2020年9月22日火曜日

アミノ酸(ペプチド)の化学 (1):N-Ac-N-Alkyl-Xaa Motif

寒い時期、おかみさんが元準ミス台東(当時19歳)という入谷に海鮮丼を食べに行ったときのメモです↓

-割烹さいとう memo-


住所:台東区下谷2-9-7

-海鮮丼 (具の大盛り) (1,150 JPY)-
-RATING- ★★☆☆☆
-REVIEW-
もの凄いボリュームの海鮮度。「具の大盛り」をたのんだせいか、具材の量が半端にです。
大量に盛られた具材は、〆鯖、イクラ、鰤(or イナダ)、海老(生)、鰹のタタキ、ネギトロ(中落ち?)、数の子、帆立、つぶ貝、烏賊、サーモン、炙りサーモン、蒲鉾、玉子、身がぷりぷり(し過ぎ)の白身、ちっちゃい貝、赤身の握り、蒸し海老の握りとテンコ盛り。
コスパ的には、猛烈に腹いっぱいになるので文句無しの及第点だけど、味はそれなりで値段相応といったところ。
〆鯖と炙りサーモンは良かったけど、他は凡庸な味でした。特に炙りサーモンは、程よく脂が抜けていて、炙られて硬くなった外側と、トロトロに軟らかい内部の食感のコントラストが面白美味しいです。
以下、各具材の寸評です。
イクラ:甘みなし。
鰤:真っ白で脂ギッシュ(多分、養殖)。
海老:まずますフレッシュ。
鰹のタタキ:普通に美味しい。
ネギトロ:まずますの味。そこそこ脂リッチ。
数の子:硬めで、プチプチ感が貧弱。
帆立:気の抜けた感じの味。
つぶ貝:硬くて、味が貧相。
烏賊:普通に美味しい。
サーモン:悪くはないけど、脂が重すぎ。
身がぷりぷりの白身:キックが強すぎ(イキはいいと思う)。
赤身の握り、蒸し海老:握りにする意味が見出せない。
あと、ご飯(酢飯)は、平たい皿に盛られているためか、どんどん冷たくなっていき、それに伴って食感も悪くなっていきます。
でも、コスパはいいです、コスパは。


閑話休題


学生時代のボス(教授)は、戦後の貧しさに起因する食物への渇望から、アミノ酸関連の仕事(研究)もしていました。当時のボクの研究テーマはアミノ酸とは直接的に関係ないもので(一言で言えば皆無)、従って、アミノ酸の関してボクはスーパー初心者級なわけです(他にも色々スーパー初心者級だけど)。

ハイというわけで、アミノ酸の"脱スーパー初心者"を目指して、今日からその副反応の観点から造詣を深めていこうと思います。 

1回目のお題は、こちら↓

N-Ac-N-Alkyl-Xaa Motif

N-Ac-N-Alkyl-Xaaのシーケーンス(っても末端にある)は酸分解しやすく、アミド結合が容易に開裂してしまうようです。
Proposed mechanism of the acidolytic cleavage of N-Ac-N-Alkyl-Xaa Motif

アミノ酸と言えばペプチド。ペプチドと言えばの固相合成が連想されます。そして、固相合成において、酸を用いてペプチド鎖を樹脂から切り出しつつ、保護基を切断するっていう絶対必要な工程でこの副反応は起こり得ます。

ところで、この(副)反応の原因は、
(1) アセチル基の求核性と
(2) N-メチル(アルキル)基の存在による副反応に有利な二次構造
にあると推測されます(副反応の誘起には両者が必要となります)。

なので、
(1)に関しては、アセチル基がなかったり、より電子吸引性のカルバメート(メチルカルバメートとか)に変えてあげるか、N-Ac-N-Alkyl-Xaa→N-Ac-N-H-Xaaで副反応は抑制されます。

(2)については、N-Ac-N-Alkyl-Xaaだとcis-アミドのポピュレーションが増えるんですが、cis-アミド構造がアセチル基の求核攻撃を容易にする部分構造を形成するんだろうということです。

以上、二流大出のアミノ酸スーパー初心者級テクニシャン(研究補助員)の第一回アミノ酸メモでした。

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