閑話休題
(昨年)こんな論文を読んでみました↓
Unusual ipso Substitution of Diaryliodonium Bromides Initiated by a Single-Electron-Transfer Oxidizing Process
Angew. Chem. Int. Ed. 2010, 49, 3334-3337.
立命館大の北先生のグループの報告で、超原子価ヨウ素を用いた芳香族複素環のクロスカップリングのお話です。
著者らは、以前、こんな報告をいていました↓(J. Am. Chem. Soc. 2009, 131, 1668.)
で、この反応ではγ位が置換されるんですが、ipso位で置換を起こすといういうのが今回の報告です↓
ちなみに、この反応はラジカルカチオンが中間体として生成し、進行するそうです↓
コンキチはクロスカップリングは苦手で、全然詳しくないんですが、この反応って室温で進行するのが凄いよねなんて思います。
実は、この論文を読むに至ったのは、昨年秋(2010年10月8日)に長瀬産業と立命館大学からだされたプレスリリースがきっかけでした。で、そのプレスリリースっていうのは
立命館大学薬学部 教授・北泰行研究グループ レアメタルを用いないクロスカップリング反応による導電性ポリマーの開発 -産学連携体制を確立 2011年度実用化予定-
(http://www.nagase.co.jp/assetfiles/news/20101008.pdf)
です。そして、その内容はこんな感じ↓
それにつけても、凄いよねえ。はっきり言って、企業化って相当ハードル高いと思うんだけど(実際高い)、それをクリアしちゃうっていうのが感動的ですよ。「美(アカデミックな素敵さ)」のみならず、「用(実用化)」を具現化した素晴らしい仕事と思います。
こういう仕事って、とっても重要だと思うんだよな、ボクは。やっぱり、サイエンスって実学にも寄与しないといけないと思うから。なんて思う二流大出のなんちゃって研究員なのでした(一応、これでもオレも企業化したり、上市したことあるよ)。
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