とある化学の超ガテン系

実験嫌いの実験化学者が綴る企業の研究員の日常 (このブログはMac OS Xに最適化されています)




Sunday, June 21, 2009

n-Butyllithium

(一応)お仕事=有機合成化学のコンキチです。

精密有機合成―実験マニュアルという本を購入しました。定価(税抜)は11,650JPYなんですが、既に絶版で、Amazon.co.jpではマーケットプレイスで25,000 JPYという高値がつけられています。

ちなみに自分、この本をAmazon.comのMarketplaceで、29.75USD(本体) + 12.49USD(送料) = 42.24USDで購入してちょっと特した気分です。


閑話休題


ところで、n-BuLiっていう試薬があります。有機合成において最も使用頻度の高い試薬の一つといえると思います(一応コンキチも何回か使ったことがある)。

で、n-BuLi(に限ったわけではないけれど)って、そのスッキリ描かれた構造式をみると、一見あたかもそれ自体が常に単量体で存在するかのように記述されているけど、実はそんなことはなかったりする訳で、実際には用いる溶媒の種類や配位性のadditiveの添加によって会合状態が変わり、反応性が変わるんだよね。ちなみに、

炭化水素系溶媒中では6量体
Et2O中では4量体
THF中では2量体と4量体の平衡混合物

という感じで存在します。

あと、(これも)n-BuLi(に限ったわけではないけれど)って、よくTHF中で使うけど、エーテル系溶媒と反応することも周知の事実なんだよね↓


例えば、
室温下、Et2O中での半減期は153時間a)
室温下、THF中での半減期は2時間a)
35度、THF中での半減期は10分b)
0℃、THF中での半減期は24時間c)
ref.
a) 化学の領域 増刊 117号、「金属の特性を活かした新しい有機合成反応」, 1977, p22 (南江堂).
b) J. Org. Chem. 1972, 37, 560-562.
c) http://www.chem-station.com/odoos/data/organolithium.htm, last visited June 2009.


合成バリバリの研究室や研究所では常識すぎる知識なんだろうけど、コンキチは7-8年くらい前に初めてn-BuLiを使ったときにEncyclopedia of Reagents for Organic Synthesis(改訂版が出たんですね)をみて、会合状態の変化や溶媒との反応について初めて知りました(恥ずかしいです)。




まあ、普通に合成やってる人にとっては常識と思いますが、一応メモしてみました。

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