2011年8月15日月曜日

Aromatic Cation Activation (3): Beckmann転位のためのCyclopropenium Cation Activation

最近暑いので、COOLBIZ(下駄=Japanese Traditional Shoes)通勤しているコンキチです。足下がはっきり言って超爽快です。

さて、前回のエントリーに続いて、またBeckmann転位に関する文献を2報読んでみました。どちらも全く同じ反応です。

Cyclopropenium ion catalysed Beckmann rearrangement
Chem. Commun., 2010, 46, 5808-5810.
Yadav et al.

Cyclopropenium-activated Beckmann rearrangement. Catalysis versus self-propagation in reported organocatalytic Beckmann rearrangements
Chem. Sci., 2010, 1, 705-708.
Lambert et al.


Lambertのグループ(Columnia Univ.)は、過去にシクロプロペニウムカチオンがアルコールやカルボン酸を活性化して、マイルドに塩素化するという論文を発表しています。
see
•アルコールの塩素化→http://researcher-station.blogspot.com/2010/07/aromatic-cation-activation-1.html
•カルボン酸の塩素化→http://researcher-station.blogspot.com/2010/08/aromatic-cation-activation-2.html

で、今回はオキシムを活性化してBeckmann転位に応用するというお話。ちなみに、パブリケーションされたのは、Yadav (Univ. of Allahabad)の方が先です。

Yadav等のグループの報告では、3,3-ジクロロ-1,2-ジフェニルシクロプロペンの触媒量の添加でBeckmann転位が進行することを見出した後、additiveを最適化し(ZnCl2が最適)、推定反応機構(触媒サイクル)の提案をしています。17 examples (うち15例は91-99% yield。C8とC9の環状オキシムの収率が悪い)。


一方、Lambert等のグループでは、シクロプロペニウムカチオンの置換基をチューニングして最適化を行っています(より高いpKR+の基質が高い活性を示します(R: Xyl≒Mes > 4-OMe-Ph > iPr > Ph))。オペレーション的な面からも、シクロプロペノンと(COCl)2からin situでジクロロシクロペンタノンを発生させて反応に処すという簡便なアプローチを提案しています(これは便利!)。さらに、検証実験を繰り返し、Yadav等の報告とは異なった反応機構を提案しています。12 examples, 80-99% yield。

さて、両者の反応機構対決ですが、Yadav等は次のような触媒サイクルを提案しています↓




Proposed mechanism (Yadav et al.)


Yadav等は、室温では転位が起こらず、加熱することではじめて反応が進行するとし、2,3-dipenylcyclopentanoneとimidoyl chlorideが検出されなかったことを根拠に上記反応機構を提案しています。

これに対して、Lambert等は次の様な二つのサイクル、すなわち触媒サイクルと自己伝搬サイクルを考え、検証実験をして、最終的に自己伝搬サイクルを採用しています↓



Mechanistic analysis (Lambert et al.)




っていうか両者の反応機構全然違うんですけど.....
まあ、両者の論文を読んでみれば分かるんですけど、Yadav等の反応機構の考察の基となる実験データがpoor過ぎると思います(安直に結論を出している)

そもそもYadav等は、「この反応は室温では進行しない」としていますが、Lambert等の報告によると、触媒で回らないけど、余裕で室温で反応が進行します。化学両論量の3,3-ジクロロシクロプロペンを用いれば、室温でも収率良くBeckmann転位成績体が得られます(例えば、シクロヘキサノンオキシムのBeckmann転位は、MeCN, rt., 2 hrで95% yield)。

さらに、catalyticかself-propagatingかを検証する一助として、オキシムとシクロプロペノンの求核性を、(COCl)2との反応を競争させることで比較しています↓

で、この実験結果からはシクロプロペノンよりもオキシムの方が求核性が高いことが例証されました(これは、self-propagationを支持する。だけど室温下での両論反応ではcatalyticのpathで進んでimidate or imidoyl chlorideで止まってるのかな?Cyclopropenium Cation Activationが転位よりも十分速ければそうなると思う。あと、オキシムがたくさん存在する触媒システムにおいても、self-propagatingメインで進むとしても、catalyticのpathも同時に起こっている可能性もある気がする)。

