-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
お惣菜ビュッフェ付きの定食。薬味には、山葵、刻み海苔、醤油で味付けされた鰹節が付いてくる。
←これが基本のセット。ご飯は五穀米。白飯じゃないのにとろろとマッチするのかと思ったけど、きめ細かいとろろとかなり合います。味噌汁は野菜richで穏やかな味わい。
以下、buffet形式のお惣菜のメモ行きます(お惣菜はほぼ冷製になります)↓
(写真とは順不同かつ覚えてる分だけの感想です)
海苔ポテトは小粒で食べやすく、薄味で海苔とジャガイモの風味を楽しめる。
揚げ茄子の煮浸しは、油控えめのヘルシー仕立て、あっさりした良い味付け。
とろろ芋の醤油漬けは、とってもシャキシャキしていて、噛むほどに感じるヌルっとした感じがとろろらしくて良いです。いい味なんだけど、大分しょっぱいね。ご飯が欲しくなるほどだけど、酒のアテには丁度いいかも。
大根の煮物は軟らかく炊き上げられていて、優しくしっかりしたお出汁をたっぷり吸い込んでいる。噛んだときに迸る(お出汁と大根由来であろう)潤沢な甘みのある汁の醍醐味が楽しい。味付けは上品でかなり薄味。葱味噌や酢味噌を付けていただくのも良いかと。
胡瓜の漬け物、おから、キャベツの浅漬けは普通に美味しい。
大学芋は甘さかなり控えめで、口の中の水分を吸収されるようなバフバフする感じも少なく、思いの外美味しかった(ボクは基本、大学芋が苦手です)。
アロエは殆ど無味。なので、酢味噌でいただく。プルプルニュルンニュルンした独特の食感がとても面白い。
小松菜は苦味走った味。酢味噌でいただきました。
春雨の旨煮は春雨の食感がsolidで面白く、汁が美味しい。
揚げ出し豆腐は唯一の温かいメニュー。えのきの入ったあったかいあんが嬉しい。カリッと揚がった衣の食感良く、お豆腐自体が旨い。
トマトの玉しめはトマトと玉葱の玉締め。マイルドで美味しい。
肉みそもやしの肉味噌tasteは比較的弱め。弱めのピリ辛tasteは付与されている。もやしとピリ辛の相性は鉄板。薄味なのでたくさん食べれる。
山芋(だと思う)は皮付き。皮はroast感が良く出ていて、とっても香ばしく食欲がそそられる。身の部分はシャキシャキで素晴らしく心地の良い食感。とっても美味しい。
高野豆腐はお出汁をたっぷり吸い込んでいて柔らかい。
浅漬けは凡庸。硬くてイマイチかな?
かぼちゃの煮物が旨い!皮は薄くて、素晴らしくシャッキリした食感。身も上品な味に仕上がっていて、バフバフした感覚は無くしっとりしている。身の柔らかさと皮のコリコリ感した食感のコントラストが素晴らしい。
わさび菜は独特の少しクセのある香味。赤軸ホウレン草はfresh。
野菜を思う存分ガッツリ摂取できるこのメニューは、はっきり言って相当お得なbuffetです。
あとここのお惣菜はお酒(日本酒)のアテにBest Matchだと思うんだけど、日本酒は吟醸極上吉乃川 (300 ml)一択だったんだよね。しかも定価500円(税込540円)を3倍超の1,944円(税込)で出していて、さすがにちょっと引きました。因みに、このお酒は教科書のような辛口吟醸の味と思いました(アルコール度:15%, 日本酒度:+7, 酸度:1.2, 精米歩合:55%)。
やさい家めいは首都圏に7店舗あるけど、(今はなき)柏店の超絶お得メニュー『とろろご飯』定食 は無いんだよね。オレ達のチバラキ、東葛の盟主"柏City"に『とろろご飯』定食 を携えたやさい家めいが復活して欲しいと心から思います。
閑話休題
さて、こんな文献を読んでみました↓
Choosing the Right Coupling Reagents : A Twenty-Five-Year Journey
Org. Process Res. Dev., 2018, 22, 760-772.
