
ということで、アンモニア・フリー、マイルドな反応条件、高選択性を具現化した実用的なBirch還元のニーズはあるわけで、それを実現したのがThis Workです。
This Work
因みにウィキペディア情報によると、詳しく研究された最初の電子化物は、アルカリ金属の液体アンモニア溶液だったといいます(https://ja.wikipedia.org/wiki/電子化物)。
以下、本報の"アンモニアいらずの超Birch還元"の特徴です↓
(1) polyconjugated aromatic compound
(2) 脂肪族三級アミド
上述した3-phenyl-1-(1-pyrrolidinyl)-1-propanoneと同様に、通常のBirch還元では還元されてしまう脂肪族三級アミドが残ります。かなりレアな例のようです。
(3) 脱ベンジルもオッケー
とりあえず、1-phenylbutan-1-one, methyl benzoate, N,N-dimethylbenzamideは複雑な副生成物が生成して低収率です。
ボクはやったことないんですけど、古典的Birch還元って、話を聞くと面倒くさそうだし、反応条件的にも猛烈にやりたくないじゃないですか?でも、本報で報告されている"アンモニアいらずの超Birch還元"だったら反応を仕込んでみたい気持ちでいっぱいになりました。しかも、基本、基質一般性、位置選択性、化学選択性がClasic Birchに比べて大きく改善しています。
以上、今後この新Birch還元の使用例をウォッチングしていきないなと思う二流大出のテクニシャン(研究補助員)のメモでした。
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-ふぶき memo-
-スルメの「イカワタルイベ」 (190 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
ルイベならではの"ヒヤッ"っとする感覚が心地良い。薄く軟らかくプリプリの食感と、適度な魚くささと、溢れ迸るfresh感じが最高!
-ブラック・ニッカウィスキー (ハイボール) (330 JPY)-
-あん肝ポン酢 (290 JPY)-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
ほどよい硬さと口の中で崩れる感覚、それとネットリ感がいい感じ。
oily & fattyで滋味深い味。
-だし巻オムレツ (290 JPY)-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
鉄板に薄く伸ばして、焼きながら畳んでいく。
薄く、ふわっっとしていて素敵な食感で、控えめな味付けで美味しい。
大根おろしに醤油を垂らして一緒にいただくのも良い。
-本鮪の鉄火丼 (500 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
ご飯は冷ました酢飯。お酢の柔らかい香りがふんわり薫る。ご飯の上に中落ちが敷かれ、さらに赤身の切り身と沢庵が載る。そして、薬味は本山葵。
中落ちはjuicyな脂ふんだんでとても甘く、トロッとした食感で瑞々しい。
厚めに切り出された赤身は心地良い軟らかさと歯触り。少し脂が回っているようで甘い。
そして、鮪がご飯(酢飯)によく合う。
沢庵はボクの好みの味にしっかり漬かっている。
ワンコインで食べれるこの丼は喰っといた方がいい!
閑話休題
遅れ馳せながら、2018年の注目論文の一つをメモしてみたいと思います↓
A Practical and Chemoselective Ammonia-Free Birch Reduction
Org. Lett., 2018, 20, 3439-3442.
アンモニア・フリーの室温Birch還元のお話です。
有機化学論文研究所さん(https://moro-chemistry.org/archives/1584)や、たゆたえども沈まずさん(http://orgchemical.seesaa.net/article/463139924.html)でとっくの昔に紹介されていますが、あえて自分用にメモしてみたいと思います(基本、このブログはボクの個人的な備忘録です)。
Birch還元は70年も前に開発された反応ですが、いまなお液体アンモニア中にアルカリ金属を溶解して反応を行うのが主流のようです。液体アンモニアの使用、選択性の低さ、面倒な実験捜査が強烈なデメリットです(Classic Birch Reduction)。
Classic Birch Reduction
液体アンモニアの使用を回避する方法として、低分子量のアミンを使うBenkeser Reductionが開発されました。しかしながら、オーバーリダクションの副生が問題だといいます。
Benkeser Reduction
J. Am. Chem. Soc., 1955, 77, 3230.
Birch還元様のトランスフォーメーションとしては芳香環の接触還元がありますが、概して飽和度が高くなりがちで、生成物の予測は困難だといいます。
最近、古典的なBirch還元に代わるアンモニア・フリーのSET還元による脱芳香族化が報告されています↓
11 examples, modest to high yield
J. Org. Chem., 2009, 74, 5790.
Tetrahedron Lett., 2009, 50, 5463.
