「ワーク・シフト」を読了しました。ロンドン・ビジネススクール教授、リンダ・グラットン(Lynda Gratton) の著作です。
本書は未来の働き方を予想した本で、予想される未来においてどういった職業選択をすればリア充になれるかという内容の本です。
これからの社会は、
a) テクノロジーの進化
b) グローバル化の推進
c) 人口構成の変化と長寿化
d) 社会の変化
e) エネルギー・環境問題の深刻化
による影響をモロに受けて、労働市場におけるグローバルな競争が激しくなり、リチャード・フロリダの言う「スパイキーな社会」が到来するだろうと著者は予測しています(リチャード・フロリダの著作がしばしば引用されている)。
すなわち、各国でクリエイティブ・クラスとマックジョブの二極化が進行すると予想しているようです。世界のさまざまな地域の人々にチャンスが開かれる一方で、もともと有利な状況にあった国(先進国)の人々は過酷な試練を突きつけられる。要はグローバルに同一労働同一賃金が具現化するといった社会の到来です。
「スパイキーな社会」が到来した場合、「リア充」なライフ・スタイルを謳歌するためには、価値観を次のように変えなければいけないと言います↓
A) 専門技能に土台を置くキャリア形成=知的資本の強化=ゼネラリストから「連続スペシャリスト」へ
B) コクリエーション=孤独な競争から「協力して起こすイノベーションへ」
C) 大量消費から「情熱を傾けられる経験」へ
まあ、現代人の価値観を、「ゼネラリスト志向」、「孤独な競争」、「大量消費」と十把一絡げにするのは既に古くさい考えでいかがなものかと思うし、提示されている新た(?)な価値観もはっきり言って陳腐だけど、まあ、独自の強み(エッジ)を研いでおく必要があるのは確かだと思います(未来に必要というより、今すぐ必要だよね)。で、リア充向け職業に必要な用件は次の3つで↓
i) その技能が価値を生み出すことが広く理解されていること
ii) その技能の持ち主が少なく、技能に対する需要が供給を上回っていること(希少性)
iii) その技能がほかの人に模倣されにくく、機械によっても代用されにくいこと
になると言います(っていうか当たり前)。
で、これらのことから導き出される著者推奨のお仕事は以下の7つです↓
(1) 草の根市民活動家 (少なくとも、日本では懐疑的と思う)
(2) 社会起業家 (微妙な気持でいっぱい)
(3) ミニ起業家
(4) 生命科学・健康関連(ディフェンシブなニーズがあるよね)
(5) 再生可能エネルギー関連(シェールガスやメタンハイドレート系の技能も伸びるのでは?)
(6) 創造性・イノベーション関連 (クリエイティブ・クラス)
(7) コーチング・ケア関連 (ケア関連はマックジョブくさくね?)
ボク的にはかなり懐疑的なものもあるけど、要はクリエイティブ・クラスがウハウハできるから、「リア充」になりたかったらクリエイティブ・クラスを目指しなさいってことでしょう(これは未来に関係なく、現在もそうでしょ)。
著者の語る価値観のパラダイム・シフト的な話は陳腐で、途中で挿入されている幾編かの近未来小説も堺屋太一の「平成三十年」を軽く想起させられる程度に真新しいものではないような気もするし、やけに新興国贔屓なのも新興国を過大評価し過ぎだと思いましたが、クリエイティブ・クラス志向と、それに伴って創造性の創出には「遊び」が重要だと述べている点についてはシンパシーを感じました。
「遊び」が重要なのは、遊ぶことにより、普通は接点のない要素が組合わさるからであり、クリエイティブ・クラスは遊ばなければ高度な専門技能を磨けないと言います。
で、「遊び」の定義って具体的の何なのって話ですが、仕事が遊びになるのは次の4つで↓
1) 普通はやらないことをする場合(逸脱)
2) 普通やっていることをやらない場合(回避)
3) ものごとを普通より極端にやる場合(強化)
4) 社会生活の普通のパターンをひっくり返す場合(逆転)
なんだそうです。皆さんも明日から職場で遊んでみませんか?
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2013年3月24日日曜日
その安全対策は有効ですか?
