とある化学の超ガテン系

実験嫌いの実験化学者が綴る企業の研究員の日常 (このブログはMac OS Xに最適化されています)




Monday, May 5, 2014

Friedel-Crafts Alkylationは実用的足り得るか?

2-3年前に浅草の尾張屋本店に行ったときのメモです。

-尾張屋本店 もり(600 JPY) memo-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
蕎麦はスナックライクな感覚と個人的に感じる面白い食感の蕎麦と歯切れで、「信州戸隠おびなた蕎麦通のそば」に似ていると思いました。
ツユは甘めだけど、bodyもあって良い。
支店(http://researcher-station.blogspot.jp/2010/07/blog-post_18.html)が神谷バーの近くにあるんだけど、気のせいかもしれないけど本店の方が蕎麦がしっとりしている気がした。あと、支店は食堂って感じだけど、本体はシックで上品な造りで、接客も本店の方がよりホスピタリティに優れている。


閑話休題


こんな文献を読んでみました↓

Trifluoromethanesulfonic Acid Catalyzed Friedel-Crafts Alkylation of 1,2,4-Trimethoxybenzne with Aldehydes or Benzylic Alcohols
Org. Lett., 2013, 15, 2494-2497.


Friedel-Craftsタイプのアルキル化のお話です(Symmetrically substituted di- and tri-arylmethaneの合成)。
18 examples, up to 97% yield

Friedel-Craftsと言えば、実務面では"アシル化"が重宝される一方で、"アルキル化"はその特性からイマイチ使えないヤツと考えられていると思います。要は、芳香環上への求電子剤のポリアルキル化がネックになるからなんですが、本報ではその発想を転換させています。すなわち、同一炭素上にカルボカチオンを連続的に発生させ、逐次Friedel-Crsftsを起こすことで複数のアリール基(求核剤)を導入し、対称性の高い化合物を合成しています(多分)。

このstrategyを見出す発端となったのがこちら(rubromycin類の合成研究の一環)↓


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で、これまでのSymmetrically substituted di- and tri-arylmethaneの合成法は量論量のLewis酸やBrønsted酸が必要だったり、キツイ反応条件が必要なようです。

最近、ヨウ素が触媒する反応が報告されていますが、反応に長時間を要するのがネックのようです(だいたい72時間)↓
Tetrahedron Lett., 2009, 50, 6012-6015.

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ところで、TfOHを使ったFriedel-Craftsアルキル化なんて過去に山の様に報告されてるんじゃないのと思うわけですが、実際TfOHを使用した報告例は1972-2013年にかけて沢山あるそうですが、求電子剤にアルデヒドを使って"Symmetrically substituted methane"を構築するというコンセプトが新しいんだろうと思います(多分) 。

さて、この反応の適用範囲ですが、

electron-poorなアルデヒドは(当然)、high yield。エノール化するアルデヒドは僅かに収率が低減。立体障害の大きい基質の場合は、まあそれなりの収率(R = tert-Buで58% yield)。

あと、アルデヒドじゃなくてジメチルアセタールでもオッケーで、ケトンとは反応しません。これ↓

あと、光学活性な天然物合成の例((-)-Tatarinoid C)↓

反応中にシリル基が切れるのは不可避です(それによってアルデヒドのオリゴマー化 が進行し、収率が低減しているのかもしれない)。収率はイマイチですが、ラセミ化は起こりません。

求核剤が1,2-dimethoxybenzeneだとかなり活性が下がり、アニソールではもっと下がります(かなり電子リッチでないと厳しい)。

上述したアルデヒドのdouble arylationは対応するベンジルアルコール中間体を経由して進行するものと考えられるので、ベンジルアルコールのアルキル化、アリール化も進行します↓

ターゲットや基質は限定・制限されると思うけど、ハマればパワフルで実用性に足る反応と思いました。

その辺にある試薬の組み合わせでも案外やられてない反応ってあるんだなと改めて感じた二流大出のテクニシャン(研究補助員)のメモでした。

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