最近発売された、橘玲著「マネーロンダリング入門」を読了しました。
本書では、近年発覚したマネロン事件の内幕が、門外漢にも分かりやすく、スリリングに展開されていて、この手の本にしては、めずらしく興奮してしまいました。
密かにコンキチは、橘氏の著作や、氏と関連の深い「海外投資を楽しむ会」の著作(「ゴミ投資家シリーズ」、「小富豪シリーズ」とか)を読み漁っています。
それらの本には、(特に橘氏の単独名義のものには)声を大にして放言するにはいささかはばかられるような「本当のこと」が赤裸々に描かれているようにコンキチには思えます。
例えば、本書は著者あとがきは、
「いつの時代でも、理想や正義を声高に語る人の後をついていくとろくなことはない。この本に書いたのは、たとえば、そんな単純な真理である。」
という言葉で締めくくられています。
コンキチはこのフレーズに、人生におけるリアルを感じざるをえません。
「正義」、「理想」、「宗教」といったものは、結局は我々人類が(勝手に)生み出した幻想に過ぎないと思うし、政治は所詮妥協の技術に過ぎないと感じています。
「自由」なんていう言葉も、この世に生を受けた時点で、その国に束縛される現実を鑑みると、空虚な響きがします。
高邁な理想を声高に謳うのは気分がいいかもしれませんが、そういうヤツに限って二律背反する事象を、口当たりのいいフレーズにのせて喋っているだけで、矛盾を孕んだ幻惑の呪文を詠唱しているように感じてなりません。
コンキチがぶつぶつ文句を言いながらも、(一応)研究員を続けているのは、虚構の蔓延るたまゆらなこの世界にあって、少しでも真実らしいものを見出したいからなのかもしれません。
今日はちょっと沈んでいます。
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2006年12月15日金曜日
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