とある化学の超ガテン系

実験嫌いの実験化学者が綴る企業の研究員の日常 (このブログはMac OS Xに最適化されています)




Monday, July 28, 2008

インセンティブ

昨晩、またサキヨミをみちゃったんですが、お題の一つに「無差別殺傷事件」がありました。


で、無差別な通り魔事件を抑制するには、道徳教育が大事だ的な発言をしていたコメンテーターがいた(ような気がする) のですが、コンキチはその意見には極めて懐疑的です。

じゃあ対案は?と問われればこう答えます↓

被疑者に陰惨な罰を与え、その様を広く世間公開する。
(例えば、市中引き回しのうえ、獄門とか)

要は、


犯罪者の刑 < 犯罪者の行った犯罪


という現状を


犯罪者の刑 > 犯罪者の行った犯罪


とすることが大事ではないかということです。


まあ上述したことは倫理的に許されないでしょうが、有効な施策なのではなかと思います。

根底にある発想は、犯罪を起こそうとする人間に対して有効なインセンティブを設定すること(負のインセンティブの設定です)。

ヤバイ経済学的発想です。see http://ameblo.jp/researcher/entry-10037130452.html

「ヤバイ経済学」では、(確か)アメリカの犯罪件数の減少の理由を人工中絶の合法化に帰しています。はっきり言って世間様からは白い目でみられるようなオピニオンですが、説得力がありそうです。
 

きれいごとを語るのは、世間の共感を得られるし、自分も言ってて気分が良いだろう。でも、本質は非倫理的な議論の中に存在することもあるのではないか?そう思います。清濁合わせ呑むことが肝要かと思います

あと、江戸時代の犯罪のデータとかにちょっと興味が出てきました。

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Monday, July 21, 2008

共有地の悲劇

昨晩、(山本モナがあっという間に降板した)サキヨミをみていたら、救急車の話をやっていました。緊急性を要さない救急車をタクシー代わりに使ってしまい、真に救急を必要としている患者の救済が滞るという問題についてです。

まさに、


共有地の悲劇


と思いました。

共有地の悲劇とは、共有資源(おカネを払わない人の利用を排除することが不可能で、かつ人が利用すると利用可能量が減少するような性質を持つ財)が過剰利用される性質を表す比喩。

番組では、「有料化に賛成」派と「有料化には反対」派との間で救急車の有料化に関して話が進んで行きました。

それぞれの言い分はこんな感じだったように思います↓

a) 「有料化に賛成」派→救急車の利用に一定の心理的障壁を構築するために、有料化という(負の)インセンティブの設定が必要。

b) 「有料化には反対」派→モラルの問題。緊急性の判断が困難。真に緊急性のある患者の使い控えが生じる。

まあ、両者の言い分にはそれぞれ一理あるとは思いますが、コンキチは「有料化に賛成」派ですかね(悔しいけど)。

まず、反対派に対するコンキチの意見↓
・「モラルの問題」っていうのはこれまでの様々な問題について語られてきたけれど、啓蒙活動なりなんなりやって成果がどの程度挙がっているのかは疑問だな(自分は懐疑的です)。マスゴミにはその辺のリサーチもやって欲しい。
・緊急性は定量化できないから難しいね。また、当事者ではなく、受け手側(医療機関)が症状を聴いて緊急性を判断する試みを実施している自治体もあるようだけど(番組でやってた)、判断ミスをゼロにすることは困難(っていうか不可能だと思う)だと思うし、素人目には訴訟リスクを背負うことになると思うんだけど勇気あるなあと思った。
・「真に緊急性のある患者の使い控えが生じる」っていうのは可能性としては、充分考えられる。有料化されれば当然発生するトレード・オフだろう。「モラルの問題」について啓蒙するより、こっちの方の啓蒙した方が効果があるような気がする。事例毎に対処法をレクチャーする。ただ、どうやって国民に広く周知させるかが難しいかなと思う(とりあえず、学校教育に組み込む)。

自分、交通事故で骨折して歩けなくなったことがあります(出血もしたね。白い骨見えてたし)。で、近くを通りかかった人が119してくれました。素人考えだけど、この場合数時間程度放置されていても命に別状はなかったと思います(超絶痛かったけど)。つまり、(命の喪失に係る)緊急性はなかった。でも、救急車で運ばれることに対して非難する人はいないでしょう。人の常識とかはあてにならないので、ケース・スタディーを徹底して欲しいな。

まあ、反対派の論拠としては「人命は地球より重い」に収斂していると思います。ただその場合、無法者(タクシー代わりに救急車を利用する人)のせいで救急車が足りなくなって、生命の危機に陥る人の人命もまた地球より重いのです。「効用>>弊害」が明らかならば、有料化すべきだと思う。

次に有料化についてコンキチが思うところを書きます↓
・やっぱり共有地(共有資源)の保全には、適切なインセンティブを設定して障壁をつくることが重要だと思う。
・経済的インセンティブを設定する場合、その多きさには注意を払うべきと思います。例えば、「ヤバい経済学」に載っていた保育園の事例にこういうのがあります↓

親が午後4時に子供を迎えにこなければならないという決まりの保育園があり、親達はよく遅れてくると言う。で、10分以上遅れた場合は、その親には毎回3ドル(子供1人あたり)の罰金をとることにしたところ、週に8件の遅刻が20件に増えた
see http://researcher-station.blogspot.com/2007/06/freakonomics.html

「税金払ってんだから無料で救急車使うのは当然」と主張する人々は、経済的な見地から救急車利用を考えているとコンキチは思います。ただ、救急車には道徳的な側面も当然あると思われます。なので、有料化する場合、あまりに安いプライシングをすると上記保育園のような事態が発生すると思います。すなわち、

i) 道徳的インセンティブが消え去り、完全に経済的インセンティブへとインセンティブが転移する。
ii) 道徳的インセンティブ>>救急車の利用料金

こういうことが起こる。安い費用で心理的負担となる道徳的インセンティブを消し去ることができる。

有料化する場合は、プライシングにま充分な配慮が必要でしょう。あと、真に救急性の高い患者を救済するために、料率を複数準備するのもいいかもしれないと思います。例えば、
救急性 無料
救急性 2万円
救急性 4万5千円
救急性皆無 20万円
とか。
(この番組に出演してた勝間和代氏もプライシングに差を付ける議論があっても良い的なことを述べていました。でも、反対派の人達は、「有料」か「無料」の二元論で思考してたみたいで、全然議論がかみ合ってなかったような気がした。二元論は白黒はっきりするような気がして、一見分かり易そうなんだけど、稚拙なんだよね。結局、なにも解決しない。中間(グレー)の議論が重要と思いました。)

あと、救急車の費用は税金で賄われています。つまり、ムダに使われる救急車の利用料は我々国民が負担しているのです。なので、救急車をムダに利用した人から使用量を徴収するということは、税金からの拠出が減ることを意味すると思うのですが、いかがでしょうか?