「事故がなくならない理由: 安全対策の落とし穴」という本を読了しました。
著者は京大院卒(修士, 心理学専攻)で、国鉄鉄道労働科学研究所研究員、JR鉄道総合技術研究所主任研究員、立教大文学部心理学科助教授を経て現在立教大現代心理学部教授(文学博士)の職にあり、専門は産業心理学、交通心理学、人間工学です。ちなみに、運輸安全委員会業務改善有識者会議委員、JR西日本「安全研究推進委員会」委員、「日本航空安全アドバイザリーグループ」メンバー、京王電鉄安全アドバイザーを兼任しているようです。まあ、平たく言えば、安全畑の人な訳ですね。
この本には、工学的な安全対策や訓練(安全教育)だけでは、長期的には事故率は減らない(元の水準に戻ってしまう)ということが書かれています。
例えば、
工学的な安全対策が有効に働かない例
1) 車の安全装置→乱暴運転を助長
2) 低タールタバコ→深く吸引したり、本数UP↑
3) 山岳登山者の安全に為に開発された「ビーコン」→より危険な場所に行く
4) 治水工事→洪水が減り、人口が増えて、たまに起きる洪水の被害UP↑(宮古市田老地区では、防波堤ができてから避難訓練の参加率が著しく低下した)
訓練(教育)や経験でミスを犯す可能性がそれほど低下しない例
1) 熟練ドライバー→リスキーな運転をする
2) 楽器演奏→上手くなるとより難度の高い曲に挑戦する
3) ベテランスキーヤー→より難しい斜面に挑む
4) 片田敏孝群大教授が釜石で防災教育したとき、「湾口防波堤もできたことだし、わざわざ来て脅かすのはやめてもらえないか」と言われた。
このように、事故や病気や失敗のリスクを減らすはずの対策や訓練が、結果として事故や病気や失敗のリスクを低下させられないという事例が発生するのは、人間は、低下したリスクを埋め合わせるように行動を変化させ、元のリスク水準に戻してしまう - リスク補償行動をとる - からだそうです(リスク・ホメオスタシス理論。但し、リスク・ホメオスタシス理論の主張する事故率の恒常性は、時間あたりの、地域全体の事故損失)。
ちなみに、リスク補償行動の基本メカニズムは「負のフィードバック」機構で、適正な値を外れると自動的に値を元に戻す(対応策が発動される)というものです。
というわけで、工学的安全対策や訓練は重要ではあるけれど、それだけではダメで、安全への動機づけをうまく行うこと(自発的に受けるリスク量を変えたい(リスクの目標水準を下げたい)と思わせること)が必要となります。要は、
A: リスクを避ける行動の利益を増やす
B: リスクを避ける行動のコストを減らす
C: リスクをとる行動のコストを増やす
D: リスクをとる行動の利益を減らす
といったインセンティブの設定が必要になります。
あと、リスク補償行動以外にも、人間のは「正常性バイアス」というのが働く場合があるそうです。すなわち、リスクに直面した人々が「そんな重大なことが起きているはずがない」と思いたがり、リスクを過小視する傾向があるそうです。
リスク補償と正常性バイアスには努々気をつけたいと思う二流大出のテクニシャン(研究補助員)でした。
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著者は京大院卒(修士, 心理学専攻)で、国鉄鉄道労働科学研究所研究員、JR鉄道総合技術研究所主任研究員、立教大文学部心理学科助教授を経て現在立教大現代心理学部教授(文学博士)の職にあり、専門は産業心理学、交通心理学、人間工学です。ちなみに、運輸安全委員会業務改善有識者会議委員、JR西日本「安全研究推進委員会」委員、「日本航空安全アドバイザリーグループ」メンバー、京王電鉄安全アドバイザーを兼任しているようです。まあ、平たく言えば、安全畑の人な訳ですね。
この本には、工学的な安全対策や訓練(安全教育)だけでは、長期的には事故率は減らない(元の水準に戻ってしまう)ということが書かれています。
例えば、
工学的な安全対策が有効に働かない例
1) 車の安全装置→乱暴運転を助長
2) 低タールタバコ→深く吸引したり、本数UP↑
3) 山岳登山者の安全に為に開発された「ビーコン」→より危険な場所に行く
4) 治水工事→洪水が減り、人口が増えて、たまに起きる洪水の被害UP↑(宮古市田老地区では、防波堤ができてから避難訓練の参加率が著しく低下した)
訓練(教育)や経験でミスを犯す可能性がそれほど低下しない例
1) 熟練ドライバー→リスキーな運転をする
2) 楽器演奏→上手くなるとより難度の高い曲に挑戦する
3) ベテランスキーヤー→より難しい斜面に挑む
4) 片田敏孝群大教授が釜石で防災教育したとき、「湾口防波堤もできたことだし、わざわざ来て脅かすのはやめてもらえないか」と言われた。
