2009年12月31日木曜日

蕎麦を喰わねば年は越せぬ

年の瀬を大詰めの今日この頃、ちょっくら上野まで蕎麦を食いにいってきました↓




アメ横近辺に位置する上野藪そば総本店に行ってきたわけです。営業は11:30からと記憶していたのですが、年越し蕎麦の書き入れどきの真っ只中なためか、11:15くらいに店の前まで辿り着いたのですが、既に開店していて、しかも超混みでした。

前々から行きたい行きたいと思っていて、なんとなく行けずにいたんですが、やっとこさ辿り着いた上野藪の蕎麦の味は、強いコシの細打ちの蕎麦の喉越しは比類なく、強いツユと薬味の山葵とが奏でるハーモニーは、噂に違わぬ美味な味わいでしたね。はっきり言って、リピート率200%マチガイなしと思います。

いやあ~、それにつけても、1年の終わりに極上の蕎麦を堪能できる幸福を甘受できる「ザ・日本」に生まれてよかったなあと心底思うコンキチでした。

それから、1年の最後に大好きな蕎麦を名店で堪能して、さらにその後、お気に入りのイタリアン・レストラン(のショッピング・センターの出張所)でワインを呑みながらパスタを食べて、(食生活的に)充実した1日だったわけなんですが、今日1日の満足でなんか今年1年総べてヨシみたいな感じで、清々しい気持ちです。

来年も美味しいお蕎麦がたくさん食べられますように

2009年12月30日水曜日

フリー

フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略」を読了しました。

2009年12月30日現在、アマゾンので最も売れている本のようです。

この本の読んでみて、コンキチの感想を一言で言えば、



フリー(無料)とは、マーケティング・ツールだ


ということでしょうか?

<フリー>を活用したマーケティングの歴史は古く、それ自体は目新しいものではありません(この本でも、その歴史が解説されている)。重要なのは、ビット経済において、そのウェイトが、アトム経済とはくらべものにならないほど極めて大きいということに対する認識だと思います。

本書で何遍も述べられている「限界費用がゼロに近いモノは、フリーに近づく」というアイデアには、実際、具現化している事例がかなりある(本書でも例証されている)と思う。で、その中でもコンキチが特に注目したいのは、限界費用=(nearly) Zeroの違法なデジタル・コピーです。


コンキチが院生だったころ、インターネットは比較的黎明期だったと思います。我が国ではブロードバンドなど全く普及しておらず、貧弱な回線だったにもかかわらず、邦楽mp3ファイルがサイバー空間の至る所に並べられていた。法治国家の体裁を成す我が国では、やがて違法mp3ファイルの流通(ダイレクト・ダウンロード)は下火になったが、デジタルデータの違法コピーは、Torrentや中華サイト、韓国サイト、ロシアサイトなどに引き継がれている。ついでに違法コーピーファイルの入手法を指南する雑誌もある(日本で)。さらに細かいところまで数えあげると、多くのWebユーザーはなんらかの形で著作権を侵害している可能性が高い(そういった違法行為が許されるのは、ビットワールドがあまりにも広大で、権利者の対応コストが莫大となり、相当悪質でなければ、親告罪なるが故に黙示の許諾が適用されているに過ぎないのだと思う)。物理的な犯罪にくらべて、著作権にかかるデジタル犯罪に対する人々の罪の意識は極めて低いといわざるを得ないというのがコンキチの実感です。

さらに、非物質的な犯罪においては、損失がはっきりと認識することができず、犯罪や被害のあったことを確認する術もないからだと思います。結果、犯罪の結果として生じる苦痛が具現化しにくく、犯罪としての意識が希薄化しているんだと思います。

コピーが簡単で、犯罪であるという意識の低い違法デジタル・コピーが、<フリー>への道を進もうとするのは、水が高いところから低いところへと流れていくのに近しいほど技術的・心理的障壁がなく、当然の帰着なのかもしれません。


こういった不正コピーを犯罪としての局面から捉えると、著作権者の機会損失のみがフィーチャーされがちですが、本書では不正コピーでさえもマーケティングの一環として捉えるべきであるという画期的が提案されています。つまり、本来の価格では購買意欲の湧かない層にまでリーチすることができ、有効なプロモーションとなりえるというものです。その結果、多くの顧客の需要が喚起され、実は不正コピー品の流通の結果生じるのは機会利益であったなんてこともあるわけです。

感想終了


あと、ここで挙げた話題の他にも、機知に富んだアイデアがこの本の中で展開されており、オススメの一冊に仕上がっていると思います。さすが、アマゾンで一番売れている本と思います。

2009年12月26日土曜日

JR東:コングロマリット・プレミアムの真実 (7)

JR東日本の多角化戦略のメモの続きです。

お題は、「広告事業」↓

現在、広告ビジネスの隆盛は、アトム(Atom)経済からビット(Bit)経済へと移行している。ただ、例外があります。それは電車広告。そして、特筆すべきは特定の首都圏における優良セグメントに対するリーチ力でしょう。なんといっても東京経済圏は我が国における最強最大の市場でしょう。で、山手線や京浜東北線といった首都圏の交通の動脈を担う路線は、巨大市場へのアクセスを牛耳るっているわけだ。その顧客は、我が国の大経済圏で働くビジネスパーソンであり、学校が最も集中するエリアへと通学する学生であったりする。おそらく、彼ら彼女らは金離れの良い優良顧客なんでしょう。だって、給料の高い首都圏で働くビジネスパーソンと、学費と生活費が嵩む私立校に通学する子女は金離れが良さそうな気がする。

ある大手広告代理店によると、「首都圏十数駅をカバーさえすれば、女子高生50%以上にリーチできる」そうだ。

また、キリンビール幹部は、「生活線上にある交通広告のなかでも、ドア横広告は商品機能をよく読み込んでもらえる。ここだけは"都市型マス媒体"」と評価しているそうだ。

さらに、車内額面と駅パネルなどに1ヶ月掲出するコンポ商品(2,000万円以上)に、「申し込んでも取れない」(大手代理店営業)と超売り手市場だそうです。

ちなみに、関東電鉄媒体売上高総額1,127憶円(2008年度)のうち、JR東のシャアは49.4%(っていうことは、ざっと556憶円)。広告だけで556億の売上をたたき出すJRって凄くないですか?

ところで、電車広告のお値段はこんな感じ↓


1) トレインチャンネル/ 390万円
提出路線: 山手・中央・京浜東北線, 期間: 1週間 (10-3月期), その他条件: スポットCM

2) つり革 (アドストラップ)/ 130万円
提出路線: 山手線, 期間: 4週間, その他条件: 編成

3) まど上/ 185万円
提出路線: 3線群, 期間: 4-5日間, その他条件: シングル

4) ドア上/ 550万円
提出路線: 首都圏全線, 期間: 1ヶ月 (10-3月期/A型)

5) 中吊り/ 440万円
提出路線: 首都圏全線, 期間: 平日2日, その他条件: シングル

6) ステッカー/ 770万円
提出路線: 首都圏全線, 期間: 1ヶ月 (A期), その他条件: 戸袋

7) ドア横/ 2,800万円
提出路線: 首都圏新型車両, 期間: 7日 (A期), その他条件: 新型車両の4面+201系の通路1面

8) 車体広告/ 1,500万円
提出路線: 山手線, 期間: 4週間, その他条件: 11両、2編成

9) ADトレイン/ 1,510万円
提出路線: 山手線, 期間: 半期 (A期), その他条件: 11両


以前のブログ(see http://researcher-station.blogspot.jp/2009/09/blog-post_4412.html)にも書いたけれど、莫大かつ良質なトラフィックを集客するJR東って凄いよね。リアルワールドでこれほどのトラフィックを集めることのできる企業はまれだ。っていうか、ビットワールドであってもそんな企業は稀でしょう。しかも、時間帯、エリアなどによるセグメンテーションやターゲッティングも容易だろうから企業の方でも使い勝手がいいかもしれない。不特定多数に働きかける新聞、雑誌、ポータルサイトよりも効果的なプロモーションが可能なわけですよ。


とまあ、これまで徒然なるままに駄文を弄してJR東の多角化事業をメモしてきました。で、改めて思ったのが、JR東のビジネスは「集客業」だということです。で、鉄道という巨大なインフラは、「集客」を効果的に行うための一ツールに過ぎないのだろうと。で、JR東は集めた客を囲い込むように多角化している。つまり、JR東の多角化事業は、「集客業」の補完事業なわけです。だから、本業と全然関係ない領域に多悪化して業績を悪化させておいて、コングロマリット・プレミアムなんて嘯くどこかの企業とは違うんですよね。少なくとも、コンキチはそう思います。ということで、JR東シリーズもこれで打ち止め。

JR東:コングロマリット・プレミアムの真実 (6)

JR東日本の多角化戦略のメモの続きです。

今回のテーマは、「ホテル事業」↓

JR東の展開するホテルは、駅に近接しており、純粋に駅から近いという立地の良さがウリというシンプルかつ強力なセールスポイントを有しています。そして、「立地の良さ」は、はっきり言って模倣不可能で、これは圧倒的な競争優位の源泉足りうると思います。なので、JR東の展開するホテル群は宿泊特化型が多いのでしょう。だって、キー駅の直ぐそばという、圧倒的な魅力があるのだから。
ちなみに、ホテルの粗利は、レストランや宴会部門を有するシティー型ホテルよりも宿泊特化型の方が高いそうです。

あと、ホテルの稼働率の採算ラインは70%なんだそうですが、JR東の展開するホテルの多くは、80-90%と極めて高い稼働率を誇っているそうです。

次回は、最後、「広告ビジネス」のメモで締めたいと思います。

2009年12月23日水曜日

情報の非対称性をこえて

仕事(有機合成化学)Jが停滞気味のコンキチです。

とあるニュース番組をみていたら、生鮮食品の生産者の表示偽装の話をやってました。で、消費者曰く、

「表示を信じてるのに、何を頼りに買ったらいいか分からない。」


で、コンキチの感想↓

食ってみて美味いかマズイかってのを判断基準にするのも一理あるんじゃない?
あと、値段


ちなみにコンキチは、「二度と行かない店リスト」なるものを作成しています。コンキチが勘弁ならないほどの劣悪な商品やサービスを販売している店をリスト化していて、実際そのリストにランクインした店には行きません。


一般的に、(商)取引には情報の非対称性が常につきまとう。それをヘッジするのは、情報の公開であったり、信頼だったり、保証だったりする。


よく情報の非対称性に関した逆選択の事例で中古車販売業の話があるけれど、ガリバーは広告宣伝費に多額の資金をつぎ込んでブランド力を高めたり、保証をつけることで、逆選択に係る悪影響を回避しています。

