プレ・コロナの時代に池袋の美久仁小路にある昼は定食屋、夜は居酒屋なお店に行ったときのメモです。
-ずぼらmemo-
住所:豊島区東池袋1-23-11 美久仁小路 小野ビル1F
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
ごはん・味噌汁・小鉢・おしんこ(小)付。
水金曜日は定食50円引き。
鯖は嫌味なところが全く、マイルドなフィッシーノート(fishy note)は綺麗でさえあり、最高に食欲を掻き立てられる。
身はフカフカ、ホクホクな膨らみのある食感でとってもジューシー。塩味は控えめで、軽やかな脂の旨さと、上品で力強い鯖の香味がふんだん。
脇に添えられている大根おろしに醤油を少し落として鯖の身に載せ、ご飯と一緒に掻きこむのが至福。
味噌汁は、しじみ、豆腐、わかめから選択できて、今回は蜆をセレクト。
底に沢山の蜆が沈んでいて、その風味がとっても濃厚。
いんげんの胡麻和え(小鉢)は軟らかく、優しい味付け(筋が少しあるのはご愛嬌)。
-ビール (瓶) キリン(大) (600 JPY+tax, vsited Jun. 2019)-
ラガー。
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
酢の物。
オクラとモズクがとってもフレッシュ!
山芋の千切りも入ってる。
お酢の風味の円やかさが絶妙。
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
味噌仕立ての煮込みで、王者の風格漂う味わい。
モツは味が染みていて軟らかく、スナックライクな食感もあって絶妙な食べ心地。
お豆腐は絹と木綿が混在しているような感じ。
お味噌仕立てのツユは五臓六腑に染み渡る旨さ。
丁度いい塩梅の味付けで、味噌汁的ニュアンスを感じました。
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
衣は軽やかで、桜えびは滋味深い香味でフレッシュ。
何も付けずに食べると、口の中で甘味が拡散する。
マイルドな味の粗塩を振って食べると、キュッと味が締まる。
シャクッとした玉葱とクニッとした桜えびの食感の融合が心地いい。
ビールによく合います。
このお店は昭和29年(1954年)創業で、美久仁小路の最古参らしいです。
閑話休題
やっぱり流行ってそーだぜー、オリゴ(デオキシ)ヌクレオチド。
その合成法は定番のホスホロアミダイト法で、以前簡単にメモしました↓
富士フイルム和光純薬のウェブサイト(和光純薬時報)でも、佐藤健太郎さんが解説記事を書いています↓
佐藤さんの記事はとても分かり易くためになる記事なのですが、ボクなりに多少視点を変えてメモしてみました。
ハイ、ホスホロアミダイト法 の合成サイクルを示す定番の画です↓
A:活性化とカップリング、B:キャッピング、C:酸化、D:脱トリチル化のサイクルを繰り返し、望みの鎖長に達したら、E:樹脂からの切り出しとリン酸基と核酸塩基の保護基を脱保護(脱固相担体・脱保護)することで目的のオリゴ核酸(VI)を取得します。
それでは、サイクルに各工程について見ていきましょう。
まず、「A:活性化とカップリング」のステップです。
固相担体に結合した(オリゴ)核酸とヌクレオシドホスホロアミダイトとの反応です。
まず、ホスホロアミダイトがプロトン化され、次いでテトラゾールがジイソプロピルアミノ基と置換します。その後、5'-位の水酸基と反応するわけですが、5'-水酸基のプロトン化されたホスホロアミダイトへのダイレクトアタックのメカニズムも考えられます。
あと、ヌクレオシドホスホロアミダイトはプロトン化することで活性化(不安定化)するので、一般論として乾燥個体の状態で保管しておけばかなり安定です。
あと、活性化剤の酸性でホスホロアミダイトモノマーの脱トリチルが起こってしまい、その結果n+1の不純物を副生する懸念があることから、強すぎない酸性と良好な溶解性に加えて高い求核性を有するDCIが教科書的には推奨されています。だけど、活性化剤の選択にはプロセス最適性とか好みとかもあるんじゃないかと思います。
因みに、試薬グレード(TCI)だと、
1H-tetrazoke:24,600 JPY / 25 g
ETT:9,900 JPY / 5 g
BTT:15,000 JPY / 25 g
DCI:13,300 JPY / 25 g, 68,400 JPY / 250 g