Na2K-SG(I)とNa-SG(I)はシリカゲルナノ構造多孔質酸化物中にカプセル化したアルカリ金属を封入したもので、自然発火性がないさらさらした粉末で、取り扱いが簡単です(https://labchem-wako.fujifilm.com/jp/product/detail/W01SRM11-1020.html)。
J. Org. Chem., 2014, 79, 2522.
J. Org. Chem., 2006, 71, 1576.
ということで、アンモニア・フリー、マイルドな反応条件、高選択性を具現化した実用的なBirch還元のニーズはあるわけで、それを実現したのがThis Workです。
This Work
まず、ナトリウム源として市販かつbench-stableなSodium Dispersion (SD, 金属ナトリウム分散体)を使用することでハンドリングが容易になります。ちなみに、Sodium Dispersionは危険物第4類第3石油類非水溶性液体で、液体と同様の取り扱いが可能です(これは凄い!!!)。
そして、アンモニア・フリーのBirch還元の最大のキモはクラウンエーテルを使うことです。クラウンエーテルやクリプタントが有機溶媒中でアルカリ金属の溶解性を改善することが報告されていて(Angew. Chem. Int. Ed. Engl., 1979, 18, 587.; Science, 1990, 247, 663.; Science, 2003, 301, 607.; Science, 2011, 333, 49.)、そいつを一丁Birch還元に使ってみようかというのが本報です。
Sodium Dispersionに15-crown-5 (Naと一番フィットするサイズのクラウンエーテル)を作用させると、ナトリウムの包接錯体と溶媒和電子からなるElectride (電子化物)を形成、結果還元モード(電子移動)が外圏電子移動となり、Birch還元が実現するということなのかなと思います。
実際、15-crown-5の有無で選択性が大きく変化します。↓
3-phenyl-1-(1-pyrrolidinyl)-1-propanoneの還元で、クラウンエーテル無しだと芳香環は還元されずに三級アミドが還元されるのに対して、クラウンエーテル有りだと芳香環のみが還元されます。さらに興味深いことに、Classic Birch Reduction (Na/NH3)だと通常還元されてしまう三級アミドがクラウンエーテル(15-crown-5)有りの条件では影響を受けません。素人なのでよく分かんないんだけど、Na/15-crown-5の方がNa/NH3よりも外圏電子移動性が高いってことなんでしょうか?
兎にも角にも、手頃な反応条件で選択性もでるのは喜ばしい限りです。
以下、本報の"アンモニアいらずの超Birch還元"の特徴です↓
(1) polyconjugated aromatic compound
共役系の連なった化合物は、通常のBirch還元だと還元され過ぎちゃった副生成物との混合物になるようです。
(2) 脂肪族三級アミド
Conditions: Na/i-PrOH/15-crown-5 (3-5 eq.), THF, 0˚C.
