とある化学の超ガテン系

実験嫌いの実験化学者が綴る企業の研究員の日常 (このブログはMac OS Xに最適化されています)




Sunday, August 1, 2010

Aromatic Cation Activation (2)

Nucleophilic Acyl Substitution via Aromatic Cation Activation of Carboxylic Acids: Rapid Generation of Acid Chlorides under Mild Conditions
J. Am. Chem. Soc. 2010, 132, 5002-5003.
の続きです(see http://researcher-station.blogspot.com/2010/07/aromatic-cation-activation-1.html)。

アルコールのAromatic Cation Activationという成果(http://researcher-station.blogspot.com/2010/07/aromatic-cation-activation-1.html)からカルボン酸のAromatic Cation Activationをインスパイアされて本報に至ります↓


で、その目論みは成功して、上記反応では定量的に酸クロが生成します。

で、このシクロプロペニウムカチオンは置換基を変えることで、その電子的及び立体的特性をチューニングできるという利点があるわけで、著者らはそれについて検討しています↓




基質にtert-BuCO2Hを用いた反応で、塩素化剤としてA, B, C, D, (COCl)2を試してみると、その活性は


C≒(COCl)2>B>A>D


となりす。

で、ここでちょっと面白いのが、1 eq.のiPr2NEtを共存させて反応を行うと、活性の序列が



C>A>B>(COCl)2


と変化するんです。

あと、当然かもしれませんが、本反応の利便性向上のため、one-potでアミドの合成を試みます↓

R=Me: 23℃, 5 min, 80% >20:1 dr
R=Ph: -78℃, 20 min, 77% >20:1 dr

それから塩素化剤Cを使った展開↓

安息香酸だと収率低いんですが、その電子欠乏性のためシクロプロペニウムカルボキシラートの形成能が弱いと述べています。

今回は以上。あと、この文献は、化学者のつぶやきさんで温故知新ケミストリー:シクロプロペニルカチオンを活用した有機合成として取り上げられているので、興味ある方はそちらも参照してみて下さい。

あと、この論文の著者等のラボでは、シクロペンタジエニルアニオンを辻-Trost反応の脱離基として用いた研究成果なんていうのもあります(Org. Lett. 2009, 11, 4108-4110.)。

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