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Sunday, July 20, 2008

THE GREAT GLOBAL WARMING SWINDLE

コンキチのWatchingしているブログっで、こんな動画が紹介されていました↓

1st http://video.google.com/videoplay?docid=-642469597858991670&hl=en (12:06)
2nd http://video.google.com/videoplay?docid=-3254620128315043053&hl=en (15:40)
3rd http://video.google.com/videoplay?docid=8486751216888618909&hl=en (18:41)
4th http://video.google.com/videoplay?docid=-8733072493656166413&hl=en (17:01)
5th http://video.google.com/videoplay?docid=4354818942774262279&hl=en (11:46)

英国の公共放送 Channel 4 の長編ドキュメンタリーらしいです(日本語字幕付き)。内容は、

a) 地球温暖化の犯人はCO2ではない(科学的な証拠はない)。

b) 地球温暖化問題は、サイエンスではなく、プロパガンダだ。


ということが、政治機関と化しているIPCC批判と共に、延々と科学者達によって述べられています。

なんか最近のメディアの論調からは、CO2さえなくせば(排出量を減らせば)、俺たちハッピーになれるぜ!的な思想が漂っているような気がします。この動画(番組)は、そんな偏向した(とコンキチは感じる)報道へのアンチテーゼとなること間違いないでしょう。


ちなみに、本動画で展開される、CO2犯人説に対する反論としてはこんなのがあります↓

CO2濃度の上昇は、温暖化に遅行しており(アル・ゴアの「不都合な真実」で示されたグラフでは800年位遅行しているとか)、


CO2濃度の増加→温暖化促進


ではなく、


地球温暖化の促進→CO2濃度の増加


というように因果関係が全くの逆である。

すなわち、太陽の活動が活性化し(黒点活動の活性化)、温暖化が起こる(太陽の活動が活性化すると、太陽風で宇宙線を吹き飛ばし雲が出来なくなって気温が上がる。太陽活動が弱まると、雲が増えて気温が下がる。)。気温が上昇し、海面からの(溶存していた)CO2が放出され、CO2濃度が上昇する。海は膨大でとても深く、海底まで影響が及ぶには膨大な時間がかかる。なので(多分)、CO2濃度の変化は気温に対して遅行する。

じゃあ、北極の氷がダイナミックに溶ける映像はどうなの?という声が聞こえてきそうですが、この動画(赤祖父俊一アラスカ大学国際北極圏研究センター所長)の説明によると、氷河は流れており、氷河崩壊は当たり前の自然現象だとか。

CO2の温室効果については、温室効果自体は認められるが、大気中のCO2濃度は(確か)0.04%と低く、その影響は軽微であると述べられています。

また、過度なCO2アレルギーは、貧しい国を貧しさに定着させる負の作用もあるとも述べられています。

化石燃料をけっこう保有している貧しい国に、CO2削減の錦の御旗を掲げ、その安い資源を使わせない。じゃー何を使うのというと、コスト高で安定供給が困難な


ソーラーパワー


映像ではとあるアフリカの貧しい地域を取り上げていました。その地では、冷蔵庫はおろか、電灯さえもない。で、安い電力供給源の不在によってこんな害が生じる↓
a) 電灯がないから、夜ははやく寝る(クリエイティブな時間の喪失)
b) 冷蔵庫がない(食料の保存ができない。胃癌リスクも高まるかも。)
c) 調理には焚き火を使う(室内煙が癌などの肺の病気の原因となる。この件については、素人考えだけど、煙突つくったら?と思う。幼少のころ自分の家にあった。)

また、粗末な診療施設には太陽電池が備え付けられているが、電灯と冷蔵庫を同時稼働することはできない(発電量が足りない)。パラドックスを感じませんか?

我々先進国は、自分達がかつて辿ってきたいつか着た道(化石燃料を大量消費することによって支えられてきた発展)を、貧しい国にはゆるさない。そして、発展を阻害する(自分達の現在の安寧をより揺るぎないものにするために?)。

どっかのだれかが、「人命は地球より重い」と言ってたような気がしたけど、現在のプライオリティーは



CO2 > 人命 > 地球


なのかなと思います

あと、この動画けっこう長いので自分1回しかみてません。なので、このメモに間違いがあるかもしれませんが、勘弁して下さい。


以上、二流大出のなんちゃって研究員のCO2問題に関する妄想でした。


PS.
そういえば、CO2の排出権取引が世間を賑わせているようです。定量的なデータをサーチしたわけではないので、妄想を書きますが、

国際的なCO2排出権取引がなんだか日本が理不尽な損失を被る気がする。
see http://wildinvestors.cocolog-nifty.com/blog/2008/07/post_3cfc.html

はっきりいってヤクザのパワープレイと思います。

当然、

CO2の排出を抑制=資源効率(エネルギー効率)の向上=天然資源の保全

的な活動は重要かつ必要と思いますが.....

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Friday, July 18, 2008

BLUE OCEAN STRATEGY (2)

ブルー・オーシャン戦略」ネタの続きです。

最近、家計のコスト・カットのためにQBハウス(社名: キュービーネット)に通い詰めているコンキチです。

さて、QBハウスといえば、「ブルー・オーシャン戦略」で事例紹介されている日本企業で、カットのみに特化することで(徹底した機能志向への転換)、nearly 10 minの短時間でのカットとの低い料金(1,000円)がウリの床屋さんです。

ブルー・オーシャン戦略」によれば、QBハウスの戦略キャンパス(価値曲線)は下図のようになり、既存店とは全く逆の価値を顧客に提供しているのが分かります↓


そして、既存店とは異なる価値提供のために業務オペレーションが最適化されていると思います。

1)自動発券機による決済→人件費削減&スタッフがカットに集中できる。千円という料金設定も自動発券機と相性が良いと思う。

2)店外に設置されたパトランプの点灯させる色を変化させることで、混雑具合(待ち時間)を顧客に知らせる→顧客があてもなく待たさせることを回避できる→CS UP↑

3) エアウオッシャー・システム→シャンプー、ドライヤーの手間を省く→顧客の回転率UP↑

4) 駅や商業複合施設への出店→ターゲット顧客にことかかない立地(忙しいビジネスパーソンとか、買い物の合間に手持ち無沙汰のお父さんや、飽きちゃったチピッコ)。あと店舗の小スペース化で費用削減。

競争戦略論〈1〉」の第2章「戦略とは何か」でポーター教授の言うところの「フィット」に通じるものを感じます。

あと、1回千円という低料金から、そのビジネスモデルは薄利多売スキームかと思い込みそうになりますが、

単位時間当たりの料金は↓

QBハウス/ 4,000円/時間(カット時間15分として)
一般理髪店/ 3,800円/時間(調髪/ 3,800円, 作業時間/ 1時間として)
(ちなみに、コンキチの行きつけだった店では2時間かかっていた)

カット以外のオプションを提供する機材等が不要なため、一般理髪店よりもかなり利鞘の高い商売なのかもしれません。しかも回転率の高そうな立地で展開しているのも良いと思います。

