とある化学の超ガテン系

実験嫌いの実験化学者が綴る企業の研究員の日常 (このブログはMac OS Xに最適化されています)




Wednesday, January 31, 2007

「ユニフォーメーション」か「フェア」か?

ESSENTIAL EYELAを読んでみました。

東京理科器械の読み物で、2005年秋から創刊(?)されているようで、最新版はVol.3です。

で、Vol. 3の特集記事で、分子科学研究所魚住教授のインタビュー記事を読んだのですが…..

研究内容は、ナノ触媒を用いた精密AQUEOUS REACTIONだそうです。まあ、読み物なので詳しい話は書かれていませんが、インタビューで感銘を受けた事柄が少々ありました。

それは、「平等」に関することです。

魚住先生の発言を引用
私は日本でよくいう「公平」とか「平等」という言葉はあまり好きではない。公平という言葉は日本語として非常に曖昧で、「ユニフォーメーション」と「フェア」という二つの意味がある。ユニフォーメーションというのは昼寝している人も、一生懸命働いている人も、同じ年に入社して同じキャリアなら同じ給料ですね。フェアというのはよりよくやっている人には好待遇があり、やっていない人には悪い待遇が当然。どっちをもって公平・平等と呼ぶかは非常に難しいですが、研究の世界ではやはり、あらゆる意味でフェアであるべきと思っています。だから私は、ユニフォーメーションが嫌いです。

さらに、フェアな環境を構築するためには、評価する側と評価される側の信頼関係が必要であると続きます。

言い得て妙なりと思いました。どこぞのわけの分からない人間の占いや、スピリチュアルな話なんかよりも言葉の重みが違うと思いました。やっぱり、何かを成し遂げた人間の発言には、紙面を経由してであっても、真実の重みがあると感じましたね。

フェアという考え方は、研究の世界以外のあらゆる世界において有効だと思います。

よく、「結果平等」「機会平等」の議論を耳にすることがありますが、両者とも幻想に過ぎないとコンキチは考えています。結果平等は言うに及ばず、平等な機会の供与というのも現実には全く有り得ない話ですから(例えば、我々日本人と東南アジアとかアフリカに人々との機会は果たして平等か?とか、英語圏で生活する人は、世界唯一の共用語である英語を学ぶ必要がないとか。金持ちの家に生まれた子供と貧乏人の子供の境遇とか)。

で、「フェア」という考え方は、完璧では決して有り得ないだろうけれど、セカンド・ベストくらいにはなるのではないかと思います。

「フェア」の精神。そんなものを大事にしていきたいとコンキチは思います。


あと、魚住先生の研究テーマは水中での反応ということで、GSCに通じるテーマです。企業に勤務する研究員は、反応以後の、分離・精製プロセスにおいても、AQUEOUS REACTIONのグリーン性を毀損しないようなプロセスを設計していかなければならないのだろうと強く感じました。

そういえば、何年か前にSharplessが提唱したClick Chemistryを思い出しました。水中で、マイルドかつ選択的に反応が進行し、生成物は固体で、濾過することで定量的に目的物を取得できるといったNO WASTEを謳ったコンセプトだったと思います。確か、アジドとアルキンの [3+2]付加環化反応による 1,2,3-トリアゾールの合成で達成できる反応だったような気がします。

それにつけても、注目されている気鋭の研究者は、脂ぎってるなあと感じる二流大出のなんちゃって研究員のコンキチでした。

二流大出のなんちゃって研究員の徒然なる独白でした。

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Thursday, January 25, 2007

一期一会: 知の蓄積を阻むもの

昔、エジソン(Thomas Alva Edison)がこういったらしいです↓

I have not failed. I've just found 10,000 ways that won't work.
(私は失敗したことがない。たんに、うまくいかないだろう1万の方法を見つけただけだ。)


と。

コンキチはこの言葉に強く共感します。(研究活動いおいて)強いて失敗を挙げれば、

「10 g仕込もうと思っていたところを、間違って16 g仕込んでしまった(しかも、16 gの実験は以前やったことがある。または、結果が自明である)」

みたいなことだと思います。

翻って、我々研究員(コンキチはなんちゃって研究員ですが.....)が勤務する企業(とか研究所とか大学)ではどうでしょうか?

ネガティブな発見失敗と称してはいないでしょうか?

そして、報告書とか月報とか週報とか書くときに、ネガティブな発見(=新規知見)を記載しているでしょうか?