このように、事故や病気や失敗のリスクを減らすはずの対策や訓練が、結果として事故や病気や失敗のリスクを低下させられないという事例が発生するのは、人間は、低下したリスクを埋め合わせるように行動を変化させ、元のリスク水準に戻してしまう - リスク補償行動をとる - からだそうです(リスク・ホメオスタシス理論。但し、リスク・ホメオスタシス理論の主張する事故率の恒常性は、時間あたりの、地域全体の事故損失)。
ちなみに、リスク補償行動の基本メカニズムは「負のフィードバック」機構で、適正な値を外れると自動的に値を元に戻す(対応策が発動される)というものです。
というわけで、工学的安全対策や訓練は重要ではあるけれど、それだけではダメで、安全への動機づけをうまく行うこと(自発的に受けるリスク量を変えたい(リスクの目標水準を下げたい)と思わせること)が必要となります。要は、
A: リスクを避ける行動の利益を増やす
B: リスクを避ける行動のコストを減らす
C: リスクをとる行動のコストを増やす
D: リスクをとる行動の利益を減らす
といったインセンティブの設定が必要になります。
あと、リスク補償行動以外にも、人間のは「正常性バイアス」というのが働く場合があるそうです。すなわち、リスクに直面した人々が「そんな重大なことが起きているはずがない」と思いたがり、リスクを過小視する傾向があるそうです。
リスク補償と正常性バイアスには努々気をつけたいと思う二流大出のテクニシャン(研究補助員)でした。
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2013年3月9日土曜日
4電子還元でカルボン酸を攻略せよ
先日、、おでん屋に言ってきました。本八幡 お多幸です。
-本八幡 お多幸 memo-
-RATING- ★★☆☆☆
-REVIEW-
店員は、短髪の昔気質の職人風の店長(お多幸 日本橋本店の元店長らしい)と、おでん以外の料理担当と思われる超長髪を後ろで束ねた若者男子(見た目は高校生)、長身・短髪のガッシリしたやや赤ら顔の中肉中背でなぜかいつもオドオドしている主にホール担当の見た目中年のオッサン(見た目は少なくとも四十代後半に見えるんだけど、長髪若者に敬語使って話してたので、実年齢は大分若いのかもしれない)の3人。はっきり言って、店はお世辞にも回っているとは言い難く、ホスピタリティの改善が必要。
おでんは、大根、たまご、しらたき、とうふをオーダー(この四品で570 JPY)。おつまみに、春の芽の天ぷら (500 JPY)、お酒は酔鯨(600 JPY)と初霞 (600 JPY)をいただく。
-大根- ★★★☆☆
しっかりと味が染み普通に美味しい。
-たまご- ★★★☆☆
白身部分はほぼ均等にしっかりと色と味が染みており、熱々の状態で食べるととても旨い。しかしながら、冷めるとめちゃくちゃ硬くなり、食感もよろしくなく少し残念な味になってしまう。
-しらたき、とうふ- ★★★☆☆
淡白系のネタは、なんか漂白剤っぽい異臭がする。漂白剤ではないんだろうが、おでんのツユ自体が漂白剤を想起させる匂いがして、淡白な具材だとその匂いが際立って気になる。少なくとも、ボク的には苦手な匂い。
-春の芽の天ぷら- ★★☆☆☆
苦みばかりが際立ち、感動は全くない。
-酔鯨 (雪冷え)- ★★★★☆
普通に美味しい。
-初霞 (雪冷え)- ★★★★★
色は軽く褐色。複雑かつ玄妙な味で旨い。軽く好ましい老香を感じる。秀逸。
食べログでは高評価な店だけど、はっきり言ってたいしたことない店と思いました。神田の尾張家と比べると天と地の差があると思います。
閑話休題
昨年、こんな文献を読んでみました↓
Electron Transfer Reduction of Carboxylic Acids Using SmI2-H2O-Et3N
Org. Lett. 2012, 14, 840-843.
カルボン酸の還元っていうと、(やったことないけど)ボク的に一番最初に思いつくのは、BH3-THF錯体やNaBH4+H2SO4です。
LAH等の強力な金属ヒドリドでもいけるらしいけど、この方法はスマートじゃないよね。
で本報は、SmI2(Kagan's reagent)を使ってカルボン酸を4電子還元するっていうお話です。
ちなみに、SmI2を使ったカルボニル化合物の還元され易さは↓
これまでにSmI2による活性化されていないカルボン酸の還元の報告例はなかったそうです。
さてこの反応、条件はとってもマイルドで概して高収率。Na塩でも還元できます。最適条件は、SmI2: 6 eq., H2O: 18 eq., Et3N: 18 eq.
