みなさーん。ふるさと納税やってますかぁ?
ボクはやってます。
ふるさと納税は寄付金控除のスキームを使った地方税(と国税)の移転スキームで、マクロではクソな制度なんですが、ミクロ(個人)ではお得です。
一個人では抗いようがないので、無駄な努力や痩せ我慢は止めてこの制度にコミットするのが最適解でしょう(仕方ない)。
というわけで、直近でふるさと納税した成果がこれです↓
ふるさと納税は美味しい。これは絶対的正義です。
閑話休題
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今回はペプチド合成(SPPS)において最も厄介な副反応の一つと言われるDKP (2,5-Diketopiperazine)形成についてのメモします。
DKPはFmoc基を脱保護してフリーになったアミノ基が隣接するアミノ酸ユニットのカルボニル基を求核攻撃することで生成(副生)します。
で、DKP形成が起こりやすのはどういうときかっていうと、こんな場合です↓
a) デプシペプチドで起こりやすい。
アミドよりエステルの方が脱離基として優れているので。
b) cis-アミド構造で促進。空間的に反応点が近づくので。
具体的には、Xaa1-N-Me-Xaa2-ユニットで起き易いです。何故なら、N-Me-Xaaはcisが優勢なので。
c) 同様なロジックでN-alkyl-Xaaや、Pro (プロリン)、Hyp (ヒドロキシプロリン)、Thz (チオプロリン)といったセカンダリーアミノ酸を含む配列で起き易い。
例えば、Z-Giy-Pro-ONpはpH 8でDKP形成が進行してNα-Z-protedted DKPを与える。
d) L-アミノ酸とD-アミノ酸が交互に配列している場合。
側鎖が環平面の反対側に配置し空間的に有利。
e) C-末端ジペプチドで起こりやすい。
うーん。いろいろとDKPが副生する条件があるわけですが、これを抑制する方策は何かないのでしょうか?
ハイ、あります。こういったタクティクスが↓
A) 溶媒の選択 (溶媒効果)
双性イオンの環状中間体を安定化/不安定化させる効果が重要で、電荷や双極子、水素ドナー/アクセプターを安定化させる溶媒中では、イオン性の中間体と遷移状態とのエネルギー差が大きくなりDKP形成を遅らせる効果があるそうです。要は、極性溶媒がいいってことですかね。
B) Fmoc基の脱保護をTBAF、MeOHで行う。
C) Fmocの代わりに保護基にpNzやallocを使う。
ここで注意ポイントなんだけど、CTCレジンはpNzの脱保護条件でペプチド鎖が脱落するので使わないのが無難。
因みに、pNzの脱保護の反応機構はこちら↓
D) 嵩高い固相担体を使う。
これはC-末端ジペプチドでDKP形成が起こりやすいことに対する対策ですね。
サポートとの結合部位の近傍でDKP形成し易いので、その辺りを嵩高くすることによって立体障害により抑制する戦術です。
具体的には、立体障害の小さいHMPT (4-(Hydroxymethyl)phenylacetylamidomethyl)をスペーサに持ったレジンたや4-Hydroxymethylphenoxyスペーサーを持つWangレジンより、2-chlorotritylスペーサーを持つCTCレジンを使うのが吉。
E) DKP形成しやすいところをジペプチドをビルディングブロックとして使うことで回避。
同様にセグメントカップリングも有効。
他にもDKP形成抑制策はあると思いますが、SPPSして質量分析結果を見てDKP形成してそうだったら、上記チェック項目を検討してみましょう。
あと、DKPはペプチドの調製中だけじゃなく、保管中にも起こるので夜露死苦。
以上、二流大でのテクニシャン(研究補助員)のDKPブンブンメモでした。
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