でも、それは普遍的なものでもないだろうし、絶対的なものではないでしょう。結局は、消費者自身が賢くなる必要を否定することはできないと思います。

情報の非対称性を越えるためには、与えられた情報のみに頼るのではなく、自らの知性を高め、自らの脳ミソで考えるという習慣が重要と思いますね。

2009年12月19日土曜日

生命保険のカラクリ


生命保険のカラクリを読了しました。

ゴミ投資家のための人生設計入門」あるいは、「世界にひとつしかない「黄金の人生設計」」で学習済みのコンキチには、新たに得られた情報はあまり多いものではありませんでしたが、ライフネット生命の副社長という業界内部の人間が執筆しているということに大きな価値があると思います。

間違いなく、良書と思います。

ちなみの、下図は2006年度の生保各社の業績だそうです↓

大手生保は、抱えていた莫大な利差損を、どのようにカバーしていたかが分かりますね(要は、ボッタクってたってこと)

ヘッテルとフエーテル


ヘッテルとフエーテル 本当に残酷なマネー版グリム童話」を読了しました。

系統としては、コンキチの大好きな作家である、橘玲の「亜玖夢博士の経済入門」系の本で(see http://researcher-station.blogspot.jp/2008/01/blog-post.html)、良質な金融詐欺対策本です。

コンキチは、橘氏の著作で学習済みなので、新たに知り得た事実はあまり無かったですが、その残酷物語のテーマの選択とストーリー展開は秀逸で、面白いです。

お題はこんな感じです↓

1) 予言の生存バイアス
2) 自己啓発オタク(カツマー)
3) 融資一体型変額保険
4) 年金
5) ポンジー(円天)
6) ホワイトバンド
7) NTT株
8) 貧困ビジネスとしての借り換え斡旋


この本は薄くてすぐ読み終わるので、気分転換にもどうぞ。


2009年12月12日土曜日

JR東:コングロマリット・プレミアムの真実 (5)

JR東日本の多角化戦略のメモの続きです。

今回のテーマは、「カード事業」↓

JR東が展開するカード事業は、電子マネー(Suica)とクレジットカードの二本立て。

a) 電子マネー
電子マネーは、今年1月には発行枚数が1億枚を超えたそうです(コンキチは、Suica, Edy, nanacoと一回も使ったことのないWAONを持ってます)。ちなみに、クレジットカードの発行枚数は、2006年度の数値で2億9300万枚。

で、主要電子マネーの発行枚数と決済件数はこちら(出所は月刊消費者信用「2009年版クレジット産業白書」だそうです)↓


発行枚数こそEdyに譲るものの、決済件数は群を抜いています。公共交通機関「ザ・電車」の便利な切符であるSuicaは、その存在自体がプロモーションであり、潤沢な決済機会を提供している。

電子マネー専業のビットワレットは、決済回数/発行枚数比が低く、万年赤字を垂れ流しているのに対して、本業を別に持つ電子マネー運営母体のカードの回転率は高い(ちなみに、コンキチはEdyのヘビーユーザーです)。
(nanacoやWAONはポイントカードの延長線上にあり、コンビニやスーパーといった決済機会の豊富な業態の電子マネーであり、それゆえ決済回数/発行枚数比が高いのだと思う)

電子マネーは、その利便性ゆえに、本業の業務効率をアシスト(集客効果)する機能が高いとうことなんでしょう。また、JRの場合は、Suica導入により駅改札機の故障が極端に減った(という番組を以前みた)ことにより、本業のオペレーション効率も大きく改善しているようです。さらに、首都圏キー駅周辺のエキナカコンビニ(NEWDAYS)とかではレジが混雑していますが、電子マネーによるスマート決済はレジでのオペレーション効率を大幅に向上させます。


b) クレジットカード

主要カード会社の取扱高と会員数は(月刊消費者信用「2009年版クレジット産業白書」)↓

CompanyJPY (×100,000,000)Δ (%)member (×10,000)Δ (%)
Mitsubishi
UFJ Nicos G
88,0891.53,7702.7
VISA JPN85,4427.23,17914.9
JCB83,5112.46,0972.0
CREDIT SAISON60,0372.42,7576.0
UC Group31,133▲0.41,6223.7
AEON CREDIT25,2216.21,6977.3
JAL CARD18,9470.122511.4
TOYOTA FINANCE17,3529.27097.6
OMC16,4672.91,075-
Orico16,467▲1.51,098▲2.5
Life CARD9,82110.01,5252.9
VIEW CARD9,14613.131913.3
JACCS9,004▲3.49322.8
CF6,997▲0.1831▲0.8

マーケットシェアこそまだまだなものの、その成長率は+13%とイチです。コンキチは既にBIC Suicaカードを所持していますが、VIEW Suicaカード(有料)をつくろうかと画策しているところです。
だって、各種交通機関で使える電子マネーとクレジットカードと定期とポイントカードと定期券がオールインワンで揃ったカードって魅力的じゃないですか。究極の利便性ですよ。

JR東の電子マネーやカード事業は、元来、本業(鉄道業)の利便性向上に資するために展開されてきたと思いますが、ぼちぼち「クレジットカード事業を単体で採算の取れる事業に育てていく」(椎橋執行役員)らしいです(新会社名は株式会社ビューカード)。やっぱり、こうしたさらなる成長戦略の話がでてくるのは、Suicaによるところが大きいのでしょうね。だって、Suicaは最も信用力のある電子マネーであり、かつ魅力もピカイチ。Edyよりも生活に密着している(首都圏のほぼ全てに公共交通機関で使える)。それに、Edyより明らかに営業努力をしていないと思うんだけど、それでも決済件数No.1だ。これは拡大余地があることを示唆しているのかもしれない。それから、クレジットカード事業では業界トップ企業との提携カードの発行により躍進しているようです。その原動力となっているのは、当然Suicaのお墨付きでしょう。

はっきり言って、首都圏に通勤するものにとって、Suicaは垂涎の的だ。その利便性は比類なく、他者(社)の追随を許さず、究極のスマート決済機会を提供している。


スゴすぎるね、Suicaって。Suicaをドライビング・フォースとしたJR東の躍進はまだ始まったばかりかもしれません。



つづく.....

2009年12月7日月曜日

企業の研究員の年収

(一応)企業の研究員のコンキチです。

ところで、先週末はボーナス支給日でしたね。「ボーナス」。それはなんて甘美な響きなんでしょう。心なしか、懐が暖かくなるような気がしますが、現実は、住宅ローンやらなんやら出費がかさんで、そんなに甘いものではありません(Kindleも買っちゃたし)。

まあ、ボーナスも無事支給されて今年の年収もほぼ確定した今日この頃、企業の研究員の給料に興味はありませんか?

ちなみに、コンキチが社会に出てから、今日に到るまでの年収の推移はこんな感じです↓(2009年分は推定)

どうですか?

まあ、(あまり贅沢しなければ)生活にあまり困らないくらいの給料ではないかと思います。

最近、不景気の影響からか、年収激減的な特集記事が巷で散見されているように思うのですが、鵜呑みにできる内容ではないと思うな。まあ、記事的には悲観でいっぱいな内容の方が世間の耳目を惹きやすいから、そういった記事が多いとも思いますが、そんな企業や職種ばかりではありません。

ところで、日本の一般的なサラリーマンの給料っていうのは、

基本給+定額支給される手当(住宅手当とか家族手当とか)+時間外労働手当+ボーナス

です。

で、
基本給+定額支給される手当(住宅手当とか家族手当とか)は固定していて、
時間外労働手当+ボーナスが変動部分

固定部分には下方硬直性が働いていて、まあ、将来的にも下がる懸念は低いと思われます。一方、変動部分は会社の裁量部分が大きく、特にボーナス支給の法的根拠は薄い(っていうか、殆ないと思う)。なので、年収に占めるボーナスのウェイトが大きい場合は、年収が激減する可能性は高いかもしれませんね(当然、激増する可能性もある)。あと、残業代をいっぱいGETしていた人も、仕事が無くなり、残業機会が減れば残業代も減ります(当然、景気が良くなって忙しくなれば増える)。

自分がおしいい思いをしてウハウハしていた時代を棚にあげて、不景気で厳しいから助けてくれなんていうのは、なんていうか、官庁が調子こいて無駄なハコモノに投じた巨額の資金が赤字製造施設になっていたのが分かって大騒ぎしたり、かつて世界を席巻した「ザ・セイホ」の凋落(といっても彼らは未だに高給取りだ)を偲ぶようなものでしょう。

年収激減時代とは、自分の基底状態を見誤り、励起状態をスタンダードと勘違いした人達の、ちょっとマヌケな悲劇かもしれないということももあるのかなという気がしますね。

かなり話が脱線しましたが、研究員という職種は、(特に研究開発型の)企業内において、その業務量の景気依存性が低と思います(少なくともコンキチはそう思う)。理由は、好景気だからと言って、良いアイデアがポンポン出てくるわけではないし、不景気だからといって研究を生産調整することは、自社の競争力をいたずらに低下させてしまうと思うからです。さらに、研究職は他の職種と比較して、裁量労働や経営補佐職といった、残業量に応じた手当が支給されない職位の人も多いかとも思います。

それから、研究員は熟練労働者に分類され、特に実験科学者(ガテン系研究員)は知識集約的かつ労働集約的な労働者と言えるかと思います。なので、解雇されにくいかも。

以上のようなことを鑑みると、研究員というお仕事は、それなりに魅力があるかもしれません。給料が景気に左右されにく、そこそこある。そして、馘首にもなりにくい。多分。
ついでに、就職は先生(研究室の教授)が紹介してくれる場合もけっこうある。


どうですか、大学入試を控えた受験生の皆さん。理系の学部に進んで、研究員を目指してみませんか?理系離れがさかんに叫ばれている昨今、以前に比べて合格が容易かもしれませんよ。しかも、地味だけど、生活には困らない安定した給料がみこめる(かも)。

分かってると思いますが、このブログは二流大しか卒業できなかったなんちゃって研究員の戯言なので、あまり本気にしないでください。

2009年11月28日土曜日

現政権がもとめる教育のデファクト・スタンダード

日本は裕福な国だ。裕福さを具現化させた最大の要因は、(当時としては)均質で質の高い教育の存在だと思っています。その結果、我が国では中産階級が台頭し、高度経済成長が達成された。

時は流れ、西暦2009年。社会から要求される教育水準は、"高卒"ではなくなった。多分、大企業(上場企業)のメインターゲットは大卒だろう。ついでに言わせてもらえば、今のご時世、(我が国の一流大学であってさえ)大卒では研究員になることは難しい。

現代社会が求める教育水準のデファクト・スタンダードは、多分"大卒"だと思う。

ところで、現政権与党は高校までは授業料(のみ)を実質無償化し、大学などの研究機関の予算を削減したいらしい。高学歴(大卒以上)の彼らは、教育のデファクト・スタンダードは"高卒"と考えているのだろうか?