また、こんな実験もしています↓
この実験から、imidoyl chlorideとTCTの反応性はほぼ同等であることが示唆されます。
また、プロモーターにTCTを使った場合、1H NMRから、imidoyl chlorideの塩酸塩が検出できるそうです(これは前回のエントリーで紹介したBeckmann転位の反応機構にも疑義を呈している)。
これらの実験結果から、Lambert等は、TCTを使った反応も、Aromatic Cation Activationによる反応も、imidoyl chlorideを介したself-propagationではないかと考えているようです。

←あと、Aromatic Cation ActivationによるBeckmann転位は、オキシムの異性化が起こらないです(TCTを使った場合は、異性化する)。

あと、こんな基質を使って、実用性もアピール(でも、何で溶媒にニトロメタン使うんだ?っていうか、基質一般性についてもアセニトよりもニトロメタンをメインに使ってるんだよな)↓

・cyclopropenone (105 mol%), rt., 2 hr
 → 90% yield
・cyclopropenone (5 mol%), 80℃, 3 hr
 → 94% yield

さらに、Lambert等は、TCTよりもCyclopropenium Cation Activationの方が活性が高いこともアピールしています。室温でアセトフェノンオキシムの転位反応を行った場合、TCTだと、MeCN中ではno reaction。DMF中で6 時間反応させて100% conv.なのに対して、3,3-dichloro-1,2-bis(2,4-dimethylphenyl)cyclopropeneを使うと20 minで98% yieldです。ちょっと高いけど、なかなかの高活性。

一般的に酸や脱水剤の存在下、高温が必要っぽいようですが(恥ずかしながら、自分、Beckmann転位ってやったことないです)、マイルドな条件でこの活性と収率はなかなかと思います。また、オキシムの異性化が起こらないのも価値があると思います。

ボク的には、TCT使ってうまく行かなかったら、Cyclopropenium Cation Activationを試してみたいと思いました。


2011年8月6日土曜日

MildにBeckmann rearrangementを起こせ!

←最近、Perfumeのレーザービームを聴きながら通勤して、モチベーションを上げているコンキチです


閑話休題


古いんですが、こんな論文を読んでみました↓
Beckmann Rearrangement of Oximes under Very Mild Conditions
J. Org. Chem., 2002, 67, 6272–6274.

それから

Cyanuric Chloride as a Mild and Active Beckmann Rearrangement Catalyst
J. Am. Chem. Soc., 2005, 127, 11240–11241.

どちらも、2,4,6-trichloro[1,3,5]triazine (cyanuric chloride, TCT)を使ったオキシムのBeckmann転位のお話です。

前者は、DMF中、化学量論量のTCTを室温で作用さえるという方法で、Vilsmeier-Haackタイプの錯体が発生させた後、オキシムをと反応させます(CH2Cl2, THF中では反応が進行しない)。


13 examples, 75-100% conv.。この反応条件下では、オキシムは異性化するようで、置換基の転位のし易さにより生成物が決まります(転位のし易さはtBu > Ar > Alkyl)。


後者の反応は、触媒反応で、MeCN中、5 mol%のTCTを作用させreflux条件下で反応が進行します(additiveとして2 mol%のZnCl2を添加するとTCTを2 mol%まで減らしても高活性を維持)。16 examples。Meisenheimer錯体を経由する反応機構が提案されています。



TCTもZnCl2も安いし、反応温度もrt.か、TCT触媒量でMeCN reflux (ca. 80℃)程度っていうのが良いなと思いました。

あと、TCTって、Swern酸化とかで(COCl)2の代わりに使うと、極低温を必要とせず、マイルドな条件でいけたりしていいヤツだよね(see http://researcher-station.blogspot.com/2009/02/new-swern-oxidation.html)。


2011年7月10日日曜日

働くイミダゾール

こんな文献を読んでみました↓

Imidazole-Catalyzed Monoacylation of Symmetrical Diamines
Org. Lett. 2010, 12, 4232-4235.


