とある化学の超ガテン系

実験嫌いの実験化学者が綴る企業の研究員の日常 (このブログはMac OS Xに最適化されています)




Thursday, July 21, 2016

HOW WE LIE TO EVERYONE (4) : 利他性は常に美しいか?

夏ですね。


江戸川区にある昔ながらの大衆居酒屋に行ったときのメモです。

-伊勢周 memo-

-お通し (0 JPY)-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
この日のお通しは、もつの煮込み。
優しい味噌仕立ての煮込みは、なんとなく田舎を想起させる少し素朴な味わい。もつの味つけは、出しゃばることなく穏やかで普通に旨い。万人受けしそうな味。オレは好き。

-焼酎ハイボール (420 JPY)-
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
所謂「下町ハイボール」っていうやつらしいです。焼酎には「天羽の梅」、炭酸に「YOUNG HOPE」を使用した一品。
グラスに氷を入れ、その戴きにレモンの輪切りを置き、炭酸を加え、最後の焼酎を注いで完成。すると、レモンの輪切りがトップに浮かんだ状態になり、レモンの香りが一閃する。けっこうマイルドで、とても飲みやすく、淡く優しいtaste。

-カキ酢 (530 JPY)-
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
タレは酢醤油か。ワカメ、大根、紫蘇などのサラダが添えられている。カキは大粒、小粒入り乱れてけっこう満足な量で、freshな味わい。薬味には粉ワサビが添えられているが、これは余計(カキの味が濁る)。

-穴子の天ぷら (580 JPY)-
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
タネは、穴子、椎茸、玉葱のかき揚げ。生姜と大根おろしが添えられ、天つゆでいただく。天ぷらは少し油の重たさが気に障るが(要はカラッと揚がっていない)、ボリュームとダイナミズは十分。かき揚げはツユで食べるのが良し。他は塩の方が旨いと思う(テーブルには食卓塩があり、それを振りかけて食べる)。

-スパゲティー (530 JPY)-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
メニューには明確に「スパゲティー」と書いてあるが、店のおばちゃんに「ナポリタン?」と聞かれる一品(オレは心の中で、「だったらナポリタンって書いとけやっ!」って10回思ったね)。 で、繰り出されるナポリタンは全然洗練されてなくて、むしろ少しぼやけた感じ。でも、そのぼやけ加減が良いです。味付けは甘めで、なんか落ち着く味(この味を狙って出してるんだとしたら凄いと思う)。具は、ベーコン、ソーセージ、大きめにカットされた玉葱、海老(二尾)。
(再掲 see http://researcher-station.blogspot.jp/2015/08/2.html)

-熱燗 (320 JPY)-
まあ、あまり旨くない酒の燗。でも、これがいい。

-中生 (サッポロ) (520 JPY)-

-ヱビス <ザ•ブラック> 小瓶 (450 JPY)-


ボクが訪問した日は、店内はほぼ全員お知り合いの常連で占められているようだった。「L」字型のカウンターがる、多分、所謂昔ながらの大衆居酒屋なんだとうと思うんだけど、特筆すべきは、カウンターの外側だけでなく内側にもを席があること(それで全25席といったところ)。
客層はタバコ飲みが大勢で、服に猛烈にタバコの臭いがつく。ホールは年配のおばちゃんとかなり年配のおばちゃんの2人。店内が騒がしいせいこともあるからか、2人とも絶対耳が遠いと思う。加えて、常連客が殆どのせいか、接客する気があまり見いだせない(話せばけっこう気さくだったりもする)。なので、注文するタイミングをはかるのが初心者には難しいと思いました。
ボク的には嫌いじゃない雰囲気なので、また行きたい店です(実際また行ったけど)。


閑話休題



ダン•アリエリー教授の「ずる―嘘とごまかしの行動経済学」のメモの続きです。

世の中には"利他性 (Altruism)"という美しい言葉があります。そう、自己の損失を顧みずに他者の利益を図るような行動をとろうという非常に美しい性質です。一見すると、利他的行動(自己犠牲)は賞賛されることはあれ、それが非難されることはない完全無欠なものという印象を与えるかもしれませんが、"ずる"の領域では勝手が違います。すなわち、利他性は"ずる"を助長する場合があるのです。

本書で例示される実験結果から、パートナーと組んで仕事をするとき、パートナーが自分のごまかしから利益を得る状況では、パートナーがあかの他人(知らない人)であっても、より不正な行動をとるようになるという結果が示されました。さらに、ごまかしが純粋に利他的な理由から行われるとき、ごまかしをする人自身が、ごまかし行為から何も得られない場合にごまかしの度合いがさらに高まったというのです。

著者らはこの結果について、人は利他的な傾向があるから、自分の不正によってチームメンバーが利益を得る状況ではごまかしを増し、ごまかしが純粋に利他的な動機から行われる場合、自分の問題行動を純粋に利他的なものとして正当化しやすくなり、自分の道徳的束縛をいっそう緩めてしまうのだろうと考えています。

ところで、ごまかしの抑制には"監視"が効果的だそうです(口を利いたことのない監視者と組んで仕事をするとき、ごまかしをすることはまずないという実験結果)。しかしながら、パートナーと交流を図る機会(社会的要素の付与)を与えられてから監視し合うような状況に置かれると、利他的なごまかしが監視効果を圧倒するのだそうです。つまり、ごまかしの社会的側面はとても強力で、監視の有益な効果を打ち消してしまうということです。

なんか、どこかの極東の先進国と言われる国の大企業にもみられる事象のように感じませんか?
会社は(多かれ少なかれ)社員を洗脳して、自社に都合の良い社会性を付与した社畜を養成するわけですが、社畜達が"会社のために"という利他性を発揮してごまかしを行うことは想像に容易いと思います(ただ、あんまり調子こいてると巨大な不正行為に発展して社会に対してバレたときにとっても大変なことになるので、まともな会社はそれなりに教育なりチェックしてるはず)。内部告発者が報われないのも納得です(だって、内部告発者は、利他性を発揮すべき対象である会社の敵だから)。
また、監査法人が粉飾決算の抑止の役に立たないのも"利益相反"というマジック•ワードで説明できます(多分)。

あとちょっと思ったんだけど、利他性と返報性のコンボを使った"ずる"のスパイラル(フィードバック)って超凄いんじゃないかと思います。古いところ(?)だと、悪代官と越後屋の「おぬしも悪よのう」っていうやつです。多分、最初の不正の規模は比較的ささやかなものかもしれませんが、"ずる"のエンハンス効果(see http://researcher-station.blogspot.jp/2016/06/how-we-lie-to-everyone-2.html)によって水戸黄門におもいっきり成敗されるくらいの大きな不正へと発展するのでしょう(カネボウの低稼働や東芝の粉飾決算不適切会計もいっしょだなんじゃないかと思います)。

世の中に完璧に高潔な人間もいないだろうから、

"ずる"はほどほどにね

ってところなんだろうなと思う二流大出のテクニシャン(研究補助員)の読書感想文でした。
(まだつづく.....)

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