ですね。
次に「B:キャッピング」工程です。
NMI、無水酢酸、ピリジンのアセトニリル溶液でキャップ化を行うと思うんですが、もっぱらNMIが未反応の5'-水酸基のアセチル化を触媒し、ピリジンは脱トリチル化を抑制する働きをします。
基本的なことなんですが何故キャップ化を行うかというと、通常n-1の不純物が最も分離し難いわけで、毎サイクルキャップ化することで(n-1)-merの副生を抑制できるから重要なんですね。
次に続くは「C:酸化」です。
カップリング工程で生成する亜リン酸トリエステル(P(III))は酸に対して不安定で、酸にさらされる前に安定なP(V)に変換しなければなりません。
なので、酸を使う脱トリチル化の前に酸化(P(III)→P(V))を終えておく必要があります。
あと、脱トリチル化後に酸化を持ってくると、5'-水酸基が酸化される懸念もゼロではないかもと思いました。
酸化が終わったら、次のサイクル(カップリング)に向けた「D:脱トリチル化」です。
A、B、C、Dのサイクルを繰り返して望みの鎖長まで伸長させたら、最後は「E:脱固相担体・脱保護」です。
樹脂を伴ったスクシンユニット、リン酸基の保護基であるシアノエチル基、核酸塩基の保護基を切断します。オリゴDNAの反応では濃アンモニア水を55˚Cで作用させるのがスタンダード。脱樹脂とシアノエチル基の脱保護が核酸塩基の脱保護に先んじて起こります。
上の画では、核酸塩基の保護基の脱保護が55℃ではじめて起こるかのように描いてありますが、これは程度の問題で核酸塩基の保護基は室温で全く起こらないといわけではなくて、室温でも長時間反応させればかなり外れます。
核酸塩基の保護基の中では、グアニンのイソブチリル基が外れにくくって、イソブチリル基を切断するために長時間加熱していると分解してしまうような修飾核酸を組み込んでいる場合は、脱保護され易いジメチルホルアミジジル基 (dmf)で保護するのがポピュラーです。
以上がオリゴデオキシリボヌクレオチド(オリゴDNA)のホスホロアミダイト法の反応サイクルです。
ところで、なにも修飾していないないオリゴ核酸は体内でヌクレアーゼ(核酸分解酵素)によってリン酸ジエステル結合が切断されて分解してしうまうことが問題なのですが、核酸を修飾してやるとヌクレアーゼ耐性が向上します。核酸の化学修飾は、リン酸部の修飾、糖部の修飾、塩基部の修飾に分類され、リン酸部の酸素原子(O)を硫黄原子(S)に置換したホスホロチオアート修飾(S化)がよく知られていて、SオリゴとかS化オリゴと呼ばれています。
Sオリゴの合成法は上述したホスホロアミダイト法の酸化反応を硫化反応に変えることで達成されるんですが、ただ一点注意が必要で、キャッピングの前に硫化を行わなければまりません。カップリングが終わったらキャッピングをする前に硫化を行うということです。
というのも、キャッピング反応条件下で三価のリン((P(III))が酸化されるからと言います(このことのが書いてある論文があったら教えてください)。
参考のため硫化剤としてPADSとEDITHを使った場合の反応機構もメモしておきます↓
あと、PADSは水に強いらしくって、1,200 ppmの水を加えて硫化を行なってもリン酸エステル(PO)は副生しないそうです。
Nucleosides, Nucleotides, and Nucleic Acids, 2007, 26:181-199.
Org. Proc. Res. Dev., 2004, 8, 852-858.
ところで、PS型のSオリゴの合成ではキャッピングを硫化の後に行うのが必須ですが、PO型の普通のオリゴの場合はどうなんでしょか?
教科書や殆どの試薬メーカーとかのサイトには、"カップリング→キャッピング→酸化"の順番で記載されているのでこれがゴールデン・スタンダードなのかと思いきや、オリゴヌクレオチド自動合成装置メーカーのYouTube動画では"カップリング→キャッピング→酸化"の順になっています。
PO型の普通のオリゴ核酸合成では、キャッピングと酸化の順番はクリティカルではないのか?それとも、最近では"酸化→キャッピング"の順番にアップデートされているのか?
今度Cytivaの人に会ったら聞いてみようと思う二流大出のテクニシャン(研究補助員)のホスホロアミダイト法メモでした。
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