国立大学でさえ年々増加の一途をたどる授業料を鑑みれば、教育水準のデファクト・スタンダード「The 大卒」獲得のためには、高校までの授業料実質無料化などよりも、国立大学の授業料無料化の方がよっぽどありがたい。さらに、私大への補助金を削減することをコンキチは望んでいます。そうすることによって、国立大入学へのインセンティブが圧倒的に高まり、競争が高まる。結果、国立大学は優秀な学生を獲得できるだろう。また、経済的にあまり裕福でない過程の学生も俄然やる気がでる。さらに、私大のブランド校が裕福で優秀な学生をつなぎとめる一方で、存在価値の見いだせない、百害あって一理無しのバカだ大学はあっという間に淘汰されるだろう。

(水資源は豊だが)資源の乏しい我が国では、資源以外の何かで勝負するしかないのは自明の理だろう。内需拡大とかいってるけど、内需(消費)を拡大するためには、GDPを増やさなければならないと思うんだけど、そうするためには、我が国が経済的に成長しなければならない。また、少子化が進む我が国にあって、消費を伸ばすためには、一人当たりの収入を増やさなければならない。つまり、一人一人が社会で勝負できる卓越したエッジ(専門性)を有しなければならないと個人的に思います。そのためには、質の高い教育が必須だと思う。

政治に多くは望まないが、国防と治安維持、そして教育に関してだけは、まともな政策を採って欲しいと思う二流地方国立大出のなんちゃって研究員でした。ちなみに、授業料の安い国立大と奨学金がなかったら、コンキチは大学に進学してませんでしたね(当然、浪人なんかもってのほか)。


以上、戯言でしたが(なので、あまり真剣にきかないでください)。

2009年11月23日月曜日

ミステイクの格差

マスゴミの報道ミスは、枚挙に尽きない。

彼らは、他業界のミスに関しては非常に厳しく、執拗に繰り返し報道して、社会的制裁を加えるが、自らのミスは、いつも、一言謝って終わりだ。

コンキチに言わせれば、マスゴミの報道ミスは、医療ミスと全く同じだ。偏向報道や報道の誤りをもっと深く受け止めるべきと思います。

メチャクチャ高い給料貰ってるくせに、薄っぺらい発言しかせず、たるんでるよね。

インターネットの出現により、マスゴミの体力は蝕まれているはすだ(多分)。このまま、高コスト体質を維持して転落するのも一興。真綿で首を絞められるかの如く、ゆっくりと死んでいくのも一興。傲慢なマスゴミが衰退して様を楽しくウォッチングしていきたい、育ちの悪い、二流大出のなんちゃって研究員なのでした。

JR東:コングロマリット・プレミアムの真実 (4)

JR東日本の多角化戦略のメモの続きです。で、今回は食品(外食)ビジネスです。

ちなみに、JR東の食費事業を運営しているのは以下の3社です↓

a) 日本レストランエンタプライズ (NRE)
事業内容は、弁当・軽食の製造販売、「サンディーヌエクスプレス」など飲食店435店舗の運営。売上高: 647億円。

b) ジェーアール東日本フードビジネス (JEFB)
事業内容は、弁当・軽食の製造販売、「ベッカーズ」など飲食店214店舗の運営。売上高: 246億円。

c) JR東日本ウォータービジネス
事業内容は、自動販売機の運営、飲料の商品開発。売上高: 400億円。

3社の売上高の合計は、1,293億円。これはケンタッキーに次いで国内8位の売上高です。


順位
社名
主力業態
売上高 (億円)
1
日本マクドナルドHDマクドナルド
5,183
2
すかいらーくガスト
2,673
3
日清医療食品給食
1,665
4
プレナスほっともっと
1,514
5
ゼンショーすき家
1,403
6
モンテローザ居酒屋白木屋
1,344
7
日本ケンタッキー・フライドチキンケンタッキー
1,314
8
JR東日本グループ
1,293
9
ダスキンミスタードーナツ
1,237
10
レインズインターナショナル牛角
1,151
11
本家かまどや本家かまどや
1,114
12
吉野家HD吉野家
1,029
13
セブン&アイ・フードシステムズデニーズ
1,021
14
ドトールコーヒードトールコーヒーショップ
999
15
モスフードサービスモスバーガー
980


はっきり言って、JR東の食品事業は片手間でやってるようなもんでしょう。それなのに、業界8位ですよ。凄いです。

で、この凄さを支えているのは、店舗がエキナカという一等地に存在しているという一点に尽きるでしょう。

例えば、「さぬきうどんNREめりけんや (NRE)」、「らーめん粋家 (NRE)」、「駅そばあじさい茶屋 (NRE)」、「そば・うどん あずみ (JEFB)」といった激マズ飲食店を経営していますが、そのどうしようもない不味さとは裏腹にかなりの集客力があります。それは、電車の乗り換えの合間に短時間に食事を済ませたいという味よりもスピード重視の時間に追われたサラリーマンをターゲッティングしているからでしょう。こん場合、エキナカという立地がクリティカルです。なので、ファーストフード店を配置しているのもこういった戦略上当然といえるでしょう。

ただ激マズショップだけだとさすがに問題があるので、「ほんのり屋 (JEFB)」、「駅弁 (NRE)」や他社との提携などにより、ミドルクラスのショップも配置します。

そしてJR東の凄いところは、「小売り」と同じように、駅構内で囲い込んだあと、アトレやルミネで囲いこうという多重囲い込み戦略を水平展開しているところです。個人的には、飲食ビジネスにとって、特にアトレが有効に機能しているのではないかと考えています。というのも、アトレは小型な上、飲食店比率が高いと思うのですが、これは、改札後の飲食店へのアクセスを容易にし、駅構内で取り逃がした飲食したい潜在顧客に駅構内とは違った価値を提供しようという気持ちでいっぱいだからではないかと思います。ちなみに、アトレの飲食テナントはけっこうオシャレなお店が入ってると思います。あきらかに、駅構内とは異なる顧客層をターゲッティングしていると思います。

それからJR東日本ウォータービジネスも、駅構内という好立地を強力な武器にして、複数の飲料メーカーの人気商品(売れ筋商品)を混在させた自販機を導入するという、顧客の立場からすれば至極当然なこと、を実施し、成果を挙げているといいます(08年度の自販機売上高は05年度の4割増)。


JR東って、鉄道業じゃなくて、集客業なんじゃないの?なんて思う二流大出のなんちゃって研究員なのでした。


まだ、つづく.....

水晶玉

モーリス・ルブランの小説のタイトルみたいですが、そうではありません。

エリヤフ・ゴールドラット博士の新著「ザ・クリスタルボール」を読了しました。

今回のお題は、小売り業のサプライチェーン。はっり言って、AAA (トリプルA)のサプライチェーンと賞賛されるセブン-イレブン・ジャパンを擁する我が国の読者にとって、これといって目新しいアイデアはなかったと思います(セブンって当たり前のように至る所にあるけど、凄い革新的なことを沢山やってきた会社なんですよ)。

だた、いつもながらゴールドラット博士の、物事を分かり易く噛み砕いて伝える能力というのは健在で、読み物としてとても楽しめます。

今でこそ、コンキチは趣味「経営学」なんて嘯いていますが、8年くらい前はそんなものに全く興味がありませんでした。っていうか、そんな学問分野の存在さえも知らなかった。そんなコンキチをそういった分野に導いてくれる発端となったのが、ゴールドラット博士の「ザ・ゴール 」だったと思います。

当時、トヨタ生産方式も全く分からず、所謂ビジネス書さえも全く読んだことのなかったコンキチは、ザ・ゴール の物語の面白さと、そこで示される画期的なソリューションに胸が熱くなったのを記憶しています。

その後、トヨタ本やアカウンティング本を読み漁り、投資本を読み漁り、経営学や戦略論を読み漁り、ゴールドラット本は欠かさず読了して今に至ります(っていうか、本業の有機化学の勉強はしなかったのかと突っ込まないでください)。

SCMに耐性のついてしまったコンキチには、楽しい読み物以上の価値は見いだせなかったけれど、そういったものに触れたことのない若い人(学生さんとか)に読んでもらいたい本と思いましたね。

2009年11月22日日曜日

追い込む力

ここしばらく、(有機合成の)お勉強と(滞りがちな)仕事でかなり忙しかったコンキチです。それにつけても、仕事が滞る(平たく言えば、実験がうまくいかない)たびに、自己嫌悪に陥るわけなんですが、まあ、休日とかにリフレッシュして、なんとか腐らずに、のらりくらりとでも耐えながらブレークスルーを探し続けていくというちょっとした「M」気質がこの仕事(実験科学)を続けるコツ(?)なのかな、なんて最近思います。

ところで、忙しい時とか追い込まれていて時間がないときに限って、読書ってはかどるような気がするんですが、皆さんどうですか?

先日、学生(院生)並みに論文を読まなければ成らない状況に追い込まれた(っていうか、自分で追い込んだ)んですが、猛烈な読書欲に襲われ、2週間でこれくらい読みました(まあ、いずれも読み易い部類の本ですが)↓

殺してもいい命---刑事 雪平夏見
ブラックペアン1988
ひかりの剣
夢見る黄金地球儀
死因不明社会
医学のたまご


閑話休題


ああ、「追い込む力」でしたね。そう、自分を追い込むこと(あと、結果として追い込まれること)は、はっきり言ってきつい。できれば避けたいことです。しかしながら、人間は意外と強いというか耐性があるというか、なんとかなったりするもので、追い込まれると、それを克服しようと対応するわけです。で、その克服のプロセスで(多分)多くの知識を吸収し、伸びるんだろうと思います。

安寧は怠惰を生み、追い込まれた状況は緊張、競争を促す。自己を追い込むことは、自己の成長を促すものなのだ(きっと)。

このアイデアは企業というか産業の発展においても観察することができる。例えば、ポーター教授の本なのどで語られている、「健全な競争が企業であったり、産業の発展を促す」というのは有名。

個人の能力開発(教育)の場にも健全な競争は必用不可欠とコンキチは強く思います。

以上、二流の地方国立大しか卒業できなかった、なんちゃって研究員の戯言でした。

2009年11月21日土曜日

断らない力

コンキチは「断らない力」を重視しています。

何故なら、現在の職場環境が返報性を十二分に期待できるからです。要は、「情けは人のためならず」戦略が有効に作用する環境にいるということです。

一方、「断る力」というのも世の中にはあります。以前、コンキチは「断る力」を強烈に発揮していた時期がありました(よかったら昔のブログ記事を見てください)。それは、返報性が期待できず、「情けは人のためならず」戦略が機能しない環境にいたためです。

「断る力」と「断らない力」のどちらを発揮したらいいのかは、自分が身を置く環境に依存するとコンキチは考えます。

よって、期待値を比較して期待値の大きい方を採用するのです。ただ、「断る力」が有効な環境というのは、周囲の環境が劣悪であることを意味しており、「断らない力」を発揮できるに越したことがないのは自明です。なので、「断らない力」が有効な環境に何らかの方法で遷移し、「断らない力」を存分に発揮し、ポジティブ・フィードバックの中に身を置くのがベストと思います。

「断る力」の発揮とは、セカンドベストの選択でしかないということを肝に命じるべきとコンキチは思います。

堕天使の進路

コンキチの大好きだった、堕ちた偶像、のりピーが創造学園大学に入学するのですね(ガックシ) orz.....

