とある化学の超ガテン系

実験嫌いの実験化学者が綴る企業の研究員の日常 (このブログはMac OS Xに最適化されています)




Monday, September 30, 2013

Diaziridinone : Old and New Reagent

今年、夏に入る前に行ったお蕎麦屋さんのメモです↓

-銀杏 memo-
コンクリートの打ちっぱなしに竹をあしらった店内。箸と箸置きも竹製。机(テーブル)、椅子、店員は黒で統一されていてシック。ギャラリーフェイクのワンシーンを想起させるほどのセンスの高さを感じる。入店して席に通されると、蕎麦茶が提供される。蕎麦湯は凄くドロドロしていて、ボクの好みではない。ビールの品揃えは、生ビールはアサヒ熟撰(682 JPY)、瓶ビールはスーパードライ(682 JPY)とpoorだが、日本酒のラインナップはなかなかのもの。メニュー紹介のオリジナルのイラストがハイセンスで楽しい。お通しは、日によってか、時間によってか分からないが、出る時と出ない時がある。

-お通し (315 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
海老、(多分)菜の花、湯葉から構築されるお通し。海老がプリップリで旨味深い。(多分)菜の花がとってもjuicy。生湯葉に柚子風味のゆるくとろみのついたジュレ様ソースが良く合う。(多分)わらびの濃い味付けとコリコリした食感が良いアクセントとなっている。


-せいろそば (787 JPY) + 大盛り (210 JPY)-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
噛みしめると胡桃を想起させる香味がふわりと漂う。エッジの立った中くらいの太さの麺。ツユは鰹節の良い香りのする辛めの味で、蕎麦との相性もなかなか良い。それと、切りムラが少し気になる。
蕎麦をたのむと、デザートがついてくる。今回は蕎麦善哉。蕎麦の香りが漂うような気がするシックな香りで、揚げたての(多分)蕎麦の実が香ばしく、歯ごたえが楽しい。

-金澤屋 特別純米 (787 JPY)-
-DATA-
原料米(Rice variety used)/ 美山錦
精米歩合(Rice polishing ratio)/ 50%
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
優しくふんわりとしたfruity, milkyな味わいが広がる。finishに力強い苦み(これがまたたまらない)。凄く淡麗辛口なサケ。香り立ちは殆どないが、上品な酒質。雪冷えで賞味。

-浅蜊そば (1,417 JPY)-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
まず柚子の香りがふわーっと立ち上がる(柚子の皮が一番上に鎮座している)。たっぷりの浅蜊はとても肉厚でてってもjuicy。ただ少し砂が入っていた。蕎麦はまずます。ツユは、浅蜊の味を活かすためだろうと思うけど、上品だが、かなり控えめな味付けで色味が殆どない。でも、物足りない感じではない。
このとき付いてきたデザートの善哉は、小豆の粒がほぼ残っているタイプの大人な感じだった。

-磯自慢 しぼりたて本醸造 (787 JPY)-
-DATA-

原料米(Rice variety used)/ キヨ錦
精米歩合(Rice polishing ratio)/ 65%

-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
清廉で心地よい仄かな吟醸香。とても柔らかく、口腔内に広がる優しい感触が良い。心地よい酸味と桃の甘みが広がり、うっとりしてしまうほど旨い。雪冷えで賞味。


閑話休題


ジアジリジノン試薬のメモです↓

今年、ジアジリジノンを使った反応が二報報告されています。一つはアルコールの酸化。もう一つはアニリン誘導体の酸化的ホモカップリングに関する報告です。

これまで著者らはジアジリジノンをビルディング•ブロックに利用した研究を実施していて(2007-2011)、その過程でジアジリジノンの特性を理解し、"試薬"としての有用性に気付いたんだろうと思います。

で、1報目↓

Highly Efficient Cu(I)-Catalyzed Oxidation of Alcohols to Ketones and Aldehydes with Diaziridinone
Org. Lett., 2013, 15, 992-995.

di-tert-butyldiaziridiononeの酸化剤としての応用です。

63-99% Yield (44 examples)

2級アルコール→ケトンへの酸化は、反応温度: rt.で、 73-99% Yield (28 examples)。
1級アルコール→アルデヒドへの酸化は、反応温度60℃で、63-96% Yield (16 examples)。

ラセミ化もへっちゃららしいです↓

で、著者らが提案する推定反応機構はこちら↓


この反応(試薬)のアピールポイントは、新規酸化法であり、官能基許容生が高いこと、それから、中性かつマイルドな反応条件に加えて、空気や湿気に過敏になる必要はないということです。

ちなみに、この試薬の(多分)初出は1969年のJOCっぽいです。で、けっこう簡単に合成できます↓

ref. J. Org. Chem., 1969, 34, 2254-2262.; Org. Synth., 2009, 86, 315-324.


それから2報目↓

Facile Cu(I)-Catalyzed Oxidative Coupling of Anilines to Azo Compounds and Hydrazines with Diaziridinone under Mild Conditions
Org. Lett., 2013, 15, 1942-1945.


アニリンの酸化的ホモカップリング反応です。ジアジリジノンの反応開拓の一環の研究の中で見出したそうです。


ジアジリジノンとCuBrの両方がないと、反応は全く進行しません。

それから基質に脂肪族アルコールユニットを含む化合物だとこんなこともできます↓

そして、推定反応機構↓

以上です。

1級アルコール酸化反応は結構限られているので、1報目の酸化剤としての利用法は価値が高いと思った二流大出のテクニシャン(研究補助員)でした。




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