上述した3-phenyl-1-(1-pyrrolidinyl)-1-propanoneと同様に、通常のBirch還元では還元されてしまう脂肪族三級アミドが残ります。かなりレアな例のようです。
(3) 脱ベンジルもオッケー
(3) 選択性が出そう
OHがフリーのフェノールやNHがフリーなインドールは還元されません。また、ベンゾフランは還元されるけど、フランは還元されないです。
(4) limitation
とりあえず、1-phenylbutan-1-one, methyl benzoate, N,N-dimethylbenzamideは複雑な副生成物が生成して低収率です。
ボクはやったことないんですけど、古典的Birch還元って、話を聞くと面倒くさそうだし、反応条件的にも猛烈にやりたくないじゃないですか?でも、本報で報告されている"アンモニアいらずの超Birch還元"だったら反応を仕込んでみたい気持ちでいっぱいになりました。しかも、基本、基質一般性、位置選択性、化学選択性がClasic Birchに比べて大きく改善しています。
以上、今後この新Birch還元の使用例をウォッチングしていきないなと思う二流大出のテクニシャン(研究補助員)のメモでした。
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2019年5月12日日曜日
初心者のためのコーヒーの淹れ方講座
一つ、メリカ(ドイツのメーカー)のドリッパーを使うべし(これ重要)。構造が独特なんだよね。
一つ、お湯を2分間沸騰させてカルキを飛ばすべし。
一つ、沸騰後、1分間放置して93℃に冷ますべし(ザックリした目安ね)。
一つ、ペーパーフィルターに湯通しすべし(ペーパー臭を取るのと、保温が目的)。
一つ、8 g/杯の粉(コーヒー)を加えるべし(メリカの場合)。
一つ、叩いて粉(コーヒー)を平すべし。
一つ、粉(コーヒー)の外周を5 mm空けてお湯を浸し、30秒間蒸らすべし。
一つ、一気に溝(しるし)が付いていることろまで注ぐべし。
これはドトール直伝なので、反論はきかない。
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一つ、お湯を2分間沸騰させてカルキを飛ばすべし。
一つ、沸騰後、1分間放置して93℃に冷ますべし(ザックリした目安ね)。
一つ、ペーパーフィルターに湯通しすべし(ペーパー臭を取るのと、保温が目的)。
一つ、8 g/杯の粉(コーヒー)を加えるべし(メリカの場合)。
一つ、叩いて粉(コーヒー)を平すべし。
一つ、粉(コーヒー)の外周を5 mm空けてお湯を浸し、30秒間蒸らすべし。
一つ、一気に溝(しるし)が付いていることろまで注ぐべし。
これはドトール直伝なので、反論はきかない。
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2019年5月1日水曜日
Triazox : Bench-Stable Epoxidizing Reagent
ビートたけしの歌に出てくる浅草にある"煮込みしかない鯨屋"こと捕鯨船に行ったときのメモです(煮込みしかないわけじゃないです)。
-牛にこみ (630 JPY)-
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
めっちゃ甘口のとってもマイルドtaste。複数部位が入っている(小腸とかも入っている)。肉の他は豆腐と大根。
よそられた量は少なめ。脂ふんだん(脂の層が上部に浮いているのが確認できる)で、攻撃力がある(胃がもたれる)。胃が強くない人はおかわりはやめておいた方がいい。
-ウィスキーハイボール (550 JPY)-
-RATING- ★★☆☆☆
-REVIEW-
ピックで割った大きめで透明度の高い氷をたっぷりとジョッキに放り込み、水で面取り後、メジャーカップで秤量したウィスキーを放り込み、たっぷりのソーダ水を注ぎ込む。
作り方は職人っぽいけど、出来上がったハイボールはかなり薄い。はっきり言って、コスパ悪い。ウィスキーの銘柄は角だと思う。
-皮と赤肉のミックス (1,600 JPY)-
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
赤肉(赤身)と皮(あぶら)のミックスで、凍った状態で提供される。お店の人からは、「凍ったままでも、少し溶かしてからでもお好みで」と言われる。
赤肉は、凍った状態だと魚感強めで、溶けてくると獣感がup↑する。身も軟らかくなり溶けた方が圧倒的に好み。
皮はまっ白。ちょっと脂くさくて、あぶらに加えて皮もついている。けっこう弾力があり、口の中で次第にゆっくりと溶けていく。最後に皮っぽいところがが口の中に残る。脂くさいので"皮"のみのオーダーは相当ハイブローと思う。皮と赤肉を一緒に食べるとBest Match!