著者二人(Fernando AlbericioとAyman El-Faham)の25年に渡る縮合剤の開発に関する仕事を概観した総説で、著者自身が
"This work is not a typical review that is trying to cover all coupling reagents in-depth. This is a personal account - it is written in the first person - seeking to summarize the 25 years of collaboration that has brought the release of several products onto the market....."
と述べています。
では早速メモです↓
まずは"基本"のカルボジイミドスタイルの脱水縮合を改めてジャブ程度に概観しましょう。カルボジイミドは最も一般的かつ汎用性の高い縮合剤と思います。
望みのトランスフォーメーション自体は、水が抜けて(脱水)新たにC-ヘテロ原子結合が形成(縮合)されるというシンプルなものですが、その反応機構はけっこう複雑で、副反応も含めて幾つかの中間体が登場します。
反応機構は以前こちらにメモしました(http://researcher-station.blogspot.com/2013/11/1.html)。
Schemeを再掲します↓
ちなみに、上記Scheme中に登場する中間体の反応性は次の通りです。
N-Acylurea: non reactive
O-Acylisourea: ++++ reactive
Oxazolone:+ reactive (racemizable)
Active "ester" = R'-C(=O)OXt:++ reactive
Symmetric ester:+++ reactive
O-Acylisoureaよりも反応性は低いですが、ラセミ化の抑制や収率の観点から"OXt ester"がより有用です。"OXtエステル"形成のために使用される実用的な1-hydroxybenzotriazole誘導体はHOBtとHOAt (一推し)の二択といっていいでしょう。
というわけで、活性エステルとして"OXtエステル"を生成するStand-alone coupling reagentが開発されます。"OXtエステル"としてはOBtとOAtが有用なのでHOBtとHOAtベースのアミニウム塩系スタンドアローン縮合剤が開発されました。ざっくりとこんな感じに↓
a) HXTU (HBTU, HATUは最も安定で、エクセレントな反応性を示す。特にHATUは(かつて)最強の縮合剤と謳われたほどの威力。
b) HBMDUとHAMDUは非常に高い活性を有するが、不安定過ぎて実用的ではない(高活性過ぎて不安定)。
c) HBPyUとHAPyはHXTU (HBTU, HATU)よりも高活性で十分な安定性も具備するが、コスト面の問題から商業ベースで成功しなかった。
d) モルホルリンユニットを有するHDMB, HDMA, HDMCは、HXTUシリーズと比較して、高い溶解性、収率の向上、ラセミ化の抑制を実現(HDMCは渡辺化学で売ってるね)。
という特性があります。
ところで、HOBtは爆発性が報告されていて5類の危険物(自己反応性物質)です。そして、HOAtは航空便が禁止されています。要は危ないっていうことで(どちらも、(C+O)/N<3を満たしてない)、HOBtやHOAtユニットを含まない試薬の開発が進められます。で、HOAtに互する効率を示しつつ安全性の高い縮合剤としてOxymaPureが見いだされました。
OxymaPureは高いラセミ化抑制能を有し、HOAtに互する反応性がります。それでいて、HOBtベースの添加剤と比較して(OxymaPure誘導体も)爆発性リスクが小さいです。
そして、OxmaPureのカリウム塩であるK-Oxymaは、種々の溶媒に対してOxymaPureよりも高い溶解性を示し、熱安定性も高く、HOBtやOxymaPureの酸性でもペプチドがリークしてしまうChlorotrytyl Chloride (CTC)レジンを使用した反応に有効だそうです。
ところで、著者らは縮合剤の理論的デザインとは別に、オキシムやイミニウム塩と組み合わせたアミニウム系縮合剤の小ライブラリーを使ったスクリーニングも行っていました。その結果、モルホリンユニットがテトラメチルやピロリジンユニットよりも優れていることが分かりました。で、OxymaPureとモルホリンユニットをくっつけてみた化合物であるCOMUがベストパフォーマンスを叩き出したというわけです。
COMUのプロファイルは次の通り↓
(1) より優れたカップリング効率 (HBTU/HATUとは異なりウロニウム塩)
(2) エピマー化を抑制
(3) 安全性が高い
(4) HABT/HATUよりも良く溶ける
(5) 1 eq.の塩基の使用でオッケー
(6) 反応の終点を色の変化で判断できる(用いる塩基に依存する)
(7) 溶液中(DMFとか)での安定性は低いので、自動合成装置でに使用には向かないかも(DMF中でゃ数時間程度しか安定でない)。MeCN中だと>90% after 5 days。γ-バレロラクトン中だと>80% afetr 5 days。
(8) Weinrebアミドやtert-アルコールのエステル化にも有効
etc.