もし、ネガティブな新たな知価を隠蔽する風土があなたの勤務する会社に根付いていたら、あなたの勤務する会社の「知」は上手く集積されていないのではないかと、コンキチは疑わざるを得ません(二流大出のなんちゃって研究員の戯言なので、あまり気にしないで下さい)。

例えば、報告書とか月報といった形式でレポートを書く場合、ベスト・プラクティスのみを綴っているようでは、後になってそのベスト・プラクティスをさらに越えようと考えたとき、本来ならば既に見出され、周知されていたはずの「封印されたネガティブな発見」へとループバックしてしまうかもしれません。

コンキチは声を大にして言いたいです。

全ての事象はケース・スタディーである!

と。

人生の一瞬一瞬が、刹那一つが新たな知見の発見であるとコンキチは強く思います。
従って、研究員は一つの試行を一期一会の精神で取り組むべきと強く思います。

以上、最近脳味噌を使う仕事を全然していない二流大出のなんちゃって研究員の独白でした。

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Tuesday, January 23, 2007

顧客サービスのプロフェッショナル

昨年暮に、「顧客サービスのプロフェッショナル」という本を読みました。


で、コンキチがちょっと面白いなあと興味を持った部分について軽くジャブ程度にREVIEWしてみたいと思います。

1) リーン生産方式
リーン(lean)とは「(企業経営などにおいて)むだのない、スリム化された」という意味で、リーン生産方式(ぜい肉のない生産方式)とは、トヨタ自動車が開発した生産方式を説明するために用いた考え方らしいです。つまるところ、JIT(Just In Time)とそれに伴うサプライチェーンの最適化とKAIZENなのだとコンキチは理解しています。

で、本報はリーン生産方式をサービス業(保険業)に応用するという事例が紹介されていました。保険の申請から保険証券発行までの一連のプロセスには、複数の工程と複数の人員(ワーキング・グループ)が関与しており、それら工程間、人員(ワーキング・グループ)間を書類(仕掛かり品)が往来するわけです。そういった一連の業務プロセスの合理化を行ったという話で、具体的な導入オペレーションは、

a) モデル・セルで実験
b) フローの連続処理(バッチの小ロット化)
c) 関連性の高い業務の隣接配置
d) 作業手順の標準化(ルーティーン業務では必須要件と思います)
e) ループバックを排除した業務フローの設計(業務フローの最適化)
f) タクトタイムの導入→人員構成の最適化
g) 負荷のバランスをとる→人材資源の有効利用
h) 難易度別に作業を分解
i) 業績を掲示(評価の透明性の確保と問題点の見える化)

という感じで、コンキチの所感としては、ほぼトヨタ生産方式(というかトヨタという企業の思想)に倣ったステップを踏んでいるなあと思い生ました。
コンキチはトヨタで働いたことは全くありませんが、トヨタの強さというのは、カンバン方式に象徴される単なる生産方式ではなく、効率的な生産方式を生み出す、つまりたゆまぬ改善活動を促す企業風土なのだと思っています。
話が横道に逸れた感がありますが、企業の根底にそういった思想がなければ、いかに優れた合理化策を実行しようとしたところで、従業員の真の協力は得られないんじゃないかなと思います。そのためには、日々、公明正大、透明公正を志向した経営が必要と思います。

2) リーン消費
効率の高い消費活動(合理的な消費)。顧客の消費活動(サービスの利用)に焦点を当てたコンセプトで、リーン生産方式(企業側の活動)を補完するものという位置づけです。顧客とプロバイダーの双方でトータルコストと無駄に浪費される時間を最小化し、互いにWin-Winの関係を構築するというものです。で、リーン消費の六原則なるものが示されています↓

i) すべての商品やサービスを十全に機能させ、しかも相互補完的に機能させることを保証することで、顧客が直面する問題を完全に解決できる。
ii) 顧客の時間を無駄にしない。
iii) 顧客が必要としているものを適切に提供する。
iv) 必要なものを必要な場所へ正しく提供する。
v) 必要なものを必要な場所へ必要な時間に正しく提供する。
vi) 顧客の時間の手間暇を軽減する解決策を蓄積していく。

これら原則を遵守することで、(顧客が煩わしさを感じている)従来のサービスと比較して、よりリーンな消費プロセスを顧客に提供することが可能となり、煩わしさが解消され、顧客のロイヤルティーが高まるというのです。

