とある化学の超ガテン系

実験嫌いの実験化学者が綴る企業の研究員の日常 (このブログはMac OS Xに最適化されています)




Sunday, July 29, 2018

流行ってるぜ〜、パラダサイクル (4):ULTIMATEなのか? G4 Precatalyst

入谷の古民家カフェでランチしたときのメモです(古民家リノベーションの飲食店って流行ってるよね)。

-iriya plus cafe-

-コーヒー | Coffee (450 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
Hot Coffeeをセレクト。東ティモール産のオーガニック、フェアトレード、プレミアムグレードのコーヒー豆で淹れたコーヒー。
とっても上品に淹れてあると思う。糖蜜を想起させる香り、樹液を想わせる酸味。マイルドなchemical flavor、心地よいroast感。全体的にシックな口当たり。気に入りました。
パンケーキや食事と一緒に注文するとドリンクセットになって「-50円」。

-エッグルスコ (数量限定) | Egg Rothko (1,180 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
自家製天然酵母のブリオッシュパンに卵を落とし、3種類のとろけるチーズをたっぷりのせてこんがり焼き上げた一品。ピクルス、サラダ付き。
滅茶苦茶旨い!!!パンをナイフで割くと、卵の黄身がトロッと流れてくる。これをとろけるチーズがふんだんに載せられたパンで掬って口の中に放り込むと、旨さがスパークする。パン自体がとっても美味しい。もっちりした食感で、外縁のミミはカリッとしていて凄く香ばしい。トマトのソースをGood Taste!
あと、酸味の効いた自家製ピクルスが美味。

-ミニボトルワイン (白 250 ml) | Mini Bottle of Wine (White) (800 JPY)-
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
シャルドネの品種モノワイン("Just CHARDONNAY by Paul Sapin"って書いてあった)。南仏ラングドックルーション地方のシャルドネ種を100%使用。
香りがとても良いです。拡散性のマスカット様の甘い香りが鮮烈。酸味が効いていてすっきりした味。普通に美味しい。

古民家をリノベーションした店内はとてもオシャレで居心地がいいです。店の正面の古民家調の窓(扉)に嵌められているガラスは大きく、店内からの見晴らしが気持ちいいです。近所にあったら、毎日通いたいお店と思いました。


閑話休題


今回は、Buchwald's latest palladacycle precatalystであり、Pd G3を超えさらなる高みを目指したPd G4についてメモするこにしましょう。

ということでこの論文のメモです↓

N-Substituted 2-Aminobiphenylpalladium Methanesulfonate Precatalysts and Their Use in C-C and C-N Cross Couplings
J. Org. Chem., 2014, 79, 4161-4166.

Pd G3 precatalystの活性化モードは、脱プロトン化を経てPd-amido錯体の還元的脱離によって、活性種であるLPd(0)、カルバゾール、メタンスルホン酸塩を与えます。


Pd G3 precatalystは非常にパワフルな触媒前駆体ですが、Buchwald教授は次の欠点を指摘しています。

(1) 活性化過程で生じるカルバゾールが原料(Ar-X)と反応してしまう(原料を無駄に消費してしまう。後処理/精製を複雑化させる可能性。)。

(2) 潜在的健康リスクのあるNH2-アミノビフェニルのトレース量の医薬品への残留が懸念される。

こうした欠点を克服するためにはN-アルキル化N-アリール化すればいんじゃね?

っていうことで、Pd G3のN-置換体を合成してその活性を確認するのが本報のお題です。

早速ですが、合成法はこんな感じ↓


palladium dimerの合成は30 mmolスケールでの実績ありです。
そして、問題のLigandを組み込んだprecatalystですが、tBuBrettPhos, RockPhos, AdBrettPhosを組み込むことは出来ず、Pd G3と比較して嵩高い配位子の導入は困難となっています(Pd G2よりはいけてる)。

そしてさらに問題のNew Precatalystsの活性を鈴木-宮浦カップリングとBuchwald-Hartwigクロスカップリングで確認したのかこちら↓

Suzuki-Miyaura Coupling

Buchwald-Hartwig Cross-Coupling

R=Me, Phの両者とも低loadingでしっかり反応が進行します。
Pd G3の比較という点では、4-chloroanisoleとアニリンのBuchwald-Hartwigクロスカップリングだけが同じ条件で反応を行なってると思います。Pd G3は97% yieldかな。まあ、ボチボチといったところでしょうか。

ハイ、ということでPd G4 (R=Me)です↓
そして、まとめです↓

クロスカップリングをやり込んでるわけじゃないから良く分かんないけど、とりあえずXPhos Pd G3がファーストチョイスなん?

あと、オレはアルドの回し者じゃないけど、ラインナップ(ポートフォリオ)はコレが見やすいです↓

それから、不勉強だったんだけど、Buchwaldリガンドってこんな具合にデザインされてたんですね↓

ベンゼン環→P原子の酸素酸化を防ぎ、還元的脱離を加速する
R→電子豊富な置換基により酸化的付加を加速する
R1→置換基により還元的脱離を促進する
R2→シクロメタル化を防ぐことで触媒を安定化し、LPd(0)の生成を促進する
R3→H原子以外の場合は、合成上の理由で導入されることが多い

以上、実はpalladacycle precatalystもBuchwaldリガンドもまだ使ったことのない二流大出のテクニシャン(研究補助員)のパラダサイクルメモでした。


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