とある化学の超ガテン系

実験嫌いの実験化学者が綴る企業の研究員の日常 (このブログはMac OS Xに最適化されています)




Sunday, August 24, 2014

究極の縮合剤を探せ

チバラキ在住のコンキチです。

以前、練馬にあるそば二十三(http://www.soba23.jp)っていう店で出してる"つけ蕎麦"がテレビでやっていて興味を持ったんですが、自分、練馬に行く用事が全くなかったので、チバラキ界隈で件の"つけ蕎麦"を疑似体験できる店はないかとサーチしたところ、ありました。"千葉のシブヤ"と恥ずかしい感じで形容される柏Cityに。で、増税前に行ってきました↓

-つけ蕎麦 六文銭 魚介つけ汁蕎麦(かつお風味) (740 JPY) memo-
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
麺は田舎蕎麦様の太い蕎麦で、褐色。黒い星も入っている。かなり硬く弾力が凄いが、芯まで粉っぽさは無く、表面はつるつる。
ツユはアツアツで提供され、かつお風味の強い醤油ベースの甘くてやや辛味のある味付けで、ラーメンのスープみたいだ。具は、油揚げ、ネギ、もやし、かつお節、そぼろ。
太く弾力に富む蕎麦をアツアツの汁につけると、蕎麦にやわからみが出てモチモチ感がアップ↑蕎麦とツユのマッチングも悪くない。太い麺に対して、ラーメンのスープライクなややジャンキーでしいこい感じツユが合っている。
ただ、食べ進んでいくうちに、ツユの温度がどんどん下がっていき、おいしさも減↓そいいった意味で完成度は低い。ツユの濃度がおちていく感じがしなかったことは評価できる。(麺は300 gか400 gのどちらかを選択できる)


閑話休題


こんな文献を読んでみました↓

COMU: scope and limitations of the latest innovation in peptide acyl transfer reagents
J. Pept. Sci., 2013, 19, 408-414.

COMUの紹介論文です。

今日までに様々な縮合剤が開発されてきましたが、その中でも最強との呼び声高いのはCOMUでしょう(多分)。


COMUは、優れた脱離能を有するOxymaユニットと、反応性の高いジメチルモルフォリノコアからデザインされたウロニウム型の縮合剤になります(X線や13C NMRからCOMUはウロニウム塩(O-form)であることが確認されている。Chem. Eur. J., 2009, 15, 9404-9416.; Angew. Chem. Int. Ed., 2002, 41, 441-445.)。

ちなみに、OxymaユニットをもつHOTUやTOTUはカップリングにおいてエピ化し難く(Chem. Rev., 2011, 111, 6557-6602.; Ger. Offer. DE 90-4016596, 1991)、高いアシル化能を有します。そして、ジメチルモルフォリノコアを有するHDMB, HDMA, HDMCはその優れたパフォーマンスが知られているようです(Chem. Rev.2011111, 6557-6602,; J. Org. Chem., 2008, 73, 2731-2737.)。


以下、COMUのアピールポイントです↓

(1) Oxyma系試薬の中で最も活性が高い
(2) HOTUより、DMFに対する溶解性が50%高い(ジメチルモルフォリノコアの導入)
(3) HBTU, HATUより、DMFにおよそ4倍とける。HDMCより高い溶解性(Oxymaユニットの導入)

(4) 副生成物(縮合剤のカス)が水に良く溶けて、workupで容易に除去できる
(5) 反応の終点を色の変化で判断できる(用いる塩基に依存する)
(6) 立体障害の大きいカップリング・ジャンクションで、高い反応性(Oxyma部位のフレキシビリティが効いている。これに対して、ベンゾトリアゾールユニットはリジッドである。)
(7) モルホリン環があるので、1 eq.の塩基の使用でオッケー (ラセミ化対策に有効)
(8) ペプチド合成において。HOBt類縁体やHATUよりラセミ化しにくい(Sigma-AldrichのWeb Siteにも紹介記事→http://www.sigmaaldrich.com/japan/chemistry/chemical-synthesis/technology-spotlights/comu.html)
(9) COMUとOxymaをミックスして使うのもあり
(10) 普通のアミドやエステルの合成においても、HATUやHBTUよりも優れていて、パワフル(Chem. Eur. J., 2012, 18, 9024-9031.)
(11) Oxymaベースの試薬のみが、tert-ブチルアルコールのような三級アルコールのアシル化が可能
(12) 酸のpreactivationが不要
(13) 危険な自己触媒的分解はみられない(Chem. Eur. J., 2009, 15, 9404-9416.)

なかなか使えそうな感じです。値段は58,500 JPY (100g, Sigma-Aldrich; Mw. 428.27)。サンプルワークレベルでは充分活躍できそうな試薬と思いました。

(オレも1回使ったことあるけど、反応速かったです。あと、色も変わりましたね)

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