そして非リーンな活動を炙りだし、よりリーンな消費プロセスの設計に役立つツールが紹介されています。

それは、


リーン消費マップ


です。

消費プロセスに係る顧客とプロバイダーの活動を、時系列を合わせてそれぞれビジュアライズ(可視化)したフローチャートで、価値創造時間と浪費時間を定量することで、顧客とプロバイダー双方の価値創造時間と浪費時間を炙りだすことのできるツールです。浪費時間を最小化(サービズ完了までのリードタイムを最小化)する消費プロセス設計にかなり有効だと思いますね。
まあ、言葉で言ってしまえば至極当たり前のことのように聞こえますが、ビジュアライズ(可視化)って凄く重要だと思います。ビジュアライズ(可視化)の威力っていうのは、直感的に訴えてくるものがあるので、かなりのインパクトがあると思います。無駄な機会コストの存在を強く印象づけられるのではないかと思います。

3) リレーションシップ・マーケティングの誤解
リレーションシップ・マーケティングに注力している企業は、顧客情報を収集し、顧客ニーズを満たすために、考えられる限りのサービスを提供しようと懸命に努力しているにも関わらず、CSは低く、逆に顧客の不快指数がうなぎ上りだという導入部からはじまるこの論文では、企業の提供するサービスと顧客ニーズのミスマッチを延々と指摘しています。で、顧客との良好なリレーションシップを築くためには(CSを向上させるためには)、顧客行動を理解しなければならず、哲学、コミュニケーション、カウンセリング、心理学、宗教の勉強が不可欠であると説いています。

ここで、コンキチが尊敬する鈴木敏文会長が自然に思い出されました。「顧客のために」ではなく「顧客の立場で」考えることの違いと重要性をを説き(「顧客のため」というのは売り手のエゴの押しつけに過ぎない)、「もの不足の売り手市場の時代には経済学で考えればよかったが、今は心理学でとらえなければならない」「今の時代は顧客の心理を読まなくてはいけない」と宣う氏の思想をHarvard Business Review(っていうか、この論文のauthor)が代弁しているような感覚を覚えました。

それにつけても、Harvard Business Review(HBR)は本当に面白です。会社の図書室の書棚の並んでいる誰も読まない埃のかぶった本とか雑誌の代わりにHBRを置いた方がよっぽど会社の業績が上がるんじゃないかと真剣に思う二流大出のなんちゃって研究員のコンキチです。

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Tuesday, January 16, 2007

Web 2.0 in Academia

最近、酒関連の文献を趣味で読み漁って(というほどは読んでいませんが.....)いるコンキチです。

コンキチが今好んで読んでいる雑誌が、ACSが発行している、


Journal of Agricultural and Food Chemistry


です。

で、目下のところ、

Supervised Pattern Recognition Procedures for Discrimination of Whiskeys from Gas Chromatography/Mass Spectrometry Congener Analysis
J Agric. Food Chem., 2006, 54, 1982-1989.

というタイトルのウィスキーに関連する論文を(ゆっくりと)読んでいるのですが、そのイントロ中にwhiskeyという述語に関する解説があって、そのリファレンスがなんと


Wikipedia


なのです!

ちなみにこんな風に記述されていました↓

(11) http://en.wikipedia.org/wiki/Scotch_Whisky, last visited Nov. 2005.
(12) http://en.wikipedia.org/wiki/Bourbon_whiskey, last visited Nov. 2005.

む~う、Web上のオープンソースが化学界の権威にも認知されているのですね。なんか、ダイナミズムを感じます。

こんなリファレンスははじめてみたので、正直驚きました。

機会があったら、コンキチも真似してみたいと思います。
(でも、会社の上司達にそんな柔軟性があるかは疑問)

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Sunday, January 7, 2007

製品開発力と事業構想力

気が付けば、2007年になってしまいました。最近、何か一つのことを為すには、人生は短いと富に感じる、なんちゃって研究員のコンキチです。

さて、昨年の暮れに読んだ、「製品開発力と事業構想力」の中で面白い記事があったので、思うところをブログに書いてみようかと思います。
(最近、こういった経営学系の書籍が面白いと感じるようになり、ちょっとヤバいかもしれません。)