そしてこの反応、官能基許容性が高いのがウリで、末端オレフィン、内部オレフィンがあってもオッケー(内部オレフィンの場合は、異性化を伴わない)。臭化アリールは臭素が吹っ飛んじゃうけど、フッ化アリール、塩化アリール、アリールトリフルオロメチルユニットはオッケーで、エーテル、チオエーテルがあっても大丈夫です。
それからけっこう複雑な構造の化合物の例↓
94%の収率でカルボキシル基が還元され、対応するアルコールが得られます。
(E)-桂皮酸の還元ではツルンツルンになります。あと、Et3Nの有無で反応の様相が変わります↓
エステルとカルボン酸誘導体の競合反応の結果はこちら↓
最後に推定反応機構↓
なかなか興味深い反応と思いましたが、ぶっちゃけSmI2もSmもかなり高いよね♥
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-本八幡 お多幸 memo-
-RATING- ★★☆☆☆
-REVIEW-
店員は、短髪の昔気質の職人風の店長(お多幸 日本橋本店の元店長らしい)と、おでん以外の料理担当と思われる超長髪を後ろで束ねた若者男子(見た目は高校生)、長身・短髪のガッシリしたやや赤ら顔の中肉中背でなぜかいつもオドオドしている主にホール担当の見た目中年のオッサン(見た目は少なくとも四十代後半に見えるんだけど、長髪若者に敬語使って話してたので、実年齢は大分若いのかもしれない)の3人。はっきり言って、店はお世辞にも回っているとは言い難く、ホスピタリティの改善が必要。
おでんは、大根、たまご、しらたき、とうふをオーダー(この四品で570 JPY)。おつまみに、春の芽の天ぷら (500 JPY)、お酒は酔鯨(600 JPY)と初霞 (600 JPY)をいただく。
-大根- ★★★☆☆
しっかりと味が染み普通に美味しい。
-たまご- ★★★☆☆
白身部分はほぼ均等にしっかりと色と味が染みており、熱々の状態で食べるととても旨い。しかしながら、冷めるとめちゃくちゃ硬くなり、食感もよろしくなく少し残念な味になってしまう。
-しらたき、とうふ- ★★★☆☆
淡白系のネタは、なんか漂白剤っぽい異臭がする。漂白剤ではないんだろうが、おでんのツユ自体が漂白剤を想起させる匂いがして、淡白な具材だとその匂いが際立って気になる。少なくとも、ボク的には苦手な匂い。
-春の芽の天ぷら- ★★☆☆☆
苦みばかりが際立ち、感動は全くない。
-酔鯨 (雪冷え)- ★★★★☆
普通に美味しい。
-初霞 (雪冷え)- ★★★★★
色は軽く褐色。複雑かつ玄妙な味で旨い。軽く好ましい老香を感じる。秀逸。
食べログでは高評価な店だけど、はっきり言ってたいしたことない店と思いました。神田の尾張家と比べると天と地の差があると思います。
閑話休題
昨年、こんな文献を読んでみました↓
Electron Transfer Reduction of Carboxylic Acids Using SmI2-H2O-Et3N
Org. Lett. 2012, 14, 840-843.
カルボン酸の還元っていうと、(やったことないけど)ボク的に一番最初に思いつくのは、BH3-THF錯体やNaBH4+H2SO4です。
LAH等の強力な金属ヒドリドでもいけるらしいけど、この方法はスマートじゃないよね。
で本報は、SmI2(Kagan's reagent)を使ってカルボン酸を4電子還元するっていうお話です。
これまでにSmI2による活性化されていないカルボン酸の還元の報告例はなかったそうです。
さてこの反応、条件はとってもマイルドで概して高収率。Na塩でも還元できます。最適条件は、SmI2: 6 eq., H2O: 18 eq., Et3N: 18 eq.
そしてこの反応、官能基許容性が高いのがウリで、末端オレフィン、内部オレフィンがあってもオッケー(内部オレフィンの場合は、異性化を伴わない)。臭化アリールは臭素が吹っ飛んじゃうけど、フッ化アリール、塩化アリール、アリールトリフルオロメチルユニットはオッケーで、エーテル、チオエーテルがあっても大丈夫です。
それからけっこう複雑な構造の化合物の例↓
94%の収率でカルボキシル基が還元され、対応するアルコールが得られます。
(E)-桂皮酸の還元ではツルンツルンになります。あと、Et3Nの有無で反応の様相が変わります↓
エステルとカルボン酸誘導体の競合反応の結果はこちら↓
最後に推定反応機構↓
なかなか興味深い反応と思いましたが、ぶっちゃけSmI2もSmもかなり高いよね♥
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2013年3月4日月曜日
フルオロホルムを固定化せよ
先日、念願叶ってとうとう神田新八(酒吞みなら一度は行かなければいけない店)に言ってきました(写真は神田祭のときに撮った)。
以下メモです↓
-神田新八 memo-
〒101-0044 千代田区鍛冶町2-9-1
TEL: 03-3254-9729
さすがに噂の居酒屋だけあって、酒の品揃えは目を見張るものがあります。ただ、噂通りプライシングもかなり高めでした。
-お通し=桜えび+大根おろし-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
桜えびのプリプリ、ツルツル感がたまらない。味わいも深く美味。
-森伊蔵 (room temp., neat) 980 JPY-
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
芋のわりにかなり淡麗。悪くはないが面白みのあまり感じられない味。oilyさも微弱。焼酎の上善如水というイメージ
-お刺身5点盛り 2,100 JPY-
-REVIEW-
厚めに切られた赤身と(多分)のど黒がとても旨い。濃厚な味と食感が楽しい。(多分)皮ハギはしっとりモチモチ感がなくて少し素っ気なさを感じる。蒸しアワビもあったけど気付いたらなくなってて食べれなくて残念。
-ひこ孫 900 JPY-
-るみ子の酒 あらばしり純米生原酒 880 JPY-
-アウグスビール 780 JPY-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