あと、高いね。
-チューハイ (480 JPY)-
-RATING- ★★☆☆☆
-REVIEW-
ハイボールと同様な作業を行いソーダまで注ぎ、最後に梅シロップを加えて完成。そして、梅シロップの色が下層へと沈降していく。トータルとして清涼感のある甘い味。
はっきり言って、大分割高なお店と思いました(浅草観光客プライス?)。ボク的には雰囲気を楽しむ系の店と思いました。
それから、ボクがこの店を訪れたとき、坂本真(俳優)と博報堂の女性社員1人とグーグラー2人(男性と女性)が連れ立って入店してきました。博報堂のお姉さんがアテンドしてたんだけど、やっぱ物見湯山的接待系の店なのかなと思いました(因みにオレ、坂本真(俳優)の隣の席になったから)。
閑話休題
前回のDMT-MMのメモに引き続き、トリアジン系試薬のはなしです。今回はTriazoxです。2018年の注目論文の一つですね↓
An Isolable and Bench-Stable Based on Triazine : Triazox
Org. Lett., 2018, 20, 2015-2019.
Munetaka Kunishima et al.
ケムステさんで既に詳細に紹介されていますが、敢えてボクもメモしてみます。
https://www.chem-station.com/blog/2018/03/triazox.html
主にエポキシ化のおはなしです。まずは、既存の主だったエポキシ化試薬を概観してみましょう。
entry 1 m-CPBA
ラボ・ユースで真っ先に思い浮かぶのがm-CPBAでしょう(ボク的に工業ユースだったら三菱ガス化学謹製の40%過酢酸)。特徴としては、3-クロロ安息香酸(pKa 3.83)を含有していて、反応後にも3-クロロ安息香酸が生成するので、酸に不安定な化合物を酸化する際には、重曹などのプロトンスカベンジャーを加えて反応を行う必要があります。爆発性。
entry 2 DMDO (Dimethyldioxirane)
中性かつマイルドな条件でエポキシ化できる。酸に不安定なglycal類のエポキシ化に使用される。基本不安定な試薬なので要事調製しなければならず、面倒。
entry 3 Triphenylsilyl hydrogen peroxide
純粋な形で単離できるらしいです(Tetrahedron Lett., 1979, 20, 4337.)。
反応性が低いようで、過剰量(2 eq.)の使用が必要で、反応時間も長時間を要し、1日反応させても中程度の収率(らしいです)。
entry 4 過酸化水素とactivating reagentsの組み合わせいろいろ
activating reagentとしては、ニトリルやカルボジイミドなどがあるようです(J. Org. Chem., 1961, 26, 659.; J. Org. Chem., 1983, 48, 888.; Synlett, 1996, 649.; J. Org. Chem., 1979, 44, 1485.)。
MeOHのような水と混和する溶媒を使用しなければならず、activating reagentに応じて特定のpHに調整しなければいけないようです。
ということで、簡単に使えて(ハンドリングが楽)、bench-stableで、長期保存可能で、マイルドな反応条件を醸し出す試薬が求められているという訳です。
そこで登場したのが国嶋先生が開発したTriazoxです↓
(国嶋先生得意(?)の)トリアジンベースの試薬です。
国嶋先生といえば、異彩を放つ孤高の縮合剤であるDMT-MMが超有名ですが、TirAT系のトリアジンベースのアルキル化試薬も開発しています。
Previous work
で、新酸化剤の実際の合成ですが、はじめはDMT-MM同様、CDMTからの合成を試みましたがが、目的物の水溶性の高さと、メトキシ基部位の副反応に悩まされて断念。結果、メトキシ基本をフェニル基に変えることで新酸化剤Triazoxの合成を達成しました。
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-牛にこみ (630 JPY)-
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
めっちゃ甘口のとってもマイルドtaste。複数部位が入っている(小腸とかも入っている)。肉の他は豆腐と大根。
よそられた量は少なめ。脂ふんだん(脂の層が上部に浮いているのが確認できる)で、攻撃力がある(胃がもたれる)。胃が強くない人はおかわりはやめておいた方がいい。
-ウィスキーハイボール (550 JPY)-
-RATING- ★★☆☆☆
-REVIEW-
ピックで割った大きめで透明度の高い氷をたっぷりとジョッキに放り込み、水で面取り後、メジャーカップで秤量したウィスキーを放り込み、たっぷりのソーダ水を注ぎ込む。