さて、本書はタイトルにある通り、イノベーションのお話で、全8章からなります。

コンテンツは↓

1) 新商品戦略:バリューチェーンの選択
→イノベーション・アプローチを
a) インテグレーター型:各ステップを自前で管理
b) オーケストレーター型:コラボレーション
c) ライセンサー型:ライセンスの売却・供与
と分類し、事業モデルとの相性について言及しています。研究開発が幅をきかせている企業の場合、自前主義(=nealy インテグレーター型)に偏りがちな気がしますが、スピードが要求される市場では、オーケストレーター型やライセンサー型のアプローチが重要になってくることを、事例を交えて詳述しています。読んでいて、P&GのC&Dやイノベーション・エコシステムとオーバーラップする印象を受けました。
で、さらにコンキチが思ったのは、「ライセンスの購入・許諾」という戦略ってもっと真剣に考えてもいいんじゃないかなあ?ということです。例えば、ダイソーRhodia社からの技術供与で、最も理想的な不斉合成技術の一つであると言われるHKR(Hydrolytic Kinetic Resokution)を企業化しています↓
http://www.daiso-co.com/rd/rd02.html
まあ、色々な条件面での折り合いというのがあるのだろうとは思いますが、ライセンスの売買ってもっと活発にあってもいいなと思ったなんちゃって研究員でした。

2) イノベーションの潜在価値を評価する法
→読んでいて、以前読んだ「ブルー・オーシャン戦略」に似ているなあと思っていたら、著者が同じでした(紹介されている事例も重複していますね)。この論文でも、「ブルー・オーシャン戦略」同様に、製品やサービスを構成するファクターに対する選択と集中、削減と増設をメリハリを効かせ他社との真の差別化を図り、かつ顧客とWin-Winの関係を築くことを重要視しています。
また、「代替産業に対する視点」や、「顧客セグメントのターゲッティッング」を再考することの重要性も説いていますね。競合するのは同業他社だけでなく、同質のヴァリューを提供する会社もそうであるということを認識し、既存顧客以外の層に焦点を当てることで新市場を見出すチャンスが広がるのです(多分)。
本書では、新技術や新サーヴィスの有意性を検証するのに、「消費サイクルにおける体験段階」と「ユーティリティ・レバー」からなるマトリックスを使っていますが、ブルー・オーシャン戦略で紹介されている「価値曲線(というマーケティングの力価をプロットした図)」の方が分かり易いかなと思いました。

3) イノベーション・ファクトリー: 知を創発する組織への転換
→ナレッジ・ブローカーの重要性を説いています。
(1) 優れたアイデアを捕まえる
(2) アイデアを死蔵しないで活用する。
(3) 古いアイデアの新しい使い方を考えだす。
(4) 有望なコンセプトをテストする。
というサイクルが重要なのだそうです。
特に印象深かったのは、
希代の天才が、「何もないところからアイデアを生み出す」というイメージはロマンがあって魅力的であるが、危険なフィクションである。イノベーションや創造性というものは、そのイメージほどミステリアスなものはない。すでに開発されたアイデアを取り入れ、それを新しい状況に適用しているにすぎない。
という一節で、言い得て妙なりと思いました。
特に、セクショナリズムが台頭している組織では、「知の共有」が妨げられるでしょうし、研究員が見出した何らかの知価を適切に蓄積・管理されていなければ知価の死蔵に歯止めはかからないでしょう。はっきり言ってコンキチの勤務する会社では、研究成果の共有っていうのがうまくいっておらず、昔やったことを、それに気付かずに同じことをやってしまうという現象がけっこう見受けられますね(まあ、分析技術の進歩とかもあるので、またそこから新たな知見が得られるかもしれませんが、過去のデータに気付いてないのはお粗末です)。あと、戦略的ジョブ・ローテーションっていうのはナレッジ・ブローカーを増やす意味で有効なのかなと思いました(あくまで戦略的というのが重要だと思いますね)。そうすれば、適切なジョブ・ミックスを持つ人材を造り出すことができるのではないかと思います。ただ、ナレッジ・ブローカーが動きやすいシステムをつくらなければならないでしょうが。

4) オープン・マーケット・イノベーション
→イノベーションやアイデアの貿易の効用を説いています。NIH(not-invented-here)症候群に対するアンチテーゼですね。C&Dや「新商品戦略:バリューチェーンの選択」とオーバーラップするところがあると思います。オープン・マーケット・イノベーションの適否を
(1) イノベーションの頻度(多ければ適す)
(2) イノベーションの経済効果(大きいと適さない)
(3) 蓄積的イノベーションの必要性(大きければ適する)
(4) 社内、業界内でのイノベーションの応用性(広ければ適する)
(5) 市場の不安定性(大きければ適する)
と解説しています。
ライセンス戦略というか、コラボレーションに係る技術情報の流出がどれほどあるかということを計量することってやった方がいいなと思いました。