シックで硬派な味の中にも優しさある味わい
-エビス (生) 780 JPY-
-穴子白焼 1,280 JPY-
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
冷えていて少し不満。でもまあ美味しい。
-穴子天ぷら 1,380 JPY-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
アツアツで白身の旨さが迸る。ホクホクですおよ。
-馬刺盛り合せ 2,580 JPY-
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
タン、レバーは食べれず。多分、コウネ、フタエゴを食べたと思うんだけど、お馬さん特有の重力感のある味。食感に少し不満。
-旬野菜の天ぷら 1,180 JPY-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
きのこがメイン。普通に美味しい。
-揚げぎんなん 680 JPY-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
揚げてあることで、焼きぎんなんとは異なり食感が均質でまんべんなく柔らかい。はっきり言って秀逸な味。
-ふぐひれ酒 1,100 JPY-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
普通にとっても旨い
-あつあげ焼 580 JPY-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
普通に美味しい
閑話休題
昨年、こんな文献を読んでみました↓
Trifluoromethylation of α-Haloketone
J. Am. Chem. Soc. 2012, 134, 16167-16170.
トリフルオロメタン (CHF3, フルオロホルム, HFC-23)は、テフロン製造時に生成する副生物で、およそ20,000 - 25,000 ton/year産出されているらしいです。その性質は、bp. -82℃, nontoxic, ozone-friendly, 大きな温室効果 (100年のスパンでみると二酸化炭素の11700倍=地球温暖化係数は11700), 大気中には264年滞留し、年間5%ずつ増えているらしいです。
で、副生したフルオロホルムをどうするかっていうのは次の二択で↓
a) ぶっ壊す (なんの生産性もなし。焼却するのは難しいし金がかかる)
b) フッ素化学に役立てる (反応性低い)
になります。
ということで、反応性の低いフルオロホルムを有機フッ化物に変換するってことは、とっても重要なタスクになっているそうです。ちなみに、フルオロホルムの利用法にはこんなものが有ります↓
1) CHF3 + I2 → CF3I
550℃の高温を要する気相の触媒プロセス。ca. 80% conversion, ca. 60% selectivity。
J. Fluorine Chem. 2012, 140, 7; ACS Synp. Ser. 2005, 911, 57.
2) フルオロホルムのDirect Cupration←これ著者らの前の仕事
CuCF3を用いたハロゲン化アリールやボロン酸のトリフルオロメチル化が報告されています。
J. Am. Chem. Soc. 2011, 133, 20901.←これ著者らの前の仕事
で、本報で報告している著者らの仕事は、CuCF3を使ってα-ハロケトンをハロゲンをトリフルオロメチル基で置換するっていうものです↓
これまでカルボニル化合物のα-トリフルオロメチル化は、エノラートやシリルエノールエーテルへのラジラルや求電子的な付加はあったけど、求核的な反応は本報が初めてらしいです(「C=O」と反応しちゃうから難しい)。
生成物は、反応液中では少し不安定らしく、バッファーにTREAT HF (Et3N・3 HF)を加えると生成物の分解が抑制されます(CuCF3の20-30 mol%)。
通常、有機銅は塩化物に対して反応性が低いらしいのですが、この反応は余裕でクロリドと反応して、高収率で目的物を与えたりします。ただ、ピリジンとクマリンの誘導体やRCOCH(R')X (R'=Me, X=Br; R'=Ph, X=Cl)、α-ハロエステルは反応性が低いそうです。
安くて、すぐ使えるフルオロホルムをアトムエコノミカルなCF3源に活用するっていうのが素敵な仕事と思った、二流大出のなんちゃってテクニシャン(研究補助員)のメモでした。
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以下メモです↓
-神田新八 memo-
〒101-0044 千代田区鍛冶町2-9-1
TEL: 03-3254-9729
さすがに噂の居酒屋だけあって、酒の品揃えは目を見張るものがあります。ただ、噂通りプライシングもかなり高めでした。
-お通し=桜えび+大根おろし-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
桜えびのプリプリ、ツルツル感がたまらない。味わいも深く美味。
-森伊蔵 (room temp., neat) 980 JPY-
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
芋のわりにかなり淡麗。悪くはないが面白みのあまり感じられない味。oilyさも微弱。焼酎の上善如水というイメージ
-お刺身5点盛り 2,100 JPY-
-REVIEW-
厚めに切られた赤身と(多分)のど黒がとても旨い。濃厚な味と食感が楽しい。(多分)皮ハギはしっとりモチモチ感がなくて少し素っ気なさを感じる。蒸しアワビもあったけど気付いたらなくなってて食べれなくて残念。
-ひこ孫 900 JPY-
-るみ子の酒 あらばしり純米生原酒 880 JPY-
-アウグスビール 780 JPY-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
シックで硬派な味の中にも優しさある味わい
-エビス (生) 780 JPY-
-穴子白焼 1,280 JPY-
