とある化学の超ガテン系

実験嫌いの実験化学者が綴る企業の研究員の日常 (このブログはMac OS Xに最適化されています)




Sunday, November 3, 2013

カルボジイミドを使い倒せ (1)

先日、東京駅に行ったときにお昼を食べた店のメモです↓

-築地 奈可嶋東京駅黒塀横町店 memo-
-寿司御膳 (1,900 JPY)-
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
多分、中トロ、赤身、真鯛、綺麗なピンクの白身、ボタン海老、玉子、帆立、イカ、穴子、サーモン、イクラの11点。中トロはほどよく甘く、ふんわりした味も、筋がひっかかり食感が残念。赤身はしっとりとした食感と切れ上がっていく酸味あるも、もう少しjuicy感が欲しい。真鯛はとっても美味しくて、口の中にしっとりと張り付くような心地よい食感と淡白ながらも優しい甘みがあってよし。ピンクの白身は、真鯛よりしっかりした味の濃さがあって頗る旨い。他のネタは普通に美味しい感じでした。


閑話休題


カルボン酸とアミンの脱水縮合反応は、簡単な反応と思われがちと思いますが、その単純なトランスフォーメーションとは裏腹に結構難しかったりします。そして、工業的、アカデミア的な適用例は群を抜いていると記憶しています。要は、凄く重要な反応の一つなわけです。

ラボ的な見地からは、脱水縮合と言えば所謂「縮合剤」が真っ先に思い浮かぶわけであって、縮合剤と言えば、やっぱりカルボジイミドが最もポピュラーと思う次第です。

というわけで、後れ馳せながら

Peptide Coupling Reagents, More than a Letter Soup
Chem. Rev., 2011, 111, 6557.

の「カルボジイミド」の項を読了したので、メモしてみます。


一般的な教科書では、カルボン酸とカルボジイミドがO-アシルイソウレアを形成して、そこのアミンが求核攻撃して目的の酸アミドとウレアができました的な説明で終わってる場合(Path A)が多いんじゃないかと思いますが、この種の反応機構はけっこう複雑なのです。

カルバメートで保護されたアミノ酸やペプチドのO-アシルイソウレアは、最も反応性の高い化学種で、即座にアミノリシスを受けて目的のアミドを与えます(Path A)。

ところで、過剰のカルボン酸が存在すると、酸無水物を形成し、これがアミノリシスを受けて酸アミドを生成するというpathも起こります(Path B)。

で、問題なのがPath Cpath D

Path Cは一旦Oxazoloneを形成する経路になり、これはN-アシル化されたアミノ酸にみられます(カルバメートはOxazolone形成の可能性を低減させるらしいです)。で、Oxazoloneはアミノリシスを受け目的の酸アミドとなりますが、ラセミ化の可能性を孕んでいます。

Racemization Mechanisms

あと、Path Dですが、この経路は過剰のカルボジイミドを用いた場合に起こり易く(see http://researcher-station.blogspot.jp/2008/11/water-soluble-carbodiimide.html)、一旦生成するともうどうしようもありません。この経路はDMF中で早く、ジクロロメタン中で遅いそうです。

ちなみに、カルボジイミドの2つの窒素原子は弱い塩基性を有しており、O-アシルイソウレアの形成のトリガーとして充分ということです。。

あと、その他の副反応には次の様ものがあります↓

A) カルバメートで保護されたα-アミノ酸

B) 少なくともdipeptideがあるとき

で、上記副反応A, Bは、カルボン酸の活性化が遅いときにしばしば起こるらしいです。


あと、ボクはDCCとEDCしか使ったことないけど、種々のカルボジイミド↓


EDCは安定性に富み、BDDCはN-Bocアミノ酸の脱水縮合にリーズナブルでバイプロはacid washで容易に除去可能なんだそうです。

つづく.....

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