それから月日は流れ、柏四川飯店元料理長の店があるというではないですか。で、 行ってみました↓
-ほんわ華や memo-
-マーボー豆腐ランチ (850 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
マーボー豆腐、ご飯、漬物、スープのセット。
マーボー豆腐が旨い!辛さはさほどきつくなくて、普通な感じ。コク深く、優しい甘みがある。中華系の食欲を誘う香ばしい香味。細かめに切り出された絹ごし豆腐と適度な粘度が醸し出す心地よい食感は、ごくごく飲み干したくなるほどのレベル。勿論、ご飯も進む。
中華系卵スープはコーンの香味が効いていて面白い。
ザーサイは、けっこう薄くスライスされていて、食感が少し物足りないか。
-サンラータンメン (870 JPY)-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
麺は(前回ブログで書いた)菜工房と酷似した麺。スープはシックで重厚で美味しいんだけど、辣が大分弱い。かなり上品な味。具はシンプルで、挽肉と青物葉野菜。ボク的にはジャンクでボリューミーな酸辣湯麺を期待していたので、ちょっとガッカリ。
-陳麻婆豆腐ランチ (1,200 JPY)-
-RATING- N/A
-REVIEW-
激辛マーボー豆腐、ご飯、漬物、スープのセット。
(この店の)通常(日本人向けにアレンジされたノーマル版)の麻婆豆腐とは様相が大分違う。ノーマル版と比較して、流動性が少ないくソリッドな感じで。挽肉richなことに加えて、麻婆本体の周囲には辣油が滴り広がっている。で、ソリッドな食感に加えて、猛烈にspicy。まず、提供された段階で、料理に鼻を近づけなくても、山椒のspicyな香りが鼻腔を刺激する。挽肉から猛烈なspicy感が放たれている(と思う)。ノーマル版より辛さがup↑しているにはup↑しているが、それよりも山椒の効かせ方が尋常ではない。咽せるほどのflavorと、舌は勿論、口腔内全域が猛烈に痺れる。信じられない程痺れる。
山椒は中国山椒で、デフォルトでは大さじ一杯分が入っているとのこと。初心者は必ず山椒の量を減らしてもらって様子をみたほうがいい。
ごめんなさい。中国山椒を舐めてました。
-あんかけカニチャーハンランチ (1,200 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
チャーハンに白い餡が掛かっている。カニはチャーハンではなく、餡の方に入っている。餡はメレンゲ様のフワフワで不思議な食感。カニ風味のフワフワの餡をすくってチャーハンに掛けて食べるスタイル。チャーハンの味も餡のスープの味も美味しい。カニが滋味深い味を演出。チャーハン自体はしっとり感が残っていて、口の中でハラハラと崩れる感じで美味しい。
-カニ入りチャーハン (1,000 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
しっとり系。口の中でハラハラほどける。上品な味付けながらも、しっかりした味。カニは大きな塊ではなく、細かく万遍なくまぶされ、カニ風味をチャーハン全体に感じさせる。美味。
このお店は、小綺麗で接客がとても良いです。あと、プライス的にはランチが圧倒的にお得です。通いたい店と思いました。
閑話休題
CO等価体のメモの続きです。今回メモするCO Alternativeは、2,4,6-trichlorophenyl formate。読んだ文献はこちら↓
Trichlorophenyl Formate: Highly Reactive and Easily Accessible CO Surrogate for Palladium-Catalyzed Carbonylation of Aryl/Alkenyl Halides and Triflates
Org. Lett., 2012, 14, 5370-5373.
最近(2011年)のCO等価体の研究に、Strydstrup等の報告があります。これは、結晶性のCO surrogateを用いたPdが触媒するカルボニレーションで、silacarboxylic acidまたはtertiary acid chlorideがCO供給源として使われています。
J. Am. Chem. Soc., 2011, 133, 18114.
J. Am. Chem. Soc., 2011, 133, 6061.
a) ex situでCOを発生さる
b) CO発生にもPd触媒を使う
といった使い勝手の悪さがあります。
そこで、This workでは、著者らの簡便な操作でオペレーションできるphenyl formateの研究をさらにmodifyしてたfomateベースのCO等価体の開発を目指します。具体的には、
ref.↓
辻らは、ギ酸フェニルの芳香環への電子吸引基の導入が反応を加速させると報告している。
Adv. Synth. Catal., 2011, 353, 475-482.
(2) (ラボでの)取り扱い結晶性の試薬の開発。結晶ゆえ安定性も期待できる。
(3) 生成物(エステル)のさらなる誘導体化を簡便に行えるよう、求核剤への活性が高い試薬の設計
を行いました。
で、鋭意検討して導きだされて化合物が、2,4,6-trichlorophenyl formate (TCPF)です。
TCPF-NEt3システムは室温でCOを放出するため、カルボニル化反応も室温という極めてマイルドな条件で反応を実施できます。官能基許容性も良好で、ニトリル、ケトン、アルデヒドがあってもオッケーです。そして、得られたトリクロロフェニルエステルは種々のカルボン酸誘導体へと容易に変換可能です。
ところで、TCPFのCO発生能は極めて高いです↓
ところで、著者等に提示する基本方法は、基質(ca. 0.5 mmol)、触媒、配位子、TCPF (2 eq.)、溶媒を混ぜておいて、最後に塩基を加えて素早く密閉して反応を行うというものです。で、この手法で基質にブロモナフタレンを用いて反応を行うと、室温では反応はあまり進行せず、反応温度を上げてもlow yieldだそうです。
これは、
(1) 室温で反応が進行しないのは、ブロモナフタレンのPd触媒への酸化的付加が遅いから
(2) 加熱して反応を行って収率が低いのは、(a) 即座に発生するCOが、そのπ-酸性のため、ブロモナフタレンのPd触媒への酸化的付加を阻害する。(b) 即座に発生したCOが気相に抜けてしまう(実際、80℃で反応を行うと反応直後に激しい気泡が発生する Organic Square, 49, 2014.)。
ということが考えられます、
要は、COの発生速度とカルボニル化反応(酸化的付加)の速度のミスマッチが低収率の原因ということです。なので、TCPFのslow additionすることによりこの問題を解決することが出来ます。
ちなみにこのカルボニル化反応ですが、普通のglasswareを使って20 mmol scale (2-ナフチルトリフルオロメタンスルホナート 5.57 g)で実施実績があります(この場合、滴下ロートから塩基を滴下してCOの発生速度を制御し、容器内の内圧が上がらないようにコントロールしている)。はっきり言って、普通のガラス器具である程度の量をサンプルワークできるのは価値が高いと思います。
それから、carbonylationで得られるトリクロロフェニルエステルから、どれくらい他のカルボン酸誘導体に持っていき易いかです↓
なかなかいい感じと思います。
どれでは、2,4,6-trichlorophenyl formateのウリをまとめます↓
a) 結晶性のCO surrogateである
b) 外部COの必要ないin situ法である
c) 室温でCOが発生する
d) formateの使用は"near-stoichiometric"で良い
e) カルボニレーション反応で得られるトリクロロフェニルエステルは、アルキルエステル、アミド、チオエステル、カルボン酸に、簡便かつ高収率で誘導可能
サンプルワークのシーンでけっこう使い勝手が良さそうな試薬と思いました。
続く.....
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