とある化学の超ガテン系

実験嫌いの実験化学者が綴る企業の研究員の日常 (このブログはMac OS Xに最適化されています)




Sunday, August 25, 2013

トリフェニルホスフィンオキシドを減らせ

鰻はあんまり好きじゃなくて、穴子派のコンキチです。より具体的には、鰻は刺身が好き。蒲焼き白焼きは嫌い。穴子は白焼き派です。で先日、旬の穴子を食ったときのメモです↓


-日本橋 玉ゐ 室町店 memo-

-30食限定ランチ (1,000 JPY)-
-RATING (Conger)- 
-RATING (Sashimi)- 
-REVIEW-
煮穴子のお重、刺身(赤身、帆立)、お新香(玉ねぎ、ピリ辛の胡瓜の漬物)、味噌汁のセットで、大盛り無料。
煮穴子は2切れ。薬味は柚子、山葵、胡麻、葱がついてくる。白焼き派のコンキチとしては、「こんなもんなのかな」という感想。タレは旨いが、感動はなし。プラス200円で出汁をオーダーできる。で、最後、出汁をかけてお茶漬けにするんだけど、それがとても旨い。但し、出汁とタレのシナジーは全く感じられず、むしろ、出汁の旨さがタレで消されていると思った。
刺身は赤身(小3切れ)、帆立(3切れ)。赤身はブロック的な切り身で、味もそんなに良くなく、歯切れも良くないし(少しスジが入ってる)、形が悪いので醤油ののりも悪い。帆立は鮮度が良さそうでぷりっぷりっなんだけど、実はコンキチは帆立の刺身自体にありま興味が無かったりするのでどう評価していいかよくわからない。

-出汁 (200 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
鉄瓶で提供される穴子の出汁。上品で滋味豊な味でとっても美味しい。上層と下層で濃淡があり、上層は薄く、下層は濃い(抽出時間と抽出対象物からの距離に依存するのでしょう)。特に、後半の濃厚スープは絶品。是非注文した方がいいと思う一品。

-あなご酒 (1,000 JPY)-
-RATING (Sake)- ★★☆☆☆
-RATING (Conger)- ★★★★★
-REVIEW-
燗酒は菊正宗生酛。あなご酒は酸味が際立つが、香り立ちも殆どなく凡庸な味。あなご酒自体は凡庸だが、中に入っている焼いた穴子の身はとっても美味しい。

穴子の刺身を期待して行ったんですが、残念ながらメニューにありませんでした。穴子専門店なので、次回は白焼きと天ぷらを試してみたいなと思いました。


閑話休題


「気ままに有機化学」さんで紹介された論文
(http://chemistry4410.seesaa.net/article/367513628.html)を読んでみました↓


Development of a Scalable Synthesis of Oxadiazole Based S1P1 Receptor Agonist
Org. Process Res. Dev., 2013, 17, 666-671.

プロセス化学の文献です。で、個人的に興味を持ったの二点。光延反応後のPh3P=Oの除去法と、中性条件下でのエステルの加水分解です。


光延反応後にクロマトを回避したトリフェニルホスフィンオキシド(TPPO)の除去は、ポリマー担持トリフェニルホスフィンや水溶性トリフェニルホスフィン誘導体を使用することでも達成されますが、コストや入手容易性に問題があります。そこで、著者らが見出したコストイフェクティブな方法は、トリフェニルホスフィンオキシドと塩化マグネシウムとの難溶性の錯体を形成させ、ろ別して取り除くという方法です(WO1998007724)。

Solvent Dependence of TPPO Removal Efficiency
CH2Cl2
THF
PhMe
TPPO removed (%)
45
80
>95
Complex Solubility (mg/mL)
57
5.2
2.1

ちなみに、著者らの方法では、溶媒のトルエンを使い、MgCl2処理した後にヘプタンを加え、過剰のMgCl2、TPPO-MgCl2錯体、還元されたDEADをろ別して(次の反応に問題ないくらい)取り除いています。


あと、上記Schemeの最後のtert-ブチルエステルの加水分解ですが、普通に酸性条件下で加水分解を試みると、ピリジンユニットに結合しているiso-プロピル基も幾分外れてしまうそうです。この副反応を回避する加水分解条件が、TMSOTf-Et3N(Synthesis, 1980, 545.)を使った中性条件下での加水分解で、一旦シリルエステルをつくって加水分解します。


ところで、トリフェニルホスフィンオキシドの除去っていえば、他にもこんな方法があることを思い出しました。

光延じゃなくてWittig反応でなんですが、こんなのがあります↓

Tetrahedron Asymmetry, 2011, 22, 323-328.

著者らは、50%程度のDMF水溶液に対するTPPOの溶解度が大きいことを見出し、反応後50% DMF水溶液とヘプタンで液-液抽出することで、カラム精製することなしにTPPOを除去することに成功しています。

あと、個人的にやったTPPO除去法なんですが、抽出溶媒にトルエン-ヘキサン、洗浄液に60%程度のメタノール水溶液を使ってTPPOを取り除いたことがあります。

--------------------------------------------------------------------------

難溶性TPPO-MgCl2錯体の形成と中性条件下でのエステル加水分解は覚えておいて損はないかなと思った、二流大出のテクニシャン(研究補助員)でした。





Labels:

0 Comments:

Post a Comment

<< Home