5) 埋もれた技術の市場化戦略
→「イノベーションは企業秘密」という観念の否定。イノベーション・エージェント(イノベーションのヘッドハンター)の登場を謳っています。で、イノベーションの仲介者たるエージェントは、その機密保持能力こそが商売の源泉であるから企業秘密は担保されるのです。
こういう戦略は、やっぱり、競争や技術の陳腐化が早い業界で有効そうですよね。コンキチが身を置く化学業界って、どうなんでしょう?メチャメチャ技術革新が早いっていう訳ではないと思いますね(なんとなく)。新製品の開発っていっても、基本的に既存の(合成)技術の組み合わせになるわけだし。噂に聞いたことがあるCorey研のようなデータベースを作った方がいいんじゃないかと思いますね。

6) R&Dを顧客に転嫁する事業モデル
→この論文では、IFF(というデカイ世界的な香料会社)に合併されたBBAという会社の事例が紹介されていて、非常に興味を覚えました(一応コンキチは香料会社に勤務しているので)。で、この事例では、
a) 製品設計段階において満足いく製品(香料) を開発するにあたって、顧客企業とのやりとり(意思疎通=サンプルの微調整)が超煩雑になり、製品の開発速度が遅く、かつ製品開発リスクを全て担保しなければならない。
b) 上記課題を解決するために、製品開発(香料の開発)の一部を顧客に担ってもらう=Customers as Innovators
c) 香料の膨大なデータベースをインターネット上で顧客が利用することにより、ある程度の製品設計を顧客自身にやってもらう。サンンプルは顧客企業内に設置したFA機器(自動調合機)によって数分で作成される。微調整も迅速にできる。
d) フィードバックが、かなりの程度、顧客企業内で循環できるようになる。
e) 製品開発のスピードアップ、コスト削減、顧客を囲い込める(?)

この論文を読んで、純粋に感嘆しましたね。こういった発想の転換的アプローチって個人的にとても好感がもてます。でも、いろんな意味で勇気がいりそうな気がします。

7) 破壊的イノベーションを事業化させる法
→破壊的イノベーションをに取り組む際の企業の姿勢を説いています。

8) 成功の悪魔
→イノベーションのライフサイクル・モデルを提示し、ライフサイクルにおける各ステージ毎に、企業のとるべき戦略が提示されています。で、イノベーション・ライフサイクルにおける各ステージを時系列を追って↓のようにカテゴライズしています。
(1) 初期市場: 破壊的イノベーションが重要(っていうか新しいイノベーションの導入時期です)
(2) キャズム(谷間): 新技術がどっちつかずの状態に陥る
(3) ボウリング・レーン: ニッチ市場が新技術を採用。アプリケーション・イノベーション(既存技術を新規市場に導入して、新たな用途に対応する)が重要
(4) トルネード: 技術の有用性が実証される。製品イノベーション(既存市場で定番となった製品やサービスを次のレベルに引き上げる)が重要
(5) メインストリート(初期): ブームの鎮静化。市場は順調に成長し続ける。プロセス・イノベーションが重要
(6) メインストリート(成熟期): 市場成長が頭打ち。コモディティ化が進行。経験のイノベーション(顧客経験を改善する表面的改良)、マーケティング・イノベーション(顧客と接触するプロセスを改善)が大事。
(7) メインストリート(衰退期): 市場の動きが止まり始め、顧客は代用品を積極的に探し始める。ビジネスモデル・イノベーション(バリュー・プロポジション、バリューチェーンの再構成)、構造のイノベーション(業界内の関係性を再構築)が大事
(8) 断層および終末: 技術の陳腐化。次世代のトルネードの萌芽。

まあ、興味があったら本書を読んでみて下さい。

全体的に、以前読んだ「「ものづくり」の戦略モデル」や「ブルー・オーシャン戦略」とオーバーラップする部分が多くみられましたが、一研究員として興味深く読むことができました。

イノベーションというと、青色LEDであったり、ノーベル賞級の合成技術の開発であったり、アスパルテームみたいなメガヒット商品といった新規技術にばかり目がいきがちだと思うのですが、既存技術の他市場(他分野)への応用という戦略も立派なイノベーションだと思うわけです。

とりあえず、年頭に独りよがりの独白ができてちょっとすっきりしました。

今年は、「人生を謳歌する」ために自分の時間を有効活用していこうと思う二流大卒のなんちゃって研究員です。




Time is Cash


なのです。


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