艦これ夏イベントももうじき終わりを告げる今日この頃、E-7(丙)を何とかクリアして照月をGETしたオタッキーのコンキチです。
昨年、カミさんが飲み会だっていうんで子供達と行ったbuffetスタイルの店のメモです。
-八菜 柏の葉店 memo-
-RATING- N/A
-REVIEW-
ディナータイムは大人 1,996円、子供(小学生) 1,240円、男性飲み放題 1,404円。
率直な感想は「信じられないぐらいの低レベル」。とりあえず、二度と行かない店リストにランクインしました。
スシは写真と全然違うし、全てサビ抜きで、出来合いのシャリ玉に切り身を載せているだけ(目の前で実演してくれる)。この日は手袋をしたお姉さんが作ってました。スシの種類は、鮪、サーモン、イカ、タコ、つぶ貝、穴子。鮪はスカスカの気が抜けた味。つぶ貝は硬杉。イカは歯触りがポップ。タコは意外と良かった。サーモンは覚えてない(多分、怒りで)。
あと、天麩羅。種類はキス、海老、さつまいも等。キスはぼちぼち旨かったが、ご家庭レベル。用意されているお塩はパラパラと落ちてゆかない。
それから、昆布のダシ茶漬け(冷製)も食べたんだけど、生臭さが鼻につく。
豚汁は普通に美味しかった。
ブロッコリーと舞茸の蒸し野菜はどちらも貧相。ブロッコーリーはしなしなになり過ぎて水っぽく、舞茸は出来立てであっても熱量に乏しくて嫌な匂いが鼻につく。
アルコール類も品貧者。「生」は多分ビールだと思うけど、セルフ・サービス(時分でサーバーのレバーを操作する)で素っ気ない味。他に焼酎、日本酒、ワイン、テキーラ、ウィスキー、リキュール、ジン、ウォッカ等あったが、全てセルフで「管理されている感」が皆無(ビンが空っぽになるまで置きっぱなし)で、手に取る気にならない。フロアの片隅に置いてある酒瓶からセルフで水割り、ロック、サワー等を勝手に作る。グラスは水垢で汚れていてげんなりする。
エントランスや食材のイメージ写真とは裏腹に、なんとも残念な現実に直面する店と思いました。客層も推して知るべしです。
閑話休題
「年収は「住むところ」で決まる 雇用とイノベーションの都市経済学
」のメモの続きです。
で、二番目に心に留めてあったメモしたいことは、こちら↓
"イノベーション産業の企業は世界のごく少数の都市に集中している
いったん集積地(イノベーションハブ)が確立されると、ほかの土地に移動させるのが難しい
イノベーション産業をはぐくめていない都市が将来それをはぐくむことは容易ではない"
です。
都市には栄えている都市と衰退している都市がありますが、その格差は縮小するどころか、ますます拡大しているそうです。栄えている都市には栄えている企業(イノベーション産業)が集まり、衰退している都市には枯れた産業が残る。栄えている都市では人件費や賃料が高く、企業にとってコスト増になることは必死ですが、それでもイノベーティブな企業(イノベーション企業)はコスト高な栄えている都市に集まると言います。
例えば、
イーベイ、アドビ → サンゼノに本社
ファイザー、IBM、etc. → 一見すると非合理な場所に拠点
要は、イノベーションの世界では、人件費や賃料以上に生産性と創造性が重要であり、栄えている(コスト高な)都市の方が、生産性や創造性に資する資源を獲得するのに有利だということです。
では、栄えている高コストな都市がもたらす恩恵とは何かというと、次の三つです(これら三つを経済学者は「集積効果」と呼んでいるらしいです)。
(1) 厚みのある労働市場(高度な技能をもった働き手が大勢いる)
(2) 多くの専門のサービス業者の存在
(3) 知識の伝播(最も重要)
それでは、これら集積効果のそれぞれの要素について、その優位性を考えていきましょう。
(1) 厚みのある労働市場
まず労働市場のボリュームについてです。アメリカの労働市場では、教育レベルごとに分断される傾向が次第に強まっており、同類婚(自分と社会的・経済的属性が似た相手と結婚すること)が多くなっているそうです。特に学歴同類婚が際立って上昇していると言います。で、
同類婚を望む人が増える→規模の大きな結婚市場が必要→ある程度多くの候補者がいる環境でないと望み通りの相手を見つけるのが困難
ということになります。こんな具合に高学歴者が得意とする知識集約的なイノベーション産業が集積する都市には、高学歴者が集積するポジティブ・フィードバックが生じるのでしょう。
さらに、既婚カップルも労働市場の厚みによる恩恵に浴することが出来ると言います。特に、「パワーカップル」と呼ばれる両方が専門職のカップルにとって利点が大きい言います。何故なら、夫婦がともにキャリアを追求するようになると、居住地に問題に直面することになんるからだそうです。すなわち、厚みのある労働市場が、引っ越し、単身赴任などを伴わないキャリア・アップを可能とする転職(っていうか転社)の機会を十分に提供してくれるということなんでしょう。