ちなみにコンキチは大抵nearly 10 minでカットが終了します。上の戦略キャンパスでアピールしている程の衛生は感じられませんが(店舗はかなりこぎれいでしたけど)、バリューは大いに感じます

コンキチは既存店型の床屋で、(気持ち良くなって)ウトウト眠っちゃたりするのですが、詰め込みすぎのサービスを提供する床屋でも、綺麗なおネーちゃんを揃えて、満喫した床屋空間(綺麗なおネーちゃんに顔の毛を剃ってもらうとか、ちょっと耳かきしてもらう)を演出すれば、我が世の春を取り戻せる可能性があるかとも思いますが、とりあえず、当面はQBハウスに髪の毛を切りに行くと思います。

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Thursday, July 17, 2008

BLUE OCEAN STRATEGY (1)

けっこう前に読んだ「ブルー・オーシャン戦略」のメモを書きます↓

結論から言うと、はっきり言って良書だと思います!ポーター教授の言う「戦略とはトレードオフである」を地でいくアプローチと思いました。

本書では

レッド・オーシャン: 血みどろの既存市場。競争が激しい。
ブルー・オーシャン: 未開に新規市場。競争がなく、利益を独り占めできる。

として、いかにブルー・オーシャン(新規市場)を切り拓いて行くかということが、過去・現在の事例を紹介しつつ、システマティックに述べられています。

本書では価値曲線(というマーケティングの力価をプロットした図)を非常に重要視しており、製品やサービスを構成するファクターに対する選択と集中、削減と増設をメリハリを効かせ、レッド・オーシャンで競い合っている競合他社とは異なったバリュー・イノベーションを設定することの重要性を説いています(単なるニッチャーではない。多分)。

また、

a) 代替産業に対する視点や、
b) 顧客セグメントのターゲッティッング

にも注意が必要です。

で、魅力的な新市場を実際にオペレートする際には、「人が最も重要」になると結んでいます。


人は石垣、人は城


ですね。

次回は、コンキチの体験したブルー・オーシャン戦略の実例について書いてみたいと思います。

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Wednesday, July 16, 2008

N-Bnezyl-1-phenylethylamine

有機合成化学協会誌, Vol. 58 No. 2 (2000)のケミカル覚え書き「光学活性N-ベンジル-1-フェニルエチルアミン (Optically Active N-Benzyl-1-phenylethylamine)」をメモしてみ山川薬品工業の方が執筆されたものです。

N-ベンジル-1-フェニルエチルアミン(BPA)は、最も広く使われていている1-phenylethylamine (PEA)のN-ベンジル体。合成法はこんな感じ。

a) 還元アミノ化(還元アルキル化でもある)による合成法


文章からはこの方法が山川の合成法っぽいです。ラセミ化は認められないそうです。教科書的ですね。


b) メンシュトキン反応による合成法

ref. Synthesis 1993, 1243-1246.
1stepで合成できるのは便利だが、DMPUってけっこう高い溶媒だよね。収率もGOOD。それなりに嵩高いからなのか、溶媒が効いてるのか3級化、4級化しないんだね。


それから、また還元アミノ化だけど↓

ref. Tetrahedron 1990, 46, 523-544.
ラセミ化を避けるためにpHのコントロールが必要とか。ラセミ化を避けることは不可能で、塩酸塩に誘導して再結晶が必要とSynthesis 1993, 1243-1246.のauthorが述べています。ちなみに、上のschemeの収率77%は、塩酸塩の再結晶前。塩酸塩に誘導して再結晶して、複分解すると64% yield。あと、この文献って比旋光度で光学純度を判断しているっぽいです。

余談ですが、コンキチが在籍していた研究室の隣の研究室の先生は、この反応のことを「若気の至り反応」って言ってたなあ(求核性が上がってとまらなくなっちゃうから)。

c) 不斉水素化による方法

ref. J. Mol. Catal. 1984, 22, 283.
この方法だと、経済性と光学純度がイマイチのようです(文献読んでないので詳細は不明)

ここまでが、光学活性N-ベンジル-1-フェニルエチルアミンの合成法。光学分割への応用例としては↓


こんなカルボン酸達に有効とか。

また、不斉合成へに応用としては、こういう例が報告されているそうです。

Tetrahedron: Asymmetry 1995, 6, 165.

あとBPAのデータメモ↓
沸点: 171℃/2 kPa
引火点: 158℃(クリーブランド開放式)
溶解度: アルコールやエーテルなどの多くの有機溶媒に易溶。水に対する溶解度は0.014%(20℃)。
LD50 (R)-体 578 mg/kg(rat), (S)-体 1301 mg/kg(rat)
Ames試験: 陰性


あと感想: やっぱり光学分割って未だに試行錯誤だよね。はっきり言って、泥くさい。そういう意味で、西郷先生の研究(冒頭の2番目と3番目のリンクに代表されるような一連の研究ね)は価値があったと思う(アリールカルボン酸とアリールアミンの組み合わせだけだけどね)。

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Tuesday, July 15, 2008

ハイリスク

とりあえず、ボーナスの一部で

a) 金価格連動型上場投資信託(最小ロットの10口ね)
b) 単元未満株(SBIイートレード証券のS株を利用)

を買い増ししたコンキチです(貧乏なので小額です)。日本株の方はこれからも継続的にゆっくり買い増ししていこうかと思ってます。

さて、巷では長期投資は比較的リスクの低い投資法であるというコンセンサスが形成されているように感じる今日この頃。はっきり言ってそんなのウソっぱちだと毒づくコンキチです。実際は、長期投資こそハイリスクな投資の代名詞的存在といっても過言ではないでしょう。

ちなみに金融チックな話の文脈で、リスクとは不確実性を意味することは自明と思います。

あと、(日本の)オークション方式で売買される株式(東証とか大証に上場している株とJASDAQの一部ね)には値幅制限があります。

それから、時間軸を基準とした株式の投資or投機手法には

1) デイトレード
2) スイングトレード
3) 長期投資

があると思います。

で、まずデイトレードについて考えます。ジェイコム男として有名になった人が実践していた手法ですね。世間一般ではハイリスク投資(っていうか投機)のイメージが高いと思うけど、リスク(不確実性)は小さい。何故なら、利益も損失も値幅制限以内に収まるから。例えば、1,000円の株だったら値幅制限は上下200円。なので、損益は20%の範囲内。つまり、デイトレでどんなに損しても20%までなんだよね。


次に、スイングトレード。保有期間には人それぞれ幅があると思うけど、保有期間5日で考えてみる。例えば、1,000円の株が5営業日S高を連発されると2,200円、S安を連発させると400円になる(計算間違ってなければね)。儲けは最大120%、損失は最大60%。デイトレよりハイリスクだよね


最後に長期投資について考えてみると、保有期間が長くなれば長くなるほど儲けと損失のレンジが拡大していく。最もリスク(不確実性)の高い投資法だよね。長期投資で高いリターンが(あくまで)期待できるのは、大きなリスクをとっているからに他ならないということ。


以上、コンキチの愛読書である、臆病者のための株入門」(橘玲著)の受け売りでした。

本書では、

<引用開始>
10歳の子供でも、明日のことならそれなりに正確に予測できる。朝起きて、ご飯を食べて、学校に行って.....。でも、30年後の自分はどうだろう。統計的に平凡なサラリーマン生活を送っている確率が高いけれど、もしかしたら大成功して憧れの「ヒルズ族」になっているかもしれない。長期の予測が困難だからこそ、ひとは"夢"を持てるのだ。
このように考えれば、「長期投資ほどリスクが大きい」ということがだれにでもわかるだろう。リスクはリターンの源泉であり、リスクが大きいからこそ大きな富を創造できるのだ。
<引用終了>

とあります。

どうでしょう、皆さん。あなたも明日から、


長期投資ほどリスクが大きい投資はない


と叫んでみませんか?