対称ジアミンなどの選択的モノアシル化のお話で、イミダゾールと塩化アシルからアシルイミダゾールを調製し、EtOH aq.中で、ジアミンやアミノアルコールと反応させるとモノアシル化(N-アシル化)が進行します(23 examples)。


で、ちなみにこの反応、pureなベンゾイルイミダゾールとピペラジン二塩酸塩とではベンゾイル化が起こらなくて、反応の進行には触媒量のイミダゾールが必要だそうです。つまり、ピペラジン一塩酸塩の形成が重要ってことね。



←あと反応点周りの立体障害に弱いらしいです。



←特に、アミノアルコールのN-アシル化の選択性はグッドです。








ちなみに、この反応の着想は、ピペラジンのアシル化をやろうと思ったらこんな感じになったっていうことからだそうです↓



なんかお手軽で、楽しそうな反応と思いました。

美食家なんていない

昨年末、「美食アカデミーが決める!人気商品の本当においしい順ランキング 冷凍食品「マルハニチロ」編」っていう番組をたまたまみました。
http://www.tv-asahi.co.jp/onegai-gold/updated/101218/index.html

タイトルそのまんまで、冷凍食品の雄「マルハニチロ」の冷凍食品をランク付けするという内容。そして、評価をした美食家達はこちら↓

川越達也 (人気イタリアン「タツヤ・カワゴエ」オーナーシェフ)
青山有紀 (会員制京料理店「青家」オーナーシェフ)
吉岡英尋 (ミシュラン東京で2年連続星獲得「なすび亭」オーナーシェフ)
斉藤美穂 (フランス料理研究家でショコラティエ)

こんな錚々たるメンバーが「レンジでチンしただけでこんなに美味しいなんて信じられない」的に激賞してたんですよね、マルハニチロのランキングトップ3商品を。

ちなみにマルハニチロの冷凍食品三傑は↓

No.1/ あら挽き肉しゅうまい (40点/40点満点)
No.2/ あおり炒めの焼豚炒飯 (39点/40点満点)
No.3/ 横浜あんかけラーメン (38点/40点満点)

で、オレは思ったわけですよ。美食家と公言してはばかることのない肩書きを持った人たちが美味いと称する冷凍食品はどんなミラクルな味がするのだろうか?と。

特に、ランキング2位の「あおり炒めの焼豚炒飯」に至っては、赤坂璃宮の総料理長譚彦彬の鍋を振る回数、野菜を入れるタイミング、鍋肌の温度などを1ヶ月かけてデータし、その作り方を世界に1台の炒飯専用製造機で再現させたという力に入れようで、川越氏は「これチンしただけだよ!チャーシューがすごい!うま味のサイコロ。しっとりしているし、甘さも塩気もバランスがいい。手作り感満載」とコメントし、青山氏は「なんでたまごが固くならないのか。チャーシューも美味しい」と称している。

で、最近、これらマルハニチロのトップ3をコンプリート(ってほどでもないが)したので、コンキチの個人的な感想をレビューしてみます。

ランキングNo.1/ あら挽き肉しゅうまい
これはけっこうイケて美味しかった。食感良く、ジューシー。ボクってシュウマイ好きじゃないんだけど、これは好き。 (9点/10点満点)

ランキングNo.2/ あおり炒めの焼豚炒飯
全然美味しくない。特にチャーシューが激マズで、脂分を食ってるみたいな感覚。あと、チャーハン本体はベチャっとしてて油も多すぎ。この商品激賞してた美食家(?)の舌は、どうかしてるぜ。(3点/10点満点)

ランキングNo.3/ 横浜あんかけラーメン
野菜richで冷凍食品としてはよく出来てる方か?しかし、アンモニア臭が気になるし、麺の歯切れはイマイチ。定価なら絶対買わない(約半額の199 JPYで購入しました)。(5点/10点満点)