作り方は職人っぽいけど、出来上がったハイボールはかなり薄い。はっきり言って、コスパ悪い。ウィスキーの銘柄は角だと思う。
-皮と赤肉のミックス (1,600 JPY)-
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
赤肉(赤身)と皮(あぶら)のミックスで、凍った状態で提供される。お店の人からは、「凍ったままでも、少し溶かしてからでもお好みで」と言われる。
赤肉は、凍った状態だと魚感強めで、溶けてくると獣感がup↑する。身も軟らかくなり溶けた方が圧倒的に好み。
皮はまっ白。ちょっと脂くさくて、あぶらに加えて皮もついている。けっこう弾力があり、口の中で次第にゆっくりと溶けていく。最後に皮っぽいところがが口の中に残る。脂くさいので"皮"のみのオーダーは相当ハイブローと思う。皮と赤肉を一緒に食べるとBest Match!
あと、高いね。
-チューハイ (480 JPY)-
-RATING- ★★☆☆☆
-REVIEW-
ハイボールと同様な作業を行いソーダまで注ぎ、最後に梅シロップを加えて完成。そして、梅シロップの色が下層へと沈降していく。トータルとして清涼感のある甘い味。
はっきり言って、大分割高なお店と思いました(浅草観光客プライス?)。ボク的には雰囲気を楽しむ系の店と思いました。
それから、ボクがこの店を訪れたとき、坂本真(俳優)と博報堂の女性社員1人とグーグラー2人(男性と女性)が連れ立って入店してきました。博報堂のお姉さんがアテンドしてたんだけど、やっぱ物見湯山的接待系の店なのかなと思いました(因みにオレ、坂本真(俳優)の隣の席になったから)。
閑話休題
前回のDMT-MMのメモに引き続き、トリアジン系試薬のはなしです。今回はTriazoxです。2018年の注目論文の一つですね↓
An Isolable and Bench-Stable Based on Triazine : Triazox
Org. Lett., 2018, 20, 2015-2019.
Munetaka Kunishima et al.
ケムステさんで既に詳細に紹介されていますが、敢えてボクもメモしてみます。
https://www.chem-station.com/blog/2018/03/triazox.html
主にエポキシ化のおはなしです。まずは、既存の主だったエポキシ化試薬を概観してみましょう。
entry 1 m-CPBA
ラボ・ユースで真っ先に思い浮かぶのがm-CPBAでしょう(ボク的に工業ユースだったら三菱ガス化学謹製の40%過酢酸)。特徴としては、3-クロロ安息香酸(pKa 3.83)を含有していて、反応後にも3-クロロ安息香酸が生成するので、酸に不安定な化合物を酸化する際には、重曹などのプロトンスカベンジャーを加えて反応を行う必要があります。爆発性。
entry 2 DMDO (Dimethyldioxirane)
中性かつマイルドな条件でエポキシ化できる。酸に不安定なglycal類のエポキシ化に使用される。基本不安定な試薬なので要事調製しなければならず、面倒。
entry 3 Triphenylsilyl hydrogen peroxide
純粋な形で単離できるらしいです(Tetrahedron Lett., 1979, 20, 4337.)。
反応性が低いようで、過剰量(2 eq.)の使用が必要で、反応時間も長時間を要し、1日反応させても中程度の収率(らしいです)。
entry 4 過酸化水素とactivating reagentsの組み合わせいろいろ
activating reagentとしては、ニトリルやカルボジイミドなどがあるようです(J. Org. Chem., 1961, 26, 659.; J. Org. Chem., 1983, 48, 888.; Synlett, 1996, 649.; J. Org. Chem., 1979, 44, 1485.)。
MeOHのような水と混和する溶媒を使用しなければならず、activating reagentに応じて特定のpHに調整しなければいけないようです。
ということで、簡単に使えて(ハンドリングが楽)、bench-stableで、長期保存可能で、マイルドな反応条件を醸し出す試薬が求められているという訳です。
そこで登場したのが国嶋先生が開発したTriazoxです↓
15 substrates, 64-98% yield
(国嶋先生得意(?)の)トリアジンベースの試薬です。
国嶋先生といえば、異彩を放つ孤高の縮合剤であるDMT-MMが超有名ですが、TirAT系のトリアジンベースのアルキル化試薬も開発しています。
Previous work
ref. Tetrahedron Lett., 1999, 40, 5327.; Tetrahedron, 1999, 55, 13159.; Tetrahedron, 2001, 57, 1551.