創造学園大学
曰く、群馬県教育委員会から、県下の公立高校に対して、進学させないようにと指導されたバカだ大学の雄
曰く、昨年から教職員への給与の支払いがたびたび滞っているダメな大学
曰く、そのため、文科省の立入検査があったいう恥ずかしい大学
曰く、財務情報を粉飾した疑いで、私立学校振興・共済事業団から補助金を取り消された教育機関にあるまじき大学
曰く、群馬県からの補助金も50%カットされた(何故、県は100%カットしない?)。ププッ。
曰く、偏差値はボーダーフリーなのに、定員大幅割れで経営が厳しい、存在理由の希薄(ていうか皆無)な大学
曰く、土地をめぐる金銭トラブルで訴訟を起こされているとんでもない大学

こんな、まともな人間なら一顧だにしない下流オブ下流大学(っていうかお願いだから、大学っていう呼称を使わないで欲しい)にのりピーが入学すつっていう現実は、いったいどういうことなんでしょうか?

ANSWER
1) 所謂芸能人からTVをとったら、カラッポということ
2) 犯罪を犯したカラッポな芸能人が、大学(とよぶのもおこがましい大学)でお勉強して、自身を磨くとか努力的ななんとなくポジティブなイメージで、更正をアピールできる。
3) でも下流オブ下流大学では、入学から卒業まで努力は皆無でしょう。ついでにインターネットで授業うけるらしいし、完璧モラトリアム。4年くらい勉強いてるっていうことにして、ほとぼりをさましつつ、(かなり一応)大卒という身分を手に入れて、ソージャルワークに関する執筆活動とか啓蒙活動でもしたいのかな(当然、介護の実務はしない)。

一方、ダメな大学推定No. 1の創造学園大学にとっては、容疑者のりピーを受け入れることに対しては、メリットしかない。だって、上述したようなズブズブのダメさ加減の中にあっては、失うものは何も無い。そして、容疑者とはいえ、のりピーというビッグネームは、(相当頭の悪い学生に対する)強力な客寄せパンダになる可能性がある。

まあ、このプランの最大の問題は、この大学が4年後には存在していないかもしれないということでしょう。

2009年11月15日日曜日

勝間和代というたいしたタマ

某ブログによると、お勉強の得意な勝間和代氏は、自身の著作をマーケティングと言ってはばからないそうだ。しかも、某ブログの読者層よりも下層をターゲッティングしているという。

これには驚いた。普通、思っていても絶対言わないだろう。そんなことを言っても、自分の読者はそんなことの意味も分からないから安心と思っているのかしら?

ちなみに、コンキチは勝間氏の著作は立ち読みで3頁くらいしか読んでないのですが、その本は戦略論的な本で、ポーター教授をはじめとする戦略論の概要を(かなり)噛み砕き、箇条書きにしたような感じの本だったように記憶しています。

コンキチには買う価値が見いだせなかったのですが、まあ、これはこれで、特定の読者層にはいいのかなとも思っていました。それから時を余り経ずして、メディアが勝間氏を頻繁に取り上げるようになり、今では自己啓発のカリスマっていう感じでしょうか?

自己啓発という四文字熟語には、宗教的な趣があります(少なくとも、コンキチはそう思う)。(愚にもつかないテーマを)お勉強している課程に救いを見いだすということろが。宗教チックな香りプンプンです。

そんな、自己啓発に勤しむ若者の教祖様が政策提言する機会が与えられたことに対して、ポピュリズムって恐いなと思う二流大出のなんちゃって研究員なのでした。


それにつけても、自民党ってすっかり影の薄い政党に成り下がりましたね。

2009年11月14日土曜日

JR東:コングロマリット・プレミアムの真実 (3)

JR東日本が展開する本業(鉄道)以外の各種事業について、その凄さをメモしていこうと思います。

まずは、「小売り」↓

JR東が展開する主な小売り事業は、エキナカ商店街 (グランスタ、エキュート)、エキナカ•コンビニ (ニューデイズ)、駅ビル (ルミネ、アトレ)


a) エキナカ商店街 (グランスタ、エキュート、etc)
JR東の駅スペース活用事業とショッピング•オフィス事業(駅ビル)の営業利益は1,081億円で、連結営業利益の25%にのぼると言います。で、2005年大宮駅から始まった新コンセプトのエキナカ商業施設、ecute(エキュート)事業は快調のようで、2008年度の月坪売上高は伊勢丹新宿本店を上回っています↓


それに、エキナカの元祖「上野」や、東京駅のグランスタもあるからね。

b) エキナカ•コンビニ (ニューデイズ)
そして、エキナカ・コンビニ「NEWDAYS」も凄い(2008年売上高 2,055億(2005年から▲5.9%)、経常利益 59億(2005年の2.2倍))。2008年度には、あの業界の覇王「セブン-イレブン」の平均日販を超えた↓


そして、抜群の立地と、特定のセグメントを顧客にもつその戦略は、他のコンビニとは一線を画している。最近、PBの積極導入を図る通常コンビニに対して、NEWDAYSはNBが並ぶ。というのも、エキナカ・コンビニのNEWDAYSでは、利用客の六割を占める20-30代は、情報感度が高く目新しいもの好きだという(チョコレートやガムなどの一口サイズ系がよく売れるそうです)。結果、NEWDAYSでは、(NB)の新商品発売時には、市中コンビニより10倍もうれることがあるそうです。よって、NBメーカーが新商品開発のテストマーケティングに利用するそうです。これは、かつてのスーパー対コンビニという構図が、市中コンビニ対エキナカ・コンビニに移行してきた趣がある。NEWDAYSでは、NB期間限定商品の開発(NBコラボは覇王セブンの戦略でもあった)や他線への出店も画策しているという。
やるね、NEWDAYS。

c) 駅ビル (ルミネ、アトレ)
あなたは知っているだろうか?JR東の子会社ルミネとアトレが10期連続増収増益であるとこを。これは、東京の百貨店の売上高が右肩下がりの一途をたどり、ジリ貧なのに対して対照的だ。
ちなみに、ルミネとアトレの位置づけ(ポジショニング)は、前者がターミナル駅に位置し、広域からの集客でファッションに特価。一方、後者は小型駅に付属した生活密着型のSCだ。
そして、それらの規模(売上高)は、高島屋のそれを上回っている↓


JR東は、良質な顧客(自らキャッシュを稼げるビジネスマン&ビジネスウーマン)を、まず定期(鉄道)を売る。そして、エキナカ(駅構内)で囲い、さらに駅ビルで覆うという三段構えの戦略だ。彼ら(JR東)の栄光は、その包囲網の外にある所謂百貨店の凋落とは対照的でさえある。

JR東の周辺事業をあなどることなかれ!


まだ、つづく.....

蓮舫劇場

かつてマスゴミは、小泉劇場なる言葉を造りました(科学技術政策では?な部分もあったが、コンキチは小泉政権をけっこう評価している)。

時は流れて、現在、民主党政権は「事業仕分け」なるものが行われています。最近、忙しいコンキチはその内容などは詳しくみていないのですが、美人議員の蓮舫が、容姿的に不自由な担当者をバッサリ切っていく様は、小気味よく、聴衆を引きつけるかもしれません。

しかし、仕分け人はたったの7人。そして、stop & go (っていうか、ストップ & 削減)に費やされている時間も少ないように思われる。また、対象となる事業の選別(約15%)はどのようにそて行われたかもよく分からない。ついでに、7人の仕分け人は、対象事業領域の専門性を充分に保持しているのだろううか?

はっきいいって、この事業仕分けというイベントは、

「美」=「善」(ここでは「美」=「蓮舫」)
「醜」=「悪」(勿論、「醜」は蓮舫に切られる容姿的に不自由な人達)

といった、日本人好みのイメージ戦略による吊るし上げ(人民裁判)で、民主的とは到底言い難いように思えます。まるで、出来の悪い水戸黄門を見ているような気分です。

この事業仕分けこそが、政治の劇場化と思うのだけれど、如何?

現状維持バイアス

都心の駅脇のコンビニでは、概して(っていうか全て)決済手段として電子マネーが導入されています。はっきりいって、SuicaとEdyはかなりの確度で導入されている。

電子マネーは現金に較べて圧倒的に便利な決済手段であり、かつ、電子マネーの二大巨頭であるSuicaとEdyの運営会社は信用力もかなり高い(SuiacaはJR東日本。Edyは楽天の子会社となる予定)。ついでに、主な用途は少額決済だから、利用者側のリスクも小さい。しかも、ポイントが貯まる。

はっきり言って、電子マネーはリアルマネー(現金)と比較して、利便性、経済性ともに圧倒的に有利なのだ。それにも関わらず、未だにリアルマネーで決済している人には、現状維持バイアスを感じるな(個人的には、現金なんていう非効率的な道具は消滅して欲しいです)。

2009年11月13日金曜日

相対的なお話

格差社会なんて言われているようでうが、その定義や如何に?

っていうか格差(違い)が皆無な社会は存在しない。人類の歴史上、無格差社会は存在しえないのだ。

ということは、広義の格差社会は人類史に等しい。格差社会を声高に叫ぶメディアは、まずその定義を明確にすべきだろう。

それから、格差があたかも悪であるような報道がなされているが、無格差社会を目指したはずの共産主義に極めて大きな格差があったとは周知でしょう。

じゃあこんなのはどうだろうか↓

A君: 年収500万円
B君: 年収500万円

5年後

A君: 年収1,500万
B君: 年収800万


格差社会の到来です。大変です。大変です。とあなたは騒ぎ立てますか?

それかたもう一つの未来があって↓

さらに5年後

A君: 年収400万
B君: 年収400万


格差社会が解消されました。万歳!!万歳!!!とあなたは歓喜しますか?


まあ、あの盛田昭夫でさえ、


幸せっていうのは他人を羨まないことだろう


と述べているくらいだから、大衆(凡人)が格差という相対的な尺度によって自己をランクづけてしまうことは仕方が無いことなんでしょうね。

ただ、格差是正を訴えるあまり、皆が貧しくなるのは嫌だな。

サービス残業する権利

こんなこというと、人権主義者に怒られちゃうかもしれないけど、コンキチは


サービス残業する権利


っていうのがあると思います(法的にO.K.じゃないかもしれないけど)。

っていうか、極めて厳密に管理すれば、

1) サービス残業(早出も込み)を100%行っていない人は皆無
2) 勤務時間中、100%服務規程を遵守している人も皆無

と思います。

だって、人間って(いういい加減な生物は)そんなもんでしょ。

要は、程度(バランス)の問題です。

余談ですが、セクハラだって同じ問題と思いますよ。例えば、同じ発言したとしても、これまでの付き合い方の含蓄によって、言われた側の心証が大きく異なるわけです。あと、(言われた側の)個人の資質も関係する。

はっきり言って、こういう問題ってゼブラーマンみたいに白黒引けないセンシティブな問題なのです。

で、思ったのがこんなこと↓(多分、非難囂々だと思うけど)

a) 女性に対するセクハラはいけない。だって、女性は、か弱く美しい生き物だから(当然、例外有り)

b) サービス残業なんて放っときゃイイじゃん。サービス残業を強要されるなんていうけど、嫌なら受け入れなきゃいいじゃない。なんなら、サービス残業しない変わりに、基本給を引き下げて欲しいと上司に訴えてみてはどうだろうか?(とっても、リーズナブルと思う)。

c) あと、企業戦士的なワーカーホリックはそれで満足してるんだからそれはそれでいいでしょう。

よく、上司(しがない中間管理職)の相対的に組織内における強い力を背景にサービス残業を強要されるなんて聞くけど、仮にそういったものに従っているなら、それはあなたがそういった指示を受け入れているんでしょ。結局、許容してるんだよね(だったらイイじゃん)。

もし、我慢ならないなら、きっちり残業つけて、それが認められなかったら労基にチクればいい(某大手化学会社では、誰かがサービス残業を労基にチクったら、速攻査察きたらしです)。場合によっては、転職したっていい。で、そういったことができないで、サービス残業を拒否できない人って、その程度の能力しかない人なんじゃないの?