「美食家」の意見とは大分異なるんですけど、ボクの場合。っていうか、人の味覚なんて一様じゃないんだよね。それなのに一部の美食家と称する人が「食べ物」の評価を一方的に下すのは傲慢なんじゃないだろうか?不味いと思ったら、店だったら黙って二度と行かない店リストに加え、スーパーとかで売ってる食品だったら、黙って二度と買わないリストにランクインさせればいいし、それが大人の作法じゃないですかね(と言いつつ、オレも批評してるけど)。

企業から(間接的に)金もらって、予定調和のヨイショ番組つくって、軽薄なグルメ情報を垂れ流す「美食家」ってどうなの?テレビ出てる間に店でやることってあるんじゃないの?「美食家」なんて幻想の世界の生き物じゃね?なんて思う二流大出のなんちゃって研究員でした。

ああ、でも結局、何食っても美味しいっていう味覚オンチが一番幸せだよな。だって、彼等・彼女等はいつだって(彼等・彼女等にとっては)旨いもの食べてるんだから。

Radioisotope 2011 (5) : 地方自治の最小単位に真摯さはあるのか? (2)

暑さにくわえて、最近仕事がタイトでお疲れ気味のコンキチですが、やっと仕事のペースが落ち着いて余裕がでそうなので久々にブログ書いてみます。

とりあえず、先のエントリー(see http://researcher-station.blogspot.com/2011/06/radioisotope-2011-4.html)で書いた市への再質問に対する回答が(けっこう前に)届いたのでメモしてみます。

Question 1
国は(暫定)規制値を設定する上で、当然、許容被曝量を設定しているはず(そうでなければ、安全な基準値は設定できません)。各自治体に対して、国からの指導が当然あってしかるべきである。成人、幼児、乳児の(年間)許容被曝量が国からどのように指導されているか教えて欲しい。

Answer 1
国からの許容被曝量の指導については把握していない。

把握してないって意味分かんないんですけど。指導されてないの?単にあなたの部署が無関心というか怠慢で情報収集してないってこと?



Question 2
「暫定規制値上限一杯の食材を給食で摂取した場合の内部被曝量」については、当然モデルを設定しているはず。モデルの想定被曝量を教えて欲しい。

Answer 2
モデルは設定していない。抽出したある日の給食の献立(ご飯、牛乳、エコふりかけ、豆腐ステーキのおろしソースかけ、野菜汁)の場合の試算では、放射性ヨウ素は257.1 Bq, 放射性セシウムは221.2 Bq。

ちなみに放射性ヨウ素とセシウムが基準値マックスで上記メニューの給食を食べると、その被曝量は↓
放射性ヨウ素で
131Iの実効線量/ 257.1×7.5×10-2 = 19.3 μSv
131Iの甲状腺等価線量/ 19.3×20 = 386 μSv


一方、放射性Csの場合、代表核種に対する放射性Cs, Srの存在比をざっくり
89Sr : 90Sr : 134Cs : 137Cs = 0.28732 : 0.04555 : 0.54455 : 0.45545とし、幼児に対する実効線量換算係数をそれぞれ、8.9×10-6 mSv/Bq, 4.7×10-5 mSv/Bq, 1.3×10-5 mSv/Bq, 9.7×10-6 mSv/Bqとすると、


89Sr/ 221.2×0.28732×8.9×10-3 = 0.57 μSv
90Sr/ 221.2×0.04555×4.7×10-2 = 0.47 μSv
134Cs/ 221.2×0.54455×1.3×10-2 = 1.57 μSv
137Cs/ 221.2×0.45545×9.7×10-3 = 0.98 μSv
total 3.58 μSv

要は、教育委員会は学校給食1食あたり、
131Iで実効線量/ 19.3 μSv (甲状腺等価線量/  386 μSv)
放射性Csで実効線量/ 3.58 μSv
の内部被曝を許容しているってことですね

年間何日給食がでるのかよく分かんないけど、基準値超えの食材が市場から完全に排除されていて、131Iの影響が軽微であると仮定し、流通過程で汚染が半分くらいに希釈されるとすると、給食による内部被曝は超ざっくり< 0.5 mSv/Yearって感じでしょうか?