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
冷えていて少し不満。でもまあ美味しい。
-穴子天ぷら 1,380 JPY-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
アツアツで白身の旨さが迸る。ホクホクですおよ。
-馬刺盛り合せ 2,580 JPY-
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
タン、レバーは食べれず。多分、コウネ、フタエゴを食べたと思うんだけど、お馬さん特有の重力感のある味。食感に少し不満。
-旬野菜の天ぷら 1,180 JPY-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
きのこがメイン。普通に美味しい。
-揚げぎんなん 680 JPY-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
揚げてあることで、焼きぎんなんとは異なり食感が均質でまんべんなく柔らかい。はっきり言って秀逸な味。
-ふぐひれ酒 1,100 JPY-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
普通にとっても旨い
-あつあげ焼 580 JPY-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
普通に美味しい
閑話休題
昨年、こんな文献を読んでみました↓
Trifluoromethylation of α-Haloketone
J. Am. Chem. Soc. 2012, 134, 16167-16170.
トリフルオロメタン (CHF3, フルオロホルム, HFC-23)は、テフロン製造時に生成する副生物で、およそ20,000 - 25,000 ton/year産出されているらしいです。その性質は、bp. -82℃, nontoxic, ozone-friendly, 大きな温室効果 (100年のスパンでみると二酸化炭素の11700倍=地球温暖化係数は11700), 大気中には264年滞留し、年間5%ずつ増えているらしいです。
で、副生したフルオロホルムをどうするかっていうのは次の二択で↓
a) ぶっ壊す (なんの生産性もなし。焼却するのは難しいし金がかかる)
b) フッ素化学に役立てる (反応性低い)
になります。
ということで、反応性の低いフルオロホルムを有機フッ化物に変換するってことは、とっても重要なタスクになっているそうです。ちなみに、フルオロホルムの利用法にはこんなものが有ります↓
1) CHF3 + I2 → CF3I
550℃の高温を要する気相の触媒プロセス。ca. 80% conversion, ca. 60% selectivity。
J. Fluorine Chem. 2012, 140, 7; ACS Synp. Ser. 2005, 911, 57.
2) フルオロホルムのDirect Cupration←これ著者らの前の仕事
CuCF3を用いたハロゲン化アリールやボロン酸のトリフルオロメチル化が報告されています。
J. Am. Chem. Soc. 2011, 133, 20901.←これ著者らの前の仕事
で、本報で報告している著者らの仕事は、CuCF3を使ってα-ハロケトンをハロゲンをトリフルオロメチル基で置換するっていうものです↓
これまでカルボニル化合物のα-トリフルオロメチル化は、エノラートやシリルエノールエーテルへのラジラルや求電子的な付加はあったけど、求核的な反応は本報が初めてらしいです(「C=O」と反応しちゃうから難しい)。
生成物は、反応液中では少し不安定らしく、バッファーにTREAT HF (Et3N・3 HF)を加えると生成物の分解が抑制されます(CuCF3の20-30 mol%)。
通常、有機銅は塩化物に対して反応性が低いらしいのですが、この反応は余裕でクロリドと反応して、高収率で目的物を与えたりします。ただ、ピリジンとクマリンの誘導体やRCOCH(R')X (R'=Me, X=Br; R'=Ph, X=Cl)、α-ハロエステルは反応性が低いそうです。
安くて、すぐ使えるフルオロホルムをアトムエコノミカルなCF3源に活用するっていうのが素敵な仕事と思った、二流大出のなんちゃってテクニシャン(研究補助員)のメモでした。
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2013年3月3日日曜日
脱水縮合をマイルドに触媒化せよ
あの喜多喜久氏の4作目の単行本「美少女教授・桐島統子の事件研究録」を読了しました。ケミストリー三部作(「ラブ・ケミストリー」、「猫色ケミストリー」、「ラブ・リプレイ」)に続く本作のテーマはズバリ生物学(舞台も東大から移動)。
主人公は完全免疫を持つ男にして、ワトソン役の芝村拓也(東京科学大学1年)。探偵役は日本人女性初のノーベル賞受賞者にして、若返り病によって若返り美少女教授となった桐島統子教授(88歳)。この二人が学内でつくられた有害ウィルス退治に挑みます。ライトなタッチのミステリで、お題は「犯人当て」です。それにつけてもキャンパス(大学)モノは、大人の階段昇ってるかんじの甘酸っぱいニュアンスが一杯で、胸が切なくなるね。
18歳くらいの肉体に若返った桐島先生って、体臭が桃とミルクのいい匂いがするっていう設定んんだけど、これオタクチックで相当ヤバいね(っていって、この小説を嬉々として読んでるオレも相当オタッキー入ってると思いました)。あと、本作に登場する美人院生の斉藤さんがビッチ過ぎで哀しくなりました。
閑話休題
昨年、こんな文献を読んでみました↓
Direct Amidation of Carboxylic Acids Catalyzed by ortho-Iodo Arylboronic Acids: Catalyst Optimization, Scope, and Preliminary Mechanistic Study Supporting a Peculiar Halogen Acceleration Effect