(2) 多くの専門のサービス業者の存在
アメリカのイノベーションハブは資金調達しやすいことに加えて、スタートアップ企業が活動しやすいエコシステムが充実していると言います。例えば、シリコンバレーやシアトルでは、ハイテク関連の新興企業が活動しやすいエコシステムが整っているそうです。エコシステムの中に含まれるものは、広告、法務、技術コンサルティング、経営コンサルティング、配送、修理、エンジニアリング関連の支援といった専門業者が含まれており、ハイテク企業は副次的な業務(雑務)に煩わされることなく、イノベーションに集中できる環境が整っています。「シリコンバレーのエコシステムはきわめて充実しており、高いコストを負担してもまだお釣りがくる」ほどとも言います。
興味深いことに、シリコンバレーの法律事務所の中には、資金繰りの苦しい企業家から手数料の代わりに、報酬として新会社の株式を受け取る形で業務を引き受けるところもあるそうだ(このようばベンチャー・キャピタル的なビジネスモデルは多数のハイテク企業が集密集する都市でしか成り立たない)。
さらに、イノベーションハブにある専門サービスプロバイダーとその顧客(ハイテク企業)が地理的近傍に存在することに極めて大きなメリットがあると言います。それは、専門サービスプロバイダーは顧客のニーズを把握し、彼らの商品価値を相手に理解させやすいということです。これは、当該商品が成熟したものであればさほど重要でないが、全く新しい商品の場合はビジネスの成否を左右しかねない場合があるといいます。
(3) 知識の伝播(最も重要)
ハイテク企業に代表されるイノベーション企業にもっとも必要なものは優れたアイデアと思います。で、IT技術が高度に発達した現在にあって、遠隔地にいる研究者仲間は、電話や電子メールを使って時間を気にせずに即座に連絡をとることができます。単に情報を伝達(プロジェクトの推進)するだけであれば、電話や電子メール以上に優れたツールはないと思いますが(fece to feceで話すより優れていると思う)、新しいアイデアの創出には殆ど役に立ちません。
それでは、創造的なアイデアが生み出される瞬間がどういう時かというと、たいてい予想もしていないときに思いつくことが常と思います。本書では「給湯室で立ち話をしているとき」が例示されており、議題のない自由な会話から思いがけずミステリアスに生まれてくると述べています。要は、創造的で斬新なアイデアの創出とは、ある程度異なる領域の知識ミックスであったり情報ミックスが融合したときに生まれるのであり、「アイデア生み出すぞ会議」的なものを設定して計画的に創出する類いのものではないんだろうと思います。
集積効果により都市は上記の優位性を獲得できるわけですが、集積効果の規模が大きい都市ほど、地域単位での規模の経済が働き、効率が良くなる訳です。そして、厚みのある労働市場も、多くの専門のサービス業者も、知識の伝播を促進するハイテク企業の集積も一朝一夕で出来る者ではなく、その移動も容易ではないはずです。このことから導きだされる結論は、
イノベーションハブは固定化し、それにより都市の格差は拡大する。都市の貧困も固定化される可能性が高い
ということなんだろうと思います。
いま日本では"地方創世"が流行っているらしいですが、「何それ美味しいの?」っていう気持ちで一杯です。農業はもっと過疎になった方が生産性が上がると思うし(イギリス、フランスと比べて田舎の人口が多過ぎる)、補助金を使った特産品アピールとか、道の駅とかも一過性である可能性が高いと思うし、補助金があるが故に採算性が軽視されがちと思います。観光業は為替の影響を受けるだろうし、人が押し寄せることに起因する地元の住環境の変化、宿泊施設への過剰投資とか一筋縄ではいかないでしょう。地方創世とは、現状の単なる地方の活性化というスローガン的なものではなくて、戦略的産業政策であるべきではないのでしょうか?でも、政官主導の戦略的産業政策なんて非現実的と思います。ちなみに経営学(戦略論)の泰斗M. E. ポーター教授は、日本の失敗産業(農業、金融、化学、チョコレートとか)には政府の政策を色濃く受けたものが多く、成功産業においては、政府の政策が意味をなさなかったと分析しています(see http://researcher-station.blogspot.jp/2008/02/blog-post_16.html)。地方創世はスローガンで終わり、税金が浪費されて終わると予想する二流大出のテクニシャン(研究補助員)のメモでした。
まだ、つづく.....
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