ref. Org. Lett., 2012, 14, 5026.; Eur. J. Org. Chem., 2015, 7997.; J. Org. Chem., 2015, 80, 11200.; Synthesis, 2013, 45, 2989.; Eur. J. Org. Chem., 2016, 4093.; Eur. J. Org. Chem., 2017, 833.
これらの反応は、より安定なtriazinoneの形成がドライビング・フォースになっているようです。ということで、同様にtriazinone形成をドライビング・フォースとして見込める酸化剤ということで考え出されたのがこちら↓
This work
ここでTriazoxの物性ですが、空気中で安定で、非吸湿性、冷蔵庫中で保管して少なくとも6ヶ月は安定で、結晶水を含みません。分解開始温度は110˚C (m-CPBAは88˚C)、分解熱は213 cal/g (m-CPBAは472 cal/g)です。さらに副生するtriazinoneのpKaは6.88で、反応はほぼ中性条件で実施することが出来ます。
(Supporting InformationにDSC測定の件は"Differential scanning calorimetric (DSC) analysis was performed on Shimadzu DSC-60Plus (heating rate of 10.0 °C/min) under a nitrogen atmosphere."って書いてあっただけなんで、測定が開放系で行われてのか密閉系で行われてのかは分かりません。ついでにパンの材質も分かりませんね。それから、昇温速度粗すぎね?って思います。仮に密閉しないで測定してるとしたら、正味の分解熱はもっと大きいかもです。余談だけど、密閉系でDSC測定するとき、分解して気体が発生するサンプルの測定でサンプル量が多過ぎると、蓋がぶっ飛んで装置が壊れるかもなので注意しましょう。っていうか、想定される気体発生量を勘定して、容器の耐圧の範囲内におさまるようにサンプル量を調整しましょう)。
次にエポキシ化への応用についてですが、著者らはジクロロメタンを最適溶媒のセレクトしていますが、モデル化合物を使った溶媒のスクリーニング結果では、トルエンと醋エチも遜色ないでです。反応速度がちょっと遅いけどアセトニトリルもいけると思います。
基質一般性は高く、酸に不安定な保護基(PMB)や基質(glycal)でもいい収率を叩き出しています。過酸によるエポキシ化と同様に、電子リッチなアルケンで反応が速く、電子不足オレフィンで反応性が遅いです。因みに、著者らはglycalのエポキシ化を"worth noting"と述べています↓
それから、TriazoxはBaeyer-Villiger酸化にも使えます↓
ベンゾフェノンでは反応が殆ど進行せず、マイルドな反応性のようです(選択性が出るね)。
ボク的には使い勝手の良さそうな酸化剤と思うんですけど、どうですか?ケミカルカンパニーの皆さん、この試薬、造っていただけませんか?
TCIくらいから市販されるのを心待ちにする二流大出のテクニシャン(研究補助員)の試薬メモでした。
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