とある化学の超ガテン系

実験嫌いの実験化学者が綴る企業の研究員の日常 (このブログはMac OS Xに最適化されています)




Wednesday, August 28, 2013

Direct Amidationを遂行せよ

春に食べたラーメン(コンキチの愛読書「ラーメン発見伝」に原作協力している石神秀幸とラーメン花月嵐がコラボレーションしてできた期間限定ラーメン)のメモです(http://www.k2-museum.jp/limited/104_tenshou_01.html)↓

-牛肉麺 天晶 (780 JPY) memo-
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
麺は平打ちの軽くちぢれ麺。きしめん様。率直に言って、特筆すべきデリシャスな点はあまりない。スープは辛•酸•甘が各々穏やかにバランスしていて悪くない。そしてパクチーと良くあう。具は、パクチー、糸唐辛子、牛肉、ネギ。このラーメンは麺を旨く食べるためのラーメンじゃなくて、牛肉を旨く食べるためのラーメンためのラーメンと思いました。牛肉、麺、スープ、パクチーを一緒に食べるとなかなか旨い(但し、感動的というレベルでは全くない)。良く出来たチェーン店ラーメン。


閑話休題


こんな文献を読んでみました↓

Direct Synthesis of Amides from Carboxylic Acids and Amines Using B(OCH2CF3)3
J. Org. Chem., 2013, 78, 4512-4523.

Direct Amidationのお話です。

カルボン酸とアミドの脱水縮合によりアミドを作るという反応は、最も古典的な反応の一つで、今日までに様々な縮合剤などが開発されてきましたが、真にGreen Sustainable Chemistryを志向した実用的なDirect Amidationは殆どないと思います(要は、原子効率が低い)。

最近、幾つかの実用的なDirect Amidationが報告されていますが、基質一般性に問題があるようです(例えば、Direct thermal amide formation→Chem. Commun., 2012, 48, 666-668.; Radiofrequency heating under neat conditions→Org. Biomol. Chem., 2013, DOI:10.1039/C2OB26930A)。

また、金属が触媒するアミド化も報告されていますが、これらの反応は禁水条件が必要で(一応、著者らはその点が問題と考えていま)す(Ti(OiPr)4Synlett, 2012, 23, 2201-2204.; Cp2ZrCl2Chem. Commun., 2012, 48, 666-668.; ZrCl4Chem. Eur. J., 2012, 18, 3822-3826.)。


著者らが注目しているDirect Amidationは、ボロンが触媒するアミド化ですが、この種の反応は、副生する水の除去と、比較的希釈条件下での反応、しばしば化学両論量のボロン試薬が必要になる、無水条件が必要になる、過剰の酸またはアミンが必要になる、比較的活性化された基質に限られるといった問題が指摘されています。

で、著者らの最近の報告なんですが、こんな反応を報告しています↓

Org. Biomol. Chem., 2011, 9, 1320-1323.

シンプルなホウ酸エステルがDirect Amidationやアミド交換反応に有効だっていう報告です。(この論文は読んでないけど)B(OMe)3も幾つかのケースで有効なんだそうで、興味をそそられます。

B(OCH2CF3)3を使った触媒的Direct Amidationは↓

(1) より活性が高く
(2) より多くの基質に対して有効で
(3) シンプルな操作手順
(4) オープンエアでもオッケー
(5) 等モルの酸とアミンの使用でオッケー

という好ましい特徴があります。

ということで、本報では、

(i) B(OCH2CF3)3の大量合成法
(ii) アミド化の広範な基質一般性(68 examples)
(iii) DMFとのアミド交換反応を介したアミンのホルミル化
(iv) 固相精製法

について報告しています。

まず、B(OCH2CF3)3の調製法についてですが、最初の合成法はこんな感じ↓


収率はなかなかの高収率ですが、著者らは極低温条件とBBr3が高いことを改善すべき点と考え次のような反応を探して(Monatsh. Chem., 1969, 100, 1489-1493.)、マルチグラムスケールで調製可能であることを示しました(HBrがモリモリ発生するのは気分悪いけど、ホントにcryogenicな条件が必要なのかは疑問)。


このプロセスのウリは、CF3CH2OHがリサイクル可能で、B2O3がBBr3よりも安くて湿気に敏感じゃないことです。でも、スケールアップすると収率が低下していくっていうのはかなり頂けないと思います(しかも、通常蒸留による精製は量が増えるほどホールドアップとか大気ロスが減るので収率が上がる)。

基質一般性の検討はかなりの数が検討されています。


スタンダードな条件は、カルボン酸とアミンのモル比は1:1, B(OCH2CF3)3 (2 eq.), CH3CN, 80℃。solid phase workupでクロマトなしで簡便かつ迅速な後処理-精製も可能です(aqueous workup (acid and base washesも可)。

solid phase workupは、反応液をCH2Cl2、AcOEt、水で薄めてAnberlyst A-26(OH), Amberlyst 15, Amberlite IRA743 (ボロンスカベンジャー)をボディフィードして30分撹拌したあと、MgSO4乾燥して、樹脂とMgSO4をまとめてろ過して終了。このオプションのメリットはデマジでデカイと思います。


あと、嵩高い基質や反応性の低い安息香酸誘導体との反応において、スタンダード•コンディションでは収率が上がりませんが、より激しい条件で収率が改善します

それから、とりあえずかなりイマイチな結果に終わったものをメモしてみます↓



ちなみに、B(OCH2CF3)3は室温、不活性雰囲気下で少なくとも4ケ月はもつそうです。


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