あと、Greg Mankiw's Blogから引用↓

Optimism about U.S. stocks among newsletter writers slid to the lowest level since July 1994.

Contrarians view this as good news. In this regard, note that 1994 was a pretty good time to buy stocks.


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Monday, July 14, 2008

化学物質リテラシー


佐藤健太郎さんの2作目の著作「化学物質はなぜ嫌われるのか ~「化学物質」のニュースを読み解く」を読了しました。

前作(see http://researcher-station.blogspot.jp/2007/06/blog-post.html)同様、衆生の化学リテラシーを高める良書と思いました。また、化学の専門知識が皆無の人にも内容の理解が進むよう腐心されている後が窺えます。

はっきり言って、この書籍を教科書に使って中学校くらいで授業して欲しいです。そうすれば、世の中でなされている議論はもっとまっとうなものになると思うから。

では、以下にコンキチのとりとめのない感想を徒然なるままに記したいと思います。

この本で最もシンパシーを感じたのは、ゼロリスクという幻想です。ゼロリスク。なんて甘美な響きをもつ言葉なのでしょうか。ただ、甘美な言葉は実際には実現不可能であることが多いような気がします。本書ではゼロリスクが幻想であるとうことを幾つかの分かり易い例を挙げて説明しています。その中でコンキチが一番お気に入りなのは、塩(NaCl)の話です。すなわち、

食塩は体に必須の食品ですが、200グラム食べれば死に至るわけですから。


というくだりです(ちなみAldrichのMSDSによると、食塩はLD50(ラット経口) 3,000mg/kgね)。

それから、
食塩なんかは、調子こいて摂取すると胃ガンリスクが高まるっていう報告もあるからね。
http://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/11/igan_1.html
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez?cmd=Retrieve&db=PubMed&list_uids=14710219&dopt=Abstract


結局、バランスというか、「定性分析+定量分析」と期待値が重要なんだよね、きっと。



あと、「サリドマイド復活の日」と題して一章設けられているのですが、コンキチは学生時代に光学活性化合物を扱っていたので、サリドマイドの話には懐かしさがこみ上げてきましたね(キラル化合物に携わったことのある人で知らない人はいあにでしょう。まあ、体内でラセミ化するけど。)。
で、この章では次のことが書かれています。

<引用開始>
ブラジルでは文字の読めない貧困層にハンセン氏病が蔓延しており、そのため政府がサリドマイドを製造して無料で患者に配布しています。このパッケージには「妊婦服用禁止」の絵文字が入れられているのですが、これがかえって仇となり、なんとサリドマイドは妊娠中絶薬と誤解されてしまったのです。こうして新たなサリドマイド症児は60年代から発生して、現在もまだ生まれ続けています。
<引用終了>


この話のお題は医薬ですが、医薬でも、化学物質でも、政治、経済、環境すべての事象に対して充分なリテラシーを持つことが重要と思いました。


本書全体の感想としては、繰り返しになりますが、論理志向、「定性分析+定量分析」、期待値とかをよくよく考えるこいうことが重要と感じました。なので、学校教育ではそういった能力を育むカリキュラムを増やして欲しいな。っていうか具体的には、大学入試で高校で習う数学を全て必修にして欲しい(ちなみに自分、数学苦手です。)。そもそもMathematicsって確か「基本的な学問」的な意味があったんじゃなかったかな(うろ覚え)?

以上、二流大出の窓際研究員の独り言でした。

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Sunday, July 13, 2008

Greg Mankiw's Blog

最近、「Greg Mankiw's Blog」というブログを眺めています。コンキチは英語スーパー初心者級なので、はっきり言ってその内容を50%でも理解できているかあやしい限りです。

で、コンキチが最近目を通してちょっと思うところがあった記事がこちら↓
http://gregmankiw.blogspot.com/2008/06/karl-rove-channels-schumpeter.html

<引用開始>
Joseph Schumpeter, the 20th century economist who explained that capitalism is inherently unstable because a "perennial gale of creative destruction" is brought on by entrepreneurs who create new goods, markets and processes. The entrepreneur is "the pivot on which everything turns," Schumpeter argued, and "proceeds by competitively destroying old businesses."

Most dramatic change comes from new businesses, not old ones. Buggy whip makers did not create the auto industry. Railroads didn't create the airplane. Even when established industries help create new ones, old-line firms are often not as nimble as new ones. IBM helped give rise to personal computers, but didn't see the importance of software and ceded that part of the business to young upstarts who founded Microsoft.
<引用終了>


最近、SoftBankからiPhone 3Gが発売されました。ちなみに、ドコモは8月1日からBlackberryを個人向けに販売して対抗する模様。で、昨日のブログで書きましたが、インターネット接続に対するプライシングが両者で全然ちがうんですよね。平たく言えば、

SoftBankはインターネット重視
ドコモはインターネット軽視

自分、両者の企業研究したことがないので、ここからは妄想を書きます。ドコモは電話屋でオールドエコノミー。SoftBankはインターネット屋でニューエコノミー。ドコモはインターネットっていう破壊的技術を利用した事業を切り開いていくのが相対的に不得手なんじゃないかと思います(i-modeは絶賛されたみたいだけど)。

そもそも、個人向けBlackberryの発売は、もうとっくにやっていてしかるべきのサービスで、今回の発表は遅すぎると思いますね。あとターゲットをビジネスパーソンに絞っているためか、プロモーションも一般消費者に全然届いてこない。Blackberryの機能を充分理解してないでこういうこというのもなんですが、ドコモの戦略が全然みえないな。

PriceとPromotionが全然ダメね。

ドコモもAppleとiPhone 3Gの販売を巡って交渉中だとかいってるけど、ブラフだと思えてならない。もし仮にiPhone 3Gを発売する運びとなった場合、SoftBank以上に魅力的なインターネット接続プランを提供することができるのだろうか?そんな疑問が脳裏をよぎる二流大出のドコモ歴10年超のなんちゃって研究員の独り言でした。

iPhone 3Gは携帯電話じゃなくて、インターネット・マシンと考えるべきだね。

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Saturday, July 12, 2008

iPhone vs Blackberry

ドコモ歴10年超のコンキイです。昨日はじめて知ったのですが、ドコモがBlackberryを個人に開放するみたいですね(7月7日に発表されてたのね)。

もしiPhone 3Gが無かったら、個人向けBlackberryがコンキチの欲しい携帯No.1だったので、その動向がちょっと気になります。

ということで、両者の料金プランをジャブ程度に軽くサーチしてみました。で、モデルプランはこちら↓

a) iPhone 3G

1) ホワイトプラン 980円
2) S!ベーシックパック 315円
3) パケット定額フル 5,985円(これでインターネット使い邦題ね)

Total 7,280円

Puls端末代=23,040円(960円×24回)


b) Blackberry
1) 「タイプSS」(オフィス割MAX50)1,890円
2) ブラックベリーインターネットサービス 3,045円
3) ブラックベリーデータ通信パック 1,680円 (8万パケットまで、超過後は1パケットあたり0.0525円

Total 6,615円

端末代は???