我が国の雇用慣行はイビツだ(と思う)。多分、古典的な企業では、新卒で入社して定年まで奉公するのがファンダメンタルだろうと思う。ついでに、そういった社員を育成するオプションがけっこうある。例えば、住宅ローンの利子補給なんていうのは、その最たるものだろう。こういったバックグラウンドがあるから、企業戦士や社畜といったタームが生まれたのだろうと思う。

別にサービス残業の強要とか規制しなくたってもいいでしょと思う。過労死なんていう事態も実際に起こっているけれど、それって、当人がこう判断したんでしょ↓


死ぬほどキツい業務>死とか家族との団欒とか


つまり、会社内におけるプレゼンスを最優先した訳だ。社内プレゼンスが自分の健康や家族との団欒を超越していたわけだ。だったらいいじゃん。なにも、他人が強要することじゃない。

っていうか、残業っていう概念は、労働の成果が労働時間に相関するということを前提にしている。つまり、ルーティンワークを対象に整備された制度といっていいと思います。で、ルーティンワーカーって基本的に仕事に対してリスクをとってないわけですよ。それでいて社内プレゼンスを高めたいんだったら、サービス残業やむなしとも思いますね。

ところで、「持ち帰り残業」なんていう言葉があるけど、その定義ってどうなんでしょうか?例えば、企業の研究員がお家でお勉強することは「持ち帰り残業」なんでしょうか?ちなみに、そのお勉強ってやつは業務に非常に密接していたりします(っていうか、業務そのものと言ってもいい)。つうか、論文読んで、(高額な)教科書買って、自分のレベル高めていかないと研究なんてやってらんないんですよ(プレッシャーあり、知的好奇心の充足ありで、楽しいやら苦しいやらだけど)。

サービス残業なんてどうでもいいじゃん。嫌なら断る。甘んじて受けるなら勝手に受けろ。自分の人生を最適化することにプライオリティーを置くべきだ。

こんなことを考えるコンキチは悪い人間なのでしょうか?

2009年11月7日土曜日

辻先生の本

犬神家の一族(市川崑版)を鑑賞したんですが、菜々子って超綺麗ですね。ウットリです。(っていうか、コンキチは菜々子みたさにストーリーを熟知しているこの映画を手に取りました。)







ところで、遷移金属触媒スーパー初心者級のコンキチは、現在、辻二郎先生の著書「有機合成のための遷移金属触媒反応」でお勉強中です。

理由は↓

気が付けば、金属の時代。見渡せば、有機合成系の論文は遷移金属触媒反応で埋め尽くされている(気がする)。(遷移金属)は、これまでの古典的な有機合成では不可能と思われたトランスフォーメーションをいともたやすく達成する(ように見える。当然、血のにじむような研究の賜物とはおもいますが)。

そんな時代の昨今、(学生時代の専門が合成ではなかった)コンキチのケミストリーはかなり錆び付いている。そう思ったからです。


それにつけても、辻先生の御本は素晴らしい。この本は遷移金属触媒のキング「ザ・パラジウム」にその多くがさかれていて、必要最小減の努力で、遷移金属触媒反応のエッセンスを最大限に吸収できるように書かれていると思われ、とってもナイスです。特に、「Pd(0)錯体の触媒反応」と「Pd(II)化合物を用いる酸化反応」の類別は秀逸で、コンキチのような初心者にもとても優しい内容になっています。はっきり言って、



合成化学の強化書の白眉です



コンキチの学生時代(十数年前)にこれほど分かりやすい本があったらどれほどよかっただろうと思います。はっきり言って、全ての有機合成に携わるものは必携と思います。


有機合成系の方は、この書籍を購入されることを強く勧めします。

2009年11月1日日曜日

有機合成というお仕事

「お仕事: (一応)有機合成化学」のコンキチです。

ちょっと思ったんですが、有機合成って人格形成においてとってもためになるお仕事じゃないでしょうか?

具体的には↓

a) 仕事(実験)は、思い通りにいかないことが多く、ブレークスルーを見い出すまでor徹底的にやり尽して、もうどうしてもダメというところまで根気よく、辛抱強く、我慢強く、折れることのない諦めない心構えで取り組まなければならない。
→忍耐力がつきます。多分、キレにくくなります。寛容力がUP↑すると思います。少くとも自殺しようとは思わなくなるでしょう。

b) お仕事(実験)が思い通りに進まないとき(よくあるんですが)、そういった場合、実験結果を解析し、考察し、文献などを参考にしながら、ブレークスルーを自らの力で産み落とさなければなりません。
→「考える力」がつきます。多分、エセ科学や投資詐欺、ポンジー、新興宗教に欺されにくくなります。

c) 科学の世界では、無数の新技術が論文などを通じでドンドン集積されて行きます。そういった莫大な情報をキャッチアップしなければならず、とりあえず、継続的に勉強しなければなりません。
→今流行(?)の生涯学習ってやつです。

どうですか?有機合成は人生を豊かにするお仕事だと思いませんか?そこの料理好きな中高生の皆さん。思い切って化学を勉強して大学の化学系の学部(理学部化学科とか工学部応用化学化とか薬学部)に入学してみませんか?そこそこよい給料も(多分)ついてきますよ

2009年10月24日土曜日

労働方程式

先日、電車でこんなはなしを小耳にはさみみました↓

「(友人が勤務するIT企業では)社長が帰るまで帰れない雰囲気で、(帰るのが)遅いらしいですよ。この間なんか00:09分に業者からメールが着たらしいですよ」

的なことを話していました(かなりうろ覚え)。

っていうか、今時まだこんな会社があるんですね笑えます。

ところで、非クリエイティブ系の仕事において、労働量は次式で定義されると思います↓


労働量 = 労働時間 × 労働密度


(クリエイティブ系の仕事の場合は「労働成果 = Σ(ヒラメキ × インパクト)」と思います)

そして、労働密度は時間の経過とともに低下します。すなわち、長時間労働は効率が良くない。ついでに、時間外労働(残業)は、(裁量労働や管理職でなければ)割増賃金を支払わなければならず、費用対効果はさらの低下します。

なので、長時間労働というのは、決して褒められたものではないはずですが、古い体質の企業では、未だに長時間労働を美徳(?)とする風潮があるようです。人事考課の席で、「○○君は、残業してよく頑張ってるから」みたいなことを平気で宣う考課者(上司)がいるからね。

コンキチに言わせれば、残業大好き星人は、ただの金食い虫ですよ。ちんたら仕事して、給料割増しされて、考課のとき、古いタイプの上司に「沢山残業してがんばりました」とか言って、報酬の二重取りを狙っているんだから(すでに割増し(法定で25%)の残業代を既にGETしている上、それをネタにして査定up↑を狙っている)。

精神論ばかり振りかざす輩の未来には、何が待ち受けているのか?しっかりウォッチングしていきたいと思う二流大出のなんちゃって研究員なのでした。

看板に偽りあり

自分でいうのもなんですが、コンキチはけっこう読書してる方だと思います。たまに大人の娯楽誌(東洋経済、ダイヤモンド、プレジデント)も読んだり増します。

で、いつだったかそういった類の大人の娯楽誌に

一流社員が読む本 二流が好む本 (プレジデント)
一流の読書術vs.二流の読書術 (THE 21)

とかいう特集がありましたが、これって看板に大いに偽りありなのです。

特集の内容は、(多分、編集者が一流にカテゴライズしている)著名人が読んでいる本とかおすすめの本を紹介して終わり。

表立って二流に分類されるひとが読む本なんていうのは、全く紹介されていません。「二流が好む本」や「二流の読書術」は、「一流社員が読む本」や「一流の読書術」とのバランスを図るためだけの見せ球のフレーズでしかないのです。「どの本が二流本の烙印を押されているのか?」という点に興味があったコンキチとしてはかなりガッカリな内容でした。

まあ、この本こそが二流人の好む本ですなんて言われたら、著者や出版社から大クレームがきそうだし、業界の仁義としてそんなことはできないでしょう。



アッ、わかった。記事で紹介されている著名人の中で、誰が一流でだれが二流か(場合にとっては誰が三流か?)を読者自身に推理させ、隠された二流本(場合によっては三流本)を見つけださせるという推理ゲームになっているんだ。

そんな気がする二流大出の自称「読書好き」のつぶやきでした。

2009年10月17日土曜日

JR東:コングロマリット・プレミアムの真実 (2)

JR東は本業の鉄道以外に次の領域に多角化しています↓(分類は独断と偏見による)

a) 小売り
b) 食品•外食
c) 金融
b) 広告
c) ホテル
d) 不動産

鉄道業を単に人を輸送すること捉えると、上記多角化領域は本業とはなんの関わりもないように感じられます。しかしながら、JRの持つ首都圏のキー駅に人を誘導するという切り口から眺めると、途端に強い関連性と補完関係が見えてきます。
JR東の首都圏のキー駅は、莫大なトラフィックを集めることができ、かつかなりのスペースを有しています。ところで、(飲食店とかも含む)小売業では、その業績と来客数が密接に関わっている可能性が高いと直感的に考えられます。で、首都圏キー駅は集客する必要が皆無と言えるほどの莫大なトラフィックを抱えています。はっきり言って、なんら付加的な努力をしなくても、既にそこに大勢の顧客がいるのです。しかも、そこそこの(余裕)スペースがある。となれば、(鉄道以外に)何か商売しない手はありません。
鉄道によって集客した客を、小売りスペースや飲食スペース(エキナカ)に囲い込まない手はありません。この改札を出なくてもショッピングできるという利便性は、そのスペースの魅力が増せば増すほど指数関数的に増すと思います。だって、欲しいものがすぐそこにあるという状態になるのだから。

また、Suica(電子マネー)は少額決済を得意としていると思うんだけど、これはクレジットカードの弱点を補完していると思います。そして、SuicaはJRという巨大鉄道インフラの公式通貨という圧倒的有利な地位を利用して多くの顧客の懐に収まっていると思います。さらに、合理的な人はSuicaなどの電子マネーとクレジット機能を一枚のカードとして保有したがるでしょう。だって、そうすることで利便性が圧倒的に高まるのだから。それから、ルミネカードとかはルミネへの顧客誘導に有効と思います。