2011年6月20日月曜日

モノシラン (SiH4)

こんな文献を読んでみました↓

On the Perils of Unexpected Silane Generation
Org. Process Res. Dev. 2010, 14, 484.

危険系のお話です。実は、この論文に着目したのは、"気ままに有機化学"さんのこの記事をみて、ガテン系(実験系)化学者としてはチェックしなくちゃなと思ったからです。

さて、本題です。

(EtO)3SiHっていう化合物は、Lewis酸と組み合わせて使うことで、エステルをアルコールに還元することができます。例えば、methyl 11-bromoundecanoateを(EtO)3SiHとTi(iPrO)4で処理すると対応するアルコールを合成することができます。


で、この反応、ミリモルスケールで実施すると、特に問題もなく、very good yieldかつエクセレントな純度で目的物をGETできるそうです。しかしながら、全く同じ反応をマルチグラムにスケール•アップすると、強烈な発熱を伴い、自然発火性のガスが発生し、(ギャラクティカ)エクスプロージョンしたそうです。


(EtO)3SiH → SiH4


Lewis酸やLewis塩基が不均化を触媒するそうです。

ちなみにシラン (SiH4)って、
on extremely dangerous toxic, pyrophoric, and explosive gas (TLV-TWA 5 ppm, flammable in air between 1 and 96% (v/v)).
A 1% silane mix in nitrogen is flammable in air.

らしいです(コワッ)。

まあ、他にも混合するとヤバい系の試薬ってありますけど、実験化学者として長くやっていくためには、努々そういうのには気をつけたいですね。

2011年6月19日日曜日

TBDPSF

TBDPSFの物性を発見したのでメモしてみます↓


減圧蒸留で精製してるんですが、
1st fraction: 49% yield
bp. 82-92℃ (6×10-4 mber), mp. 29-30℃

2nd fraction: 25% yield (94% purity)
bp. 92-95% (6×10-4 mber), mp. 29-32℃

(Angew. Chem. Int. Ed.の2006年のどっかの号のSupporting Informationでみた)


Mgが触媒するクロスカップリング

←1ヶ月くらい前からMoleskineのiPadカバー(Moleskine Folio Digital Tablet Cover)を使ってるんですけど、超絶満足な使い心地です。ホント、オススメ


(昨年)こんな文献を読んでみました↓

An Opportunity for Mg-Catalyzed Grignard-Type Reactions: Direct Coupling of Benzylic Halides with Pinacolborane with 10 mol % of Magnesium
J. Am. Chem. Soc., 2010, 132, 11825–11827.


11 examples, 30-92% yieldです。

推定反応機構はこちら↓

それにつけても、Grignard試薬が触媒的にクルクル回るのに驚きです。

あと、o-位に置換基があると収率が低下(何故か反応温度は0℃)。溶媒は、bromideでTHF, chlorideでDME。基質にp-bromobenzylbromideを使うと、ベンジル位が反応します(90% yield, 15 h)。

機会があった、1度くらい試してみたい反応と思いました(実験項見直してみよっかな)。

Radioisotope 2011 (4) : 地方自治の最小単位に真摯さはあるのか?

再び新たな質問を市にしてみました↓

Question 1
学校給食による内部被曝の許容量を何mSv/yearと考えているか?
Answer 1
学校給食に起因する内部被曝の許容量については設けていない

Qusestion 2
暫定規制値上限一杯の食材を給食で摂取した場合の内部被曝量はどれくらいか?
Answer 2
学校給食は各学校で献立が異なるため、使用する食材の種類や使用量も異なります。このため、一律に内部被爆量を算出することはできない。

感想
ほんとにやる気無いな、市は。自分たちが地方自治の当事者だっていう意識が全く感じられませんよ。ことなかれ主義ってやつですか?