両者のこのプランをみて、正直ドコモのやる気の無さにガックシです。Blackberryの機能ってイマイチよく分からないのでここからは妄想になりますが、両者のウリってインターネット接続なんじゃないの?その場合、スプレッドは、7,280円-6,615円=665円。つまり、8万パケットを超えた分のインターネット代を665円以内に抑えるころが出来ればドコモの勝ち(端末代は無視ね)。665円を出ちゃったらSoftBankの勝ちってことかな?っていうか8万パケットで収めたい人はこれらの機種を買うべきでないと思うな。

圧倒的にApple+SoftBankに軍配と思う二流大出のなんちゃって研究員なのでした。

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Friday, July 11, 2008

Appleは製造業にあらず

最近、年甲斐もなく大塚愛にはまっているコンキチです。関西弁でしゃべるカワイイ女の子は好きです。

ちなみに、通勤時にこんなアルバム聴いてます↓


軽くテンション上がりますね




さて、本題に移ります。
我が国でiPhone 3Gが発売された記念すべき今日、会社帰りに近所のSoftBankショップにのこのこ出かけていったコンキチは、当然ながらiPhone 3GをGETすることはできませんでした。予約は受け付けておらず、次回入荷も分からず。入荷時期は自分でチャックしなければならないという、まあ予想していたとはいえちょっぴり哀しい気持ちになりました。まあ、OSをTigerに入れ替えたり、iPhone 3Gのアクセサリー(ケースとか保護フィルムね)注文したりしてのんびり待ってるからいいっスよ。

ところで、コンキチはApple製品をこよなく愛しています。具体的にコンキチが保有しているApple社製製品を示すと↓

a) iBook G4 (以前はPowerBook G3を使ってた)
b) iPod 5.5G
c) iPhone 3G (予定ね)

あと、ジョブズCEOについてかかれたも持ってます(随分前に買ったんだけど、まだ途中までしか読んでないんだよね)。

何故、パソコンはSonyやPanasonic、NEC、富士通、HP、DELLのPCじゃなくて、AppleのMacなのか?
何故、SonyのWALKMAN じゃなくてAppleのiPodなのか?
何故、シャープのSH906i、LGのPRADA Phone 、BlackberryじゃなくてAppleのiPhone 3Gなのか?

答えは1つ↓

その製品が具備する機能のみならず、その製品を介して得られる卓越した経験に価値を見出しているから

Macintosh並びにMac OSはPCのような単なるツールではなく、Creativeな経験をもたらしてくれます。Macに触っている事自体楽しいのです(あと、Windows OSは(GUIの面で)未だに漢字トークを超えられないでいると思います)。

iPodは、まず、そのシックでスタイリッシュなフォルム、シンプルで洗練されたダイヤルが創造性を刺激する(かもしれない)。そして、大量の音楽と動画を携帯することが可能で、まさに「歩くマルチメディア」と化していいる。いつでもどこでも好きな時に音楽と映像をスタイリッシュに経験することを可能にしているのです。しかも、iPod touchやiPhone 3Gに至ってはインターネットへのアクセスも充実し、はっきり言ってユビキタスの最右翼だ(と思う)。


すなわち、Appleという企業の本質は、モノを造るメーカーではなく、その類い稀な製品を介して顧客に素晴らしい経験を享受させる時間産業を営む企業であり、その経験によりカスタマーの隙間時間の使用法に解を供与するソリューションビジネスを営む企業でもあると思います。

Appleは知価社会を切り開いて行く企業に間違いないとコンキチは思います。

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Thursday, July 10, 2008

キラルマソイアラクトン

こんな文献を読んでみました↓

A practical enantioselective synthesis of massoialactone via hydrolytic kinetic resolution
Tetrahedron Letters 2004, 45, 849-851.

salen-Co(III)錯体を用いたエポキシドのJacobsen速度論的光学分割加水分解(Hydrolytic kinetic resolution)と、ホモアリルアルコールから誘導されるアルリレートの閉環メタセシスを鍵反応とした光学活性マソイアラクトンの合成法です。

マソイアラクトンは、(R)-体が天然型で、Cryptocarya massoiaの樹皮からはじめて単離されました。長き(many centuries)に渡りnative medicinesの成分として使われてきたそうです。あと、強力な皮膚刺激薬だったりとかするようです。それから、甘しゃ糖蜜?(Cane molasses)やジャスミンの花、オーストラリア西部に生息するFormicin antsとgenus Componotusの分泌物からも単離されているそうです。


合成法はこちら↓

m-CPBAを使う時点で、しかも溶媒CH2Cl2溶媒使ってる段階で、それって「practical」かよ!よいうツッコミを入れたくなるコンキチは、ちょっと神経質すぎるでしょうか?あと、HKRは、てっきりこの基質で報告例があるかと思ってたんですが、なかったのかな?でも完璧オリジナリティーに欠けますね。1炭素短い基質での報告例は既にあるし(本家本元、Jacobsenは、J. Am. Chem. Soc. 2002, 124, 1307-1315.で、1炭素短いエポキシドと側鎖が直鎖のC12の末端エポキシドのHKRを報告している)。エポキシドからのトランスフォーメーションのアイデアが重要ってことですかね。

(R)-体の合成↓

これまでに報告されてきた合成法の中では、シンプルなpathと思いますが(それだけメタセシスが偉大ということか?)、メタセシスって触媒の値段高そうなイメージがあるんですけど、この程度のターゲットにメタセシスは経済的にどうなのだろうか?CH2Cl2中でHighr Dilution Condiitonだし。例えば、田辺陽先生(関西学院大)は、1st generationのGrubbs触媒を使ったCivetone合成を報告しているけど、Grubbs触媒は高額(当時。今はどうなの?)で、Highr Dilutionが必要なため「大量合成には不向きな実験室的な方法」って自ら言っていたなあ(cf. http://researcher-station.blogspot.jp/2008/04/7-synthesis-of-civetone-2.html )。そういう意味で、practical なの?って感じです。

