とある化学の超ガテン系

実験嫌いの実験化学者が綴る企業の研究員の日常 (このブログはMac OS Xに最適化されています)




Monday, August 10, 2015

CO等価体がサンプルワークを変える Extra Operation

チバラキ県民なら誰でも知ってる野田の有名イタリアンComestaの支店(三井ガーデンホテル柏の葉)にランチしに行ったときのメモです↓

-日伊合作料理 PPセット (1,300 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
1日限定20食のランチ。PPはPIZZA & PASTAの略。スープ、サラダ、揚げピッツァ、三3種パスタ、ドルチェ、コーヒーのセット。
•コーンスープ (Soup)/ 少しカボチャが入っている感のある食感とtaste。
•サラダ (Green Salad)/ 「工場直送!スマートグリーンサラダ」と銘打たれ、野菜工場製野菜を使用。
•揚げピッツァ (Fried Pizza)/ 外側はパリッとしていて、内側はモチモチというかモッチモチ。内側にはチーズとホクホクのジャガイモが仕込まれており、究極のシナジーを発現している。そのまま食べて勿論旨いが、食べ終えたパスタのソースにつけて食べると追加で3度(3種類)美味しい。
•3種のパスタ (Pasta "Tricolore")/ アマトリチャーナ (Amatriciana)、コメスタのパスタ (Minced meet of sauce MOROMI pasta Comesta style)、ジェノベーゼ (Genovese)の3種。
アマトリチャーナ (Amatriciana)はfreshで酸味が心地よく、コクがあり少し野趣的。
コメスタのパスタ (Minced meet of sauce MOROMI pasta Comesta style)は醤油もろ味で煮込んだ挽肉のミートソースで、トッピングは白髪ネギ。モロミ由来と思われる野趣的な香味がクセになる。オイルがふんだんでミートソースや鮮烈な爽やかさを放つ白髪ネギとの相性抜群。
ジェノベーゼ (Genovese)は塩味控え目でバジルの香味豊潤。単品だと少し物足りないかもしれないが、3種類のパスタのうち他2種類が濃いめの味付けなのでちょうど良いかも。
•ドルチェ盛り合わせ (Dolce mist)/ ストロベリーソースの掛かったアイスクリームとシフォンケーキ。
•コメ•スタコーヒー (Coffee)/ コーヒーか紅茶を選択。今回はコーヒーをセレクト。少し舌に絡みつく粘度とそこそこのコクがあって、けっこう好きかも。おかわり自由で嬉しい。

このセット、正直お得と思います。


閑話休題


こんな文献を読んでみました↓

Palladium-Catalyzed Carbonylation of (Hetero)Aryl, Alkenyl and Allyl Halides by Means of N-Hydroxysuccinimidyl Formate as CO Surrogate
J. Org. Chem., 2015, 80, 6537-6544.


以前、CO等価体として取扱が容易なギ酸アリールを使ったパラジウムが触媒するカルボニル化反応のメモを書きました。
see
CO等価体がサンプルワークを変える (1)
CO等価体がサンプルワークを変える (2)


この眞鍋先生(静岡県立大)の研究成果にインスパイアされ、新たに使い勝手の良いCO等価体を用いた反応開発をしたのが本報です。

で、着目したCO等価体はこちら↓

です。

N-Hydroxysuccinimidyl ester (NHS ester)はカルボン酸の活性エステルとして広く利用されており、非常にマイルドな反応条件下で高い活性を示す一方で、安定で取扱が容易であると言います。

ということで、This workは、N-Hydroxysuccinimidyl FormateをCO等価体として用いたハロゲン化アリールのカルボニル化です。

31 examples, 29-98% isolated yield

最適条件は上記schemeの通り。溶媒効果(THF, DMF, MeCN, CPME, dimethyl carbonate, diethyl carbonate, PhMe, MeTHF)は観測されません。基質がハロゲン化アリールの場合、ヨウ化物だと広い範囲の基質でけっこういい収率をマークしますが、臭化物では反応があまり堅牢でないようです。官能基許容性は高く、フリーのアミノ基本、フェノール性水酸基、ホルミル基があってもオッケーです。基質がヘテロアリールハライドの場合はヨウ化物、臭化物に対して適用できます。

さて、気になるCO等価体おしですが、N-Hydroxysuccinimidyl Formateは
a) 結晶性の高い化合物で、不活性ガス雰囲気下で数週間は保存可能
b) ヒドロキシコハク酸イミドとギ酸から収率99%で合成でき、エバポレーションするだけで高純度で単離できる
c) 塩基による脱カルボニル化はこんな感じ↓
ピリジンでも脱カルボニル化が進行するが、1.0 eq., 60˚Cでca. 80% Conv. (2 hr), >90% Conv. (3 hr)。
solvent effectやconcentration effectがあるかもしれませんが、眞鍋先生らの使ったCO等価体と比較すると、N-Hydroxysuccinimidyl Formateの活性は

Trichlorophenyl Formate > N-Hydroxysuccinimidyl Formate > Phenyl Formate

といったところでしょうか。

最後にacetylcholinesterase inhibitor合成への応用例です↓

N-Hydroxysuccinimidyl Formateとのカップリングで生成するNHSエステルのさらなる変換も容易です。

本報の反応はsealed tube中で反応を行っていますが、眞鍋先生らの方法と同様に普通のglasswareを使ってN-Hydroxysuccinimidyl Formateをslow additionすることでスケールアップできるんじゃないかとボク的には思います。

ハンドリングも良さそうだし、新たなCO等価体が増えて喜ばしいんではないかと思う二流大出のテクニシャン(研究補助員)のメモでした。

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