サラリーマンの町、港区は新橋で饂飩を食べたときのメモです。
-おにやんま 新橋店 (visited May 2025)-
住所:港区新橋3-16-23
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
塩味のツユが素晴らしく美味しい。あっさりしてるけど、濃厚なコクと旨みでがに沁み
る。
うどんはやわめ(好みでない)。
天ぷらは、海老、サツマイモ、鶏の三点。衣軽やかでなかなか美味い。
の入り。ほんのり香る生姜味も良いです。鶏の唐揚げの完全上位互換と思いました。
テーブルに大量の天かすが鎮座していて、無料のたぬきうどんが楽しめるのが嬉しい。この天かすはずっと置きっぱーだと思うんだけど、サクサク感大で油の重さを全く感じない。そりゃ天ぷらが美味いわけだよ
閑話休題
古いんですが、こんな文献を読んでみました↓
Development of a nitrogen-bound hydrophobic auxiliary: application to solid/hydrophobic-tag relay synthesis of calpinactam
Chem. Sci., 2023, 14, 6882.
北里大学の砂塚先生のグループからの報告で、固相合成と液相合成を組み合わせたペプチド合成に関する論文です(昨年度から学長なんですね)。
ペプチド合成にはSPPS(固相ペプチド合成、solid-phase peptide synthesis)とか疎水性タグを利用したLPPS (液相ペプチド合成、liquid-phase peptide synthesis)とかが使われていると思うんですが、両者ともにペプチドのN末端に担体を結合させたC-to-Nの伸長が基本なので、C末端修飾に課題を残しています。
そこで著者らはC末端修飾の自由度を上げるため、N末端に担持可能な液相担体(疎水性タグ)であるTCbz-OArFを開発し、SPPSからLPPSへと担体のスイッチングを行う固相-液相リレー合成法(Solid/hydrophobic-tag relay synthesis, STRS)を採用することで、SPPS単独では合成困難であったペプチド天然物であるcalpinactamの効率的合成を達成しました。
SPPSによる合成では、固相担体からの切り出しと脱保護を行なったペプチドを逆相HPLCで精製することになるわけですが、calpinactamは逆相HPLC条件下で不安定なので上手く単離することが出来なかったそうです。
そこで著者らは、SPPSで合成した固相担体が結合した状態のペプチドフラグメント中間体のN末端にTCbz-OArFもしくはTCbz-OArFから誘導したTCbz-D-Phe-OHを作用させることで疎水性タグを導入した後、選択的に固相担体を除去し、残りの工程をLPPSに処すことでHPLC精製することなく結晶化のみの精製でcalpinactamを合成しました。
ボク的に、LPPSは工業化向け・大量合成向けの技術でSPPSと比較してスピード感に劣るため実験室向きの合成手法ではないと思っていたんですが、疎水性タグの精製への応用は研究初期段階でも価値のあるテクノロジーだなって感じました。
疎水性タグの結合したペプチドは結晶化による精製のみならず順相クロマトグラフィーによる精製も可能なので、精製方法の選択肢が増えるという面からも有用な手法ですね。
それから、本論文の冒頭でスクリュー管の中でLPPSやってる写真が載ってるんですが、スクリュー管とか試験管内で反応と”結晶化-デカンテーション”による精製を一挙に行うことができるようで、実験室レベルでのハンドリングの良さがあるんだなって思いました。多分、やろうと思えばパラレル合成にも応用できますね。
固相合成ではステップ数を重ねるにつれて反応性が低下するんですが、late-stageで疎水性タグを用いた液相合成にスイッチするのは合成化学的に理にかなってると思います。
加えて、疎水性タグ担持ペプチドと固相担体担持ペプチドのフラグメントカップリングが可能であることが示されています。これは価値が高いんじゃないでしょうか。
固相-液相リレー合成(STRS)はペプチドの合成戦略の自由度を格段に向上させる手法だなって大感心した(上から目線ですみません)、二流大出のテクニシャン(研究補助員)のペプチド合成メモでした。
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