それから、ホテル事業の展開も合理性があると思います。すなわち、鉄道による輸送を「旅」(ビジネスユースも含む)という文脈で考えると、駅からほど近いところにあるホテルの利便性はけっこう高いと思います。

あと、広告スペースの多様化には舌を巻きますね。かつて(もう随分前)は、駅構内、ホーム、電車の中吊りやまど上がいいところだったような気がするのだけれど、現在は、つり革広告からADトレイン(1編成の車両を1社独占)までとその多様性を増しています。莫大な首都圏の昼間人口(1千万超)に効率的にリーチできるんだから、そりゃあ活用しない手はないでしょう。


はっきり言って、JR東の多角化領域は「莫大なトラフィックの有効活用」ということに収斂しているようにコンキチには思われます。これこそがJR東のコア•コンピタンスと思いますね。


一方、多悪化企業はどうかということで、その一例として日立製作所を取り上げてみましょう。ちなみん、日立の事業領域とそれらの売上高と営業利益はこんな感じです(2009年3月期)↓

事業領域売上高営業利益
情報通信システム25,944億1,766億
電子でバイス11,510億273億
電力•産業システム33,105億242億
デジタルメディア•民生機器12,165億▲1,055億
高機能材料15,568億277億
物流及びサービス10,899億230億
金融サービス4,120億102億

で結局7,378億の赤字(3期連続)です。

で、各事業領域の具体的な製品は、

a) 情報通信システム/ システムインテグレーヨン、アウトソーシング、ソフトウェア、ハードディスクドライブ、ディスクアレイ装置、サーバ、汎用コンピュータ、通信機器、ATM
b) 電子デバイス/ 液晶ディスプレイ、半導体製造装置、計測、分析装置、医療機器、半導体
c) 電力•産業システム/ 原子力発電機器、火力発電機器、水力発電機器、産業用機械•プラント、自動車機器、建設機器、エレベーター、エスカレーター、鉄道車両、電動工具
d) デジタルメディア•民生機器/ 光ディスクドライブ、プラズマテレビ、液晶テレビ、液晶プロジェクター、携帯電話、ルームエアコン、冷蔵庫、洗濯機、情報記録媒体、電池、業務用空調機器
e) 高機能材料/ 電線•ケーブル、伸銅品、半導体用材料、配線板•関連材料、有機•無機化学材料、合成樹脂加工品、ディスプレイ用材料、高級特殊鋼、磁性材料•部品、高級鋳物部品
f) 物流及びサービス/ 電機•電子機器の販売、システム物流、不動産の管理•売買•賃貸
g) 金融サービス/ リース、ローン、生命•損害保険代理業

強烈に多角化していて、同一分類内においても、全然関係ないだろっていうものが結構目白押しな気がします。少なくとも家電事業からは完全撤退したいな、コンキチは。まあでも、事業縮小って言っても、しがらみ(雇用)があるからそう簡単ではないんでしょうが、マチュアな市場で、関連性の薄い事業に多悪化しといてコングロマリット•プレミアムはないと思います。
see
http://researcher-station.blogspot.jp/2009/01/2_31.html
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20051215/226336/

よく多角化戦略のメリットとして、事業ポートフォリオを分散させることによって、事業リスクを回避する的なことが書かれていると思いますが、それは選択と集中によりリソースを結集させている競合他社の存在を忘れた戯言と思いますね。


つづく

2009年10月11日日曜日

JR東:コングロマリット・プレミアムの真実 (1)

コンキチの息子が久しぶりに買った週刊ダイヤモンドに夢中です。

というのも、特集記事が↓


知られざるコングロマリット JRの秘密


で、プラレールの記事に食いついているというわけです。


閑話休題


この特集記事では、JR各社の収益力の比較と、戦略、多角化への動きをまとめたものです。旧国鉄から分割民営化されたJRは、「東」「東海」「西」「北海道」「四国」「九州」「貨物」の7社があり、各社の特徴はこんな感じのようです↓

a) 「東」: 圧倒的なトラフィック。巨大な鉄道インフラを基盤として、多角化展開。
b) 「東海」: 本業に集中。ドル箱の新幹線事業に特化。リニア中央新幹線構想。
c) 「西」: 安全と信頼回復が至上命題のようです。
d) 「北海道」: DMV(鉄道車両の1/5のコスト)開発。北海道新幹線開通による観光客期待。一度も営業黒字を出したことがない。
e) 「四国」: 高速道路無料化は致命的。自助努力の域を超えている。と語る社長。一度も営業黒字を出したことがない。
f) 「九州」: 2004年から営業利益黒転。本業は営業赤字も、非運輸事業好調。上場への道。
g) 「貨物」:厳しい経営。モーダルシフトに期待。

で、コンキチが思ったのは、JR東は別格ということ。前にもブログで書いたけど、圧倒的なトラフィックとインフラは、はっきり言って模倣不可能。そして、その周辺領域に多角化しているんだけど、個人的にJR東のそれは多角化のお手本と思います。
see http://researcher-station.blogspot.jp/2009/09/blog-post_4412.html

多角化の失敗(多悪化)企業の代表例としては、ソニーや日立製作所が挙げられると思います。で、多悪化企業とJR東とはどこが違うのか?なんてことをしばらく妄想しようかと思います。


つづく.....

2009年10月10日土曜日

チェイング

大人の娯楽雑「プレジデント」の掲載記事をまとめた「時間とムダの科学
」という本の大前研一の章を読みました(お金がもったいないので図書館で借りた)。


かつて若くして経営学のグルとなった大前氏も、もはやその後光の威光も大分薄らぎ、かなり俗っぽくなってしまった感がありますが、その異彩はまだ消滅したわけではないとは思います。

で、人生密度を大前氏の執筆した『二倍にする「時間リストラ法」』という記事を読んだんですが、はっき言って、かなり俗っぽいことが書かれてあるとコンキチは思いましたが、その中にあって一握の異彩を放つフレーズを発見したのでメモします↓

人間が変わる方法は三つしかない。
一つは時間配分を変える、
二番目は住む場所を変える、
三番目は付き合う人えを変える。
この三つの要素でしか人間は変わらない。もっとも無意味なのは「決意を新たにする」ことだ。


コンキチは非常に共感を覚えます。特に、付き合う人を変えることのインパクトは身を以て体験しました。実際、腐りかけていた自分の心が再生したからね(育ちの悪さまでは改善されなかったが.....)。

住む場所を変えてチェンジした記憶はあんまりないけど、時間配分を変えることは重要と思いますね。これは、習慣を変えるっていうことと同義です。そして、「決意を新たにする」ことの対極にあると思います。習慣化することで、継続性が誘起され、ゆっくりと無理無く自然と変わっていくのだろうと思います(どっかのコンサルの人も、習慣が人格を形成していく的なことを言っていたと思います)。

自分を変えたいと思っている人は、一考してみても良いのではないかと思います(ただし、必ずしも良い方にチェンジするとは限りませんが)。

2009年10月4日日曜日

4th Quadrant

ブラック・スワン」を読了しました↓











先日コンキチが読んだ「まぐれ」の著者、NNTの本です。
see http://researcher-station.blogspot.com/2009/08/cygnus-atratus.html

上下2巻で、やや冗長な趣もなきにしもあらずですが、秀逸な書籍と思いました。っていうか、(まあ、この本は著者曰くエッセイなのだけれど)、一般的に学問の世界では、自身の唱える仮説の有効性(汎用性)をアピールするために、数多くの事象において、その説をサポートする事実を例証しなければならないと思います。なので、やや冗長と感じる部分は、著者の良心なのだと割り切って我慢して読みましょう。

ちょっと脱線しますが、先日、とある人が本を読んでいて、とある頁の見出しがコンキチの目に飛び込んできました。で、その頁の見出しなんですが↓


ひとつのことを全てのことのように「一般化」して表現する


なんていう非常におバカで非科学的なタイトルでした。コンキチは、こういった軽薄な本ではなく、多少冗長でも密度の高い本を読むことをお勧めします。


閑話休題


以下、コンキチが気になったことをメモします↓


a) 物言わぬ証拠の問題
この非常に興味深いテーマについて、上巻で1章(第8章)費やされています。
例えば、「溺れる信者の話」。神に祈りを捧げる敬虔な信者達が、船で難破したが生き残ったとしよう。で、彼らは神に祈れば難破しても生き延びられると語るかもしれない。しかし、溺れ死んだ信者はそれとは真逆の経験を吹聴することはできないのだ。
あるいは、「フェニキア人の文化について」。フェニキア人はアルファベットを発明したと考えられているのに、文学作品はあまり書かなかったという話がかつてあったらしいです。で、文化性が俗物チックで「商業民族」なんてあげつらう人もいたそうです。しかしながら、フェニキア人の時代、彼らはけっこういろいろ書いていたらしいのですが、いたみ易いパピルスに書いていたため、微生物によって分解され原稿の大半が失われてしまっただけと言います。
そして極めつけは、「ハリケーン•カトリーナの話」。ハリケーン•カトリーナの被害者達を救うのに、政治家が公金(税金)を投じた。ところで、ハリケーン•カトリーナで死んだ人よりも、ガンで死んでいる人の方が多いという。税金を投入するとうことは、ガン患者が生きながらえるため(の研究)に使われるはずの資金が奪われたことになるかもしれない。ガン患者はカトリーナの被害者のようにテレビに露出することもなく、人々の注意も向けられない。そんな彼らを死にかりたてる物言わぬ犯罪が起きているという。

b) 情報をろ過する
<引用開始>
経験上の現実について得る情報が詳しくなればなるほど、目にするノイズ(つまり逸話)も多くなり、それを情報だと勘違いしやすくなる。私たちが目立つものに惑わされるのを思い出そう。週刊誌を読むより、ラジオで毎時のニュースを聞くほうがずっとたちが悪い。間隔が長いほうが少しは情報をろ過できるからだ。
<引用終了>

c) ジャイアン
「(政治と経済の)専門家」の一般的な欠陥: 自分がたまたま当たったときは、自分はよくわかっているからだ、自分には能力があるからだと言う。自分が間違っていたときは、異常なことが起こったからだと言って状況のせいにするか、もっと悪くすると、自分が間違っていたことさえわからずに、また講釈をたれてはしたり顔をする。自分がちゃんとわかってなかったんだとは、なかなか認めない。でも、こういう持っていき方は、私たちのありとあらゆる営みに現れる。私たちの中の何かが、自尊心を守るように働いているのだ。」だそうです。まるでジャイアンみたいだと思いませんか?

d) 4th Quadrant

不確実性には次の四つがあるとNNTは考えています↓

1st/ 弱い不確実性•単純な結果
2nd/ 弱い不確実性•複雑な結果
3rd/ 強い不確実性•単純な結果
4th/ 強い不確実性•複雑な結果

金融や政治、経済といった社会科学の世界に黒い白鳥(4th quadrant)が潜んでいるのです。


以上、硬派で軟派な良書、「ブラック・スワン」の感想でした。

2009年10月3日土曜日

大学の役割

ライフデザイン学科
マス•コミュニケーション学科
情報文化学科
未来創造学部(なんでもあり?)
マンガ学部
.....
.....
.....
etc. etc. etc.