J. Org. Chem. 2012, 77, 8386-8400.
カルボン酸とアミンを触媒的に脱水縮合させるというお話です。しかも、室温で(これは凄い!)。
通常、カルボン酸とアミンのダイレクトカップリングは、化学両論量の縮合剤を使用するのが常と思いますが、試薬はそこそこ高いし、バイプロ(縮合剤のカスなど)が邪魔で、プロセスの完成度は高いとは言い難いと思います。なので、触媒的かつマイルド・コンディションの反応っていうのはかなり価値が高いです。
しかも、この反応で使っているボロン酸触媒はリサイクル可能と好感触。あと、当然だけど副生成物は水だけです。ただ、基質1 mmolあたり2 gのMS 4Aを使わないといけないところが少し残念です。
ちなみに、アリールボロン酸を使った触媒的アミド化の過去の報告例はこちら↓
・>80℃ (Dean-Stark, reflux)
・rt.〜50℃, (4A molecular sieves)
で、著者らはさらなる高活性な触媒システムの構築を試みます。その結果↓
はじめは既報の触媒のハイブリッド触媒を試しますが、鳴かず飛ばずの結果だったので、電子供与性置換基を導入して様子をみて最適触媒に辿り着きました。
次に著者らは最適溶媒を検討します。で、良さげな溶媒はトルエン、ジクロロメタン、クロロベンゼンで、それらの溶媒効果は同等っぽいのですが、その後の反応最適化はジクロロメタンで行われていきます。
(まあ、ラボ的にはジクロロメタンが使いやすいからなんでしょうが、"Green"や"プロセス"を謳って反応開発するならトルエンをチョイスして検討すべきと思います。)
あと、この触媒反応って乾燥剤がないと全然進行しないです。そしてモレキュラーシーブ以外の乾燥剤(CaCl2, MgSO4, Na2SO4, CaSO4, LiCl, CaH2, silica)だと収率は全て< 5%。モレキュラーシーブの中で一番良かったのが4Aという結果です。
で、面白いのは、モレキュラーシーブは脱水剤と貯水剤の二つの役割を果たすと(著者らが推測している)いうことです。
ボロン酸は脱水するとボロキシン(とかオリゴマー)になるので、ボロン酸とボロキシンのどっちが効いてるのかという話になります。そこで、著者らはその検証作業を行います。モレキュラーシーブ存在下で10 mol%のボロキシンを用いて行った反応は、ボロン酸を用いた場合と大差なく円滑に反応が進行する一方で、モレキュラーシーブなしで100 mol%のボロキシンを用いて反応を行うとno reactionという結果を得ます。
さらに輪をかけて面白いのが、CDCl3中、ボロシキンとモレキュラーシーブを室温で10分間反応さえると全てボロン酸になるという事実です。
この辺りの話は、たゆたえども沈まず-有機化学あれこれ-さんの記事が詳しいです 。
see → http://orgchemical.seesaa.net/article/302012879.html (それにつけても、ホント造詣が深いよね、このブログの筆者さんは)。
さらにこの反応で興味深いのは基質の使用量(モル比)と、加える順番が重要となることです。過剰のアミンは反応を劇的のスローダウンさせるので、カルボン酸をちょっぴり多めに使うのがよいです。また、アミンを加える前に、モレキュラーシーブ存在下、カルボン酸とボロン酸触媒をあらかじめ数分間混ぜておくことがとても重要です。このことから、真の触媒活性種はアシルボレートであることが示唆されます↓
少なくともラボユースでは重宝するかもしれない反応と思いました(触媒が売ってれば)。ただ、芳香族アミンは不活性で、鎖状の二級アミンもダメっぽいのが残念です。
以上、二流大出のテクニシャン(研究補助員)のメモでした。
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主人公は完全免疫を持つ男にして、ワトソン役の芝村拓也(東京科学大学1年)。探偵役は日本人女性初のノーベル賞受賞者にして、若返り病によって若返り美少女教授となった桐島統子教授(88歳)。この二人が学内でつくられた有害ウィルス退治に挑みます。ライトなタッチのミステリで、お題は「犯人当て」です。それにつけてもキャンパス(大学)モノは、大人の階段昇ってるかんじの甘酸っぱいニュアンスが一杯で、胸が切なくなるね。
18歳くらいの肉体に若返った桐島先生って、体臭が桃とミルクのいい匂いがするっていう設定んんだけど、これオタクチックで相当ヤバいね(っていって、この小説を嬉々として読んでるオレも相当オタッキー入ってると思いました)。あと、本作に登場する美人院生の斉藤さんがビッチ過ぎで哀しくなりました。
閑話休題
昨年、こんな文献を読んでみました↓
Direct Amidation of Carboxylic Acids Catalyzed by ortho-Iodo Arylboronic Acids: Catalyst Optimization, Scope, and Preliminary Mechanistic Study Supporting a Peculiar Halogen Acceleration Effect