(S)-体ね↓

リチウムアセチリドの付加する為に、2ステップ要します。後は、(R)-体と一緒ね。

あと、比旋光度が載ってたのでメモ↓
(R)-体 [α]D25 -115.2 (c 1, CHCl3)
(S)-体 [α]D25 +110.1 (c 2.0, CHCl3)

自分、マソイアラクトン扱ったことあるけど、
(R)-体 99.2%eeで[α]D -116 (c 0.6, CHCl3)
(S)-体 98.3%eeで[α]D +117 (c 1.0, CHCl3)
だったなあ。

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Wednesday, July 9, 2008

CH/pi Interaction in Classical Resolution (2)

前回のブログの続きです。

AIよりも高い分割能を示すABI。この結果から↓

ナフチル基の導入により、ABI分子間、ABIと酸分子間でのCH/π相互作用が、難溶性塩の(結晶構造の)安定化に効果的に効いていることが示唆された。

と主張しています。で、これを検証するために、X-線結晶構造解析により、ABIAIの塩を比較しています↓

A) 2-(3-methylphenyl)propionic acid (2-m-tolylpropionic acid)との難溶性塩の比較

1st 両者の水素結合ネットワークは、難溶性塩結晶の安定化へ同様に寄与している。
a) アンモニウムカチオン、カルボキシレートアニオン、水酸基からなる、2回らせん軸を中心に有する水素結合ネットワーク(21-column)が同様に構築されている。
b) 21-column中の分子配列はほぼ同一で、21-columnの充填様式がよく似ている。

2nd カルボン酸のキラル中心に結合したメチル基とアミンのπ平面とによって構成される両者のカラム内CH(sp3)/π相互作用は、難溶性塩結晶の安定化へ同様に寄与している。

3rd カルボン酸のフェニル基の3-位のメチル基と、隣接するカラムのカルボン酸のフェニル基から構成されるカラム間CH(sp3)/π相互作用
→この相互作用は例外的(他のカルボン酸との組み合わせからなる難溶性塩結晶中には観察されなかった)。ただ、C・・・π平面の距離とカルボン酸分子の配向は両者間(ABI塩とAI塩でちょっと違う)。
*C・・・π平面の距離を使っているには、X-線解析からはH原子を正確に位置づけられないからだっそうです。ちなみに、C・・・π平面の距離は決定できる。また、安定化エネルギーに寄与する必須因子はC・・・π平面の距離から決定できることが知られているらしいです。

4th 隣接するカラムの二つのアミンから構成されるT-型のカラム間CH(sp2)/π相互作用は、両者で全然違う。ABI塩の方がより堅固でより安定化されている。
ABI塩結晶→2つの相互作用がある(3.29Å, 3.58Å)
AI塩結晶→1つしか相互作用がない(3.69Å)

5th ちなみにefficiencyは、ABI (0.56) > AI (0.54)ね。


B) ibuprofenに対するキラル認識能

1st efficiencyは、ABI (0.48) >> AI (0.06)

2st ABI塩ではT型のCH(sp2/π相互作用(2つね)がみられるが、AI塩ではみられない。

3nd ABI塩結晶で、ナフチル基のスライドが観察された。すなわち、隣接する21-columnのABI間で、CH(sp2/π相互作用(1つ)と、ABIの5員環部分のメチレンとπ-平面との間にCH(sp3)/π相互作用がみられた。しなやかなCH/π相互作用。


C) 3-phenylbutyric acidに対するキラル認識能
β-キラルカルボン酸とアミンジアステレオマー塩形成によるキラル認識は、一般的に難しいと言われています(キラル中心が分割剤のキラル中心から離れてるからね)。

1st efficiencyは、ABI (0.45)に対して、AIはゼロ。

2nd AI塩結晶は、反転中心(i-column)を持ち、カラム中には3-phenylbutyric acidの両方のエナンチオマーが含まれる。

3rd ABI塩は、21-columnを形成し、3-phenylbutyric acidの一方のエナンチオマーから構成される。

4th 3-phenylbutyric acidのα-メチレン基とγ-メチル基が、ABIのπ-平面との間にCH(sp3/π相互作用を形成する。この相互作用がABIと3-phenylbutyric acidの配置を固定し、キラル認識に寄与する。



ABIのナフチル基のしなやかさが効いてるってことかな。



まあ、以上のような感じで色々とつたない文章で述べてきましたが、百聞は一見にしかずなので、この論文に興味のある人は、生文献のステレオ・ビューを見て下さい。よく分かります。


光学分割(結晶化を利用した)って、実用性重視で、あまりロジカルなアプローチによる光学分割現象の研究ってあんまりないと思います。貴重な研究成果と思います。

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Tuesday, July 8, 2008

CH/pi Interaction in Classical Resolution (1)

蒐集癖のあるなんちゃって研究員のコンキチです。(一応)研究に携わるようになってから蒐集(っていうか
チェックね)しはじめた(有機化学)の未読論文が手つかずのまま(メモしたまま)放置プレイの今日この頃、少しはそいつに目を通してみるかということで、こんな文献を読んでみました↓

Ratiobal Design of CH/π Interaction Sites in a Basic Resolving Agent
J. Org. Chem., 2004, 69, 7436-7441.

東大院の西郷先生のグループです。

著者らは、かつて研究対象としていた塩基性光学分割剤であるcis-1-aminoindan-2ol (AI)よりももっと効果的なCH/π相互作用が期待できるcis-1-aminobenz[f]indan-2-ol (ABI)をデザインして、そのキラル認識能と認識機構を報告しています。

ちなみにこの着想の基になったのは、同グループの以前の研究です。(J. Chem. Soc., Perkin Trans. 2 2000, 1339.; Tetrahedron Asymmetry 1998, 9, 2219.)

(CH/π相互作用は、他の非共有結合性の相互作用(例えば、水素結合や配位結合)に比べてとても弱い相互作用と考えられていますが、結晶中の分子配列に際立った影響を与えることから注目を集めているそうです。)


ということで、光学活性ABIの調製法はこちら↓


ラセミ体を合成して、それを光学分割するというアプローチです。rac-ABIの合成は、benz[f]indenのエポキシ化、その後Ritter反応という2ステップ。シンプルですが、はっきり言って収率低いです(全収率44%ね)。

光学分割は、(R)-2-naphthylglycolic acid (NGA)を使って分割します。MeOH中で造塩し、MeOHから3回再結晶することで、39%(ラセミ体の半量を100%として計算ね)で難溶性のジアステレオマー塩がGETできます。後は、塩を(NaOHで)外して、クロロホルム(実験項はクロロホルムって書いてあったけど、結果と考察のschemeはジクロロメタンになってる)から3回再結晶して(1R,2S)-ABIが定量的に得られます(2 mmolスケール, 再結してロスゼロかよというツッコミをちょっろだけ入れたくなります)。

ABIの光学活性体もGETできたところで、そのキラル認識能の評価をアリールアルカン酸に対して行っています↓

(溶媒はEtOH-H2O混合溶媒系で、溶媒量と混合比は50-80%の塩が析出するように調節した。晶折温度は30℃。再結晶は行わず。)

著者等の狙い通り、おしなべてABIの方がAIよりも分割能が高いという結果になりました(ね)。

ということで、今日はここまで、続く.....

