最近全然行ってないけど、mAAchに入ってる常陸野ブルーイング・ラボに行ったときのメモです。
-セゾン ドゥ ジャポン Saison du Japon (680 JPY)-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
Alc. 5.0%。米麹と柚子を使用したジャパニーズセゾン。
fruity, citrus, spicy。とっても香り高く、ワインのように高貴な香り。White Ale様のtaste。全体的にスレンダーで、夏のうだるような暑い日に飲んだら最高だと思う一杯。
-酒粕クラッカー Original sake lees cracker (380 JPY)-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
completeにパリパリではなく、ちょっとやんわり湿った感のあるクラッカー。香味豊かなビールのお供によく合うシンプルな味。普通に旨い。名脇役的な一品。
-【Lab限定】常陸野シードル Hitachino Cider (680 JPY)-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
Alc. 8.0%。茨城県北部の奥久慈リンゴから醸造し、2年間発酵熟成させた一杯。
注がれた直後はかなり泡立っているけど、すぐに泡が引きます。泡の香りはシャンパンライクで鄙びた感じの良い匂い。仄かに甘い香りも。それから、アップルジュース様、僅かに蜂蜜様の香り。あと、良く分かんないけどとってもいい香りがする。
tasteはスレンダーな甘さで締まった辛口テイスト。finishはcitrus、それから微弱な炭酸が舌を押すように刺激して心地よい。
-エスプレッソスタウト Espresso Stout (680 JPY)-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
Alc. 7.0%。エスプレッソ珈琲のような深い香りと、苦味、酸味を合わせもった芳醇な味わいの重厚黒ビール(Coffee Flavored Stout)。
coffee flavorが特徴的。chocolate-like、糖蜜様の香り。
tasteはchocolate様の洗練された甘さと、糖蜜様の少し野暮ったい甘さ、creamy感、それから、もの凄いroastとroast由来と思われる酸味を感じる。
漆黒の旨さ。
-HITACHINO SESSION IPA FRESH 20 (680 JPY)-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
常陸野セッションIPA フレッシュ 20。日本一のホップ生産地である秋田県横手市、そして常陸野ネストビールの額田醸造所、この二つの場所で採れた20種類の新鮮なホップをブレンドして醸造したセッションIPA。
原材料/ 麦芽・ホップ
アルコール分/ 4.5%
もの凄くfantasticなfruity note。上品で心がときめく。
tasteはけっこうdryなcitrus & (少し)spicy。finishには、ややdeepなbitter。
-与謝野フレッシュCC YOSANO Fresh CC (680 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
Beer Style: Pale Ale
ABV: 4.5%
京都府与謝野で栽培された、カスケード種、センテニアル種を採りたて、フレッシュな
状態で使用した香り豊かなペールエール。
grapefruit-like, citrus note。蜜柑様のfruityさとsweet note。素晴らしく良い香り。
tasteはlight typeで、spicy, citrus。finishにはbitter。このbitterがlight typeのbodyやspicy, citrusな香味とBest Match!
