とある化学の超ガテン系

実験嫌いの実験化学者が綴る企業の研究員の日常 (このブログはMac OS Xに最適化されています)




Sunday, April 16, 2017

もっとFluorination (2)

人形町でランチしたときのメモです↓

-和食•やきとり久助
久助ランチ 焼き鳥重 (920 JPY) メモ-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
ランチタイムはこれ一本。味噌汁と漬物つきです。
席に着くと焙じ茶が出されるんだけど、この焙じ茶、甘い香りがしっかり立っていて旨いです。漬物は、沢庵と胡瓜の柴漬。味噌汁にはとろろ昆布が入っていて一息つくのに良い味です。
さて、主役の鳥重ですが、一番上に振り掛けられている海苔の香りが強く、良い海苔の香りが一閃します。鳥肉は、大山鳥のもも肉らしく、鳥自体の味も掛かっているタレも硬派でシックな味わいです。
鳥肉から立ち昇る焦げた香りが質実剛健な硬派な香ばしさで堪らない。肉質はとっても柔らかく、絶妙な弾力。噛むという所作がとても楽しくなる。上品な旨味であっさりしているんだけど、根底にしっかりしたbodyを感じる。
カウンターに置いてある粉山椒を鳥に掛けて食べてみるとそれほどでもなかったけど、舌に直に載せてみるとけっこう痺れる(薬味無しで食べた方が断然旨いと思う)。
また食べに行きたい絶品鳥重。



閑話休題


こんな文献を読んでみました↓

AlkylFluor : Deoxyfluorination of Alcohols
Org. Lett., 2016, 18, 6102-6104.

Tobias Ritter教授らの報告で、また、Deoxyfluorinationのお話です。
Rittrer教授はこれまでに精力的にDeoxyfluorinationの研究を行ってきて、PhenoFluorとPhenoFluor Mixという複雑な化合物のlate-stageでのフッ素化も可能とする高選択性を誇るフッ素化剤を開発し、上市させてきました。

see
http://researcher-station.blogspot.jp/2015/05/phenofluor-1-deoxyfluorination-of.html
http://researcher-station.blogspot.jp/2015/05/phenofluor-2-late-stage.html
http://researcher-station.blogspot.jp/2015/05/phenofluor-3-is-phenofluor-practical.html

しかし、これらの試薬にも問題があって、
PhenoFluorは種々のフェノールや脂肪族アルコールのフッ素化に対して極めて有効ですが、もの凄く湿気に弱く、保管にも滅茶苦茶気を使わなければいけないとうハンドリング上の大きな欠点があります。
Deoxyfluorination using PhenoFluor

他方、PhenoFluor Mixは、大気中での安定性が高く、ハンドリングの良い試薬となっていますが、脂肪族アルコールのフッ素化には適用できません(Deoxychlorinationと競合してしまう)。
DeoxyFluorination using PhenoFluor Mix

2015年に、安い、安定、簡便をウリに脂肪族アルコールのDeoxyfluorinationができるPyFluorという、ざっくり、PhenoFluor超えを標榜し、Ritter教授をして"実用的"と言わしめる試薬が登場しましたが、使用するDBUやMTBDといったブレンステッド塩基が求核剤として働いて、特に立体障害の大きい基質や複雑な官能基を持つ基質で、収率が低下してしまいます。


で、Ritter教授がPhenoFluor、PhenoFluor Mixの問題点を克服し、PyFluorを超越するDeoxyfluorination reagentとして満を持して(?)発表したのが、AlkylFluorです。

This Work
Deoxyfluorination using AlkylFluor

AlkylFluorは、空気中で安定で、かつ水に暴露しても大丈夫な頑丈な試薬で、マルチグラム
スケールで簡単に合成できます。


値段は高いけど(TCI 8,500 JPY/ 200 mg, 28,800 JPY/ 1g; Aldrich 25,200 JPY/ 250 mg, 63,000 JPY/ 1 g)、他の市販フッ素化剤では容易に合成することのできない化合物にもアクセスできるとして、良い試薬だとRitter教授はアピールしています。

因に、基質一般性はこんな感じです↓


carbohydrateや、アミノ酸、ステロイド、医薬品などを収率良く脱酸素的フッ素化することができ、官能基許容性が高そうです。

それでは最後に、AlkylFluorとその他の市販試薬との比較(可能なもの)を列挙してみましょう↓

AlkylFluor、PyFluorともに報告されている事例が少ないので決定的なことは言えないですが、"reactivity"という観点からは今のところAlkylFluorに軍配が上がるのかなと思います。

以上、二流大出のテクニシャン(研究補助員)のフッ素化メモでした。


Labels:

0 Comments:

Post a Comment

<< Home