2008年8月23日土曜日

工学部の憂鬱

コンキチは、たまに城戸先生のブログをウォッチングしています。で、こんなエントリーがありました↓



必読、日経ビジネス!
http://junjikido.cocolog-nifty.com/blog/2008/08/post_8e7b.html



2008.8.18号の日経ビジネスの「さらば工学部」という特集記事の中で、城戸教授がとりあげらているのですが、その補足エントリーです。


アグレッシブでインパクト大のタイトルに釣られて早速購入してしまいました。一応、工学部(応用化学科)卒なので。

記事では、工学部の志願者数が年々減少していて、その凋落ぶりがみるに耐えないということを嘆きつつも、工学系人材育成にかける大学、企業、自治体の取り組みが紹介されています。中でもコンキチが秀逸と感じた記事は、城戸教授の山形大学の話と、宮城県の企業誘致の話かなと思います。


a) 城戸教授の記事
有機ELで有名な城戸先生のトピックスです。5年くらい前に、大学の先生にしては珍しく「有機ELのすべて」という廉価な本を出した人がいるなと思ったのが城戸先生に対する興味の発端。この本ね↓


帯には城戸先生の顔写真が乗っていたのですが、とっても濃いお顔で、将来ますます活躍しそうな顔だなあと思ったことを記憶しています(失礼なこと言ってスミマセン)。

余談ですが、濃い顔って一流科学者の必須要件とコンキチは勝手に考えています(完璧にコンキチの思い込みですが)。濃い顔の著名科学者の例としては、E. J. Corey (くいだおれ人形にそっくり)、向山光昭、野依良治 (最近は脂が抜けきった顔していて、悲しくなります)、D. W. C. MacMillan (写真はそうでもないが、実物はそこそこ濃いと思う)とか。あと経済学者のケインズも顔濃いよね。

で、当時(5年前ね)山大出身の後輩が会同じ事業所にいたので、「城戸教授ってどんな先生?」って聞いてみたら、「くせがあって評判がよくない」と言っていたように記憶しています。ただ、件の山大出身の後輩(2浪)って、ホントにお前院卒なのかよと言いたくなるほどつかえない人材で、悪い評判というのも楽したい学生にとっての評判じゃないの?とコンキチは考えています。

城戸研ではBASF(The Chemical Companyね)の中央研究所(本国)にも人材を輩出しているという実績があるし、城戸研のWeb Siteに書いてある教育論って至極真っ当なことだと思うし、ブログも面白い。コンキチは城戸研って、地方大学にしては珍しくエクセレントな研究室だと思うな。残念ながらコンキチは有機ELにあまり興味がなくて、城戸先生がどういう研究してるのかよく分かりません(ちなみに上述の著作も読んでない)。軽く、ACSのWeb Siteでサーチしてみたら、こんな感じの業績があるようです↓
http://pubs.acs.org/wls/journals/query/subscriberResults.html?line1=junji+kido&op=searchJournals&yearrange4=true&field1=au%2Caul&Submit=Search

時間がとれたら、ちょっと目を通してみようかな。

ところで、日経ビジネスの記事読んで知ったのですが、やっぱり城戸先生って他大からのスカウトがあったのですね。


あと、山形大の副学長が、「地方の国立大学は『選択と集中』で明確な強みを出すことが重要だ。そのためには城戸教授のようなスターを育てる必要がある」と語っていますが、コンキチもまさにその通りと思います。トレードオフこそが戦略なのだから。城戸先生のブログを読むと、米沢の有機ELプロジェクトもいろいろと紆余曲折 があるようですが、今後の展開に注目していきたいです。



b) 宮城の村井知事の話
2005年に就任した村井知事は、2007年に東京エレクトロンの新工場誘致の契約を皮切りに、立て続けに大型工場誘致を決めてきたといいます。その決め手は人材育成。民間の専門家を講師に迎えた講座を県下8大学に院生向けに開講したといいます。

また、村井知事「県内の理工系大学の卒業生の7割が県外に就職するような状況を変えたい。地方で大切に育てた技術者が地元で働く。それなくして、宮城経済の長期的な成長はない」と主張しているようっです。コンキチも他人事ながら、全くその通りと感じますね。宮城には旧帝大の1角をなす東北随一の大学である東北大学があります。東北大学を中心に教育に重点をおいた政策をとる。そして、県下の大学から輩出された人材の吸収先を県内につくる。誘致する産業も堅固なクラスターを形成するような感じで選択する。こんな感じで宮城が経済的反映を謳歌するというスキームは、可能性が十分あると思います。

でも、宮城って東北大以外の大学って、大学の競争力があるのかはなはだ疑問です(少なくとも15年くらい前は、東北大しか魅力的な大学はなかったと思う)。ちなみにコンキチは東北大は受かる気しなかったので、首都圏の国立大を受験した。当時としては、理工系志望で東北大入るのが難しい人は、他県の大学を目指す事になるんだけど、理系国立大として魅力的な学校は東北地方にはなかったように記憶してます。

なにはともあれ、宮城は東北地方の盟主として、教育に重きを置き、産業の育成に努めて欲しいと思います。ちなみに、殆どのFeliCaカードつくってるのって宮城の豊里事業所なんだよね。
see http://bizmakoto.jp/makoto/articles/0804/23/news093.html


あと、最近の工場誘致案件はこちら↓

社名/ 稼働時期 / 投資額 / 内容
パナソニックEVエナジー / 2009 / 300億円 / ハイブリット車向け電池
東京エレクトロン / 2010 / 300億円 / 半導体製造装置
セントラル自動車 / 2010 / 490億円 / 小型車
東北リコー / 2010 / 200億円 / トナー
トヨタ自動車東北 / 2010 / 500億円 / エンジン


もはやコンキチは宮城を捨てた人間ですが、トップ•マネジメント次第でこうもサクサク事が動くのかと感心するばかりです。



さて、日経ビジネスの工学部特集では、工学部の凋落がこれでもかというほどにピックアップされていますが、それは本当か?とちょっとだけ思います。

私大では定員割れで工学部が廃部に追い込まれるところもあるとか書いてありますが、これって工学部に限ったことではないのでは?と思います。そもそも、ブランドの低い私大はどこもダメじゃないの?そもそも、そういう大学は大学としての存在価値を失っていると思う。例えば、九州共立大の「数学の試験で0点の人に限り不合格としよう」という話はいかがなものかと思います。
see http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20080820/168389/


そえから、この特集に表紙ページに、「今やすっかり不人気学部」と題したグラフがあるけど、医学部以外は志願者は皆激減してるし、もともと工学部って人気がないようにも見える(ちなみに、コンキチは工学部卒だけど、理学部が第1志望だった)。あと、このグラフは1989年を100としてインデックス化しているようだけど、インデックスを作成する時って、基準年の選択が重要と思います。なので、1989年以前にデータもみたいよね。あと、絶対数も。

工学がとっても繁栄しているとは言わないけど、楽観的ニュースよりも悲観的なニュースの方が大衆に好まれるというバイアスも考慮してこの記事を読むべきいかなと思います。



以上、某二流国立大出で理系の文系と揶揄さっれる化学専攻ののなんちゃって研究員の独りよがりな独白でした。

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