-常陸さばサンド Hitachi Mackerel Sandwich (600 JPY)-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
茨城県産の肉厚な鯖をオリジナルビネガーでマリネした、心地よい酸味と旨みが後引く絶品サンドとのコピー。
食べた感想は↓
こんがり焼き色がついた味の濃いHotなパンでサンドされているのは、冷たい鯖のマリネ(意表を突かれました)。鯖のマリネはかなりビネガーの効きが強いが、鯖が旨い。口の中で好ましいサバフレーバーが広がる。こんな感じで旨いことは旨いんだけど、パンの熱量と冷たい鯖との温度ギャップが好みでないので、可能ならサンドされてる鯖もHotな方が旨いんじゃないかと思いました。
閑話休題
有機合成界で流行ってるのか流行ってないのかよく分かんないけど、おそらく流行ってるであろうのパラダサイクルについてメモします。Buckwand教授のヤツはもう第四世代まで出てるんだから、全く流行ってないってことはないでしょう。ということで、クロスカップリングのビッグネームの一人であるStephan L. Buchwald教授の論文をメモしていきます。
まずは、
Buchwald教授がThe Strem Chemicalsに寄稿した
New Palladium Precatalysts For Cross-Coupling Reactions (
The Strem Chemicals vol. XXVII No.1, January 2014.)からのメモです。
この寄稿論文はPalladacycle precatalystの歴史から始まります。
で、初出のパラダサイクルプリキャタリストはこちら↓
In 1995 Hermann and Beller
precatalyst 1は、P(o-tol)3とPd(OAc)2とのシクロメタル化(PhMe, rt., 16 hr)によって調製されます(Angew. Chem. Int. Ed., 1995, 34, 1844-1838.; J. Eur. Chem., 1997, 3, 1357-1362.)。TONsは200,000にも及ぶケースもあるという高活性っぷりで、単なるP(o-tol)3とPd(OAc)2のコンビネーション以上に効果的です。
その後、次のようなprecatalyst達が生み出されてきました↓
2: ヘック反応に有用 (Chem. Commun., 1998, 3, 1361-1362.)
3: 塩化アリールを用いたC-Nカップリングに有用 (Buchwald et al. Org. Lett., 2003, 5, 2413-2415.)
4: ヘック反応、鈴木カップリン、C-Nカップリング、ケトンのα-アリール化に有用。種々のフォスフィン配位子と結合可能(Angew. Chem. Int. Ed., 2002, 41, 3668-3671.)
5: 塩化アリールを用いた鈴木カップリングに有用。オープン・エアで反応しても活性が落ちない。(Chem. Commun., 2001, 17, 1540-1541.)
そして、いよいよBuchwaldの、所謂、第一世代 のpalladacycle precatalyst (Pd G1)が登場します↓
6•Lから誘導されたLP(0)は、C-Nカップリング(J. Am Chem. Soc., 2008, 130, 6686-6687.; Chem. Sci., 2011, 2, 57-68.; Org. Lett., 2010, 12, 4438-4441.; Org. Lett., 2010, 12, 4442-4445.)やC-H activationによるacetoxylation (Org. Lett., 2009, 11, 1173-1175.)、C-Nカップリングのフロー•ケミストリー(Angew. Chem. Int. Ed., 2010, 49, 9469-9474.)、根岸カップリング(Angew. Chem. Int. Ed., 2013, 52, 615-619.)に対して有効な触媒となります。
アニリンと4-chloroanisoleとの反応は定量的に進行します。
ちなみに、この反応を他の(普通の)触媒を使った場合は↓
Pd2(dba)2 : 25%
Pd(OAc)2 : < 10%
[(allyl)PdCl2]2 : < 10%
という結果で、Pd G1の高活性っぷりが分かります。
あと、求核性の電子吸引性置換基を有するアニリン誘導体と、難しいカップリング•パートナーと言われている活性化されていないアリールクロリドとの反応成績はこちら↓
Good Yieldで好感触です💌
"第一世代 (Pd G1)"の初出は、A New Class of Easily Activated Palladium Precatalysts for Facile C-N Cross-Coupling Reactions and the Low Temperature Oxidative Addition of Aryl Chlorides (J. Am. Chem. Soc., 2008, 130, 6686-6687.)だと思うんだけど、そこでは幾つかの基質に対して室温以下の反応温度で、いい収率を叩き出しています↓
Buchwaldの第一世代のパラダサイクルprecatalystはair-stable, moisture-stableで、C-Nカップリングなどに対する高活性な触媒前駆体です。そしてその活性化は、K2CO3などの弱い塩基で80˚C、金属アルコキシドで室温、金属HMDS塩基で-20˚Cで進行すると言います。イイネ、Pd G1。
次回、Pd G1をインプルーブメントしたPd G2のメモに続きます.....
以上、二流大出のテクニシャン(研究補助員)のパラダサイクルメモ「Pd G1編」でした。