COMUはウロニウム塩系で活性の高いHDMB, HDMA, HDMCのベンゾトリアゾール部をOxyma (Ox)化することで誕生した究極縮合剤です。
ケムステでも「かつて最強と言われたHATUより優れた結果をもたらす強力な試薬」と紹介されています(https://www.chem-station.com/odos/2010/01/-condensation-reagents.html)。
まずは、代表的なOXt縮合剤(HOBt-based Phosphonium Salt Coupling Reagents)を示します↓
で、Oxyma (Ox)化した試薬達はこちら↓
PyOxim-MはCOMU同様OxymaPureとモルホリンユニットを組み合わせた試薬ですが、very low reactivityという結果でした。理由は、モルホリン環が三つもついているので、嵩高過ぎてごねんなさいっていう感じです。なので、立体障害を軽減したPyOximはPyBOP, PyAOP, PyClokよりもDMFによく溶け、高い収率、よりラセミ化を抑制するという結果を与えました。
さらに、他のリン系縮合剤にもOxyma (Ox)化の手は及びます↓
BOP-ClはBOPとは関連のない試薬で、N-Me-containing peptideの合成に用いられるそうですが、カルバメートで保護されたアミノ酸はBOP-Clと反応して対応する酸塩化物を与えた後オキサゾロンを形成しがちで、反応の効率が低下するとともにラセミ化の原因にもなります。で、BOP-Clのインプルーブメントとして、OXt化、Ox化していくわけですが、予想通り反応の効率は、BOP-Oxy > BOP-OAt > BOB-OBtとなり、DMFに対する溶解度はBOP-Oxyが一番です。
dialkoxyphosphoryloxy系縮合剤もOx化しちゃってます↓
ボクはよく分かんないけど、DEPBTは高活性かつラセミ化の抑制に極めて効果的な縮合剤らしいですね(https://pubs.acs.org/doi/10.1021/ol990573k)。で、この試薬の問題点として挙げられるのが、定番の3-hydroxy-1,2,3-benzotriazin-4(3H)-oneユニットの爆発性です。これをOxyma (Ox)化することで安全性を高めたのがDPOxとDPGOxで、エクセレントなパフォーマンスを示します。因みに、DPOxとDPGOxは液体ですが、Amox化したDEPAOxは固体になります。
AmoxはOxymaPureより活性が劣るのですが、その誘導体も同様にOxyma誘導体より活性が低くなります(著者らは、DEPAOxを使用する際は、反応性改善を目的に1 eq.のOxymaPure存在下、カップリング・カクテルとして使用することを推奨しています)。
さて、以上をまとめますと、
OxymaPure, COMU, PyOximといったOx化した縮合剤は、
HOBt誘導体のような危険性はなく、
HOBt, HBTU, PyBOPをアウトパフォームし、
HOAt, HATU, PyAOPと同等以上のパフォーマンスを示す
最もパワフルな縮合剤である。
です。
要は、Ox化してウハウハ
以上、二流大出のテクニシャン(研究補助員)のOxyma derivativesメモでした(明日も縮合です)。
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