こういうのって最高学府「The 大学」で学ぶべきことなのだろうか?

カタカナとか、耳目を魅きそうな奇抜な名称をつければ人が集まると思ってるのだろうか?就職力とか楽しげなキャンパスライフを全面に押し出したマーケティングには正直、辟易します。それからAO入試っていうへんてこりんなシステムなんか大活用してるあたりがえげつないですね(はっきり言って、推薦系の枠はいらない)。

コンキチが受験生だったころ(1993年)にはそんな商魂丸出しの大学は記憶になかったが、品が全く感じられなくて凄いね


こうしたコースを専攻した学生は、社会に出てどんなことをやっているのだろうか?
っていうか、どんなことを学校で学んでるの?

コンキチが通勤に使っている鉄道路線にも大学(の体裁を為している)の広告が掲載されているんだけど、その一つにこんなコピーが↓


(モラトリアムな)自分史がはじまる
(正社員への)レールなんてない



進行中の少子化により、明らかに大学進学者のパイはもっと減る。淘汰されていく学校とはどんな学校なのだろうか?それは存在価値のないモラトリアムにためだけにある大学なんだろうれど。

コンキチは、あまり賢くない大学しか卒業していないんで、そう偉そうなことは言えませんが、大学って研究機関であるべきと思いますね。昼夜を惜しんで、もがきながら研究しなければならないのだ。決して、モラトリアムの場であってはならない。

自分史とかレールとか、そんな自分探しチックなことをやってる場合ではないと思います。しこたま勉強して、研究するところ。それが大学だと思うな。これは、学生時代あまり勉強しなかった自分が社会から得た教訓です。

とりあえず、受験生のみなさんは、将来自分の母校がなくなってしまうような大学は選択しない方が、精神衛生上よろしいかと思います。

2009年9月30日水曜日

JALの迷走

なんか最近、JALが世間を賑わせていますね

JALとJASとの経営統合時からいろいろ言われていたような気がしますが、結局泥沼の状況から抜け出すことはできなかったようですね。

一見、JALとJASのマリッジは相互補完的なように見えるのですが、何がダメだったのでしょうか?個人的な無責任で勝手な見解を言わせてもらえば、社内風土と不公平感、それからオペレーション効率の低さに原因じゃないかなと思います。

経営統合発表時に、舩曳社長(旧JAS)は「両社は企業風土が大変異なり」的なことを発言していたようだけど、半官半民の会社と高給の不採算会社が企業風土が違って合併すたら、(ダメな企業風土)2のマイナスシナジーが発揮されること理解に難くないでしょう。

それから賃金もこんなに違っていた↓
日本航空インター
ナショナル(旧JAS)
日本航空ジャパン
(旧JAS)
地上職社員5,840人1,878人
平均年齢44.8歳43.2歳
平均年収797万円871万円
パイロット2,548人770人
平均年齢43.6歳45.0歳
平均年収1,954万円2,004万円
客室乗務員5,642人1,450人
平均年齢36.1歳32.2歳
平均年収710万円560万円
平成18年3月末。

はっきりいって巨額の負債を抱えて赤字を垂れ流してる規模の小さい、そのくせ人件費の嵩む会社が吸収され、その賃金格差が解消されないまま放置されていたとあれば、JAL側からはモラルハザード、JAS側からは賃金テーブル統一後の損失回避性に伴う不満が炸裂して両者とも心中穏やかではないでしょう(経過措置はあるのかな?)。
勝ち逃げを決め込むOBどもは、年金の減額は受け入れられないなんていう餓鬼の如し態度だし、公的資金を注入したって「ダメこりゃ」って雰囲気が満々です。

一回潰れた方がいいな、JALは。そうせコンキチはANAのマイル貯めているし。

2009年9月27日日曜日

Catalytic Wittig Reaction

こんな文献を読んでみました↓

Recycling the Waste: The Development of a Catalytic Wittig Reaction
Angew. Chem. Int. Ed. 2009, 48, Early View.

C-C二重結合を形成する反応には↓

a) Wittig reaction


b) Peterson reaction

c) Julia reaction


d) metathesis

があります。で、メタセシスは毛色がちょと違うので置いていくとして、a-cの3つの化学量論的オレフィネーションのうち、触媒反応化が可能そうで、E,Zの選択もできるというころから、著者らは触媒的Wittig反応の開発に着目します。

ところで、Wittig反応の触媒プロセスは次の4ステップから成り立ちます↓

1) ホスホニウムイリド前駆体(ホスホニウム塩)の形成
2) イリドの形成
3) オレフィネーションの進行とホスピンオキシドの生成
4) ホスフィンオキシドの還元→ホスフィンの触媒サイクルへの再導入

で、この4ステップの中で最も重要なのは、

4) ホスフィンオキシドの還元→ホスフィンの触媒サイクルへの再導入

です。ここでは、アルデヒド(or ケトン)とオレフィンが共存する中、選択的にホスフィンオキシドのみを還元しなければなりません。

ヒ化水素やテルル化物を使った触媒的Wittigタイプのプロセスが開発されたこともあるそうなんですが、まあ、強烈な毒性とか発癌性とかではっきり言って現実的ではないでしょう。

ホスフィンオキシドを還元する方法としては、LAH, SiCl3があるそうですが、この系に対しては適切ではない。

ということで著者らが見いだしたブレークスルーは、還元剤にPh2SiH, PhSiH3を使い(アルデヒドやケトン存在下で選択的にホスフィンオキシドを還元するらしく、ハイドロシリレーションも遷移金属の存在なしには進行しないよう ref. Org. Prep. Proced. Int. 2007, 39, 523-559.)、ホスフィンオキシドをPh3POよりも容易に還元されるものに代えるという手法です。

で、採用したホスフィンオキシドはこれ↓


3-methyl-1-phenylphosphine oxide (2:1 mixture of diastereomer)


(このホスフィンオキシドは、還元されることにより環の歪みが解消されることから、Ph3POより還元され易い)

ベンズアルデヒドとブロモ酢酸メチルを用いた反応で還元剤(シラン類)を試してみたところ、
BrCH2CO2Me (1.3 eq.), phosphine oxide (10 mol%), R3H (1.1 eq.), Na2CO3 (1.5 eq.), 3.0 M in PhMe, 100℃, 24 hで↓

EntrySilaneYield / %E/Z
1Ph3SiHtracen.d.
2Ph2SiH275>95:5
3PhSiH346>95:5
4(MeO)3SiH6170:30

あと、この反応においてZ-体→E-体への異性化プロセスはホスフィンによって触媒されます。

次は反応温度と溶媒効果(BrCH2CO2Me 1.1 eq., Silane=Ph2SiH2で実施)↓

EntrySolventTemp. / ℃Yield / %E/Z
1DME10050>95:5
2CH3CN10052>95:5
3PhMe10060>95:5
4PhMe806267:33
5PhMe704967:33
6PhMe603367:33

反応例は、安定イリドを形成する基質について全19例。61-81% Yield, E/Z=67:33~>95:5。

Wittig反応の触媒化、しかもイリド形成込みでのone-pot反応っていうコンセプトは魅力的だと思うんですが、収率のキレがイマイチですね。


2009年9月26日土曜日

文系の怪

フジテレビのニュースキャスターの黒岩(祐治)さん(早稲田大学政治経済学部卒)が、来月から国際医療福祉大学大学院の教授に就任するという。この人、博士号持ってないと思うんだけど、教授になれるんだね。学士が院生を教えるというパラドックスだ。ついでにいうと、この大学、博士課程があるようです。

それから、同志社大学の浜矩子教授(一橋大学経済学部卒)も博士号は持っていない(っていうか学士)。

あと、獨協大学の森永卓郎(東京大学経済学部卒)もそう。

(ちなみに、慶応義塾大学の竹中平蔵教授や早稲田大学の榊原英資教授の学位は博士だ)

ついでに、こういった事象は私大に限ったことではない。天下の東京大学でさえそうなのである。


はっきり言って信じられない。


少なくとも理系の学部ではあり得ない。教授(や准教授)は博士号を持っているのが基本だ。っていうか、絶対無理。

だから我が国の社会科学は信用ならないのかな?なんて思う二流大出のなんちゃって研究員でした。

授業の実験、生業としての実験

一応、研究員のコンキチです。

さて、(有機合成系の)研究員の日常(お仕事)は、

実験、実験、また実験、ちょっと雑用とデスクワーク

なのです。っていうか、95%以上実験してます(少なくともガテン系のコンキチは)。

で、この実験っていうやつがなかなか上手くいかなかったりします。でも、試行錯誤してブレークスルーを見つけると、達成感がありますね。逆になかなかブレークスルーしないとプレッシャー(ストレス)が高まりますが。

学校の授業でやる実験は、まあ、既定路線であって(そうでなければ混乱してThe Endです)、安全(でなければクレームくるでしょ、思いっきり怪我する可能性大なら)、かつ確実(に答えが分かっている、っていうか答えが分かってなかったらレポート評価できませんからぁぁぁぁぁ!残念!!)。なので、はっきり言って楽しくありません。っていうか退屈。あと、手とか汚れるし。

そんな理由でコンキチは学生時代、実験が超キライでした。それがなんの因果か、バリバリ実験ばかりする仕事を生業としています。

まあ発端は、研究室選定の際、就職に強そうな先生の研究室に入った方が得だなという不純な動機から有機化学の研究室に入ったことです。で、その研究室で実験をはじめて、調子に乗って大学院まで行って実験して、ついでに今も実験をやってます。もう十年以上(13年くらい)実験してるんですが、この事実を鑑みると多分、自分実験がけっこう好きなのかもしれません。学生時代、実験嫌いだったのに。

で、これはどういうことなのかっていうことなんですが、


予定調和の実験の中にダイナミズムは存在しない


ということなんだどうと思います(勝手な憶測です)。

子供の頃、夏休みの自由研究とか、工作とか、プラモ作りが好きな子供で、将来実験やってる人ってどれくらいいるんでしょうか?ちなみにコンキチは上記のことは全て嫌いでした。

学校(授業)の実験が嫌いだという人は、案外実験科学者向きかもしれませんよ。

2009年9月23日水曜日

ペルソナか無知か?

最近、椎名林檎にはまっているコンキチです。いままで食わず嫌いで彼女の歌を聴いたことがなかったのですが、凄くハマりました↓


iTunes Storeからも買えます↓
椎名林檎 - 三文ゴシップ


閑話休題


政治家っていう人種は、時として整合性の全くないことを言ったり、短絡的で稚拙な提言(政策)を宣ったりします。

例えば、

a) 貸金業法改正
サラ金愛好家に対する消費者金融の貸付残高は激減。中小の金融業者は消滅。結果、彼らは(非合法な)闇金に走る訳だが、多重債務問題はかえって深刻化。ププッ、笑える。

b) 派遣法改正
これまで派遣社員だった人間の全てが正社員になれるはずはない。だって、給料のう総額は変わらないのだから。正社員として雇用される者もいるかもしれないが、失職して所得「ゼロ」っていう輩が増えることは間違いないだろう。また、海外に逃避する企業も出てきて、雇用はさらに縮小すると思う。バカっぽ。

etc.