J. Org. Chem. 2012, 77, 8386-8400.
カルボン酸とアミンを触媒的に脱水縮合させるというお話です。しかも、室温で(これは凄い!)。
通常、カルボン酸とアミンのダイレクトカップリングは、化学両論量の縮合剤を使用するのが常と思いますが、試薬はそこそこ高いし、バイプロ(縮合剤のカスなど)が邪魔で、プロセスの完成度は高いとは言い難いと思います。なので、触媒的かつマイルド・コンディションの反応っていうのはかなり価値が高いです。
しかも、この反応で使っているボロン酸触媒はリサイクル可能と好感触。あと、当然だけど副生成物は水だけです。ただ、基質1 mmolあたり2 gのMS 4Aを使わないといけないところが少し残念です。
ちなみに、アリールボロン酸を使った触媒的アミド化の過去の報告例はこちら↓
・>80℃ (Dean-Stark, reflux)
・rt.〜50℃, (4A molecular sieves)
で、著者らはさらなる高活性な触媒システムの構築を試みます。その結果↓
はじめは既報の触媒のハイブリッド触媒を試しますが、鳴かず飛ばずの結果だったので、電子供与性置換基を導入して様子をみて最適触媒に辿り着きました。
次に著者らは最適溶媒を検討します。で、良さげな溶媒はトルエン、ジクロロメタン、クロロベンゼンで、それらの溶媒効果は同等っぽいのですが、その後の反応最適化はジクロロメタンで行われていきます。
(まあ、ラボ的にはジクロロメタンが使いやすいからなんでしょうが、"Green"や"プロセス"を謳って反応開発するならトルエンをチョイスして検討すべきと思います。)
あと、この触媒反応って乾燥剤がないと全然進行しないです。そしてモレキュラーシーブ以外の乾燥剤(CaCl2, MgSO4, Na2SO4, CaSO4, LiCl, CaH2, silica)だと収率は全て< 5%。モレキュラーシーブの中で一番良かったのが4Aという結果です。
で、面白いのは、モレキュラーシーブは脱水剤と貯水剤の二つの役割を果たすと(著者らが推測している)いうことです。
ボロン酸は脱水するとボロキシン(とかオリゴマー)になるので、ボロン酸とボロキシンのどっちが効いてるのかという話になります。そこで、著者らはその検証作業を行います。モレキュラーシーブ存在下で10 mol%のボロキシンを用いて行った反応は、ボロン酸を用いた場合と大差なく円滑に反応が進行する一方で、モレキュラーシーブなしで100 mol%のボロキシンを用いて反応を行うとno reactionという結果を得ます。
さらに輪をかけて面白いのが、CDCl3中、ボロシキンとモレキュラーシーブを室温で10分間反応さえると全てボロン酸になるという事実です。
この辺りの話は、たゆたえども沈まず-有機化学あれこれ-さんの記事が詳しいです 。
see → http://orgchemical.seesaa.net/article/302012879.html (それにつけても、ホント造詣が深いよね、このブログの筆者さんは)。
さらにこの反応で興味深いのは基質の使用量(モル比)と、加える順番が重要となることです。過剰のアミンは反応を劇的のスローダウンさせるので、カルボン酸をちょっぴり多めに使うのがよいです。また、アミンを加える前に、モレキュラーシーブ存在下、カルボン酸とボロン酸触媒をあらかじめ数分間混ぜておくことがとても重要です。このことから、真の触媒活性種はアシルボレートであることが示唆されます↓
少なくともラボユースでは重宝するかもしれない反応と思いました(触媒が売ってれば)。ただ、芳香族アミンは不活性で、鎖状の二級アミンもダメっぽいのが残念です。
以上、二流大出のテクニシャン(研究補助員)のメモでした。
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