とりあえず、再質問の刑です↓

New Question 1
国は(暫定)規制値を設定する上で、当然、許容被曝量を設定しているはず(そうでなければ、安全な基準値は設定できません)。各自治体に対して、国からの指導が当然あってしかるべきである。成人、幼児、乳児の(年間)許容被曝量が国からどのように指導されているか教えて欲しい。

New Question 2
「暫定規制値上限一杯の食材を給食で摂取した場合の内部被曝量」については、当然モデルを設定しているはず。モデルの想定被曝量を教えて欲しい。

納得いくまで、いつまでも質問するよ


2011年6月18日土曜日

Radioisotope 2011 (3) : 千葉県のポリシー

なんか、ボクの質問に対して、(3週間かかって)千葉県(健康福祉部健康福祉政策課)から回答が返ってきました。

ボクの問いはこれ↓

Question
(1) 国が設定している暫定規制値上限の食材を摂取した場合の内部被曝量が何mSv/yearになるか教えてください。
(2) 県として、放射能汚染食材摂取によって何mSv/yearの内部被曝なら許容できると考えているか教えてください。
(3) 90Srによる子供の内部被曝についてその影響をどのように評価していますか?
ref. http://p.tl/rwfF

で、千葉県の
Answer
内部被曝による影響については、県独自の指標等は持っていない。暫定規制値を超える食品を流通させない対策を講じるとともに、引き続き県民への情報提供に努める。
<参考>
平成23年3月、食品安全委員会で行われた、「放射性物質に関する緊急とりまとめ」において、原子力安全委員会が示した指標値の考え方は、飲食物中の放射性物質が健康に悪影響を及ぼすか否かを示す濃度基準ではなく、緊急事態における防護対策の一つとして、飲食物摂取制限措置を導入する際の目安とする値であり、指標算出にあたっては、回避線量(防護措置を実施することによって免れる線量)がそれ以上なら防護対策を導入すべきかを判断する線量として実効線量5mSv/年を基にするとともに、我が国の食生活等実態を考慮して設けられている。

だってさ。なんかよく分かんないけど、こういうことですか↓

(1) 国が設定している暫定規制値上限の食材を摂取した場合の内部被曝量が何mSv/yearになるか教えてください。
無視

(2) 県として、放射能汚染食材摂取によって何mSv/yearの内部被曝なら許容できると考えているか教えてください。
「暫定規制値を超える食品を流通させない対策を講じるとともに、引き続き県民への情報提供に努める」ってことだから、実効線量でトータル17mSv/yearまで許容します。甲状腺等価線量は50 mSvまでオッケー。

(3) 90Srによる子供の内部被曝についてその影響をどのように評価していますか?
無関心

千葉県って不誠実な確信犯か、言語把握能力が著しく欠如した職員を雇い続ける鷹揚な組織だってことがよーく分かりました。

あと、余談だけど、千葉と茨城では採用している131Iの実効線量計数(経口摂取)が違うんだよね。

←このQ&Aから逆算すると、千葉は2.2×10-5 mSv/Bqを採用しているのに対して、茨城は1.6×10-5 mSv/Bq (成人) (see http://p.tl/jTXC)を使っています。

ってことは、放射性物質の安全管理に対する指導って国からされてないんですかね?普段は中央の意向を浸透させようと躍起なくせに、めんどくさそうなことについては、なるべくひっそりとってことですか。

あと千葉県のQ&Aで、「しゅんぎくを1Kg食べた場合の人体への影響は0.0946ミリシ-ベルトとなり、これは胃のエックス線集団検診(1回)を受診した場合の放射線の人体への影響(約0.6ミリシーベルト)の約6分の1であり...」なんて書いてあるけど、ヨウ素は甲状腺に溜り易く、甲状腺等価線量が実効線量のざっくり20倍とすると、甲状腺等価線量はca. 1.9 mSvで、X線の検査より危険だと素人のボクは思うんですけど、どうなんですかね?