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Saturday, July 5, 2008

PB vs NB (2)

今日、近所のイオンSCに行ってきました。で、カップ麺を買ってきました(それだけの用事で行ったわけではありません)。

ちなみに、買ったのはトップバリュー(TOPVALU)の「ヌードル Noodle」。明らかに「日清 カップヌードル」を意識した商品です。

ところで、イオンでの両者の販売価格なんですが↓
「TOPVALU ヌードル Noodle」 78 JPY
「日清 カップヌードル」 128 JPY

でした。前回のブログで書いたプレジ(プレジデントのことね)のNBのカップ麺 160 JPYとはかなり乖離があります(少なくともイオンではね 。まあ、コンビニとかでは160 JPY位なんだろうけど)。

ちなみに、

160 JPY(希望小売り価格) - 15.6 JPY (リベート) - 10,8 JPY (拡販費) = 133.6 JPY

128 JPYまであと少し。もう、スーパーへのリベートとか拡販費は無くなってるのかな?それとも、たまたま今日が特売日だったのかも(気付かなかったけど、土曜だったし)。

で、イオンでのNBとPBの実勢価格差は50 JPY。個人的には、迷わずNB買っちゃうかな。

ところで、他にもちょっと気になったことがあります↓

1) PBのフェイスが圧倒的に広い
→やっぱりフェイスを自在に操ることのできるイオンがメーカーを牛耳っているのかな(イオンの交渉力の方が強い)なんて思いました。流通チャネルって重要と思いました。あと、NBが128 JPYだったら個人的にはNBをチョイスするって書きましたが、これだけPBにフェイスを割り振っている事実を鑑みると、けっこう売れてるのかな?ちなみに、本日購入した「TOPVALU ヌードル Noodle」はよく出来てました。食べ比べたわけじゃないけそ、ブラインド・テストしたら分かんないな(っていうか、どこの会社が造ったかは当然記載はなかったけど、それ相応のロットをさばける企業がつくってるんだから当たり前か)。


2) NBは数種のラインナップがあるが(ちなみに「日清 カップヌードル」は全部で15種類ある。当然、一つの店舗で全種類揃えて売ってることはないが。)、PBは2種類だけ
→以前読んだ「ブランド・マネジメント」という本に書いてあった話を思い出しました。



どういうことかというと、


親ブランドの派生商品の乱発は利益を圧迫する


ということです。その理由としては↓

1) カニバリズム
2) 陳列スペースの確保の問題
3) 取引プロセスの煩雑化
4) 製造ラインの煩雑化

等が挙げられていたと思います。

PBが仕入れ原価を安く保てるのは↓

a) 流通チャネルを牛耳ることで達成できる大量発注が可能なこと。
b) 派生商品を2つに絞ることで、受託先メーカーでの製造ラインの煩雑化を避け、でラインの効率を高めていること。
c) カニバリズムの影響を最小限に抑える。

こんなところもあるのではないかと妄想してしまいました。

あと、これってコスト・リーダーシップを獲得するために、顧客の嗜好の多様性に対応する部分を捨てている(NBにくれてやっている)トレードオフ(=戦略)とも感じましたね。

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Friday, July 4, 2008

PB vs NB

超久しぶりに「プレジデント (自分プレジと読んでます)」を買ってみました (暇つぶしに、あとコンキチの大好きなスイス時計特集もあったし)

で、その記事の中に「激安PB」と題して、原料価格高騰の中でNB(ナショナル・ブランド)は商品価格の値上げを迫られるのに対して、何故PB(プライベート・ブランド)はEDLP (Every Day Low Price)を断行できるのか的なことが書かれた記事がありました。

一例として、「カップ麺の利益構造」の表があったので、それについて(独断と偏見に満ちた)意見を述べたいと思います。


ちなみに、表の数値の根拠は同誌の取材のようです。

さて、件の記事の中で、PBが低価格攻勢を維持できるのには次の理由があると述べられています。あと、折角なのでコンキチのツッコミをで添えておきます。

1) PBは宣伝費が少ない。多額の宣伝費が投入されているNBの脇に安い類似のPBを並べることで、NBの商品力と宣伝力の威を借りつつ、低下価格を武器にしている。薬でいうとジェネリック医薬品のようなものだ。
→プロモーションにより構築したブランド力はそんなに弱いだろうか?かならずしも全てのPBが有利であるとは限らないのでは?つまり、トップバリュー(イオン)とか、セブンプレミアム(7&i)のようなブランド力のあるPBと弱小PBでは売れ行きが違うのでは?ということ。それから、イオンやセブンは、各商品毎の宣伝はしていないが、全体的(全社的)な宣伝をしてブランド力を高めていると思う。なので、上表の宣伝費・促進費は「0」ではないはず。全体の広告費を各商品に配賦すべきと思います。
あと、ジェネリック(専業)・メーカーって新薬開発してるメーカーより利益率低かった気がしたけど。だって、原理的に誰でも参入できるからね(ジェネリック医薬品のことを「ゾロ」っていうらしいど、それって(特許が切れると)後からゾロゾロたくさん出てくるかららしいですよ)。研究開発費がかからないといったって、ブランド力はないし、競争が厳しくなるのではないかと思いますね。


2) 仕入原価が安い。大手メーカーに直接交渉し、大量生産、買い切りを条件に値引き交渉している。
→強大な販売チャネルを有するが故の、規模の経済性を生かした戦略と思います。


3) メーカー利益が少ない。大量ロットの注文でメーカー側の稼働率UPし、メーカー側のコスト減につながり、メーカーもメリットあり。
→たしかに上述したメリットはあるだろう。しかし、上表の例でいうと、NBのメーカー利益(22.8円)はPB(3.85円)の5.9倍。自分素人なのでここからは妄想を書きます。NBメーカーは直販する流通チャネルを持たない。一方PBを売る小売りは強大な販売チャネルを持っている。NBメーカーは、その商品を顧客に届ける為に、PBを展開する小売りの流通網に頼らなければならない。つまり、PBを展開する小売りの方が、NBメーカーに対して、流通チャネルを背景にした強い交渉力があるということではないかと思う。


4) PBは基本的にEDLP政策を取るので、特売を行う必要がない。よって、リベートなどの販促費が要らない。これがNBとPBの価格の差となっている。
→っていうか「EDLP政策により、特売を行う必要がなく、リベートや販促費がいらない」のではなくて、「リベートや販促費がいらない(っていうか自分とこで開発してるからね)から、安いプライシング(EDLP)ができる」んじゃないの。因果関係が逆転していると思う。