貸金業法改正は後藤田正純(慶應義塾大学商学部卒)などが声高に叫んで推進し、派遣法改正は現政権が正に実行に移そうと欲しているところだろうと思います。

ところで、政治家は高学歴の人が多い。なのに、まともな人間がちょっと考えればすぐ分かるようなことを考慮に入れず、愚策を執行しようとするのはなぜだろうか?

それは、a) 国民(支持者)の大勢を占める大衆という愚民(ルールが変わることに起因する変化を察知することができない)のポピュリズムに迎合しなければならないというペルソナなのか?もしくは、b) 本当に無知なのか?あるいは、c) 暴力団とか、我が国の国力の低下を目論んでいる勢力への配慮なのか?

最悪cではないことを夢見たい二流大出のなんちゃって研究員なのでした。

2009年9月22日火曜日

MAGASTOREに戦略はあるのか?

先日、海老名SA(下り)で休憩していたところ、どこからともなくコーヒーのいい香りが漂ってきました。(自称)コーヒー好きのコンキチは、フラフラその匂いをたどっていったところ、その香りの元はDOUGHNUT PLANTで販売しているプレミアムバニララテでした↓

はっきりいってこのコーヒードリンクはメチャクチャ旨かった。(10年くらい前)スターバックスで初めてアイスカフェモカを飲んだときの感動がありました。
バニラとコーヒーの香りってベストマッチなんですよね
文句無しの★★★★★です。





閑話休題


さて、iPhoneで産經新聞を読んでいたところ、こんな広告がありました↓

iPhoneで電子化した雑誌の配信をやるらしいです。

アマゾンのキンドル(Kindle for iPhone)でさえiPhoneには雑誌を配信しないというのに、やるじゃん日本!と思ったのですが、どうやらかなり使い勝手が悪い上(オンラインでなければ閲覧できないらしい)に、プライシングも傲慢(紙媒より電子書籍の方が高いのもある)で、プロモーションもあまり力が入れられていない(アプリを買っていない人間には電子書籍の値段が分からない)ようです。

はっきり言って、大胆な方針転換がないと失敗する気がします。っていうかビジネスとして成功させる気が全く感じられない。個人的には雑誌の電子書籍って非常に興味があるので、鋭意努力して欲しいものです。

山手線がチョコレートになった日

先日、通勤途上で山手線を利用したとき、山手線が一編成まるまるチョコレートになっていました↓


ウィークデイは毎日山手線を使っているコンキチは、先週

「オォー、これって今日から始まった広告?」

なんて思ってiPhoneのシャッターを切ったのですが、既に9/7から実施されているそうでかなり出遅れた感じです。

この列車は山手線命名100周年記念のイベントで、チョコレート色の旧型国電を模した「復刻調ラッピング電車」が一編成のみ運行するというもので、車両の内外が明治製菓のミルクチョコレートの広告で一杯です。ちなみに運行機関は9/7~12/4までのおよそ12週間。

ところで、このミルクチョコレートラッピングの広告費用ってどれくらいなんだろうと思って軽くググってみたところ、


山手線の広告貸切電車+車体広告の料金は、1編成2週間(9月上旬から12月中旬)で23,100,000 JPY(税抜)也。
see http://www.oricom.co.jp/special/transit/pdf/07_syatai.pdf

総額ざっと、145,530,000 JPYというところでしょうか。

これを高いとみるか、安いとみるかは他の広告媒体との比較や、広告の訴求効果を勘案しなければならないと思いますが、訴求効果は他の媒体と比較して圧倒的に高いと思います。だって、乗ったらいやでも目につくからね

都内の最も大きいトラフィックを抱える場所での広告のダイレクトコンタクトはインパクトがデカイと思います。

ところで、コンキチJR東日本の事業展開に大きな興味を持っています。首都圏に展開する圧倒的な鉄道インフラを背景にした、鉄道周辺事業はかなりオイシイビジネスとコンキチは考えています。だって、莫大なトラフィックがそこに既にあるのだから。そして、そのトラフィックを誘導して、消費させるスペースを充分保有しているのは、巨大なハブステーション(ジャンクション)を数多く有するJR東日本だけでしょう。

ここまで、軽い思いつきで書きましたが、ヒマがあったら鉄道各社のIR資料にでも目を通して、軽く研究してみたいと思います。

シズカちゃんの戦略?

(存在価値の殆ど無い)国民新党の亀井金融相がモラトリアム制度導入などという常軌を逸した発言をしたときは驚いたけれど、最近コンキチは、これは完全なブラフだとみています。
つまり、民主党が推進しようとしている外国人地方参政権を阻むためのみせ球(布石)と思います。
インパクトの大きい最初から成立させる気の全く無い政策をワザと軽くゴリ押し、その撤回と引き換えに外国人参政権の導入を打ち砕くという目論みとみました。

さすが亀井静香(東大経済学部卒)、だてに警察庁キャリアじゃありませんね

今後のコトの推移を見守っていきたいと思うとともに、政治家に信念なんて果たしてあるのだろうか(多分、無い。あるのは自身の雇用確保とポピュリズムだけ)と思う二流大出のなんちゃって研究員の妄想でした。

超簡単!「派閥」の無くし方

自民党が脱派閥がどうのけうのと言っているようだけど、そんなのどうでもいいでしょう。だって、派閥なんて簡単に無くせるのだから。

For examples
町村派(清和政策研究会)→町村グループ
額賀派(平成研究会)→額賀グループ
古賀派(宏池会)→古賀グループ
山崎派(近未来政治研究会)→山崎グループ
etc.

どうですか?あっという間に無くなるでしょ

2009年9月16日水曜日

みずほちゃんいらっしゃ〜イ♥

鳩山内閣が発足しましたね

それにつけても、財務大臣に77歳の人間を就けなきゃいけないのかよって感じです(さすがダメダメな政党です)。大臣って体力が重要だと思うんですけどね。こんなこと言いたくないけど、仮にいくら能力があったとしても、我が国の平均寿命に到達しようかという人間に、国政の重責を担わせるのはいかがなものかと思います。

さて、なにはともあれ、(存在価値のない)社民党のみずほちゃんが無事入閣を果たしました。まずはおめでとうございます。だって、究極のステータスでしょ、大臣って。しかも、社民党からの大臣選出なんて、きっと、もう金輪際ないですよ。で、大臣になれてご満悦のみずほちゃんは自らの俗物さ加減を証明したね。だって、あんなに国民からの信任を殆ど得ていない弱小政党に属する人間が、いくらキャスティングボード的な立場にあるからといって、入閣するのは恥知らずというものでしょう(こではしずかちゃんも一緒)。

ところで、ちょっと前に環境相での入閣とか噂されていましたが、少子化相と消費者相という(はっきり言ってどうでもいい)大臣に収まって一国民としては少しホッとしている今日このごろです。だって、小渕優子とか野田聖子でもできるポストだからね。

それにつけても、ユッキー(東大工学部卒)ってオーラないなあと思う二流大出のなんちゃって研究員のつぶやきでした。


PS
あと、ダメな政党「自民党」ってやっぱり自らのダメさ加減が分かってないのかね?


2009年9月13日日曜日

Synthesis of tert-amine

こんな文献を読んでみました↓

Sequential Addition Reactions of Two Molecules of Grignard Reagents to Thioformamides
J. Org. Chem. 2009 74, 5703-5706.

イントロによると、tertiary arylmethylamine類やtertiary propagrylamine類の合成には、アルデヒドと二級アミンと有機金属試薬が用いられ、これらのプロセスは、中間体のイミニウムイオンへの有機金属試薬の付加によりなりたっているそうです。

で、著者らの開発した三級アミンの合成法はチオホルムアミドにGrignard試薬を二つ反応させて三級アミンをつくるというmultiple-coupling reactionです。


one-potで、逐次異なるGrignard試薬を加えていくことで(同じものを二ついれたいなら2 eq.つかう)達成される著者らのmultiple-coupling reactionは、ステップエコノミーに優れ、E-factorも抑えられます。しかも、Grignard試薬は最も簡便に調製可能な有機金属試薬で、適応可能範囲が広いです。

さて、まずはじめに、著者らは1種類のGrignard試薬をダブル•アディションする検討を行います。N,N-ジメチルチオホルムアミドと4-クロロフェニルマグネシウムブロミドとの反応(rt, 6 h)では、

Et2O 52% Yield
THF 75% Yield
ClCH2CH2Cl 82% Yield

で目的の三級アミンが得られたそうです。ちなみにチオアミドとGrignard試薬(2-3 eq.)をちょっとづつ変えて、ジクロロエタン中で、11例(63-99% Yield)やってます。

さてネクストステップです。二種類のGrignard試薬をステップワイズに加えていく本命です。で、その前試験の結果がこれ↓


チオアミドに等量のGriganrd試薬を反応させるてクエンチするんですが、ジクロロエタン中では、Grignard試薬が二つ反応した三級アミンと原料のチオアミドがほぼ1:1で得られたそうです。つまり、ジクロロエタン中では、Grignard試薬との反応が、チオアミドより中間体の方が速いっていうことですね。で、いろいろと溶媒を試してみたらしいんですが、その結果、THF中だととりあえず三級アミンの生成は確認されなかったそうです。

この結果を受けて、THF中でチオホルミルモルホリンと二種類のGrignard試薬を使った反応の検討に移ります(10例)。で、用いるGrignard試薬の順番を変えると収率が激変したりします。例えば、4-ClC6H4MgBrとallylmagnesium bromideを使った場合、最初に4-ClC6H4MgBrを反応(1 eq., rt, 1 h)させて、その後allylMgBrを反応(2-3 eq.)させると83% Yield(同じGrignardが2つ入った化合物は検出限界以下)なのに対し、反応させる順番を逆にすると11% Yieldになってしまいます(allyMgBrが2つ入ったのが45%, 4-ClC6H4MgBrが2つ入ったのが20%副生)。反応性の低いGrignard試薬を先に反応させなければならないということです。

あと、N,N-ジメチルチオホルムアミドに4-ClC6H4MgBr (1 eq.)、次いでallylmagnesium bromideを反応(2 eq., rt, 1 h)させる場合、最初に反応の反応温度によって収率が激変します↓

symmetric tert-amine
asymmetric tert-amine
rt., 1 h
38%
0%
0℃, 1 h
19%
52%
-20℃, 5 h
0%
88%

ちなみに、このプロセスではSMgBr基が脱離してdimagnesium sulfide (BrMgSMgBr)が副生するそうです。低温で反応させることでそれを抑制するんですね。ちなみにXMgSMgXはgood thiolating and thionating agentなんだそうです。


今回は以上です。