プレジ(プレジデントのことね)の解説はこんなところです。あと、コンキチの個人的見解なんだけど、上表からリベート、販促費、小売り利益を控除すると↓

PB: 60 JPY
NB: 92.4 JPY

はっきり言って、NBの小売り利益40 JPYは見逃せません(PBは14 JPYね)。上記金額に両者とも同じ額に小売り利益を載せて売ったら、顧客はどう反応するのだろうか?ブランド力の強いNBの売れ行きが伸びるような気もするのだけれど(上表が正しくて、コンキチの理解も間違いなければ)。あと、リベートと販促費って小売りの利益だよね。これもまた小売りの交渉力を物語っているような気もする。


PBの発祥史なんか調べてみたい気になってきました。本誌では、PB vs NB的な切り口で記事が書かれているけど、PB導入はライバル小売りに勝つための戦略だったような気がする。


以上、商売&経営素人の二流大出のなんちゃって研究員の勝手な思いつきでした。

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Tuesday, July 1, 2008

The Rise of the Creative Class

仕事に対すモチベーション「ゼロ」の賃金奴隷ななんちゃって研究員のコンキチです。


フロリダ教授の「クリエイティブ資本論 (邦題ね)」を読んでみました。

本国では、前訳本「クリエイティブ・クラスの世紀 (The Flight of the Creative Class)」よりも前の本です。なので、両著作をこれから読むぞという人は、

1) クリエイティブ資本論
2) クリエイティブ・クラスの世紀

の順番で読むとしっくりきてよいでしょう。ちなみに「クリエイティブ資本論」の方が硬めで、細かく、情報量も多いですね。「クリエイティブ・クラスの世紀」の方が、よりグローバルな視点から書かれていて、あと読み物として楽しめます。

さて、本作の中身ですが、前訳本同様クリエイティブ経済下での3T(technology, talent、tolelance)の重要性が詳述されているのに加えて、クリエイティブ人材の嗜好やライフスタイル、仕事に対する動機づけなどが詳述されていて興味深かったです。

以下、コンキチが気になったところをメモします。

1) オープンソースは過酷なシステム
梅田望夫氏の著作「ウェブ進化論」というポジティブな本(see http://researcher-station.blogspot.jp/2006/06/web-20.html)をジャブ程度に軽く読んだ程度のコンキチは、オープンソースの素敵な点にばかり目がいっていましたが、オープンソースもそれはそれでなかなか厳しい世界のようです。
なんでも、全体の0.1%未満に当たる開発者でコード全体の4分の3にも上る貢献をしているらしいです。で一方、4分の3近くを占める開発者は、いずれもわずか1件の貢献しかしていないとか。
彼等のドライヴィング・フォースは仲間内からの評価(敬意の念ね)。評価を得る機会が、オープン・ソース・プロジェクトに参加する動機となる。そして、評価を維持・高めたいという欲求がさらなるインセンティブとなる。誰が業績を挙げたかは全員が把握でき、コードは学術論文並みに検査されるといいます。下手なコードを提案しようものなら、これまでの経歴は水泡に帰す程といいます。それでも、彼等は内発的な報酬(仲間内からの賞賛ね)を欲するのです。

2) クリエイティブ経済下では晩婚化が進む
理由は簡単。独身の方がクリエイティブな仕事に没頭することが容易だから。特に女性は物理的に深刻ですね。出産・育児(育児は男性もするけどね)に費やされる時間と、クリエイティブな仕事に費やされる時間は、単純にトレードオフ。
話は脱線するけど、「女性の社会進出を促進する政策」と「出生率のUPを狙う政策」は矛盾を孕んでいると思う。「出生率のUP」は捨てていいと思うけどね、個人的に。何故なら、

1) 四大とか大学院出て、ちょっと働いて、その後家庭に入るというのは、クリエイティブ資本の大きな損失だと思う。
2) っていうか人口が減少するのはそんなに悪いこと?
3) むかしに比べて(色んな意味で)娯楽が増えた(ドラゴン桜にも書いてあったと思うけど、平安時代とかは(現代と比べて)他にやることがなくて、セックスばかっりしていた(確認できないけどね)。でも、今はセックス以外の誘惑が沢山ある。かなり乱暴だけど、そう的はずれでもないと思う。)なので、「出生率のUP」=「結婚促進」は政策としてその有効性を疑うな。
4) あと、医療技術が進歩し、死ぬリスクより、生きるリスクの方が大きくなった現代日本にあって、種を保存する(=子供を沢山生む)というインセンティブが希薄化している。

スティグリッツ教授も、日本には人口増加なき経済成長を期待しているみたいだし(いつだったかの日経ビジネスの付録の冊子に記事が載っていた)、教育に投資して、クリエイティブな就労人口の比率を増やし、クリエイティブ産業を増やす政策を実施すべきと思いますね。

3) 経験の追求
この本では「経験の追求」と題して一章設けられています。で、章の最後の方でこんなくだりがあります。

<引用開始ね>
経験の渇望を満たそうとする企業の試みは、多くの点でなぜか自己矛盾を孕んだものになっている。「ファンタジーキッチン」がわかりやすい例だ。さまざまな設備の整ったわが家のキッチンには、一流のシェフが調理する時に必要なものがすべて揃っているくらいである。もちろん、ほとんど使われることは無い。(中略)彼女は数千ドルかけてファンタジーキッチンにしたが、それは「1000回の食事宅配サービスか、最低600回の高級レストランでの食事」に相当する金額だと書いている。
重要なのは、調理家電や調理器具が実用感覚ではないところで揃えられているということである。これも食に関する経験なのだ。調理家電や調理器具は、経験を提供するために揃えられている。キッチンにそえがあるという視覚的経験、それを所有できる身分であるという経験、あまり回数は多くないと思うが、自分を奮い立たせて実際に夕食をつるくという場面でアジア風、イタリアン、そしてわが家の味を混ぜ合わせた料理を「プロはだし」で調理するという経験。食の経験を新しい極みへと導く「即席グルメ」という経験もある。アメリカの一流シェフの手になる食材のセットを宅配便で取り寄せ、自分の家にキッチンでこの高級料理を「調理する」という経験だ。ここでは経験を欲する私たちに経験が売りつけられ、そのためにかなりの金額を支払っていることに気づくこともある。
<引用終了>


かつては物が売れた(ワーキング・クラスの台頭)。そしてサービスが売れるようになってきた(サービス・クラスの台頭)。そしていよいよ経験が最も高い付加価値を生み出すようになった。それも、物とサービスを小道具にして。そんな気がします(豊かな社会=クリエイティブ・クラスが多い社会では)。


そういえば、堺屋太一(作家にして小渕内閣の経済企画庁長官ね)が経験経済の重要性を自身の著作で述べていたなあ。確か、「東大講義録」という本だったと思う。これからは知価社会が台頭してきて、人々は経験を売る時間産業に対価を支払うようになる的なことを言っていたと記憶しています。

これからは時間(経験)産業の時代だな。


とまあ独りよがりの感想をダラダラと述べてきましたが、この本を読んで受けた最大の感想は↓



俺って完璧賃金奴隷のワーキング・クラスだな



っていうことです(軽く自己嫌悪)。

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